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3月ですね。桜の季節です。もう桜が咲いている地域もあるみたいですね。信じられません・・・。
私の住む北海道道東は5月にならないと桜は咲きません!早く桜の撮影をしてみたいです。
よくあるこうゆう桜の写真。桜自体は見事に綺麗なんですが、ごちゃごちゃしてて写真としては何かイマイチです。ただ撮っただけみたいな・・・。
もっと上手く桜の写真を撮る方法があるはずです。ということで、桜はどのように撮影すればよいのか?先取りして桜の撮り方のポイントをまとめてみました。
こちらも参考に:花の背景色々。覚えておけば引き出しが増えるかも。カメラ初心者の撮影テクニック。
露出の注意点
桜のような淡い色のものを撮影すると、目で見るより写真が暗くなることがあります。
一眼レフカメラは自動で露出(光の量)がちょうど良くなるように制御してくれます。しかし、カメラは白っぽいものや淡い色合いのものを、光の量が多いものと判断する性質があります。
そのために、白いものや淡い色のものを撮影すると、カメラが勝手に光の量が多いと判断し、露出が低く抑えられてしまうのです。
なので、桜を撮影すると、これが原因で写真が暗くなるかもしれません。そんな時は、露出をプラス補正してしまいましょう。これでちょうどいい露出になります。
家に帰った後にガッカリしないように露出には注意してください。
露出について詳しくは、露出とは?一眼レフカメラの基本知識、写真のEV値について知ろう。を参照してください。
桜に寄ってみる
いくら綺麗な桜でも、余計な物をごちゃごちゃ写してしまうと、残念な写真になってしまいます。冒頭のイマイチな写真が、これの典型ですね。
そんな時に、簡単に構図を決める良い方法があります。桜の木全体ではなく、桜の花に寄ってみることです。そうすることで、ごちゃごちゃした余計な背景をカットすることが出来ます。主題が際立ち一味違った良い写真になるかと思います。
マクロレンズがあれば良いんですが、マクロレンズが無い場合でも望遠レンズや標準レンズでも代用できます。
望遠端(一番ズームした状態)を使い可能な限り桜に近づくと、大きく桜を写すことが出来ます。近づきすぎてピントが合わなくなるギリギリのところまで近づいてみてください。被写体を大きく写せて、背景を綺麗にボカすことができます。背景に玉ボケを作るとさらに綺麗です。
鉄板ボケを覚えよう。一眼レフカメラでボケ・前ボケ・玉ボケを使いこなす方法。
特に望遠レンズなんかでこれをすると、マクロっぽい撮影が可能です。
また、iphoneやスマホでも結構接写できるので試す価値ありです。
背景に空
これも背景にごちゃごちゃ余計なものを写さないためです。桜は高い場所に咲くので、簡単で試しやすいかと思います。
また、これなら、一眼レフカメラじゃなくてもiphoneやスマホでも簡単に試せます。
空と桜をより綺麗に撮影したいなら、PLフィルターなるものをおすすめします。光の乱反射を抑え空はより青く、桜はより桜色に撮影出来ます。
詳しくは、簡単なようで難しい。一眼レフカメラでお空を写真撮影する3つのポイント(PLフィルター)。 を参照してください。
前ボケ
被写体とする桜花の前に、他の桜花をはさんでみましょう。そうすると手前の桜花がボケて、天然のフィルターのようになります。これが前ボケです。前ボケにする桜花が、レンズに近い方が大きなボケになります。
ポイントは前ボケさせるのものに光が当たっていることです。もし、前ボケさせるものが陰になっていると、汚い印象になるので注意が必要です。
これをすると、急に写真が上達したようになります。
鉄板ボケを覚えよう。一眼レフカメラでボケ・前ボケ・玉ボケを使いこなす方法。
望遠レンズで圧縮効果
もし桜並木などを撮影する時は、望遠レンズを使うと一段上の写真になります。それは圧縮効果を得ることが出来るからです。
圧縮効果とは、望遠レンズなどの画角の狭いレンズで撮影すると、被写体の背景も拡大されて写るので、被写体と背景との距離が縮んだような写真に仕上がることを言います。
つまり、遠近感がなくなるので、被写体と背景にある遠くの桜木も大きく撮影でき、桜の密度を高めることが出来るのです。
詳しくはこちらを参照してください。同じようで違って見える。一眼レフカメラの圧縮効果を覚えよう。
