NDフィルターを使用したスローシャターは風景写真などにおいて非常に人気のある撮影方法です。
肉眼では見られない幻想的な雰囲気を表現できますし、スマホやコンデジでは撮影できなので一眼レフやミラーレスの強味を存分に発揮できます。
私もスローシャッター大好きです。初めて水の流れを撮影できた時の感動は今でも覚えています。
なので、NDフィルターはおすすめです。ただ、使い方がイマイチ分からないという方も少なくないと思います。
ということで、今回は私なりのNDフィルターの使い方を詳しく解説したいと思います。
目次
どのNDフィルターを買えば良いのか
NDフィルターがどういうものかという説明は省きます。この記事を読まれている方はNDフィルターについてある程度はご存知かと思うので。
ただ、どれくらいの濃さのNDフィルターを買ったら良いのか迷っている方は多いのではないでしょうか!?
私はざっくりと滝や渓流の流れを白糸のように撮影したい時はND16で良いと思います。
Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 277447
これで数秒はシャッター速度を稼ぐことができるので十分水の流れを表現できます。
また、数十秒から数分間シャッター速度を遅くして水面をスムーズにしたり雲を流したりしたい時はND400がおすすめです。
Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 77mm 光量調節用 177235
ND1000というのもありますが、まずはND400が良いかなと思います。
また、とりあえずNDフィルターを試してみたいという方ならND16がおすすめです。比較的扱いが簡単なので。ただ、結局ND16もND400も買うことになると思いますが。
詳しくNDフィルターについて知りたい方は以下の記事をご参考ください。
参考:NDフィルターが欲しい。NDフィルターの選び方とおすすめNDフィルター。
また、径の違う複数のレンズでNDフィルターを使い回したい場合、持っているレンズの一番大きい径にあわせてフィルターを購入しステップアップリングを使うという方法があります。
XCSOURCE ステップアップリング レンズアダプター 49-77mm 7個組 ブラック
Kenko フィルター径変換アダプター ステップアップリングN 72-77mm 日本製 887820
この場合NDフィルターは径82㎜や77㎜のサイズで買い揃えれば良いかなと思います。よろしければ以下の記事も参考にしてください。
参考:77㎜のNDフィルターを径67㎜のレンズで使いたい!ステップアップリングを買った!
NDフィルターの使い方を詳しく解説
必要な機材
カメラとレンズ以外に必要な機材は三脚とレリーズです。
三脚 一眼レフ K&F Concept 三脚 軽量 コンパクト 自由雲台 4段 アルミ製
三脚は絶対に必要です。
参考:カメラ初心者におすすめの三脚とは!?K&F Conceptのコパクト三脚みたいなものが良いかもしれない!
次にレリーズ。三脚でカメラを固定しても手押しするとブレます。また、多くのカメラはシャッター速度が30秒より遅くではバブル撮影となり時間の設定できません。なので、タイマーレリーズがあると大変便利です。
【プロ専用/液晶LCD/タイマー機能付/撮影回数設定無制限】【PDF日本語説明書あり】Nikon ニコン MC-DC2 対応 シャッター リモコン コード レリーズ 【ロワジャパン】
ロワジャパンのタイマーレリーズはコスパ良い。
以下、具体的な撮影手順を見てみます。
構図を決めて三脚にカメラをセット
まず、構図を決めて三脚にカメラをセットします。
ピントも合わせておきましょう。ピントを合わせたらそれが動かないようにしておきます(AF使用ならMFに切替える)。そして、手ぶれ補正もOFFです。
NDフィルターを付けるとファインダーやライブビューが真っ暗になり構図を確認できなくなったり、AFが使えなくなったりすることがあります。なので、NDフィルターを付ける前にこれらをしっかり決めておきます。
ただし、ND16くらいのそれ程濃くないフィルターであれば、あるいはND400などの濃いフィルターでも明るい場所であれば、ライブビューで構図を確認できたりAFが効くことがあります。この辺は状況により様々です。
