皆さん、水の流れがシルクのように滑らかな写真や雲が流れているかのような写真を見たことがあると思います。
これらの写真にはよくNDフィルターというものが使われています。
NDフィルターとは簡単に言うとレンズに入る光を減らすフィルターのことです。サングラスのような物ですね。なので、減光フィルターとも言われます。
私は撮影の際はいつも持ち歩いています!
これが私が購入したNDフィルター達ですが、ND16、ND400、ND1000、ND100000の4枚あります。全てKenko製です:)
濃いNDフィルターばかりですね。ND100000って・・・。
これらのNDフィルターをしばらく使ったので、その感想や作例を交えながら、NDフィルターの使い方と効果について書いてみたいと思います!
ちなみに、多くのシーンはND16とND400で撮影できるのではないかと思っています。
目次
NDフィルターの効果について
NDフィルターについてざっくりと知って頂ければと思います。
NDフィルターを使った写真
もうすでにご存知の方も多いかと思いますが、下のような普通の写真が、
NDフィルターでシャッター速度を遅くすることにより、
このような幻想的な写真に変えることができます!
こんな川の流れいいですよね。しかも、シャッター速度がある程度遅ければ余計な人も消えてくれます。もちろん、葉っぱなどは被写体ブレもしてしまいますが・・・。
このような写真が撮れるのもNDフィルターのお陰です:)
というのも、NDフィルターが光を弱めてくれるので、シャッター速度を遅くしても露出オーバーで写真が白くなるのを防いでくれるからです。
もし、このシーンでNDフィルターがなければ、最大限に絞ったとしてもSS1/10秒くらいが限界で綺麗な水面にはなりません。また、無理やりシャッター速度を遅くしても写真が真っ白になるだけです。
NDフィルター様々です:)
そんな便利なNDフィルターですが、ND4とかND8とかND16とか色々と種類があります。
フィルター番号について
ND8とかND16とかの数字の部分を「フィルター番号」と言い、フィルターの濃さを表しています。
例えば、ND8ならシャッター速度を8倍に遅くすることができます。つまり、SS1/160秒の時ならSS1/20秒にすることができます(1/160×8)。
ND16ならシャッター速度を16倍に遅くすることができます。つまり、SS1/160秒の時ならSS1/10秒にすることができます(1/160×16)。
したがって、フィルター番号が大きい方が濃いフィルターとなります。
では、どのフィルターを選べば良いのか・・・。初めの頃は迷うかと思います!
どのNDフィルターでどんな写真が撮れるの!?
私のフィルター購入遍歴を辿って、どのNDフィルターでどんな写真が撮れるのか、各NDフィルターの効果を見てみたいと思います:)
まず、一般的なNDフィルターにはND4、ND8、ND16などがあります。私は最初にND16を購入しました。
太陽の光が届きにくい渓流や滝であれば、ISO100、F11でSS2〜8秒くらいはシャッター速度を稼げることが多いです(最後の写真はISO50で撮影しています)。
これくらいシャッター速度を稼げれば、水が流れる様子は十分撮影できます!
ただ、少し明るい場所だとND16でも減光効果が不足することが結構あります。ND4やND8であれば、なおさら使えるシーンが限られると思います。
なので、もしこの3枚のNDフィルターでどれにするか悩まれているのならND16が良いのではと思います(使用目的が水の流れの場合で)。大は小を兼ねます。
Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 277447
ND16でも、レンズに装着したままファインダーを覗いて構図を確認できますし、AFも使えます(AFはカメラの性能による部分もありますが)。
なので、滝や渓流を撮影したいのなら、ND16は最初の1枚には丁度良いかと思います!使いやすいですし!
