マニアックな写真愛好家としては、キリッとシャープに写った写真はたまらないものです。
もちろん、それによって写真の良し悪しが決まるわけでもないですし、シャープさにこだわった結果、シャッターチャンスを失うなどしても本末転倒。
ですが、やはり撮れるのならできるだけ高解像なシャープな描写を味わいたいです。
ということで、できるだけ写真をシャープに写すためのポイントについてまとめたいと思います。
目次
できるだけ写真をシャープに写すためのポイント
F値を最適に
多くのレンズは1、2段絞った場合に解像力が最も高まります。
開放F2.8とF5.6(2段絞り)では、ここまでの違いがある(等倍拡大画像)。
開放F2.8で撮影した方はモヤっと一枚フィルターが掛っている雰囲気です。それに比べF5.6の方はシャープで透明感があります。
逆に、絞り過ぎた場合でも回折現象により解像力が低下します。
F22とF5.6(2段絞り)では、ここまでの違いがある(等倍拡大画像です)。
F22の方はやや滲んだようにモヤっとします。それに比べF5.6はシャープです。
ということで、F値を設定するときはちょっと絞るくらいがベストです。レンズによりますが、風景撮影時で個人的にはF5.6からF11を目安に使っています。
ただし、被写界深度などとの兼ね合いもあるので、バランスが難しいところです。被写界深度を深くする必要があるのなら、F16やF22も躊躇なく使う必要があるでしょう。
あるいはやや手間ですが被写界深度合成を取り入れてみるのも良いです。被写界深度合成であれば、F値を大きく絞らなくても、ほぼ画面全体を被写界深度に入れることができるので、画面全体をパキッとシャープにすることができます。
手ブレは排除
写真のシャープさを低下させる大きな要因に手ブレがあります。
こんな大げさな手ブレはしなくても、その場では気がつかないくらいの微ブレはよくあることです。ちょっと暗いシーンで焦って撮影した時は、だいたい微ブレしています・・・。
なので、手持ち撮影するならシャッタースピードが十分に速いことを確認し撮影すると良いです。手ブレしないシャッタースピードの目安としては、「1 / (焦点距離)秒」などと言われます(焦点距離はAPS-C機なら1.5倍、フォーサーズなら2倍)。
もし、シャッタースピードがこれを下回るようであれば、F値を小さくするか、ISO感度を上げるかして、シャッタースピードを速くしてあげましょう。ただし、ISO感度を上げ過ぎるとノイズが発生するので、それが原因で解像感が失われることもある。過剰なISO上げには注意です。
ちなみに、レンズやカメラに手ぶれ補正があれば、そこまで厳密にはシャッタースピードを上げなくても良いかと思います。もちろん、手ぶれ補正にも限界があるので、低速シャッターで無理な撮影は危険です。
あと、カメラを構える姿勢を見直してみるのも良いかもしれませんね。独特な構え方をしているプロもいます。
あるいは、三脚を使うと手ブレの危険性をなくすことができるので非常におすすめです。三脚があれば手ブレの心配はゼロ。手ブレは排除には三脚の使用が一番良いです。ただし、三脚使用の際には合わせてレリーズも必ず使いましょう。
参考:正しい三脚の使い方!一眼レフカメラで正しく三脚を使って失敗を減らそう!
