前回に引き続き、今回は秋山で雲海を撮影した写真の構図についてです。
構図を組み立てる過程⑤!美瑛の丘を撮影した時に考えたこと。
構図も筋トレみたいなものなのでしょうか!?毎回少しづつトレーニングしていれば構図力もつく!?
目次
秋の雲海を撮影したときに考えたこと
今回の写真はこれです。
9月、秋の大雪山系にて撮影しました。寒暖差によって作り出された雲海が蠢くようで幻想的です。焦点距離200mm、f8、ISO100、SS1/500秒で撮影しています。
では、撮影の過程を解説して行きましょう。
機材について
機材はZ6、70-200mm f4、kenko ZX PLフィルターを使用しています。
登山で最もよく使うレンズは24-70mmの標準ズーム。次に使うのが70-200mmの望遠ズームです。今回は高い場所から雲海を俯瞰し距離があったので70-200mmを使いました。
ちなみに、広角ズームは山では一番出番が少ないですね。足元の被写体を撮影するときには広角が役立ちますが、それ以外では被写体が不明瞭になってしまいます。
PLフィルターは霞具合を調整するときに役立ったりする。
Kenko PLフィルター ZX サーキュラーPL 77mm 高透過偏光膜採用 撥水・撥油コーティング フローティングフレームシステム 547724
風景の撮影ではPLフィルターが役立つシーンが多いです。
現場を見て感じたこと
- ずっと向こうまで続く雲海が壮大
- 雲海が風に流され蠢いている
この日は雲海がとてつもなく壮大でした。真夜中に登山口に向けて出発した際、私の地元近くのオホーツク海岸付近は霧雨だったので、海から内陸部までずっと雲海が続いていたことになります。やはりこの大雲海を上手いこと撮影したいわけです。ただし、壮大な景色を目の前にした時は、雰囲気に飲まれないよう、できるだけ風景の細かい部分に注目するように心がけています。
それから、ときより強い風に流されて雲海が蠢いていました。常に変化し見ていて飽きません。
以上のことを踏まえて構図を作って行きます。
構図的に気にしたポイント
寄って寄る
まず、大きな視点で風景を見てみましょう。
これは焦点距離24mmで撮影しています。
綺麗ですがこのままだと何を見せたい写真なのか分かりません。見たままですね。
個人的にはいつも変化のあるポイントを探すようにしています。色が他と違うもの、形がユニークなもの、光が当たっている場所などです。
参考:風景写真で構図を上手くなるには!?具体例でみる構図を決める時に意識しているポイント!
ここでは雲海の淵の部分に注目しました。
原生林の間を縫うよう雲海が動いているのが独特です。
そこで焦点距離110mmまで寄りました。
しかし、この状態では森と雲海のバランスが悪く、写真を見る視線が定まりません。何を見たら良いのか・・・。何となく壮大で雲海がうねうねしているのは伝わりますが、ちょっとインパクトが弱いです。
ということで、雲海成分を多くし、さらに焦点距離200mmまで寄ります。
正確ではありませんが、だいたいこれくらいの感覚で切り取りました。
これで大方の構図が決定です。あとは細かな調節になります。
起伏に注目し層を考える
望遠で撮影した際は、フラットな印象になりやすいように思います。それを防ぐために私は層を意識するようにします。
この場合は起伏に注目しました。できるだけ起伏のある場所を探し、それらがテンポよく重なるように画面に配置します。
ダン・ダン・ダンと重なるイメージです。
地形を見つつ、常に動き回る雲海の変化に気を払いつつ、タイミングを見てシャッターを切ります。
これがなかなか難しいですが、手持ちで素早く構図を変え、何通りか撮影し、一番それっぽいのをセレクトしました。
あとはレタッチでクドくならない程度に明暗を強調し完成です。
まとめ
私は構図を作るのが苦手なので、割と時間をかけて1枚を撮影します。
変化の激しい被写体はそれが難しいですが、それでも出来るだけ考えるようにしています。焦って構図を作ると大抵失敗するので・・・。