ただ、使い慣れてくると不満が出てきます。というのも、上記した通りND16では少し明るい場所だと上手く使えないことがあるからです。
ということで、次に私が購入したのがND400です。
Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 77mm 光量調節用 177235
高濃度で値段もちょっと高いです。
上2枚はISO100、F16でSS30秒です。3枚目はISO100、F16ですがSS6秒です。
どれも森の中にある渓流ですが天気も良かった為か、ND16では減光効果が足りませんでした。ND400があって良かったです。
ちなみに、私はND400が最も使用頻度が高いです。かなり重宝しています:)
そして、ND400があれば湖面も滑らかにできます。
比較的明るい時間帯でもなんとかいけます。
さらに、日の出・日の入り前後のやや暗い時間帯であれば、SS60秒以上にして雲をダイナミックに動かすことも可能です。
幻想的ですね:)
ということで、水の流れに関してはND16とND400で大体対応できると思います。また、ND400はさらに表現の幅を広げてくれます。
使い慣れるとND400はかなり楽しいです!
最後に、雲を流して撮影する時や明るい時間帯での長時間露光でもっと減光効果が欲しくなり、さらにND1000を購入しました。
Kenko NDフィルター PRO-ND1000 77mm 1/1000 光量調節用 377499
ND400ほど使用頻度は高くありませんが、ここぞという時に力を発揮してくれます。
この時はND400では上手くいきませんでした。
ただ、ND1000はあまり使いませんし、殆どの場合はND400でなんとかなります。
なので、多くのシーンはND16とND400で対応できると思います:)
ちなみに、ND100000は晴天の真昼間でもやろうと思えばSS30分以上いける代物です。興味本位で購入しましたが、一度しか使ったことがありません。でも、いつかこれですごい写真を撮りたい!
NDフィルターの使い方
まず、フィルター以外に必要なものが三脚とレリーズです。
Manfrotto コンパクト三脚 Befree アルミ 4段三脚ボール雲台キット MKBFRA4-BH
三脚は必須です。
参考:失敗しない一眼レフカメラの三脚の選び方!4つの三脚選びで押さえるべきポイント。
それからこれレリーズです。
手でシャッターを押すとブレてしまうので。
これらが揃えればスローシャッター可能です。今回は減光効果の強いND400を使った撮影方法を見てみたいと思います!
ちなみに、撮影方法は人それぞれだと思うので、以下は自己流の撮影方法となります。1つの参考にして頂ければと思います:)
まず、構図を決めて三脚にカメラを設置します。レリーズも挿し込んでおきます。
シャッター速度が遅ければ1枚の撮影だけでも時間がかかってしまうので構図決めは慎重に。
なんか寒そう・・・。
次に、カメラは「絞り優先モード」しておき、撮影したいF値を決めます。私は大体F11やF16で撮影します。F値が決まればシャッター速度を確認します。
この場合はISO100、F11でSS1/20秒でした。
次に、このシャッター速度を使い計算します。SS1/20秒なので、ND400を付けると「1/20×400」で20秒となります。
このシャッター速度で問題ないか・・・。もし、長過ぎるのならF値を開放したり、ISO感度を上げます。逆に、もっと長くしたいのならF値をさらに絞ります。
参考:絞り(F値)・シャッター速度・ISO感度の一つ上の知識。「段」という考え方。
これでF値、ISO感度、シャッター速度が決まりました。
次に、カメラをマニュアルモードにしてその設定にします(フィルターを付けて「絞り優先モード」のままでも使えることがありますが、撮影すると大体写真が暗すぎます)。
これでオッケーです。
今度はピントを合わせます。ND400を付けるとピントを合わせられなくなるので。
ピントを合わせたら、それが動かないようにカメラとレンズをAFからMFに切り替えておきます。手ぶれ補正もOFFにします。
最後に、いよいよNDフィルターを装着します。ちなみに、保護フィルターなどは外してください(ケラレが出るので)。また、日中の明るい時間帯ではファインダーはテープなどで塞いだ方が無難です(ファインダーから光が入り込む可能性があるので)。
最後に、レリーズでシャッターを切ります!
撮影したら露出を確認します。
大抵暗いことが多いように思います。そんな時は、F値を開放したり、さらにシャッター速度を遅めたり、ISO感度を上げたりして調整します。
これで完成です!