被写体ブレも気をつける
被写体が動いているとブレの原因になります。これが被写体ブレです。当然、ブレている被写体はシャープになりません。
これはカメラ側が動いているわけではないので、三脚を使っても全く防ぐことはできません。被写体ブレを防ぐにはシャッタースピードを速めることだけです。
なので、画像を確認しブレがありそうであれば、F値を小さくするか、ISO感を上げるかして、シャッタースピードを速めましょう。
ミラーショックやシャッターブレを排除
カメラが一眼レフカメラであれば、ミラーショックに気を付けると良いでしょう。
一眼レフカメラはシャッターを切るたびに、カメラ内でミラーがバコバコ跳ね上がるのですが、これが振動を引き起こします(これがミラーショック)。カメラが振動すると、写真もモヤっとシャープさが損なわれてしまう。
左がミラーショック無しの画像、右がミラーショック有りの画像です(等倍拡大画像)。
右のミラーショック有りの画像はかなり解像感が失われていますね。
低速シャッターや高速シャッターであればミラーショックの影響はあまりないようですが、1/60秒前後の中途半端なシャッタースピードだと影響が大きいです。ちなみに、手持ちでも三脚でも影響はあります。
なので、一眼レフカメラで1/60秒前後の中途半端なシャッタースピードの場合は、ミラーアップ撮影という機能を使うと良いです。ミラーアップ撮影ならミラーショックを排除できます。
ただし、ミラーアップ撮影はシャッターボタンを2回押す必要があり、決して使い勝手の良いものではないのがネックですね。
カメラがミラーレスカメラの場合は、カメラ内にミラーがないので、普通に撮影してもミラーショックはありません。素晴らしい。
しかしながら、シャッターショックは存在します。シャッターを切ると、シャッター幕が動くので、それで振動が生じブレになることがある。これがシャッターショックブレです。
ミラーショックほどの影響はないようですが、それでも特に高画素機だと無視できないくらいのブレになることがあります(これも1/60秒前後の中途半端なシャッタースピードで目立つ)。
外部リンクですが参考に:シャッターショックブレと電子先幕シャッター
そして、シャッターショックを防ぐには、電子先幕シャッターか、電子シャッターです。これらは、センサーの電子制御がシャッター幕の代わりをするので、ブレに繋がるシャッターショックが生じません。
多くのミラーレスカメラは電子先幕シャッターや電子シャッターの機能を搭載しているので、これを使うと良いでしょう(一部の一眼レフカメラでも搭載しています)。ちなみに、電子シャッターは場合によっては歪みが生じることがあるので、基本的には電子先幕シャッターをお勧めします。
ただし、連写する時は電子先幕シャッターだと、2枚目以降にブレが生じる可能性があるので注意です。
シャッターについて詳しくは以下のリンクを参考に。
参考:電子シャッター、電子先幕シャッター、フォーカルプレーンシャッター、それぞれのメリット・デメリットを知っておこう!
フィルターの使用について
保護フィルターなどは激安のものは避けると良いです。国産メーカーが無難でしょう。
あと、可変NDなどは便利ですが、解像感への影響は多少あるので、その点を心得て使うと良いかと思います。
ちなみに、保護フィルターについては、最近私は付けていないです(NDとの付け替えが面倒・・・)。
確認する習慣をつける
これは大切なことですが、撮影の際にはモニターでピントやブレをチェックするように習慣づけると良いです。
家に帰ってPCで見たときに、ピンボケだったりブレがあると本当にがっかりします。
そして、これは現場でちょっと確認するだけで防げます。なので、撮影した画像は必ずモニターで拡大しピントやブレをチェックしましょう。
まとめ
どれもちょっとしたことですね!
これだけで写真をシャープにすることができるので、コスパは高いです!
Z6にしてからは私はほぼサイレント撮影です。先幕に加え後幕も電子撮影というやつです。ただレリーズはどうも私の性分だとあれを何かに引っ掛けて三脚がぶっ倒れて、何十万のガラスの破片が出来上がる姿を想像しますので(笑)、もっぱら2秒タイマーです。いざとなったらスマホでシャッター押します。Z用のリモコンシャッターがあるのですが、これの部品がずっと欠品なんですよね。実際の所、望遠付けて動画を撮ったらシャッターを押す瞬間に画面が動くのがはっきり分かりますからレリーズは重要ですね。
シャープネスに拘るのは風景撮りとしては必然ですが、あまりコントラストを高くするといかにも無機質な写真に仕上がりやすいのでRaw現象及びピクチャーコントロールのシャープネス上げは最近はあまりしませんね。
Labattさん
何十万のガラスの破片は考えただけでゾッとします・・・。
もう少しレリーズが使いやすくならないかと、いつも思案しています。
やはり手でシャッター押すとすごいブレますよね。
現像でシャープネスを高めると、確かに違和感があることがありますね。
その辺のバランスが難しいです!