撮影テクニック 構図

構図を組み立てる過程⑦!秋の三国峠でシャーとした光を撮影した時に考えたこと。

投稿日:2020年11月14日 更新日:

前回に引き続き、今回は秋の三国峠でシャーとした光を撮影した時に考えたことについてです。

この構図の記事もやっと7つ目まできました。では、早速みてみましょう。

秋の三国峠でシャーとした光を撮影した時に考えたこと

今回の写真はこれです。

10月上旬、紅葉の三国峠で撮影しました。

今回はシャーとした光の筋を撮りたくて、タイミングを狙って行きました。この時期は晴れてくれれば朝霧が出やすいので、割と高確率でシャーとした光が見られます。

機材はZ6にNikon 70-200mm F4を使用、焦点距離135mm、f11、ISO100、SS1/60秒で撮影しています。

 

では、撮影の過程を解説して行きましょう。

現場で感じたこと、撮影の注意点

まず、なんと言っても広大な原生林にうっすら朝霧がかかり、シャーと放射状に影ができている様が、なんとも壮大で幻想的でした。この広大さと、シャーとした光の筋をうまく共存させなければなりません。

また、朝陽が周囲を強烈に照らし、黄金色に染め上げています。非常に美しい。ただし、逆光が強烈だったのでフレアやゴーストに注意する必要があります。

特に、Nikon 70-200mm F4は逆光に強いわけではなく、逆光時にフレアが強烈に出ることがあります。なので、ハレ切りの必要がある。

上は別なシーンですが、ハレ切りの有無でここまでコントラストやゴーストの具合が変わります(ハレ切り左画像)。手の平で簡単に行えて、効果は絶大なのでおすすめです。
ハレ切りしてゴーストやフレアを防止しよう!ちょっとした工夫で写真が変わる!

 

では、構図を組み立てて行きます。

構図的に気にしたポイント

画角の選択

まず、画角の選択です。広さを表現しつつ、光の筋も目立つ画角を探っていきます。

単純に広さを表現するのなら、広角域の選択もありでしょう。

これは別なシーンの三国峠ですが、焦点距離14mmで撮影しています。眼下に広がる原生林の壮大さが伝わるかと思います。

しかし、広角域ではメインの光の筋が小さくなり目立ちませんね。なので、焦点距離を長くします。

これは同じ日に焦点距離440mmの超望遠域で撮影した写真です。これはこれで迫力があり、光の筋も目立ちますが、広さを感じられるかと言われれば微妙です。これはこれで良いのですが・・・。

ということで、今回は焦点距離135mmの中望遠で撮影しています。これは最初から135mmで撮影しようと決めていたのではなく、上記したように広さを表現し、光の筋も強調しつつ、画面内の構成要素がうまく入り込む画角を探った結果です。

地面の起伏を見てギザギザラインを取り入れる

三国峠のような高い場所から、下を見下げて撮影するような場合では、私は地面の起伏などに注目することが多いです。

そうするとギザギザしたラインを見つけることができました。

このように地面の起伏と、そこを漂う朝霧で、ギザギザしたラインができていますね。これを写真に取り込みます。これだけで奥行き感が出る。

これをリーディングラインと言い、視線を奥に誘導する役割があるらしい。

自然風景は一見無秩序のようですが、よく観察すると秩序を見つけることができます。これをうまく利用する。

空を入れるか入れないか

空を画面に入れるか入れないかで写真の印象が大きく変わります。

基本的には、空を広めに入れると解放感などが生まれやすい、逆に空をカットすると圧迫感や凝縮感などが生まれやすいと言われています。

例えば、上の写真は空を切り詰めることで圧迫感のある雰囲気にしています。厳しい冬のイメージを表現したかったからです。

ということで、今回は空を写さないようにギリギリでカットしました。

地表の凝縮感が出るようにするためです。こちらの方が森に光がシャーとなっている様子が目立つと思いました。

ただし、空を入れるか入れないか、入れるならどの程度にするか、というのは好みの部分が大きいですね。

手前の木を少し入れてみる

最後に、左下に少し木々を入れました。

これは前景的な役割になるかなと思ったからです。

これで手前、中間、奥という3層構造ができたことになります。

ただ、手前の木を入れるか入れないかも、結局は好みですね。

 

あとはレタッチでシャーとした光の筋を上手いこと強調し完成です。

 

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まとめ

今回は撮りたいものが、最初からはっきりしていたので、構図決めも割とサクッといきました。

日頃からイメージを膨らませておくのも大切ですね。


  1. tatsumo より:

    自分も最近、シャワーっとした光を活かした写真ではありませんが、似たような構図の朝焼け写真を撮りました!
    105mmの中望遠で撮影したんですけど、記事の最後でコメントされている「手前の木」を入れるかどうかかなり逡巡しましたね~。入れないとぼんやりとした雰囲気になる (解像感や奥行きが感じられなくなる) し、入れたら入れたら構図のどのくらいを占有させてあげるのが正解なのか ^^;
    結局そこは感性に任せて何カットか撮影して後で取捨選択する形になりました~。

    • ワイズカメラ より:

      tatsumoさん

      「何カットか撮影して後で取捨選択する」はその通りですね!
      よく同じような構図を何通りも撮影して、あとで選ぶようにしています:)

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