一眼レフカメラの三脚の選び方について、最低限押さえるべきポイントについてまとめました。
というのも、私は三脚の購入で何度も失敗をしてきたからです。私のように三脚を買ったはいいけど数回しか使わずに、新しい三脚を買い直したという人も意外に多いと思います。
これから三脚を購入しようとする人に同じ失敗をして欲しくありません。
カメラ初心者における三脚選びの失敗は、使用する想定が甘かったり、三脚にどのような違いがあるのかわからないまま購入してしまったことに原因があると思います。
三脚には素材や脚の太さなどの違いが様々ありますが、三脚の選び方において最低限押さえるべき重要ポイントがあります。私の個人的意見も入ってますが、このポイントについて書いたので、よろしければ参考にして頂ければと思います。
最後にいくつかおすすめ三脚をご紹介します!
目次
耐荷重
もっとも大事なポイントです。耐荷重とは三脚が耐えることができる重さのことです。
耐荷重が1.5kgであれば、カメラとレンズの合計が1.5kgまで三脚に乗せられるということになっています。
ですが、実際のところは違うようです。
耐荷重が1.5kgの三脚に、1.2kgや1.3kgも乗せると不安定になり、なかなか上手く使えなくなってしまいます。数字通りいかないのです。
このことが原因で失敗するとこが多々あります。
私も始めの頃、カメラとレンズの重さが1kgだったので耐荷重1kgの三脚を買ったのですが、不安定で全然使い物になりませんでした。
現実的な耐荷重は、想定されるレンズとカメラの重さに最低でも0.5〜1kgを加えた値が必要だと思います(理想では機材重量の2〜3倍)。
例えば、カメラが750gでレンズが550gであれば(合計1.3kg)、耐荷重は最低でも2kgはないと実用に耐えられないと思います。
また、使用するレンズによっても変わってきます。
特に望遠レンズであれば、さらに耐荷重がないと不安定になります。なぜなら、望遠レンズは遠くのものを写すので、わずかなブレでも画面が大きく揺らぐからです。
このことから、耐荷重は最低でも0.5〜1kgプラスして考える必要があります(理想では機材重量の2〜3倍)。こんなに必要かなと思うくらいで丁度良いです。
雲台
ご存知の方も多いと思いますが、雲台には大きく3WAY雲台と自由雲台があります。
初心者には3WAY雲台が良いと言われるようですが、私は自由雲台の方が便利で汎用性が高いと思っています。
下が3WAY雲台です。
メリットとしては左右、上下、水平方向の3軸を個別に調整できるので、時間をかけてミリ単位で厳密に構図を決めたい時に向いています。例えば、超望遠での撮影や、テーブルフォトなどで微調整が必要な時などです。構図の微調整がし易いです。
一方で、デメリットとしてはバーが邪魔になるので携帯性がないことと、思ったような位置になかなかカメラを固定できないことです。固定軸が3つに分かれているので、操作が複雑です。特に、花などをマクロ撮影したい時や地面が不安定で三脚をまっすぐ立てられない時などに不便です。
次に、下が自由雲台です。
メリットは、まずバーがないので携帯性が高いことと、操作が簡単なうえに可動部がくるくる回るので自由な位置にカメラを一発で固定できることです。花などのマクロ撮影でも簡単にカメラを好きな位置に固定できるし、地面が不安定で三脚をまっすぐ立てられない時でもカメラを上手く固定できます。
デメリットは、3WAY雲台のように左右、上下、水平方向に固定軸が分かれていないので、全方位をいっぺんに固定する必要があり、ミリ単位で厳密な構図を決めにくいということです。なので、超望遠での撮影などでは扱い難いです。
3WAY雲台と自由雲台、それぞれ一長一短があります。
私の個人的な意見ですが、自由雲台が使いやすいし便利だと思います。
例えば、
自由雲台ならこんな微妙な位置にも、一発でカメラを固定できます。
これは極端な例ですが、自由雲台だと花などのマクロ撮影でも三脚を上手く調整できるし、坂や岩場などの不安定な場所でもカメラを意図した向きに固定しやすいです。
しかも、短時間で好みの位置にカメラを固定できるので、使っていて気持ち良いです。三脚の位置を何度も変えるような撮影でも、時間が掛からず楽チンです。フットワークが軽いです。
同じことを3WAY雲台でしようとすると、調整に時間と手間が掛かります。三脚の設置にもたつくと、撮影に時間が掛かるしシャッターチャンスを逃してしまうかもしれません。
もちろん、3WAY雲台が向いている撮影シーンもありますが、自由雲台の方が汎用性が高いと思います。
なので、3WAY雲台を選ぶ理由が特別ないのであれば、自由雲台を選んだ方が後々後悔が少ないと思います。
