私が初めて中古のD7000と高倍率ズームレンズを手にした頃は「F値??ISO感度??」といった感じでしたが、あれこれカメラをいじっているうちにちょっとした知識が蓄積されてきました。
未だに思うような写真を撮影することはなかなか難しいです。それでもかなりゆっくりではありますが腕は上達しているのではないかと思っています!多分。
ということで、一眼レフカメラ初心者だった私が風景写真の撮影で注意するようになった幾つかのポイントについて書いていきたと思います:)
まずはこれです!
F値は適切か!?
風景などの撮影では「絞り優先モード」を使うことが多いのではないでしょうか?!私はほぼ100%絞り優先モードで撮影しています。
絞り優先モードではF値を任意で決めることにより、写真のボケ具合をコントロールすることができます。もちろん、F値だけがボケ味を決める訳ではありませんが、重要な一要素である事は間違いないです。
そして、F値を開放(小さく)すればボケが大きくなります。
なので、写真の一部にピントが合い他はフワッとボカしたような写真を撮影したいのならF値を小さくした方が良いです。この写真は風景写真ではありませんが・・・。
ただし、F値開放(もっとも小さいF値)だとピントが甘いと言われたりします。そのために、ピントが合ってるのにその部分のシャープさに若干欠けたり、画面周囲がモヤっとしたりする傾向にあります(この程度はレンズ個々の性能に依存します)。
また、ピントが合う範囲が狭すぎて撮影しずらいという弊害もあります(「被写界深度が浅い」と言います)。
そんな時は開放から一段絞れば良いと言われています。
例えば、開放F1.8であればF2.8へ、開放F2.8であればF4へという具合に絞れば、ピントの部分はよりシャープになるし、ピントが合う範囲も若干広くなるので撮影しやすいです。
一方で、F値を大きくすればボケにくくなり写真全体にピントが合いやすくなります。
F値は大きくすれば(絞れば)それだけ手前から奥までピントの合う範囲は広がります(「被写界深度が深い」と言います)。なので、写真全体にピントを合わせたいのならF値を大きくした方が良いです。
しかしながら、絞り過ぎるのも良くありません。
なぜなら、「回折現象」と言うものが発生しピントが甘くなるからです。なので、必要以上に絞り過ぎるとシャープさに欠ける写真となってしましいます。
また、シャッター速度も遅くなってしまうので手ブレしやすくなってしまうというリスクも高まります。
参考:一眼レフカメラの絞り(F値)・シャッター速度・ISOの三角関係。
私は出来るだけパンフォーカス(画面全体にピントを合わせる)で撮影したいときは大体F11やF16で撮影することが多いです。もちろん、場合によってはF22を使うこともありますが、無駄に絞り過ぎないようにしています。
というように、F値の操作だけでも写真表現は多彩です。また、「F値開放での甘さ」や「回折現象」など注意すべきポイントもあるので、それらを念頭に自分の設定したF値は適切かどうかをよく考える必要があります!
シャッター速度は問題ないか!?
シャッター速度(SS)も撮影には重要なポイントとなります。
なぜなら、SSが遅いと手ブレするリスクが高まるからです。手ブレしてしまうと失敗写真になる可能性が大です。
流石にこんな派手な手ブレは滅多にありませんが、その場では良いと思っていてもパソコンモニターで確認するとブレていた・・・ということはよくあることです。
それを防ぐためには「絞り(F値)を開放する」という方法がありますが、ボケ具合の観点からF値は変えたくない場合も多々あります。
そんな時は、ISO感度を上げます。しかしながら、ISO感度を上げ過ぎるとノイズが発生し画質が落ちるリスクもあるので注意が必要です。一度、自分のISO感度の許容範囲を確認しておくと今後の撮影に役立ちます。
参考:ISO感度の上手な使い方。ISO感度・シャッター速度・ノイズの関係。そのデメリットとは。
しばしば、「1/(焦点距離)秒」が手ブレし難い最低限のSSと言われます。これを目安にすると良いかもしれませんね。
また、三脚とレリーズを使えば手ブレを気にする必要がありません。
ただし、風による草花や木々の揺れなどの被写体ブレは三脚では防げないので、それが気になるようであれば三脚を使用していてもISO感度を上げる必要が出てきます。
あるいは、わざとSSを遅くしてスローシャッターで流れる様子を表現することもできます。
この場合は三脚は必要です。
参考:失敗しない一眼レフカメラの三脚の選び方!4つの三脚選びで押さえるべきポイント。
そして、多くの場合にNDフィルターを使用します。
参考:NDフィルターが欲しい。NDフィルターの選び方とおすすめNDフィルター。
スローシャッターもなかなか面白いです。
というように、撮影シーンに応じてSSに気を配りながら撮影することが肝心になります!
撮影時間帯は最適か!?
写真撮影には適した時間帯というものがあります。
特に、日の出前や日没後のわずかな時間帯に現れる「ブルーアワー」はどんな風景でも綺麗に見えます。
また、朝日や夕日などの太陽が低い位置にある時間帯もシャッターチャンスです。
柔らかい光に周囲が照らされて風景が輝きます。
これらの時間帯は1日の内でも僅かですが、積極的に狙いたい時間帯です。
ちなみに、太陽がギラギラしている日中は風景写真には適さないと言われることがあります。理由は明暗差が有り過ぎるからです。
上の写真のように強い影ができて上手く撮影できないことがあります。しかも、フレアやゴーストが派手に出たりもします。
というように、ありふれた風景でも撮影時間帯を変えるだけで美しい風景にその姿を変えてくれます!
