風景写真を上手く撮る方法について考えていると、あることに気が付きました。それはカメラを始めた最初の頃と今とではレンズに対する考え方が変わっていることです。
最初の頃は、
- 広角レンズ・・・広く写すもの
- 標準レンズ・・・人の視界と近い
- 望遠レンズ・・・遠くを写すもの
という考え方でレンズを使っていました。
もちろん、これは間違いではないです。ただ、これをちょっと変えるだけで写真の撮り方がぐっと変化するように思います。
今回は比較的クセの強い広角レンズと望遠レンズについて、それぞれのレンズを使う際の考え方やコツを書いてみたいと思います。ちなみに、標準レンズは個人的に苦手なので抜かします。
目次
広角レンズで上手く風景写真を撮るには
広角レンズを使用する時の考え方とコツ
以前は単純に広角レンズは広く写すものと考えていましたが、もう少し違った側面で捉えるとこうなります。
- 広角レンズ・・・遠近感を強調させるもの
この考え方です。もちろん、広角レンズにはもっと違った特徴もありますが、ざっくりこう考えて広角レンズを使っておけば一段階ステップアップ出来るのではないかと思います。
なので、広角レンズを使う際は遠近感がより強調されるよう構図を決めるのがコツと言えます。
では、具体的にどうしたら良いのか!?
広角レンズを使う具体例
以下の2つが広角レンズでより遠近感を強調させる具体的方法となります。
- 手前側に何かを配置して撮影する
- ポジションとアングルを積極的に変えて撮影する
他にも色々あるでしょうが取り敢えずこれです。
広角レンズは手前側のものがより大きく見え、後ろ側のものがより小さく見える特性があります。これが肉眼で見る以上に遠近感が強調される理由です。
なので、手前側に何かを配置するとより良い結果が生まれやすいです。いわゆる前景を付けるというやつですね。
例えばこの写真。
手前側に木があるお陰で遠近感が強調され、写真に奥行きが表現されやすいです。もし木がなかったら左右に広いだけになってしまいます。
次に、ポジションとアングルです。広角レンズはわずかにカメラを動かすだけで写り方が大きく変化するのでこれも非常に大切です。
ポジションの種類については以下の通りです。
ざっくりと目線よりも上の位置にカメラがあればハイポジション、下の位置にあればローポジションとなります。
アングルについてはカメラを上向きにするとローアングル、下向きにするとハイアングルとなります。
なので、アイレベル(目線)を除けば、ポジションとアングルで4通りあります。
そして、遠近感を強調させるにはハイアングルが有効になる場合が多いです(個人的には特にローポジション・ハイアングルをよく使います)。
というのも、足元の地面から写した方が向こう側へ続く遠近感を表現できるのと、自分がその場に立っているかのような臨場感が生まれやすいからです。
例えばこんな感じです。
これはローポジション・ハイアングルで撮影しています。自分の立ち位置から向こうの景色までの遠近感が強調されているかと思います。
というように、「広角レンズ=広く写すもの」ではなく、「広角レンズ=遠近感を強調させるもの」という意識で撮影をすれば、ただ広く写しただけの写真にはならないと思います。また、撮影の際には手前側のものの配置、ポジション・アングルに機を払うのがコツ。
曖昧な表現ですが広角で撮影した写真はぐわっと広がるかっこいい感じになると思います。
望遠レンズレンズで上手く風景写真を撮るには
望遠レンズを使用する時の考え方とコツ
以前は単純に望遠レンズは遠くを写すものと考えていました(近づけないものとか)。もちろんその通りなのですが、もう少し違った側面で捉えるとこうなります。
- 望遠レンズ・・・部分を切り取るもの
写真である以上どの画角でも風景を切り取るものではありますが、望遠レンズは写る範囲が狭く風景の一部分を切り取るという傾向が特に強いです。
なので、望遠レンズは遠くを写すものという感覚ではなく自分が着目した部分だけを切り取るものと意識した方が上手く使えるかと思います(他にもボケやすいとか特性は色々ありますが)。これがコツ。
望遠レンズを使う具体例
では、望遠で部分を切り取るという一つの例を見てみたいと思います。
下は広角で撮影した先ほどの写真。これは焦点距離14㎜で撮影しています。
これを撮影した後で向こう側の斜面が綺麗だなと思いました。赤丸の場所です。
なので、ここを焦点距離200㎜の望遠で撮影。
そうするとこのような写真になりました。同じ場所で撮影しているのに全く違った写真になります。
このように望遠レンズは自分が着目したその部分だけを切り取り撮影することができます。また、余計写る範囲が狭いので余計なものが写りにくくシンプルに画面を構成することも比較的楽です。風景を観察してあの部分が綺麗なと感じたら望遠レンズの出番。
こうした意識があれば近づいて広角や標準で写せるものでも、あえて離れた所から望遠で撮影してみるといった発想にもなれます。表現の幅が広がりますね。
また、望遠レンズで風景の一部を切り取るとそれが目の前に迫ってくるかのように見えるのもポイントです。
広角とは明らかに違った写り方をします。これが圧縮効果と呼ばれるもの。これも念頭に置くとより良いです。
というように、「望遠レンズ=遠くを写すもの」ではなく、「望遠レンズ=部分を切り取るもの」という意識で撮影をすれば、これまでとは違った感覚で撮影できるようになるかと思います。
総じて望遠レンズで風景を撮影すると迫力がある写真になると思います。
まとめ
些細なきっかけで大きく変わることもあります!
ちょっとした考え方一つで新しい扉が開けるかもしれませんね!
人が見てインパクトのある写真は、普通の人間の視野や視覚を外すことが1つの方法ですからその意味では望遠レンズ、広角レンズというのは便利ですよね。もう1つはアングル・ポジションを変える。私はどこ行っても一人だけ下の方でカメラ構えてたりするほどローポジション・ハイアングルが好きですね。まあ、場所を選ばないと制服を着た人がやってきて連れていかれるので要注意ですが。
今回は触れられていませんが標準は逆に難しいですよね。夜景撮りや街角スナップとかする人は35mmとか50mmとか愛用するみたいですが。
Labattさん
コメントありがとうございます!
仰る通りでその点で望遠・広角は使いやすいですよね。
やはりローポジション・ハイアングルは私も多様します。場所には気をつけています笑
標準は苦手なのでスルーしました。風景ではどうも使いにくいです!
表現力アップのためライトルームとフィルターに手を出してみたばかりですがワイズカメラさんのステキな風景を拝見させて頂いていると写真は「撮るその時」で善し悪しが8割くらい決まっちゃう感じですね(笑)
それにしても広角と望遠の作例が同じ場所というのが驚きです!
ペンタックスの星付き超広角レンズの無事リリースをお祈りしつつ当エントリーの知識を思う存分活かしてみたいなと思いました!
ヤマヒロさん
コメントありがとうございます:)
ヤマヒロさんのおっしゃる通りで、風景写真では「その時」に立ち会えるかが一番の勝負ところだと思います!
これは運の部分もありますが、天気等を読む力も大事になってくると思います(私はまだまだですが・・・)。
ただ、どんな状況でも安定して撮れる写真家も居るので、そう言った方には憧れます:)
ペンタックスも手堅い商品作りをしていますね!
またよろしくお願いします:)