写真は平べったい2次元ですが、そこに如何に3次元の広がりを持たせるかが課題です。
それが簡単なようで難しい。適当に撮ると、奥行きも何もない普通の写真になってしまいます。
ということで、ささっと取り入れられて効果的な写真に立体感や奥行きを表現できる方法についてまとめてみたいと思います。
目次
写真に立体感や奥行きを表現させる簡単な方法
リーディングライン
このブログでも何度も登場してくるリーディングライン。
リーディングラインとは視線を誘導する線です。人の視線は無意識的にリーディングラインを沿って動きます。
それで何がリーディングラインになるかと言うと、線っぽければ何でもなります。道路、川、海岸線、山の稜線は分かりやすいリーディングラインです。
これは麦をリーディングラインとしています。
また、一見では無形にみえる風景でも、よく観察すれば何かしらのラインが見えてくることがあります。影の出来方、草の生え方、岩の配置、雲の流れ方などなど。これもリーディングラインとして活用可能。
そして、リーディングラインは左右に走らせるのではなく、手前から奥に流れる方向に配置しましょう。
そうすれば視線が手前から奥に動き、それが立体感や奥行きを演出してくれます。
光の当たり方
これもよく言われますが、同じ風景でも光の当たり方で、立体感が全く異なります。
これは逆光やサイド光では立体感が生まれやすく、順光あるいは光無しでは立体感は生まれにくいです。
同じ場所を光無しと、サイド光で撮り比べるとこのような感じです。
どちらが良いか悪いかは好みでしょうが、後者のサイド光が当たった方がより立体的ではありますね。
風景にはそれぞれ適した光があるかと思いますが、立体感や奥行きを演出したいのなら、逆光かサイド光が良いと覚えておくとよいでしょう。
手前に何かを配置する
何か特徴的なものを手前に配置すると、まず視線はそこに集まります。そして、奥へ移っていく。
これにより立体感や奥行きを演出できるわけです。
天の川とリフレクションだけだとやや平面的ですが、手前に切り株を配置することで、視線が前後に動きやすくなり奥行きが生まれます。
撮影には超広角から広角が適しています。また、手前に配置したものには、ぐっと近づくと良いでしょう。
前ボケ
前ボケを使うのも立体感や奥行きを演出するのに効果的です。
上記した「手前に何かを配置する」では、広角で撮影する必要があります。あるいは、何か特徴的なものが見つからないこともあるでしょう。
これに対し、前ボケであれば中望遠や望遠域でも取り入れやすいですし、あるいは基本的にボケれば何でも良いので、要素を見つけやすい利点もあります。
1枚目と2枚目では光の当たり方が違うという点もありますが(上記したようにサイド光の方が立体感がある)、2枚目のようにちょっと前ボケがある方が、より奥行きを感じられます。
前ボケがあることで、手前側と奥側をより意識できるようになるから、このようになるのかと。なので、前ボケを取り入れる際には、「レイヤー(層)」を意識すると良いです。
前ボケ(手前)、被写体(中間)、背景ボケ(奥側)のように3レイヤーを意識すると、より撮影しやすいかと思います。被写体をボケで挟む感じですね。
ちなみに、ボケが綺麗なレンズが欲しくなりますよ。
SIGMA 大口径中望遠レンズ Art 85mm F1.4 DG HSM ニコン用 フルサイズ対応
額縁構図
額縁構図は写真の四方を囲むような構図です。
このような感じですね。額縁構図も手前側と奥側を意識しやすくなるので、立体感や奥行きを表現するのに適しています。
ちなみに、額縁と言いつつ、四辺全てを囲む必要はありません。
このように上側と下側でちょろっと囲むだけでも、額縁構図として機能します。
あるいは、1辺だけでも構いません。
左側の木があるだけで、手前と奥側が明確になり、立体感や奥行きを演出できます。
オブジェクトを重ねる
「オブジェクトを重ねる」という、ちょっと難しそうな言い方をしましたが、要するに同じようなものを重ねると言うことです。
なかなかちょうど良い作例がないのですが、例えば木に木を重ねると、たくさんの層を感じられます。これが立体感や奥行きを生むわけです。
ちょっと無理やりかもしれませんがこれも。
これは岩に岩が重なることで、やはり層を感じられ、奥行きを演出する大きな要素となっています。
これが「オブジェクトを重ねる」と言うことです。いつも使えるわけではないでしょうが、そういったシーンに出くわした時は有効的ですね。
まとめ
どれも無意識に感覚的に行なっているかもしれませんが、しっかり意識すればより完成度が高まるでしょうし、撮影も楽しくなります!
これ以外にも、まだまだ方法はあるでしょうから、さらに学んで行きたいと思います!