脚の機能について
これも三脚を決める上で重要なポイントです。
脚の素材
脚の素材はアルミ製とカーボン製の2種類が殆どです。
カーボン製の大きなメリットは軽いことです。三脚を携帯しても負担が少ないですね。あは、風等による振動を吸収しやすいとも言われています。また、高級感もあるので満足感が高いです。
しかし、とても高価です。これが最大のデメリット。
一方で、アルミ製は安いです。手にしやすいですね。
しかし、アルミ製は重いのがデメリットです。重いといってもカーボン製と比較して数百グラム程度ですが、登山等で少しでも荷物を軽くしたい時は困ります。
予算に余裕があるのならカーボン製でも良いかもしれませんが、アルミ製のものでも軽量なモデルがあるので無理をする必要もないのかなと個人的には思います。
脚の高さ
三脚にはそれぞれ調整できる、最低高(一番低い位置)と全高(一番高い位置)に違いがあります。
三脚の使用目的に合わせて購入しないと思うように使えません。
花などをマクロ撮影をしたいなら、最低高が十数cmまで低くできないと使い勝手が良くないです。
一方で、夜景、野鳥や運動会の撮影などではアイレベル(目線)くらいまで全高がないと使いにくいです。
三脚を購入する際には、必ず使用目的に合うよう最低高と全高を確認しましょう。
ちなみに、三脚の使用時にはカメラの高さ(7.8cmくらい)も加わります。
また、EV(エレベーター:センターポールを伸ばすやつ)は三脚が不安定になるので可能な限りEV無しでアイレベルに到達する三脚を選ぶと良いです。三脚を使うときもEVはなるべく使わない方が良いです。
脚の段数
脚を畳む際の段数にも違いがあります。よく見かけるのは3段や4段が多いです。
上が3段で下が4段です。
この段数が多い方が畳んだ時にぎゅっと縮みコンパクトになります。携帯しやすいですね。旅行用三脚なんかは5段と言うものも多いです。
一方で、段数が多いと伸ばした時の脚が細くなります。その分、安定性に影響してきます。もちろん、脚は太い方が安定しますね。
コンパクト性と安定性は裏腹なのでどちらを取るのかよく考える必要があります。個人的には車移動であれば3段、旅行や登山などであれば4段が良いのではと思います。
脚のロック方式
脚のロック方式にも違いがあります。よくあるのがナット式とレバー式です。
左がナット式で右がレバー式です。
ナット式はくるくるナット部分を回して固定します。見た目もスッキリしていて出っ張りがないので携帯しやすいです。
ただし、固定できているのか否か目視できないので、注意しないと三脚を倒しそうになることもしばしばあります。また、ナットをくるくる回さなければならないので操作が少し面倒です。
レバー式はワンタッチで脚を固定します。素早く脚の収縮をできるので楽です。固定できているか否かも目視できます。
ただし、出っ張りがあるのでナット式に比べると携帯性は少し劣ります。これが引っ掛って邪魔な時もありますね。
私がレバー式が楽なので好みです。
脚の開脚
三脚には脚の形状に大きく2パターンあります(細かく見れば太さやロック方式など違いが多々あります)。
まず、脚が固定されている三脚です。
次に、固定されていない三脚です。
安価な三脚だと脚が固定されている形状が多いですが、圧倒的に固定されていないものの方が利便性が高いです。なぜなら、脚を開脚して動かすことが可能だからです。
真ん中のポールを外すと平べったく開脚できます。
低い位置で撮影可能です。
また、個別に開脚することもできます。
なので、
こんな感じで、石や溝などの障害物が合っても、なんとか三脚を設置できます。脚が固定されていては不可能です。
脚の開脚角度にも2段開脚や3段開脚など違いがあるので確認の必要があります。上写真の三脚は3段まで開脚可能です。
収納時サイズと重さ
これも十分考慮する必要があります。
旅行やトレッキングなら1kg前後で軽くて小さく収納できるモデル良いですし、特に携帯性を求めないなら大きい三脚の方が扱いやすい場合もあります(もちろん、大きい三脚の方が安定性があります)。
三脚を使うシーンや移動手段をよく考慮する必要があります。このことを良く考えないと、失敗したなーということになります。
勝手におすすめ三脚
三脚は安さで選ぶと失敗する可能性が高いです。私も安さに釣られて購入し失敗したことがあります。
以下、勝手におすすめ三脚をご紹介したいと思います。
コスパの良いおすすめ三脚
結構軽量コンパクトな三脚です。
Manfrotto コンパクト三脚 Befree アルミ 4段三脚ボール雲台キット MKBFRA4-BH
Manfrotto(マンフロット)の三脚、Befreeです。
