前回に引き続き、今回はエゾシカを撮影した時に考えたことについて書きたいと思います。
単純な構図の写真ですが、早速、見てみましょう。
エゾシカを撮影した時に考えたこと
今回の写真はこれです。
エゾシカです。冬に野付半島で撮影しました。
参考:幻のエゾシカを撮影した。
機材はZ6にNikon 200-500mm F5.6を使用、焦点距離500mm、f5.6、ISO640、SS1/1250秒で撮影。トリミングしています。
では、撮影の過程を解説していきたいと思います。
スペースの開け方
まず、被写体までの距離が離れていました。
なので、本当はもっとアップで撮りたかったのですが、焦点距離500mmでは無理です。ということで、体全体を写す感じで構図を考えます。
エゾシカの体が右に傾いており、また視線が左側に向いているので、バランスを考えエゾシカの左側にスペースを開けました。視線の方向にスペースを開けるのは定石ですね。
そして、安定の三分割構図を使います。鉄板です。
前ボケ
エゾシカと対角に当たる場所に、前ボケを入れます。
前ボケを入れることで、手前のレイヤーを意識できるようにします。そうすることで遠近感とか立体感みたいなものが感じられるかと。また、前ボケはトンネル構図っぽい感じをイメージしてみました。
参考:写真に立体感や奥行きを表現させる簡単な方法。ささっと取り入れられる6つの方法。
前ボケは意識せずとも勝手に写り込みますが、ちゃんと意図を持って撮影することは大切です。
あと、開放F2.8やF4くらいが使えればフワッと綺麗なボケになるのですが、F5.6ではなかなかそうは行きませんね。ゴーヨンとかヨンニッパが欲しい・・・。
光を考える
撮影の時間帯は夕方で、低い位置から斜光が差し込みました。
手前側が暗く、奥側が明るくなるタイミングを狙って撮影。そうすることで自然に明るい奥側へ視線が導かれるかと。
本当は右側から光が差し込んで、エゾシカの顔が照らされるのが理想ですが、なかなかそうはいきませんでした。
背景をどうするか!?
この写真はトリミング前では背景がこのようになっていました。
私が気になったのが背景の雪面です。
写真で白い部分は特に目立ちます。なので、気にしすぎかもしれませんが、無駄に背景に白い部分があると、視線が不用意にそこへ行ってしまうのではないかと思いました。
なので、トリミングでカットです。
こちらの方がよりスッキリして見やすい写真になったかと・・・。これは好みもあるかなと思います。
あとはレタッチして完成です。ちょっと周辺減光を加えてよりトンネル効果を狙ってみました。
まとめ
自分のエゾシカの写真を見てみると、このパターンで撮影していることが圧倒的に多いです。構図も癖が出ますね。
わたしはほとんど景色しか撮らないので比較的考える時間を気にしなくても良いのですが、それでも光線の状況は自然光である限りタイミングを逃すこともしばしば。ましてや動物が被写体だと構図の判断が迅速かつ柔軟さが必要になると思うので難しそうですね。
はるさん
ほとんど運の要素もありますね。大体の構図を考えておいて、動物の位置や光の差込方で構図を適宜変えるみたいな感じで撮影しています。