風景写真を撮っていると欲しくなるのがNDフィルターです。これがあれば長秒撮影が可能となり、肉眼とは一味違った光景を表現することが出来るようになります。
ただ、私は風景を撮りだして4、5年になりますが、やはりNDフィルターの運用方法は難しいなと感じます(運用方法とはサイズのこと)。
今回は可変式NDフィルター、固定式NDフィルター、角型NDフィルター、ステップアップリングなど、各NDフィルターの運用方法のメリット・デメリットについてまとめてみます。
これからNDフィルターを導入していこうと考えている方のお役に立てればと思います。
目次
NDフィルターの運用についての悩み
ご存知の通りレンズはそれぞれ径(太さ)が異なります。そして、それに取り付けるNDフィルターにもサイズがあります。
ここで、例として私の標準レンズの遍歴とNDフィルターについて簡単に見てみましょう。
私が最初に買ったNDフィルターは径77㎜でした(シグマ17-50㎜F2.8に合わせ)。なので、このサイズでND16、ND400、ND1000を揃えています。金額的には合計2万円くらい。
次に、シグマ17-50㎜F2.8をNikn24-70㎜f2.8E(径82㎜)に買い換えたことで、これらのNDフィルターが使えなくなってしまいました。なので、中途半端にND400を1枚だけ買い足しています。
そして、今はNikn24-70㎜f2.8EをNikon24-70㎜F4S(径72㎜)に変更。またレンズ径が変わってしまい、これまでのNDフィルターが使えません。
標準レンズだけでこれだけ変わりました。もちろん、標準以外にもレンズを使っています。望遠レンズは今の所はNikon70-200㎜F4で径67㎜、広角レンズは径82㎜と噂されているNikon14-30㎜F4Sをこれから導入予定です。これも全くバラバラですね。
なので、単純に考えればそれだけNDフィルターが必要になってきます。つまり、例えば広角・標準・望遠レンズの3本分で、ND16・ND400・ND1000の3枚を使おうと思えば、9枚ものNDフィルターが必要です。これは金額的にも持ち運び的にも負担が大きいです・・・。
そこで工夫してNDフィルターを運用していく必要が出てきます。
可変式NDフィルターで運用
可変式NDフィルターというものがあります。
NDフィルター 77mm、K&F Concept 77mm 可変式NDフィルター 減光フィルター 減光範囲ND2~ND400 超薄型
これは1枚でND2〜400までをカバーするという便利なフィルターです。これなら径の異なるレンズ3本分を買ったとしてもNDフィルターは3枚で済みます。
ちょっと可変式NDフィルターのメリット・デメリットについて見てみましょう。
可変式NDフィルターのメリット
可変式NDフィルターのメリットはざっくりと2点。
- フィルター交換が不要
- 構図決めやピント合わせが楽
可変式NDフィルターは2枚のフィルターが重ねられており、外側のフィルターを回すことで減光効果を変化させることができます(PLフィルターみたいな感じ)。物によりますが上のK&F ConceptのものはND2〜400まで使えるので、1枚で明るい時間から暗い時間まで幅広く対応可能です。フィルター交換が不要なのでかなり便利です。
そして、ND400などの濃いNDフィルターを使った場合、モニターが真っ暗になり構図決めやピント合わせが困難なことが時々あります。しかし、可変式NDフィルターならND効果を薄くして構図決めやピント合わせをし、その後にND効果を濃くして撮影みたいなことができるので使い勝手が良いです。
このように可変式NDフィルターには大きなメリットがありますが、一方で下のような大きなデメリットもあります。
可変式NDフィルターのデメリット
可変式NDフィルターのデメリットはざっくりと3点。
- 減光ムラができることがある
- 解像度の低下
- レンズフードが付けられない
可変式NDフィルターの決定的なデメリットですが減光ムラができることです。
こんな感じ(画像がPsでそれっぽく再現しています)。これも物によりますが多くの場合、ND効果を濃くする減光ムラが顕著になります。正直これでは使い物になりませんね。
ただし、使える幅は狭まりますがND2-ND32のものなら減光ムラなしで使えるようです
減光NDフィルター 77mm 可変式 ND2-ND32フィルター
ただ最大でもND32なので結局ND400とか別途必要になりそうですね。
また、可変式NDフィルターは解像度が低下しやすい傾向にあります。というのも、フィルターを2枚重ねているので、それだけ画質に影響してきます。
そして、可変式NDフィルターは普通のフィルターよりも一回り大きくなっています。それはケラレないように(ややこしい説明は省きます)。なので、レンズフードが付けられません。
参考:写真の四隅などに影ができるのはケラレ!ケラレの原因と対策を知ろう!
個人的には可変式NDフィルターはとりあえずNDフィルターを使ってみたいというようなライトなユーザー向けかなと思います。今の所、がっつり使いたい人にはあまり向いていないと思います。
固定式NDフィルターとステップアップリングで運用
次に固定式NDフィルターです。これがいわゆる一般的なNDフィルターです。
Kenko カメラ用フィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 277447
ただし、これだと上記したようにレンズの数だけフィルターが必要になり数が多くなってしまします。
そこで径82㎜などの大きなNDフィルターを購入し、ステップアップリングを揃えることで各レンズに対応させます(ステップアップリングはアダプターです)。
参考:77㎜のNDフィルターを径67㎜のレンズで使いたい!ステップアップリングを買った!