もし、焦点距離を短くして(より広角側で)撮影してしまうと、桜が閑散としてさびしい感じの写真になってしまいます。圧縮効果は焦点距離を長くして(より望遠側で)撮影したほうが効果が大きいので、出来るだけズームできる望遠レンズを使用してみましょう。
画面いっぱい桜の木にすることが出来ます。
マクロレンズ
やっぱり花の撮影にはマクロレンズは大変活躍します。他のズームレンズよりも大きく写すことが出来るし、接写することで花の周りをふわっと柔らかくボカすことが出来ます。玉ボケも簡単に出来ます。
ただピントや手ブレが非常にシビアなので、特に高い位置にある桜の撮影はなかなか難しいかと思います。ただ、上手く撮影できた時の満足感は高いです。
地面に落ちている花びらとか、雨の日なら雫など撮影しても面白いです。
TAMRON 単焦点マクロレンズ SP AF60mm F2 DiII MACRO 1:1 ニコン用 APS-C専用 G005NII
ブレ
意図的に桜の花や枝にブレを起こして、動きを表現することも可能です。
シャッタースピードが早いとブレないし、シャッタースピードが遅すぎるとブレ過ぎるので注意が必要です。目安としては1/20~1/2秒とすると良いかと思います。
手持ちだと、余計な手ブレを起こしてしまうので、三脚を使う必要があります。小さなブレだとそよ風になびく桜を、大きなブレだと強い風に揺らぐ桜を連想させます。ちょっとレベルが高そうなテクニックですね。
逆行・半逆行
逆行や半逆行で、桜の花や葉を撮影してみると良い写真が撮れるかもしれません。
こうすると葉っぱや花びらをふんわり透かすことが出来ます。印象的な写真に仕上がります。これも、高い場所に咲く桜なら試し易いと思います。
足元
桜は上だけでなく、足元も綺麗なことがあります。
花びらの絨毯や水溜りに浮かぶ花びら。花が散った後でも、さまざま楽しむことが出来ます。
ホワイトバランス
桜の色はピンク色から白色まで様々です。ナチュラルな色でも良いと思いますが、WBを調整して桜らしい綺麗なピンク色にする方法もあります。
この桜らしいピンク色を表現したい場合は、WBの微調整機能でマゼンダを少し強くすると、綺麗なピンク色にすることが出来ます。
設定方法はNikonD7000なら(Nikonの他の機種も同じような操作だと思います)、「MENU」ボタン→「ホワイトバランス」→「オート」→「標準」の順で調整画面に出来ます。
これで下のような設定画面に出来ます。下側の「M」がマゼンダです。下側に少しずらせば、マゼンダを強くすることが出来ます。
WBを微調整するとディスプレイのWBの箇所に米印が現れます(下写真の赤矢印です、見難くいですが・・・)
ただ、これ以外の方法でもWBを微調整することは可能なようです。
また、鮮やかに写そうとピクチャーコントロールで「風景」や「ビビット」などにしてしまうと、コントラストが高くなり桜の柔らかさが失われてしまうことがあるので注意が必要です。
そんな時は、「スタンダード」や「ニュートラル」を使い、ピクチャーコントロールの調整で彩度のみを不自然にならない程度に高くするとより綺麗になります。
ちなみに、スタンダードはバランスが取れた標準的な画像に仕上がり、ニュートラルは素材性を重視した自然な画像になります。いまいち違いが分かりませんが、幅広い撮影状況に適しているのがスタンダードで、後に画像を処理する前提での撮影で適しているのがニュートラルとなるようです。
設定方法はNikonD7000なら(Nikonの他の機種も同じような操作だと思います)、「MENU」ボタン→「ピクチャーコントロール」→「スタンダード」or「ニュートラル」で、十字キーの右側を押すと3枚目写真の調整画面に出来ます。
この画面で彩度を調整することが出来ます。プラス側に調整してください。
曇りの日なんかでもWBを変えればより良い写真を撮影することが出来ます。
こちらも参考に:花の背景色々。覚えておけば引き出しが増えるかも。カメラ初心者の撮影テクニック。
まとめ
桜は咲く前も私たちを楽しませてくれます。桜前線が北上してくると、春が近づいてくる様でわくわくしてきます。
そして、桜が咲くと気候も暖かくなり自然と笑顔になります。
また、花が散ってくると、儚いですが刻々と違った様子を見ることが出来ます。
その時々を綺麗に写真にしたいものです。よろしければ参考にしてください。