先日、ソニー 12-24mmf2.8が登場しましたね。12mmという超広角です。また、LAOWAでも10-18mm F4.5-5.6という物凄い超広角レンズがあります。
最近では焦点距離が短いレンズが次々に登場していますが、広角レンズは使うのが意外に難しいです。
ということで、今回は広角レンズの撮影で失敗しない為に、広角レンズを使うのに適したシーンについて書きたいと思います。
目次
広角レンズのよくあるイメージ
私もそうだったのですが、初心者の頃は広角レンズは広い場所で使うというイメージを持つことが多いのではないでしょうか!?
北海道の広大な大地は、広角レンズでガバッと広く撮りたくなります。
では、この写真はどうでしょうか!?
広いのはわかりますが、この写真を見ている人にとっては、何を伝えたい写真なのかイマイチ分かりません。こうした失敗が広角レンズを使った写真ではよくあります。
この失敗の原因の大本は、そもそも広角レンズを使うシーンではなかったと考えられます。
では、広角レンズを使うのに適したシーンとは、一体どのようなシーンなのでしょうか!?
広角レンズを使うのに適したシーン
狭い空間
まず、狭い場所での撮影において広角レンズは打って付けです。
理由としては狭い場所では、被写体との距離を十分に取れないことが多いからです。被写体との距離がある程度ないとピントが合いませんね。
望遠レンズだと1m前後、標準レンズだと50cm前後、被写体から離れないとピントが合わない。一方で、広角レンズだと2,30cmほど離れるだけでピントが合います。
なので、例えば室内で料理などを撮影する際に重宝します。座ったままカメラを構えるだけで撮影できるので。これが標準レンズとかだと、立ち上がらないと撮影できません。
それから広角レンズは狭い空間を広く見せる効果があります。
この写真ではそんなに狭い場所には見えないですが、実際には紅葉がある苔石まで20cm弱くらい、後ろで段々に水流がある場所まで1〜1.5mとかそれくらいでした。狭くて小さな沢です。
それが、広角レンズを使うことで、空間が広がったようにすることができます(ちなみに、これをパースペクティブという)。
参考:パースペクティブとは。広角レンズでパースペクティブを使いこなすコツ。
ということで、狭い場所での撮影は広角レンズの使用を想定してみると良いでしょう。
被写体が大きい
次に、被写体が大きい時にも広角レンズは適しています。
広角レンズは広い範囲を写すことができるので、大きな被写体でも無理なく画角に入れることができるからです。
樹齢1200年の巨木もこの通り撮影可能です。大きな建物などを写したい時にも良いでしょうね。
また、広角レンズを使うとサイズ感が誇張されるので迫力が生まれます。これもパースペクティブのおかげです。
参考:パースペクティブとは。広角レンズでパースペクティブを使いこなすコツ。
ただし、注意点もあります(これは下記しています)。
ということで、被写体が大きい場合は広角レンズの使用を想定してみると良いでしょう。
小さな被写体と風景を絡めて撮りたい時
先ほど、被写体が大きな時に広角レンズが適していると書きました。これと矛盾しているようですが、実は被写体が小さい時にも広角レンズは適しています。
なぜかというと、広角レンズが手前のものを大きく、後ろのものを小さく見せる効果があるので、小さな被写体でも風景と絡めて撮影することができるからです。
山に行くとチングルマという小さな高山植物が生えています。これを標準域で撮影するとこのような感じになる。
どうしても写る範囲的にこんな感じになります。もうちょっと印象的に撮影したいところです。
また、望遠域で撮影するとこのような感じ。
マクロっぽい感じですね。写る範囲が狭いので、周囲の風景は一緒に撮ることはできません。
これを広角で撮影すると、このようになります。
小さなチングルマを大きく写しつつ、周囲の風景も画面に入れられます。これまでとは全く印象が変わり、写真が印象的になりました。
このように広角レンズは小さな被写体と風景を絡めて撮りたい時に適しています。
ちなみに、ポイントとしては小さな被写体にグッと近づいて大きく写すことです。
以上、広角レンズを使うのに適したシーンについて書きましたが注意点があります。
広角レンズを使う際の注意点
広角レンズを使う場合は、特に歪みに気をつけると良いかと思います。
広角レンズを大きくローアングル(上向き)、ハイアングル(下向き)にしたり、被写体を画面の端に置くと、被写体が傾くように歪むことがあります。
このような感じです。
歪んでも不自然にならない被写体なら良いですが、そうでない時は歪みが穏やかになるよう調整すると良いでしょう。
その為には、できるならカメラを水平アングルに近づくよう調整する、また画面の端にある被写体を中央部に持ってくる、あるいは焦点距離を少し長くするなどの方法があります。
ただし、構図的これができない場合は、レタッチで調整も可能です。
参考:Lightroomの変形の使い方について。歪みを除去して自然な見え方にする方法。
ちなみに、レタッチで歪みを補正する場合は、他の部分が歪んでしまったり、大きくトリミングされることもあるので、レタッチで調整する前提で撮影すると良いかと思います。
まとめ
広角レンズは使うシーンを正しく選ぶと、グッと引き込まれるような印象的な写真を撮影できます。
最初は難しいと感じるかもしれませんが、慣れれば手放せないレンズになります!
凄くエッセンシャルなことが書いてあると思います!超広角レンズをうまく使うための要点がまとまっていますし、作例もすごく分かりやすかったです ^^
超広角レンズに苦手意識を持っている人に読んでほしい!
tatsumoさん
ありがとうございます!
こうしたことは見落としがちですが、一旦身に付けばずっと役に立ちますね:)
広い景色に遭遇してその広さを表現したいという思いは誰だって持っているはずですが、それを広角レンズを使って表すのは難しいですね。芯のない写真で終わることが多い。パノラマ構図にしてもまあそうですね。これはプリントして壁一面にでっかく印刷するとそうでもないのかもしれませんが、そういう表現方法は現在のデジタル時代ではあまり実用的ではないのでしょう。
広さを表現するのであったら大きさの対比が実用的でしょうか。広い海岸に沈む小さな夕日、高い山に挑む小さな登山者みたいな。
Labattさん
おっしゃる通りで、パノラマは本当にSNS映えしませんね・・・。
登山者と山はよく使う手法です。なかなか大きさの表現は難しいですね。撮影に行くと写真で見るよりも大きい・・・みたいなことがよくあります笑