ハイテク技術の集合体であるデジタル一眼レフカメラ。
そう言うと非の打ちどころがないように思えるかもしれませんが、ご存知の通り一眼レフカメラにはまだまだ弱点は多いです。
したがって、写真撮影を成功させる為にはカメラの弱点を把握し補完することも非常に大切です。
ということで、カメラの弱点ついてつらつら書いてみたいと思います。
目次
明暗差
カメラの明暗差への弱さは有名ですね。
カメラは人の眼とは違い明暗差に非常に弱いです。ダイナミックレンジが狭い。
なので、明暗差の激しい場面で撮影すると、どんなカメラでも大体こんな感じになってしまいます。
地上が真っ暗。
あるいはこんな感じにも。
今度は空が真っ白。
どうしても眼で見たようには撮れません。皆さんもこんな経験は山ほどあると思います。
この弱点を補完するには主に3つの方法があります。
まずはハーフNDフィルターを使うこと。
【KANI】カメラ用 光量調節用 角形ハーフフィルター SOFT GND0.9 170x150mm
ハーフNDフィルターは半分だけND効果(減光効果)のあるフィルターです。物理的に明暗差を少なくすることができます。
ただし、実際のところ使うのが手間だったり難しかったりもします。フィルター高価だし。
なので、初心者向きとは決して言えませんね。むしろ上級者向きかも。
参考:ハーフNDフィルターの必要性・種類・選び方!どれが1枚目におすすめか!?
次に、HDRがあります。露出を変えて複数枚撮影し合成するという方法です。
これはソフトが必要ですが簡単に始められるので初心者の方にもおすすめです。ただ、気をつけないとクドイ感じになってしまいますが。
参考:ブラケット撮影してHDR合成をする。撮影手法の一つとして役に立ちそう!
最後に、露出ブレンド。先ほどのHDRはソフトが自動的に合成処理をしてくれますが、露出ブレンドはPsなどを使い手動で自分の好きなように画像を組み合わせていきます。
なので、HDRよりも思った通りに仕上げやすいです。自由度が高い。HDRに慣れれば次に挑戦してみると良いかもしれません。
また、逆に明暗差を上手く写真に活かす方法もあります。
明暗差への弱点を使っても面白い
明暗差への弱さは悪みたいな書き方をしましたが、これを上手く写真に活かす方法もあります。
例えばこんな写真。
何やらチューリップにだけライトが当たっているように見えませんか!?
これを撮影した時間帯は日の出の頃。チューチップに光が当たり背景は影になっている場面でした。この際にチューチップに露出を合わせて撮影すれば他の部分は暗く影になります。
つまり、明暗差に弱いカメラだからこそ撮れた光景ということになりますね。肉眼ではこうは見えません。
この方法は意外に色々な場面で使えますよ。
あとは夕日や朝日でシルエットを用いて影絵のような写真を撮るというのも面白いかもしれませんね。これもカメラならでは。
ピンボケ・ブレ
人の眼は見たいものに勝手にピントが合います。また、基本的にブレというものもありません。
一方で、カメラは撮りたいものにピントを合わせるという作業が必要ですし、シャッタースピードが遅かったりするとブレます。眼のようにはいきません。
そして、このピントやブレで怖いのが構図が完璧、撮った瞬間も完璧、光も完璧だったとしても、ピンボケ写真やブレ写真であれば即ボツになる可能性が非常に高いことです。
一発KOとなり得るカメラの恐ろしい弱点。
これを防ぐには現場で確認です。
撮影した写真はその場でモニターで拡大しピンボケしていないかブレがないかチェックする必要があります。
これ本当に大切。これだけで後でがっかりすることもなくなると思います。
それから十分なシャッタースピードが出ない時は三脚を使いましょう。もちろん、レリーズを使い、できればミラーアップ撮影です。また、三脚を使ったらライブビューでしっかりピントを合わせましょう。
これだけで完成度がぐっと上がるはずです。
参考:写真がぶれる!?レリーズとミラーアップ撮影の必要性とは!丁寧に撮影するならミラーアップ撮影!