マンフロットはイタリアメーカー。見ての通りデザインがスタイリッシュです。さすがイタリアン。重さ1.4kg、収納時40cm、最低34cm〜最高144cmの範囲で使用可能です。そして、耐荷重は4kgもあり、自由雲台で脚は2段開脚可能です。価格も安くかなり良い三脚だと思います。しかも、割とコンパクト。(追記:2016年2月にBefree oneという新ラインアップが加わりました。収納時32cmと従来よりも20%コンパクトに畳めます。しかし、重さはほぼ変わらず、使える低さと高さが狭まります。耐荷重も2.5kgに。でも、コンパクトな一眼レフカメラには良いかもしれませんね。価格も安いです。)
<Velbon 三脚 ウルトラロック ULTREK UT-63 6段 中型 自由雲台付 コマ止め方式 トルク調整対応 クイックシュー対応 324122
国内メーカーの雄、Velbon(ベルボン)の三脚です。これもおすすめ。
この三脚は2016年7月にリニューアルされました。重さ1.62kgで上のマンフロットの三脚よりも重いですが、収納時28.2cmで非常にコンパクトになります。最低33.2cm〜最高155cmの範囲で使用可能です。脚もある程度太さがありその分安定性が増します。そして、耐荷重は3kg、自由雲台で脚は3段開脚可能です。収納性と安定性は良い感じです。
旧製品との大きな違いはフリクションコントロールがあるかないかです。まだ、旧製品の方が結構安いですね。旧製品:Velbon 三脚 ウルトラロック ULTREK UT-63Q 6段 中型 自由雲台付 コマ止め方式 クイックシュー対応 324689
追記:旧製品の方ですがベルボン社よりお借りしました。コンパクト三脚、ベルボンUT-63Qを試供して頂いた!まずは第一印象!
K&F Conceptというメーカーの三脚です。最近台頭してきてる印象。
重さ1.85kg、収納時46cm、最低41cm〜最高158cmの範囲で使用可能です。そして、耐荷重は8kgもあり、脚は3段階で開脚可能です。雲台は自由雲台でアルカスイス互換なのもポイントが高いです。他と比べてやや重いですがコスパは非常に高いです。
おすすめ軽量コンパクトな三脚
特に軽量で携帯性に優れた三脚です。
SLIK 三脚 スプリント MINI II GM N 4段 旅行用三脚 106556
重さ780g、収納時35cm、最低15cm~最高109cmの範囲で使用可能です。耐荷重は2kgで必要最小限です。そして、自由雲台で脚は3段開脚可能です。耐荷重が2kgあるのに軽量コンパクトで良いです。そして、最低15cmでかなり低くすることができます。私はこれを登山で愛用中です。
参考:旅行や登山で良いおすすめ三脚。「SLIK(スリック) 三脚 スプリント MINI II」が良いのでレビュー。
SLIK 三脚 スプリント PRO II GM N 4段 旅行用三脚 106532
重さ940g、収納時47cm、最低17cm~最高161.5cmの範囲で使用可能です。耐荷重は2kg。自由雲台で脚は3段開脚可能です。重さ1kgを切ってアイレベルで使用可能なところがいいです。しかも、17cmまで低くもできます。
追記:他にもこちらを参考に。登山や旅行におすすめコンパクト三脚は?SIRUIやVANGUARDの軽量トラベル三脚が良いかも!
まとめ
いろいろ長くなりましたが、上記したポイントに注意して三脚を選べば、大きな失敗なく三脚を購入できるかと思います。
よろしければ参考にして頂けると嬉しいです。
どうも有り難うございました。三脚のお話大変勉強になりました、コンデジから
何も判らずにデジタル一眼レフに入門したばかりで、右も左も判らずに困っています、中古の三脚が多く売りに出ているのもやはり良いものに買い替える方が多く
いるからなんですね。たかが三脚・されど三脚ですね一眼レフカメラは
難しいですね、それだけに味が有りますね。アア・難しい世界だ、でも面白い
西村さん
コメントありがとうございます:)
参考にして頂けてありがたい限りです!
三脚は三本買うと言われていますからね笑
機材で悩むのもカメラの魅力だったりしますね。ひぜ楽しいカメラライフをお過ごしくださいませ:)
雲台はギア式雲台にとどめを刺す。
マンフロットの410
ベンロのGD3WH
等がお勧め。
GITZOの三脚 2型レベリング 3型×4 4型 5型 と撮影対象によって使い分けているが、GITZO買って失敗だったということは一度もないのでGITZOをお勧めしておくよ。
GITZO以外の三脚を買うといろいろ迷いが出るようなので。
ちなみに三脚の耐荷重は脚を伸ばさない状態、(一番太い足)でのデータなので、伸ばして使うと細い脚の時と同じになるので注意。