パノラマ撮影はレンズの画角に縛られずに撮影できたり、画素数が欲しい時に画像を稼げたり、トリミングの自由度を上げてくれたりと良いことがあります。
海外のフォトグラファーなどはパノラマ撮影していることが割と多い気がします。
ただ、パノラマ撮影は合成処理をする際にうまく繋がらないことがあります。苦労して撮影した画像が繋がらないと本当に残念です。
それを防止するのがノーパララックスポイント(ノーダルポイント)でのパノラマ撮影です。ノーパララックスポイント(ノーダルポイント)で撮影すれば精度よく綺麗にパノラマが繋がります。
目次
パノラマ失敗の原因は視差
LrやPsでパノラマ合成するとしばしば下画像のように上手く繋がらないことがあります。
この失敗の原因の一つに「視差(パララックス)」が挙げられます。
ちなみに、他にもパノラマ撮影の失敗の原因やコツがあるのでこちらを参考に。
参考:パノラマ写真の良い点と撮影のコツ!Lightroomでパノラマ写真を作ってみよう!
視差(パララックス)とは
ざっくり言うと、「視差(パララックス)」とは見え方のズレです。
例えば、カメラを三脚に固定し水平回転させ正面と左右で撮影した時に、多くの場合でモノの位置関係がズレてしまいます。
カメラの位置は同じなのに、モノの位置がズレていますよね。この見え方のズレが視差です。画像がズレているのだからパノラマ合成する際に上手く繋がらないのは当然ですよね。
ではなぜ、視差が生じるのか・・・。それは「焦点」で回転させていないからです。
「焦点」で回転とは
レンズには焦点と呼ばれるポイントがあります。
細かい点を省略して図にするとこんな感じ。
この光が集まる点が焦点です。視差を無くすにはこの焦点が非常に大切です。
ここで単純にカメラを三脚に固定してパノラマ撮影した場合を考えてみましょう。
この場合、焦点よりも後ろにあるカメラを軸として回転させることになります。このため視差が生じます。
カメラを左右に振ると前後のモノの位置関係がズレてしまいますね。
今度は焦点を中心にしてカメラを回転させてみましょう。
これならカメラを左右に振っても前後のモノにズレは生じません。
つまり、視差(パララックス)がゼロ。この点のことをノーパララックスポイント(ノーダルポイント)と呼びます。
ノーパララックスポイントは視差が生じないのでパノラマ合成してもズレなく繋がる訳です。
ノーパララックスポイントを見つけてみよう
必要なもの
三脚と雲台以外に必要なものは、まず長いプレートです。
INPON クイックリリースプレート アルカスイス互換 200mm
長いプレートは様々なメーカーから発売されているので良さそうなものを見つけましょう。
参考:格安の300㎜クイックリリースプレートとパンニングクランプを買ってみた!
次に、プレートに直接カメラを付けることも可能ですが、使い勝手の点でクイックリリースクランプを使った方が良いかと思います。
パンニングできた方が何かと便利。
ちなみに、雲台はアルカスイス互換であることが条件となります。
ノーパララックスポイントの見つけ方の手順
まずは三脚を水平に立てます。
三脚に水準器が無い場合はレベリングベースなどを導入してみても良いかもしれませんね。
次に、プランプ付きプレートを雲台に取り付け、そこにカメラを設置します。
パノラマ撮影では基本的にカメラは縦構図が良いです。L型プレートがあると良いですね。
参考:Z7・Z6用のL型プレートを購入した!安価なプレートだけどカメラにフィットする。
この時にクランプとカメラの中心が合うようにしましょう。また、カメラも水平にします。
ここまで終わったら実際に撮影してノーパララックスポイントを探して行きます。
まず、カメラ正面に2つ目印となるものを前後に設置します。今回は適当にラムネの瓶に乾電池を刺しました。
この2つは正面で重なるように設置。
あとは右に雲台を水平回転させ目印が重なるように、さらに左に雲台を水平回転させそこでも目印が重なるように、長いプレートの固定位置を前後させ調整して行きます。
こうして正面、左右へのパンで目印が重なるようになりました(下2枚目)。
普通に撮影するのと(1枚目)、ノーパララックスポイントで撮影するのとでは(2枚目)、ここまで視差の違いがあります。
まだちょっと甘い感じもありますが、私のプレートではここまでが限界でした。
ギリギリでこれ以上後ろへずらせませんでした。別なプレートを買おう・・・。
とりあえずはこれでノーパララックスポイントが分かりました。あとは今後使う時のために印をつけるかメモしておくと良いです。
ちなみに、ノーパララックスポイントは同じ焦点距離でもレンズによって異なるし、同じレンズでも焦点距離の違いによって異なるらしい。さらに、使うカメラ機種によっても異なります。なので、自分が使いそうな幾つかのパターンでノーパララックスポイントを確認しておくと良いでしょうね。
まとめ
これで天の川のアーチを始め、様々なパノラマ写真で精度良く撮影できるようになりました!
早く撮影に行きたいです!