XCSOURCE 8個 ステップアップ リング 8個 ステップダウン リング フィルターアダプター 49-82mm 82-49mm DC147
これらな、例えば径82㎜でND8、ND400、ND1000を揃え、ステップアップリングを買えば、殆どのレンズにNDフィルターを装着できることになります。
では、これについてメリット・デメリットを考えてみます。
固定式NDフィルターのメリット
メリットはざっくり2点。
- 減光ムラはほぼ無い
- 種類が多いかも
固定式NDフィルターは気になるような減光ムラは起こりにくいです。また、可変NDフィルターと比較して解像度が落ちにくい傾向にあります(ものによりますが)。
あと、数を数えた訳ではありませんが、可変NDフィルターよりも固定式NDフィルターの方が種類が多いのかなと思います。欧米製のちょっと高価だけど品質にこだわったもの、国産のバランスの良いもの、中華製の格安のもの、また各種コーティングをされたものもあります。色々と好きなものを選べます。
固定式NDフィルターのデメリット
固定式NDフィルターとステップアップリングを組み合わせた時のデメリットはざっくりと2点。
- 手間が増える
- レンズフードが付けられない
フィルターやリングの交換が手間な時があります。ステップダウンリングが沢山あると、いざという時にどっかに行ってしまったり。光が変化しやすい時間帯では何度もNDフィルターを交換することがありますが、ステップダウンリングが外れにくいことがあったり(国産の精度の良いものでも)。また、レンズ交換をする際にはフィルターを外して、さらにリングも外す必要があるので一手間増えます。
あと、ステップダウンリングを使った場合は、レンズフードが付けられません。そこまで致命的ではありませんが困る場合もあるかもしれませんね。
以上、固定式NDフィルターとステップアップリングの運用ではデメリットもありますが、NDフィルターを効率よく運用するのには一番実用的かなと思います。私も最初に径77㎜のフィルターを買うのではなく、径82㎜で一通り揃えステップアップリングを使うようにしておけば良かったなと思います
ただし、風景写真に拘りだすとハーフNDフィルターというものを使いたくなります。最初はあまりイメージ出来ないかもしれませんが。
参考:ハーフNDフィルターの必要性・種類・選び方!どれが1枚目におすすめか!?
ということで、最後に角型NDフィルターを見てみます。
角型NDフィルターで運用
角型NDフィルターではKANIやNISIと言ったメーカーが有名です。
NiSi 角型フィルター 100mmシステム V5 PRO スターターキット
板状のガラスフィルターをホルダーでレンズに取り付けることになります。なので、ハーフNDフィルターも使用可能です。
また、アダプターもセットになっているので67㎜〜82㎜のフィルター径を持つ多くのレンズに対応します。
※出玉レンズは例外になります。
参考:角型NDフィルターとホルダーの選び方!角型NDフィルターは何から揃えれば良いのか!?
角型NDフィルターのメリット
メリットはざっくりと2点。
- 高品質
- ハーフNDが使える
KANIもNISIも非常に高品質なガラスフィルターなので画像の劣化がほぼ無いです。あと加工も良いので汚れても、ささっと拭けば綺麗になり扱いやすいです。
また、すでに書きましたがハーフNDフィルターが使えるメリットが大きいです。風景写真を撮っているとハーフNDフィルターの効果は魅力的。
角型NDフィルターのデメリット
角型NDフィルターのデメリットはざっくりと2点。
- 高価
- 大きく重い
- レンズフードが付けられない
まず、高価です。丸枠のフィルターよりもぐっと高い。なので、最初から導入するのは勇気が要るかもしれません。
それから金属製のホルダーや大き目のガラス板を何枚も持つことになるので、がさばり重く持ち運びに不便です。丸枠のフィルターよりも断然機動力が落ちます。あと、慣れないうちはホルダーのセットなどに手間どうかもしれません。
また、これもレンズフードは付けられません。
というように、角型NDフィルターにはデメリットもありますが、がっつり風景を撮るならいずれここに辿り着くかなと思います。
まとめ
フィルターも奥が深いです!
私の場合はフィルターを径82㎜で買っておけば良かったなと思っています!それか最初から角型フィルターか。
カメラメーカー各社がミラーレスに移行する中で
NDフィルターの機能をカメラに内蔵されることを
願ってます。
(ISOが1,2,4,8,16,32,50となる)とか
かつてソニーではアプリでハーフNDフィルターや
タイムラプスがカメラ内で出来る機能がありましたが
第三世代になってから使えなくなりました。
(それを使うために第二世代のカメラを購入する人も居ます)
折角のミラーレスなので、電子的に色々な機能をオプションで
追加出来るようにして欲しいですね。
mickeyさん
コメントありがとうございます!
私もなぜ電子的にND機能を搭載させないのか疑問です・・・。
何か訳があるのでしょうか!?
ソニーのあの便利な機能なくなったのですね・・・。