テクニック全般 撮影テクニック

初心者から上級者まで使える撮影のワークフロー。7つのステップで写真を完成させる。

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写真撮影は初心者でも上級者でもやる事はおおよそ同じだと思います。ただ、その練度が違うだけ。

という事で、今回は撮影の一連の流れとして、撮影のワークフローについて考えてみました。

普段何と無くやっていることでも、ワークフローとして可視化させると、意識して取り組みやすくなり、写真の上達が早くなりそうです。

初心者から上級者まで使える撮影の7ステップのワークフロー

ステップ 1:「何をどう撮るか」を考える

最初のステップとして、撮影のイメージを膨らませます

これは写真集やSNSで見た誰かの写真、あるいは映画やドラマのワンシーンなどによって影響を受けることが多いでしょう。

「あの人はこう撮っていたけど、自分ならこう撮るだろうな・・・」、「あの心に刺さった映画のワンシーン、どこかであんな風に撮れないだろうか・・・」みたいなことを考えます。

このような感じで、様々な媒体から得られた情報により、どんな写真を撮りたいのか事前にイメージを膨らませます。これがワークフローの最初のステップです。

ステップ 2:事前にリサーチ

ステップ 1でイメージができれば、具体的に撮影プランを練って行きます。撮影スポットはどこにするか、機材は何を持って行くか・・・。

撮影スポットには事前にロケハンができればベストですが、なかなか仕事の都合などもあるので難しいでしょう。

そういった場合は、ネットで情報を仕入れます。Googleマップで周囲の状況を確認したり、ライブカメラでも様々な情報を調べられますね。また、便利なアプリもあるので、これらを駆使すればロケハンと同じくらいの成果を得られます。
参考:写真撮影で使っている便利な10のアプリやサイト!

ステップ 3:光線の状態を考える

撮影現場についたら必ず光線の状態を考えましょう。ステップ 2の段階でも天候や太陽の方向などについて調べるでしょうが、事前に調べるだけではなかなか狙った通りに行かない場合も多いですね。

風景写真の印象は光線の状態によって大きく左右されるので、光の方向や強さを考えるのは必須と言えます。

順光だとフラットな印象ですが色味は鮮やかになる、斜光は陰影のついた立体的な描写が期待できる、逆光だとドラマチックな表現が可能になります。
参考:順光・逆光・サイド光での特徴と撮り方!光の向きの特徴を知って撮影に役立てよう。
参考:風景写真は横からの光が綺麗で最近好みという話。

また、天気によっても光のイメージは異なります。曇りなら柔らかいコントラストでしっとりとした表現、霧だとぼやけたような幻想的な雰囲気です。もちろん、時間帯によっても光線の状況は変わります。

これらの知識をヒントに、光線の状態をしっかり把握し、構図作りなどに活かして行きます。

ステップ 4:動き回って被写体へアプローチ

撮影現場では動き回って被写体をベストに撮れるポイントを探します。

また、移動するだけでなく、カメラのポジション(高さ低さ)、アングル(上向き下向き)を変えて被写体にアプローチすると良いです。これだけで同じ場所でも違って見えるはず。例えば、ローアングルは上へ抜けるような開放感があり、ローポジションは奥行きを感じられます。
参考:カメラのアングルとポジションの違い。アングルとポジションを組み合わせて表現の違いを写真に活かそう。

 

そして、何をポイントとして被写体へアプローチするかですが、以下のようなことをポイントにすると良いでしょう。

まず、鑑賞者の視線の流れを意識すると良いです。これには風景の中にある流れ(リーディングライン)を写真に活用することで、鑑賞者の視線を誘導します。

道路、川、雲の流れ、草の生え方、影の出来方、稜線・・・様々なものがリードラインになり得ます。

それから、奥行き感が出るよう意識すると良いです。写真は2次元なので、どうしても現実の風景に比べ、物足らない印象になることが多い。それを防ぐために、写真が3次元になるよう意識します。写真に奥行き感が生まれるテクニックは、下の記事を参考にしてみてくだい。
参考:写真に立体感や奥行きを表現させる簡単な方法。ささっと取り入れられる6つの方法。

 

あとは、レンズの特性をしっかり把握しているのと、していないのとでは被写体へのアプローチ結果も違ってくるのもです。広角や望遠の特性を意識して、様々な角度から被写体へアプローチしましょう。
参考:広角レンズの使い方のコツ。これを知れば広角レンズを使いこなせるようになる!
参考:望遠レンズの使い方のコツ。望遠レンズは大きく写すだけじゃない。

ステップ 5:構図を追い込む

ステップ 4で構図が出来上がってきたら、今度はさらに構図を追い込みます。

まず、画面周囲に余計なものが写っていないのか確認です。風景を目の前にしていると、人は見たいものしか見えていません。一方で、写真では満遍なく全体を見ます。この違いにより、現場では気が付かなかったけれど、あとで写真を見てみると余計なものが写っていた、ということが良く起こります。

なので、ファインダーだけではなく、モニターでも全体をしっかりと確認しましょう。

あとは、水平垂直のチェック不用意に目立つものがないか(白い曇り空などはカットするなど)、閑散なイメージになっていないか(無意味なデッドスペースのカット)、なども確認します。

そして、ステップ 4で考えた構図が効果的が再確認です。リーディングラインはしっかり活きているか、奥行き感は感じられるか検討します。必要であればさらにアングルやポジションを変えて撮影し、変更前後で比較してみると良いでしょう。

このようにしてベストな構図を探ります。何れにせよ、撮り急ぐと構図のツメが甘くなることが多いので、慌てず一呼吸置いて客観的に構図を追い込みましょう。三脚を使った方が、構図は追い込みやすいかもしれませんね。

ステップ 6:カメラの設定を考える

ステップ 5と同時進行的に行いますが、カメラの設定を考えます。

ボカしたいのか、パンフォーカスにしたいのかで、F値を決めます。絞る場合は回折現象などの影響を考慮し、必要なら被写界深度合成も検討すると良いです。
参考:できるだけ写真をシャープに写すためのポイント。解像度を落とさないための注意点。

シャッター速度は手ブレや被写体ブレしない範囲か確認します。必要ならば三脚の使用です。

あとは、白飛び黒つぶれチェックですね。ヒストグラムを確認する習慣を付けましょう。これも必要ならばハーフNDフィルターを使用したり、HDR合成、露出ブレンドの使用を検討します。
参考:明暗差の激しい風景での撮影方法。
参考:白飛び・黒つぶれとは?その対策は?
参考:ヒストグラムの見方と利用方法。

ステップ 7:レタッチでイメージに近づける

最後のステップはレタッチです。撮影の段階で仕上がっているのがベストかもしれませんが、なかなかそうは行きません。

また、風景を目の前にするのと比べ、四辺を囲まれた写真では、印象がどうしても劣ってしまう場合があります。なので、ある程度はコントラストや色味を誇張する必要があるという考えもあるでしょう。

ただし、ステップ 1でのイメージに近づくよう補助する方向でレタッチします。

レタッチは割と人によって知識や技術差が出やすいかと思います。ただし、調べて学べば誰でも学べるものなので、頑張って習得したいですね。

 

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まとめ

以上が、撮影の7ステップのワークフローになります!

撮影は順を追って考えていけば、良い成果が生まれ易いかと思います!


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