光の向きは適しているか!?
日中は風景写真には適さないと上記しましたが、必ずしもそうとは限りません。
というのも、光の向きとその特性を意識すれば撮影に適した場面を見つけることが出来るからです。
例えば、太陽を背にした順光であれば、空は青く植物の色も濃く撮影することができます。
日中での風景の撮影は順光を狙うと良い結果が出ることがあります。ただし、順光は影ができにくいので立体感に欠けるというデメリットもあります。
一方で、サイド光は影ができやすいので立体感を引き出すことができます。
この場合、ゴツゴツとした山容が強調されます。
他にも建物の撮影などでもサイド光や半逆光が立体感が出て良いとされます。
立体感を出したいのならサイド光です。
そして、逆光は綺麗な写真が撮影出来る恰好のチャンスです。特に、動物や人物の撮影等に適していたりします。
光を良い感じに反射して美しく輝きます。人物であれば髪や肌が輝いて見えます。
花などの植物の撮影でも逆光は良い結果をもたらしてくれます。
逆光で木漏れ日などを背景にボカせば玉ボケを作ることができます(良い作例がなかったのでこの写真だけサンプルを使わしてもらいました)。また、逆光で花びらや葉っぱを透かして透明感を表現することも可能です。
しかしながら、強い逆光で撮影するとゴーストやフレアが現れてしまうことがあります。その場合は難しいですが構図などを工夫してそれを回避する必要が出てきます。
参考:カメラのやっかいなあいつ。フレア・ゴーストの防止方法。
写真は光を切り取るものと言われることがありますが、やはり写真撮影において光は最重要だと思います。撮影する時は常に光の向きとその特性に気を配っていく必要があります!
構図は効果的か!?
構図を決めることは写真撮影の醍醐味の一つです。そして、写真の印象を決める重要な要素でもあります。
一口に構図と言っても様々なものがあります。
もっとも汎用性が高そうなものの一つに「三分割構図」があります。
フレームの縦と横をそれぞれ三分割し、それらの線に沿って水平線や地平線などを配置します。
例えば、空をメインにしたいなら上2/3を空にして、下1/3を地面にしたりします。地面部分を強調したいならその逆です。これだけでバランスがよく見えたりします。
参考:簡単に覚えて劇的に変わる。一眼レフカメラの基本的な7構図。
また、構図を工夫することによって写真に奥行きを表現することもできます。
特に、特徴的なものを画面手前に配置するという方法は簡単で効果的な構図だと思います。これだけで写真に奥行きが生まれます。
参考:一眼フレで風景写真の参考に。「IPHONE写真に奥行き感を与える 5つのコツ」が一眼レフカメラにも参考になる。
あとはローポジションやハイポジションなどカメラの位置を工夫することも肝心です。
参考:僕の下手くそな写真を曝します。カメラ初心者が注意すべき撮影ポイント。下手な写真を見直す。
そして、構図を決める上で最も重要だと思われることは、「この場所でなぜ写真を撮影したいと思ったのか」、「その風景で何が自分の目に止まったのか」をよく考えてそれを生かす構図にすることです。
それによって構図が全然変わってきます!
画角の選択はベストか!?
構図を決めることと少し被りますが、当然のことに画角によって写真の見え方も全然違ってきます。
画角とは写真に写る範囲の事で、通常は焦点距離◯◯㎜というように㎜単位の数値で表示されます。
数値は小さい方が画角が広く広い範囲を撮影できます(広角)。一方で、数値が大きい方が画角が狭く遠くの物を大きく撮影できます(望遠)。
参考:レンズの焦点距離の選び方。あなたに適した焦点距離を見つけよう。ぞれぞれの特徴について。
特に、焦点距離24㎜以下の超広角域では遠近感(パースペクティブ)が強調されます。
遠くの物がより小さく写り遠近感や空間の広がりが感じられます。
風景写真で上手く活用すれば良い写真が撮れます。
逆に、焦点距離を長くして焦点距離200㎜や300㎜の望遠域になれば圧縮効果が働き迫力のある表現ができます。
これも効果的な写真表現です。
参考:望遠レンズの使い方のコツ。望遠レンズの4つの特性を知って良い写真を撮ろう。
他にも焦点距離の違いによりそれぞれの利点が出てきます。なので、ズームリングをぐるぐる回したり、脚を使ったりして色々試してみると良いと思います。
そして、撮影する画角(焦点距離)を決める際にも、「この場所でなぜ写真を撮影したいと思ったのか」、「その風景で何が自分の目に止まったのか」をよく考えてそれを上手く表現出来る画角(焦点距離)を選ぶ必要が出てきます!
まとめ
以上、思うままに列挙していきましたが、上記したことを意識しながら撮影して行けば撮影の腕が磨かれ良い写真が撮れるようになって行くのではないでしょうか!?
これは、参考になります(^^)
ありがとうございます♪
まさたろ~さん
コメントありがとうございます:)
参考にしていただけて嬉しい限りです!
ありがとうございます:)
「被写界深度」ですね。
jinnpeiさん
ご指摘ありがとうございます!
今までずっと「被写体深度」かと思ってました笑お恥ずかしい・・・。
訂正させていただきました:)