写真撮影において重要な機材である三脚。扱い慣れた方であれば正しい三脚の使い方はもうマスターしてるかと思います。
ただ先日、カメラを買われて間もない方に夜景の撮影方法をレクチャーする機会があったのですが、その方は三脚に初めて触れたと仰っていました。
ということで、三脚の使い方について書いてみたいと思います:)
目次
一眼レフカメラの三脚の使い方
三脚は使うのが面倒だし、構図に制限が出ることもあるので、個人的には極力使いたくありません。
ただ、ブレを抑えるためなど止む終えない時もありますね。
構図を吟味
まず、撮影スポットに着いてすぐに三脚を立てるのではなく、カメラを色々動かして構図を探ります。
やはり、いきなり三脚を立ててしまうと構図の可能性が狭まってしまいますね。
なので、構図を決めてから三脚を立てるようにすると良いと思います。
場所に注意
構図が決まれば三脚を立てるのですが、地面に草が深く生い茂っていたり、あるいは雪が深かったりなど脚元が不安定な場所だと、ちょっとした風などでもブレる可能性が高くなります。
なので、可能であれば脚元はしっかり安定した場所が良いです。構図的に不安定な場所が避けられない場合は、ぐぐっと脚を突き刺して安定させると良いです。
あと、そもそも三脚が禁止されている場所、人の迷惑になる場所などは、当然三脚を使ってはいけませんね。山とかでも脚元に高山植物が生えている場所は避けてあげたいです:)
脚1本を手前に
三脚の向きは脚1本を手前にするのが基本と言われています。
こんな感じですね。
理由としては、もしこれが逆だと身体の正面に三脚の脚が来るので邪魔になりやすいからだとか。確かに使っていてそう思います。
ちなみに、三脚を良く見ると1本だけロゴが書かれた脚があるはずです。
この脚を手前にします。
そうした方がセンターポールのネジだとかが操作しやすい位置に来るそうです。
脚は太い方から伸ばす
三脚の脚を伸ばす際は、上側の太いパイプから伸ばすのが基本です。
脚のパイプは太い方が安定するので、出来るなら下側の細いパイプは使わない方が良いです。
左側は一番下(三段目)のパイプを伸ばしています。こうではなく、右側のように上(二段目)の脚を伸ばした方が安定します。
特に、脚が4段や5段などのコンパクトな三脚だと、下側の脚はかなり細く頼りないので、出来るのなら使わない方が良いですね。
脚はしっかり開く
三脚は開くと途中で止まるようになっています。止まるまでしっかり開脚して使いましょう。
左側のように開き方が中途半端だとかなり不安定です。これだとちょっとした風や振動で倒れてしまうので、右側のようにしっかり開いて使用します。
また、多くの脚は開脚させる角度も調整できるようになっています。
特に、風の強い時なんかは脚を大きく開いて三脚の重心を低くするとより安定します。
三脚を水平に
三脚を水平にするのは事故を防ぐ上でもとても大切です。
地面が平らでない場合、左側のように雲台でカメラを水平にしてしまうことがあります。これは三脚が不安定になってしまうので大変危険です。こうではなく右側のように脚の長さを変えてカメラを水平にするのが良いです。これならしっかり安定します。
よく左側のようにしてしまうんですよね。海沿いの岩場とかで。本当にちょっとした風や手が少しぶつかっただけで倒れてしまいます。それで数万円の修理費がかかったという方も少なくないはずです。
なので、厳密でなくても良いので、ある程度は三脚で水平に調整しましょう。最初は三脚を水平にするのが大変かもしれませんが慣れれば簡単にできます。
ちなみに、パノラマ撮影をしたい人などは精度の高い水平出しが必要になるので、その場合はレベラーという機材があるとより良いと思います。
センターポールは極力使わない
センターポール(エレベーター)を伸ばすと三脚が不安定になります。写真がブレる原因にもなります。
なので、普段はセンターポールは使わない方が良いです。これは高さが足りない時の最終手段です。
脚を伸ばして高さを出せる時はセンターポールはしまっておきましょう。
ただ、ちょっとした高さの微調整くらいならセンターポールでも大丈夫だと思います。
脚はちゃんと固定されているか