ちょっと面倒ですが、上手く撮影できた時は嬉しいです!
ただ、濃いNDフィルターを使うと思った露出にならなかったり、色が変になったりすることもあるので、RAWで撮影してLightroomなどで現像が必要になります。
また、ND16ならファインダーが見えますし、AFも効くので撮影はもっと楽です:)
ちなみに、カメラには「長秒時ノイズ低減」という機能があります。
これをONにすると撮影後、シャッター速度と同じだけカメラが操作できなくなります。つまり、SS60秒で撮影するとその後60秒間カメラの操作が不可に。
朝方や夕方など空が綺麗な時間帯は刻々と状況が変わります。そんな時にカメラが使用不可になると、シャッターチャンスを失うかもしれないので私はOFFにしてます。
もちろん、ノイズが取り除けるというメリットもあるので状況次第ですが・・・。ただ、私はSS60秒や90秒くらいではノイズは気になりませんね。SS120秒以上だと気になるかも。この点は季節(気温)にもよります。
まとめ
長時間露光で撮影すると目では見れない世界を撮影することができます。
また、工夫次第では見たこともない写真が撮れます:)
NDフィルターで表現の幅を広げてみてはいかがでしょうか!?
Kenko NDフィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 277447
Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 77mm 光量調節用 177235
カメラを露出計の代わりに使用するのですね!
初めてND使うときは16くらいが使いやすですかね?
ちかPhotoさん
コメントありがとうございます!
そうですね。いきなりはなかなか露出がわかりませんからね:)
なにを撮影するかによりますが、渓流とか滝ならとりあえず16でいいと思いますよ!
NDフィルターの作例お見事です!
新しい表現ができるようになるのは初めて一眼レフを手にしたときや三脚を使うようになったときがありますね。
ニコンは高性能レンズが77mmでそろえられてていいですね!
なにか一枚買ってみようかな?と思いつつペンタックスの場合は何mmがいいんだろう…?
ヤマヒロさん
コメントありがとうございます!
そうですね、新しい機材の導入は新しい扉を開いてくれます:)
そうねんです!ニコンは大体77ミリでいけます!ただ新型大三元が82㎜と残念です・・・。
一枚あるといいですよ!三脚が必要になりあますが・・・。お持ちの広角レンズが標準レンズに合わせて買うといいですよ:)
こんにちわ管理人さん。あれ・・記事のカメラ見ているとd7100?d7200?管理人さんの過去記事からd7000をお使いかと思っていますけど・・・。
さておき、NDフィルターっておもしろいんですね、私も時々ほしいぁーと思います。ぜんぜんシチュエーションが違いますが、子供を撮っているとき昼間になりますけど流し撮りしたくなるじゃないですか、そのときシャッター速度を60~100程度にするんですけどNDフィルタがないと、絞り22とか16などになっちゃうのが嫌だなと思います。そんなときNDフィルタあればって思うのですよね。
自転車のっているときバイクのっているとき、タイヤが止まっちゃってるとなんだか臨場感掛けるので気にして撮ってます。
らきゅさん
こんにちは、コメントありがとうございます:)
以前はD7000を使用していましたが、今はD7200とD750を使っています。
なるほどです。子供の流し撮りでもNDフィルターは使えますね!
ND4とかND8くらいであればファインダーも暗くないし、ある程度シャッター速度も遅くできるので良いかもしれませんね。
面白い写真が撮影できそうです:)
管理人様
この通りやってみたら、最初からうまくいってびっくりしました。
D500を使用していますが、NDを嵌めたあとも、チルトのディスプレーから確認ができますので、とってもいい感じでした。
大変有益な情報をありがとうございます。工夫して色々撮ってみたいです。
dosaniteさん
コメントありがとうございます:)
お役に立てたようで何よりです!
D500を使われているのですね・・・羨ましいです笑
NDフィルターがあればまた写真の世界が広がると思います:)
これからもよろしくお願いします!