基礎知識 撮影テクニック

明暗差の激しい風景での撮影方法!逆光でも暗くならずに綺麗に撮影する4つの基本方法。

投稿日:2019年1月16日 更新日:

風景写真では朝日夕日の写真を撮ることが多いですが、そこで問題となるのが激しい明暗差です。

地上が暗くなって何が写っているのか分からなくなってしまったり、あるいは空が明るくなり過ぎて真っ白になってしまったり・・・。

特に初心者の頃は上手く撮影できずに悩みのタネとなることが多いです。私は4,5年風景を撮っていますが今だに難しく感じます。

ということで、明暗差の激しい風景での撮影方法について書いてみたいと思います。カメラ歴の長い方には目新しい情報はないかもしれませんが。

明るい部分に露出を合わせて撮る

もっとも基本的で簡単な方法として、空(明るい部分)が白とびしない程度の露出でRAWで撮影し、後で現像時に地上(暗い部分)を明るく持ち上げてあげる方法があります。

というのも、RAW画像において白とびした部分を元に戻すことは困難ですが、暗い部分は真っ黒に見えても割とデータが残っているので、明るくレタッチしてあげれば復元することが多いからです。

カメラにもよりますが驚異的に画像を復元できます。これが最も簡単に明暗差の激しい風景を綺麗に撮る方法です。

しかし、あまりにも暗くなった画像を無理に明るくするとノイズだらけになってしまったり、変色してしまったりすることが多々あります。いわゆる画像劣化。上の写真でもよく見るとが画像が劣化していますね。これでは綺麗とは言い難い。簡単な方法ですがそこまで万能ではということになります。

そこで他の方法です。

HDR合成

HDR合成は、構図はそのままで露出だけを変えて複数枚撮影し(これを露出ブラケット撮影と呼ぶらしい)、それらの画像を後で専用ソフトを使い合成する方法となります。

例えば、空がちょうど良い明るさになるよう露出補正して撮影した画像、地上がちょうど良い明るさになるよう露出補正して撮影した画像、露出補正なしで撮影した画像の3枚を撮影し、それらを1枚に合成し仕上げます。

こうすると、それぞれの画像のちょうど良い露出の部分を繋ぎ合わせることになるので、画像劣化が起こりにくく非常に綺麗に仕上がります。合成処理もソフトが自動でやってくれるので手間も殆どかかりません。
参考:ブラケット撮影してHDR合成をする。撮影手法の一つとして役に立ちそう!

ちなみに、HDR合成は使用するソフトによって仕上がりが違ってきます。ごりごりのHDRっぽい画像になることもあれば、割と自然な見た目に仕上がるものもあります。個人的にはLightroomのHDRがおすすめです。

 

そして、このHDR合成をちょっと進化させたのが露出ブレンドと呼ばれるものです。

露出ブレンド

露出ブレンドもHDRと同様に露出ブラケット撮影した複数枚の画像を1枚に合成します。ただし、合成の仕方が違う。

HDR合成はソフトが自動的に処理してくれるので手間はかかりませんが、痒いところに手が届きにくいと言うか、自分の思うように合成処理できないことがあります。

例えば、「ここはこの画像のこの部分を使って、ここはこの画像を合成しよう」みたいな細かな要望が出てくるのですよね。そのためにPhotoshopを使い手動で画像を1枚1枚合成していきます。これが露出ブレンドです。露出ブレンドには自分の思う通りに精度よく合成処理できるメリットがあります。

ちなみに、露出ブレンドにも様々なやり方があります。グラデーションツールやブラシツールを使ってマスクを作り簡単に合成する方法だったり、Rayaなどの有料のツールを使用する方法だったり。
参考:露出ブレンドをして明暗差を克服しよう!露出ブレンドで簡単レタッチ!
参考:「Raya Pro2.0」で露出ブレンドしてみる!楽に完成度の高いマスクが作れて現像が楽しくなる!

私は撮影に露出ブレンドを多用しており、その際にRayaをよく使っていましたが、最近はそういったツールは使わずに、手動で細かなマスクを作って露出ブレンドすることが多くなってきています。

ハーフNDフィルター

最後にハーフNDフィルターを使用する方法があります。

【KANI】カメラ用 光量調節用 角形ハーフフィルター SOFT GND0.9 150x100mm

ハーフNDフィルターは半分だけに減光効果を施したフィルターです。これのお陰で空の明るさを抑えつつ、地上を明るく写せるようになります。これまでの方法のように後処理に頼るのではなく、撮影段階で光を調整する訳です。

HDRや露出ブレンドなどの方法があるので、ハーフNDフィルターは必ずしも必要なものではありませんが、あると非常に便利です。仕上がりが自然な感じになりやすいように思います。私はかなりの頻度でハーフNDフィルターのお世話になっています。
参考:ハーフNDフィルターの必要性・種類・選び方!どれが1枚目におすすめか!?

また、ハーフNDフィルター使った画像で露出ブレンドをすることもありますね。

 

以上、明暗差の激しい風景での撮影方法でした。多くの風景写真家は露出ブレンドかハーフNDフィルターを使うことが多いのかなと思います。

 

スポンサーリンク

まとめ

露出ブレンドは人によって様々なテクニックがあるので、YouTubeなどで動画を見ても非常に参考になります!

また、ハーフNDは色々種類が多いのでここにも沼があります!


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

関連記事

露出とは?一眼レフカメラの基本知識

露出とは?一眼レフカメラの基本知識、写真のEV値について知ろう。

露出は写真を撮る上で最も大事な要素の一つです。なぜなら、露出はF値とかシャッタースピードとかISO感度なんかにも関わる大切なことで、写真上達には欠かせないからです。 ですが、初めの頃はイマイチよくわか …

絞り(F値)・シャッター速度・ISO感度の一つ上の知識。「段」という考え方。

絞り(F値)・シャッター速度・ISO感度の一つ上の知識。「段」という考え方。

一眼レフカメラについて調べていると、絞りを「一段絞る」とか、シャッター速度を「一段速める」などと目にすることがあります。なかなか見慣れない言葉です。 この「段」という考え方。少し難しいかもしれませんが …

写真の四隅などに影ができるのはケラレ!ケラレの原因と対策を知ろう!

写真を始めたばかりの頃はよくケラレていました。 今でもたまにケラレます。 今回はケラレの原因と対策について書いてみたいと思います。 目次1 ケラレとは2 ケラレの原因と対策2.1 フィルターの枠2.2 …

写真は背景が大事。背景を整理するためのヒント。

カメラの操作も覚えたし、構図も覚えたし、さらにステップアップしたいとなった時、背景について考えると、さらに写真の完成度を高めることができるかもしれません。 背景は写真の印象を大きく左右しますからね。背 …

高感度はダイナミックレンジが狭まる!?高感度で撮影した画像はレタッチ耐性が弱いのは本当か!?

高感度で撮影するとノイズが出るのはよく知られていますが、その他にダイナミックレンジが狭くなるということを耳にしたことのある方も多いかと思います。その結果レタッチ耐性もなくなるとか。私も一応知ってはいま …

About_me_web_site_name

このブログを運用しているWiseCameraです。北海道の田舎在住、写真と山が好き。まだまだ経験や知識を浅いですがコツコツをカメラ勉強中ですので、よろしくお願いします:)
サブブログ(カメラク)も運営しております。

このサイトについて

一眼レフカメラ・写真初心者のカメラブログ[ワイズカメラ]はamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。