脚の固定がレバー式(下写真の右)だと大抵大丈夫ですが、ナット式(下写真の左)だと見かけでは固定されているかどうか判断できません。
しっかり固定されていない状態でカメラを取り付けると倒れてしまいます。
なので、上から軽く負荷をかけて脚がしっかり固定されているか確認してみると良いと思います。
カメラ取り付け
種類にもよりますが、多くの場合はクイックシューと呼ばれる器具をカメラに付けます。
カメラ底のネジ穴に装着。これでもってカメラを三脚に固定します。
この際たまに、ちゃんとはまっていないことがあるのでこの点も注意です。
はまっていないとカメラが落下します・・・。
撮影時の注意点について
その他、撮影時の注意点です。
レンズの手ぶれ補正はOFF
手ぶれ補正をONにしたままだと、手ぶれ補正が誤作動してブレることがあるので、手ぶれ補正はOFFにしておきます。特に、スローシャッターの時は気を付けましょう。
余談ですが、カメラを三脚に固定した際は、手ぶれ補正をOFFにした方が画質的にもよくなると言われているようです。手ぶれ補正は光学系の一部を偏芯させるので、若干ですが画質低下を引き起こします。
撮影中はカメラ・三脚に触れない
カメラを三脚に固定しても手でシャッターボタンを押すとブレます(高速シャッターなら問題ないでしょうが、三脚を使う時は低速シャッターが多いですよね)。
なので、カメラのタイマー機能を使うかレリーズを使用して、カメラに触れないでシャッターを切ります。
やはりタイマー機能よりレリーズが便利です。
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それから撮影中に三脚を掴むのもブレの原因になります。
手で押さえたくなるかもしれませんが、ブレるので撮影中は三脚に触れないでおきましょう。
カメラをしっかり持って雲台を緩める
三脚を使い慣れない時に、たまにやってしまうのがカメラを持たずに雲台(クルクル動く部分)を緩めてしまうことです。
これをすると勢いよくカメラがお辞儀をして破損することがあります。あと指を挟めたりして痛いです。
私はこれでレンズキャップを壊したことがあります。
なので、カメラをしっかり持って雲台を緩めるように注意です。
風などが強い時
あとは、強風で三脚が揺れそうな時は重石をするという方法もあります。
センターポールの下に重石を吊るすフックが付いているものもありますし、なくても便利なグッズがあります。
これで重石をすれば強風でもブレ難くなります。
まとめ
三脚の使い方について文字にしてみると色々細かくて面倒そうですが、少し使って慣れてくれば何も問題ありません!
三脚は撮影の強い味方です。カメラ、レンズの次に重要機材ではないでしょうか!?
とても参考になりました。
ちょっと気になったのですが、「手前」をカメラの正面側の意味で使ってますか?「手前」というと自分に近い側という意味なので、逆になります。画像と文章がそれぞれ逆を示しているので、少し混乱しました…
syさん
コメントありがとうございます!
よくよく考えるとそうですね・・・。
ご指摘ありがとうございます:)
勤めていた写真館では、三脚は下の方から伸ばすと教育されました。
太い方から伸ばすと、後でもう少し、調整する時に地面に近い方の締め付けネジを緩めるためしゃがみこむ必要がある。そして実際にそこを伸ばすと三脚自体が大きく傾き、雲台に乗せたカメラが危険にさらされる。実際にWISTなどの重い中判カメラを乗せて長さを調整すると雲台から目を離す怖さを実感します。
写大での4×5の授業でもそのように教えられました
浦本直人さん
なるほど、そいったこともあるのですね・・・。
参考になりました。ありがとうございます!
ネット上でこういう使い方をしているのを見てビックリ、基本的に三脚はボディ1台でしか使いません。
https://minkara.carview.co.jp/userid/328003/nanisiteru/68526031/detail.aspx
Tasukuさん
たまにこのパターンを見かけますね・・・。
脚と雲台がしっかりしていれば何とかなるかもしれませんが、ちょっと怖いですね。