カメラの設定を決める
次にカメラの設定を決めます。撮影モードはまず「絞り優先モード」にしておきます。
F値は殆どの場合で絞って撮影することになると思います。私はF11からF16で撮影することが多いです。ISO感度はとりあえずISO100(基準感度)にしておきましょう。これでカメラを設定します。
上の画像では絞り優先モードにてF16、ISO100に設定しています。これでシャッター速度を確認します。
今回はSS1/20秒でした。これを元にNDフィルター使用時のシャッター速度を計算していきます。この計算方法をざっくり説明すると「シャッター速度(NDフィルターの付けていない時の)×フィルター番号(ND◯←数字の部分)」となります。
具体的にみてみると、上画像の時にND16を使用すると「1/20×16」でSS0.8秒(約1/1.3秒)となります。ND400を使用すると「1/20×400」でSS20秒となります。
もう少し例を見てみると、仮にNDフィルターを付けていない時のシャッター速度が1秒なら、ND16を使用すると「1×16」でSS16秒となります。ND400を使用すると「1×400」でSS400秒です。
多少計算が面倒に思いますが電卓を使えば簡単確実。あとは計算してくれるスマホアプリもあるようなので使ってみるのも良いかもしれません(ちなみに、「絞り優先モード」などでNDフィルターを付けるとカメラが自動で露出を計算してくれますが狂っていることが多いです。また、濃いNDフィルターだと計算できないこともあります。なので、自分で計算した方が確実)。
これでシャッター速度が計算できました。
もし、シャッター速度をもっと長くしたいのなら絞りをさらに絞るか、可能ならISO感度を低くします。逆に短くしたいのなら絞りを開くか、ISO感度を高くします(絞りを変えると被写界深度が変わるのでISO感度で調整した方が無難です)。この辺は「段」の知識があれば楽です。
参考:絞り(F値)・シャッター速度・ISO感度の一つ上の知識。「段」という考え方。
これでF値、ISO感度、NDフィルター使用時のシャッター速度が決まりました。今度はカメラを「絞り優先モード」から「マニュアルモード」に変えて先ほどの数値を設定します。
今回の例ではF16、ISO100、SS20秒にします(ND400使用時)。ちなみに、シャッター速度はカメラ側で20秒にしても良いですし、カメラ側はバブルにしてタイマーレリーズで20秒に設定しても良いです。ただし、SS30秒以上の時はカメラ側で設定できないので常にレリーズで設定することになります。
あと、ホワイトバランスは「オート」でも良いですが変になることが多いので、「太陽光」などで固定しておくのが無難だと思います。RAWで撮影する方は何でも良いのですが。
NDフィルターを付けてシャッターを切り確認する
これでいよいよNDフィルターを装着してシャッターを切ります。
ちなみに、NDフィルターを付ける際には保護フィルターなどは外します。また、日中の明るい時間帯などではファインダーから光が入り込むことがあるのでマスキングテープなどで塞いだ方が良いです。
カモ井加工紙 マスキングテープ 25MM幅×50M巻 MTFOTO01 Mt foto ブラック
撮影できればヒストグラムで露出の確認をしましょう。
参考:カメラのモニターが見にくい!屋外で写真の明るさを確認する方法!ヒストグラムの知識!
もし、画像が明る過ぎれば絞りを絞るか、シャッター速度を短くするか、ISO感度を下げるかして対応。暗過ぎれば絞りを開くか、シャッター速度を長くするか、ISO感度を上げるかして対応します(絞りを変えると被写界深度が変わるのでF値は変えない方が無難です)。
撮影後は好きにレタッチして完成となります。これで幻想的な写真が撮影できるはずなので是非試してみてください。
Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 277447
Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 77mm 光量調節用 177235
まとめ
最初は難しく思うかもしれませんが慣れれば簡単です!
ハマればNDフィルターの枚数がどんどん増えていきますよ!