また、逆にブレを写真で使う方法もあります。
ブレを使っても面白い
写真がブレるということはシャッタースピード遅いからですが、シャッタースピードを遅くできるというのもカメラのなせる技です。
特に、NDフィルターを使って長秒すれば幻想的な写真が撮れます。
NDフィルターは本当におすすめ。楽しいです。
参考:NDフィルターが欲しい。NDフィルターの選び方とおすすめNDフィルター。
あと、ブレを使った高度な技だと流し撮りというものもありますね。
スポーツ写真や白鳥などの動物写真でも使えます。
いつか挑戦してみたい。
ホワイトバランス
写真の色を決めているのがホワイトバランスです。
最近の一眼レフカメラのオートホワイトバランスはかなり優秀なようですが、それでも見たままの色から狂ってしまうことがよくあります。
例えば、北海道では冬に雪景色を撮ることが多くなりますが、私のカメラの場合だとマゼンダに被ることが時々あります。
どんなカメラでもオートホワイトバランスでは、色の忠実な再現は難しいです。カメラの弱点。
これは撮影の段階ではなかなか調整できないので現像で調整します。
ただし、最初の画像に目が慣れてしまうと色被りは非常に気づきにくいです。なので、現像ではホワイトバランスは狂っているものだという前提であれこれいじってみるのもありだと思います。
とは言っても、それも難しい。何が正確な色なのか分からなくなります。
そういう時は、時間を置いて何度か写真を眺めてみるのがコツです(上はマゼンダの色被り除去後)。
それか、PsやLrにはホワイトバランスを整える便利な方法もあります。
その一つがPsでトーンカーブを使う方法です。この方法は「StockphotoS」というブログが参考になります。詳しい方法は以下のリンクを見てくださいませ。
参考:風景写真のRAW現像テクニック(色かぶり除去)
また、逆にホワイトバランスで遊んでも面白いです。
ホワイトバランスを変えても面白い
もちろん、写真は見たままの色だけが正解という訳ではありません。空を赤くしても良いし、青くしても良いし、紫でも構いません。
自分がイメージした雰囲気に変えても面白いです。
常識に捉われずに自由に楽しめると良いですね。
風景写真だと他と差を付けることが難しい時もあるので、この辺でオリジナリティーを出しても良いかもしれません。
ファインダーの落とし穴
人って見たいものしか見えないですよね。例えば、パソコン画面を見ていたら視界の端っこの方とか何があるのか良く分かりません。
そうすると、フィンダーを覗いて撮影している時も被写体ばかりに目が行くので画面の端っこの方は見落とし勝になります。
後でパソコンで見ると端っこの方に余計な枝とか人が写っていたという事も少なくありません。
せっかくの写真も台無しに。
これを防ぐには撮影後にモニターを使い余計なものが写っていないかその場で確認すると良いかと思います。
それか、可能ならライブビューで撮影した方が全体を良く見られる傾向にあるので、ファインダーで撮影するよりも構図的な失敗は少なくなるはずです。
ファインダーは肉眼と似た感覚で見えので便利なんですが、その分そういった弱点もあります。
まとめ
これからカメラが進化すれば弱点も無くなってくるのでしょうね!
D850欲しい、7Rⅲ欲しい、GFXも欲しい!
こんにちは
改めて参考になりました!
自分は空を撮ることが多いのですが、この真っ黒な前景なんとかならないの~?っていつも思ってました(笑
でもそれが味でもあるように思います。
初日の出の写真なんて、オレンジと黒で最悪。
満月星景に使えるか分かりませんが、NDフィルターの興味持ちました。
ふみふみさん
コメントありがとうございます!
確かに地上が暗いのも雰囲気が良い時もありますよね:)
日の出は本当に難しいですよね、私もいつも露出に悩んでいます!
ハーフNDフィルターは満月星景でも使えるかもしれませんね!
花火とかでも使っている人が見るみたいですね:)
今回のブログの話題とは違う内容で申し訳ありませんが
以前よりどうしてもマネの出来ない、ふんわりとした色合いの
写真があります。
その写真は、Ai AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-EDで
撮影されていました。
ソフトフィルターを使っても、同じような写真には
到底なりません。
そういえば、星景写真にもソフトフィルターって
使うんですね。
mickeyさん
コメントありがとうございます!
ふんわりとした色合いですか・・・、それはレンズ特有なものなのかレタッチで何かしているのか・・・。
いずれにせよ、私はふんわり系は不得意です笑
星景にも使うことがありますが、地上景が緩くなるので私はあまり使いません:)
レタッチで空だけソフトフィルター風にする方向を考えています!
思わずあるあるだなぁと言ってしまうような感じですね
この時期会社の周りが雲海っぽくなる時があるんですが朝日とともに取ろうとしても上手くいかず
ハーフNDフィルター欲しいなとつい先日思ったばかりです
正月に美瑛にいくのでそれまでに買いたいですね(でも高い!)
セキさん
コメントありがとうございます!
周りが雲海っぽくなる会社が何だかすごいです笑
美瑛にいらっしゃるのですね:)
フィルター高いですよね・・・絶対に必要な物でもありませんし・・・。
美瑛で良い風景に出会えると良いですね!