星景写真ってなんであんなにハマるんですかね。新月期は夜の天気が気になって仕方ないです。
ただ、星景写真は日中の風景写真と比べて非常に手間が掛かります。あれこれ処理が多い。
この点、私もまだまだ未熟なのですが少しでも良くなるよう撮影方法や設定を少しずつ変えてきています。
そこで2018年現地点でどのような方法や設定で星景写真を撮影しているのか、断片的にですがまとめておきたいと思います。
ちなみに、結構面倒な事が多いのでサクッと撮影したいという方には向いていないかもしれません。あと基本的な星の撮影方法は下のリンクにまとめてありますので必要ならば参考にしてくださいませ。
参考:天の川や星の撮影方法!場所、日時、設定、ピント、撮影後の露出の確認まで!
星景写真の方針
星景写真はノイズを除去し解像感を得る闘いでもあります。
もちろん、高画質であれば良い写真と言う訳では全くありません。何処で、どのタイミングで、何を感じて撮影するかが勝負どころだと思います。ただ、星景写真が上手い人はこの辺の処理も抜かりがないのは間違いありません。
と言うことで私は1枚撮りはせず、地上景と星空をそれぞれ別に撮影しPsで合成します。
ただし、カメラは三脚に固定したままです。全く別々の地上景と星空を合成することはありません。
では、それぞれの撮影についてそのプロセスを見てみたいと思います。
地上景の撮影について
地上景の撮影について要点は以下の通りです。
- 焦点距離14㎜、F2.8、ISO800、SS180秒で撮影
- 3枚を加算平均合成
- ピント位置は適宜変える
まずカメラの設定について。
状況にもよりますが私は多くの場合、焦点距離14㎜、F2.8、ISO800、SS180秒に設定して地上景を撮影しています。低感度・長秒が基本です。これを3枚撮影しPsで加算平均合成します。なので、合計9分間露光することになります。
加算平均合成についてはこちらを:加算平均でノイズを除去して綺麗な星景写真!加算平均の方法と有効な使い方とは!?
なぜ、ISO800なのかですが、低感度だとノイズが少ないという事の他に、色味が良くなったりレタッチに強かったりするからです。
例えば、ISO6400等の高感度でも十数枚も加算平均合成すればノイズは綺麗に取れて滑らかになります。ただ高感度で撮った分、色味が良くない気がします。褪せたようなパサパサな色味になりやすいです。またレタッチ耐性も劣ります。
なので、できるだけ低感度で撮るようにしています。
ただし、ISO100とかにすると極端に露光時間が長くなってしまいます。20分とか30分とか。そうすると露光中にどこからか光が当たって失敗するリスクが高まりますし、またセンサー等の熱で逆に画質が劣化することが考えられるます。あと、そんなに待ちきれない。これは逆にマイナスです。
と言うことで、ISO800くらいで2,3分の露光が良い塩梅かなと考えています。
そして、加算平均合成する枚数は多いほど効果があるのですが、それだけ撮影に時間が掛かります。なので、私は費用対効果の点で3枚くらいが妥当だと考えています。1枚だけだと若干ノイズが気になるし、5.6枚だと撮影が大変なのにそれ程劇的な効果はないという具合です。
と言うことで、単純にISO6400・SS20秒で1枚撮りした画像(左)と、ISO800・SS180秒で撮影し3枚加算平均合成した画像(右)を等倍に拡大して比べてみます(両方ともレタッチ前)。
いちいち比べるまでもありませんが、低感度で撮影し加算平均合成した画像の方が、単純な高感度の1枚撮りよりも遥かに綺麗ですね。手間は掛かりますがそれだけの効果はあります。
次にピント位置。
地上景の何処にピントを合わせるかと言うのも難しい問題です。星(無限遠)に合わせて撮影するといのが基本でしょうが、そうすると手前側にある風景が若干モヤっとすることがあります。
そのような時は懐中電灯などで手前側の風景を照らしそこにピントを合わせます。
この写真は橋にピントを合わせて地上景を撮影しました。やはり星(無限遠)にピントを合わせるよりも解像感が出ます。パキッとする。
風景によって適切なピント位置は千差万別なのでその場であれこれ試してみると良いと思います。
以上のようにして撮影した地上景をレタッチし、別撮りした星空とPsで組み合わせます。
星空の撮影につてい
星空の撮影について要点は以下の通りです。
- 焦点距離14㎜、F2.8、ISO6400、SS15秒で撮影
- 15枚を加算平均合成
カメラの設定は焦点距離14㎜、F2.8、ISO6400、SS15秒を基本としています。
使用しているレンズはシグマ14㎜F1.8なのでF2.8へ一段絞ることになります。そうすると一気に星像も周辺減光も良くなります。そして、少し前まではSS20秒で撮ることが多かったのですが、より星を点に近づけるためにSS15秒に変えました。
ただしその分、ISO6400と高感度にする必要が出てきます。これだと高感度耐性のあるニコンD750でもノイズが多発し厳しいです。
そこで加算平均合成です。
とは言っても、星は日周運動をしているのでそのまま複数枚を加算平均合成をすると星の軌跡が長く伸びてしまいます。なので、Ps等で星の位置合わせをする必要がありますがこれが難しい。慣れている方なら簡単に出来るのでしょうが私には無理です。1枚まだまだしも十数枚とか日が暮れます・・・。
そこで「starry landscape stacker」と言うソフトを使います。有料ソフトですが自動で星の位置合わせをしてくれる便利なソフトです。詳しい解説や使い方については私がこのソフトを知るきっかけとなったブログ記事があるのでこちらをご参照くださいませ。とても丁寧に分かりやすく書いてくれています。
参考:starry landscape stackerのすすめ-Masato Mukoyama Photography
このソフトを使い星空の写真15枚を加算平均合成します。ちなみに、この15枚はカメラの連写機能を使い撮影しています。時間にして4分程の露光です。
処理前後で等倍に拡大した画像を比べてみます。
左側がISO6400で1枚だけで、右がISO6400を15枚加算平均合成しています(両方ともレタッチ前)。星はそのままでノイズだけ除去できていますね。またノイズリダクションのようにのっぺりともしません。
本当に高感度で撮影したと思えないくらいにノイズレスになるので赤道義の出番が減ります。と言うか、赤道義はフットワークが重過ぎて挫折気味です・・・。
ちなみに、地上景も一緒に綺麗になるのでそこまで拘らなければ地上景の別撮りは不要かもしれませんね。
以上のようにして撮影した星空をレタッチし、別撮りした地上景とPsで組み合わせます。これで星景写真の完成です。
ちなみに、Psでのマスクはペンタブでブラシを使って手動で作っています。
まとめ
以上が現時点での私の星景撮影の過程でした!
この方法であれこれ撮影しつつ、更に改善していければ良いなと思います:)
いつもとても勉強になります・・・(`;ω;´)
撮影・編集ともになかなか根気のいる作業そうですが、今年はワイズカメラさんのまねっこを頑張りたいと思います!!
ぽんすけさん
初めまして、コメントありがとうございます!
手間は掛かりますがうまく行った時は嬉しいですよ:)
頑張って下さい!!