先日、水族館で魚を撮影したのですが、どうも動く被写体が苦手です。以前、白鳥を撮影したときも苦戦しました。
例えば、一眼レフカメラで子供をメインで撮影したいという人は大変でしょうね。
大切な瞬間を上手く写真にしたいだろうし、運動会などの行事なら失敗できません。
「スポーツモード」でも良いんですが、せっかく一眼レフカメラを使っているのだから自分で設定したいものです。
カメラメーカーや機種によって機能が違うし、人によって設定の好みなどもあるので、一概には言えませんが、動く被写体へのピントの合わせ方と最適なカメラ設定について書きたいと思います。
動く被写体へのピント合わせのコツ
動く被写体を撮影するときにピントがずれるのには大きく2つの作用が関係します。それが、
- 1.被写体が動く
- 2.焦点距離が変わる
です。
まず、「1.被写体が動く」ですが、例えば子供(被写体)がこちらへ向かって来ると、カメラと被写体との距離感が変わるのでピントがずれます。これは普通のことですね。
次に、「2.焦点距離が変わる」です。例えば焦点距離200㎜の望遠で撮影している時に、焦点距離を100㎜にすると、被写体との距離は同じでもピントがずれます。焦点距離が変わるとピントも変わるのです。普段はカメラがAFしてくれるのであまり意識しないかもしれません。しかし、これは動く被写体を撮影するときに問題となります。
動くものを撮影しようとする時に、被写体を追いかけようとズームリングを回しながら連写をしていないですか?
ズームリングを回した方が、被写体を上手く画面に納められるので、これをやりがちだと思います。
しかしながらこれをすると、「1.被写体が動く」と「2.焦点距離が変わる」の二重の作用でピントが外れるので、カメラは同時に両方を調整しなくてはならなくなります。結果的に、AFが間に合わずピントが上手く合わなくなることが多くなります。
被写体は上手く追えるけどピンボケ写真ばかりでは意味がありません。
これを防ぐコツとしては、ズームリングを回しながら連写をしないことです。
例えば、焦点距離200㎜で固定したまま被写体を追いフレーム一杯まで連写、被写体が大きくなり過ぎたら焦点距離150㎜に素早く変えまたピントを合わし連写という方法です。
こうすることで、同時にカメラが「1.被写体が動く」と「2.焦点距離が変わる」ことの両方調整をしなくて済むので、ピントが合いやすくなるのです。
ズームリングを回しながら連写をしない。これがコツです。
最適なカメラ設定のヒント(ニコン)
AF-C
AFモードには「AF-A」、「AF-S」や「AF-C」などのモードがあります。
「AF-S」は静止した被写体の撮影に適したモードです。一方で、「AF-C」は被写体の動きに合わせてピントを合わせ続けてくれるので動体の撮影に適したモードです。「AF-A」は、「AF-S」と「AF-C」を組み合わせたモード。
動体を撮影するなら「AF-C」を使いましょう。
設定方法は簡単です。
AFロックオン
「AF-C」を使った撮影には「AFロックオン」という設定があります。これは、被写体との距離が瞬時に大きく変わった場合のピント合わせの動作に関する設定です。
どういうことかというと、AFロックオンに設定すると、被写体との距離が瞬時に大きく変わった時に一定時間経過してから被写体を追従してピント合わせするようになります。
なぜ、この機能があるのかというと、被写体とカメラの間に障害物が横切った時などに、そっちにピントが合うのを防ぐためです。
AFロックオンの設定には「強め(5)~弱め(1)」、あるいは「しない」があります。
AFロックオンを強めにする程、被写体との距離が瞬時に大きく変わってから、追従してピント合わせを開始するまでに時間が掛かるようになります。
一方で、「AFロックオンをしない」に設定すると、被写体との距離が瞬時に大きく変わった場合でもすぐに被写体を追従しピントが合うようになります。
これは状況によって良い悪いが変わります。人が密集した状況などではAFロックオンを設定したほうが良いですし、障害物がなさそうならAFロックオンしない方がピントがよく合ったりします。
状況により各設定を試してみる必要があります。
設定方法は、「MENU」→「カスタムメニュー」→「aオートフォーカス」→「a3AFロックオン」です。
ダイナミックAF
AFモードを「AF-Cモード」に設定すると、さらに「ダイナミックAF」などAFエリアモードを選択できます。
動く被写体には「ダイナミックAF」というものが適しています。これは選択した1つのフォーカスポイントから被写体が一時的に外れても、周辺のフォーカスポイントからのピント情報を利用してピント合わせを実行してくれます。
メーカーや機種にも依りますが、D7200などではフォーカスポイントを「9点、21点、51点」から選択できます。これは、
- 9点・・・構図を決めて撮影するときや、被写体の動く方向が予測でき、フォーカスポイントで被写体を捉えやすいときに。 例:陸上競技やモータースポーツ
- 21点・・・被写体の動きがランダムで予測しにくいときに。 例:フィールドスポーツ
- 51点・・・被写体の動きが速く、かつランダムで予測しにくく、選択したフォーカスポイントで被写体を捉えにくいときに。 例:野鳥撮影
など用途が分かれています。
フォーカスポイントが多い方が、ピントが合わせられる範囲が広くなります。なので動きが予測できない被写体もピント合わせが楽です。
一方で、フォーカスポイントが少ない方が、ピントが合わせられる範囲が狭くなりますがピントの正確性が増します。
なので、例えば走る子供など動きが読める状況では、ダイナミックAF51点よりも、ダイナミックAF9点や21点を使った方がピントの正確性が増します。逆に、動きの予測ができない野鳥などでは、多少ピントの正確性が劣っても、ダイナミックAF51点の方がピント合わせしやすくなります。
ちなみに、ダイナミックAFではフォーカスポイントは動きません。上の写真でいうと、赤いフォーカスポイントは動かないのでカメラを動かして被写体を追う必要があります。
設定方法はこれです。
3D-トラッキング
フォーカスポイントが動いて被写体を追うモードは、ニコンでは「3D-トラッキング」というモードです。
これは上写真のように、フォーカスポイントが動くので、被写体が画面内を動く範囲であればカメラを動かさなくても被写体を捕らえられます。
ただ、被写体の動きが早かったり、他に動くものがあると上手く動作しないことがあるので、私は使いません。
設定の仕方は上と同じです。
まとめ
動く被写体の撮影は難しいですが、カメラの操作や設定を最適化させることで、失敗のリスクを最小化させることができます。
失敗のがっかりを減らすために、上記のことを参考に設定を色々試して頂ければと思います。
初めましてです。こんばんは。Nikon5300を所有しているカメラ女子、、、というかおばさんです。望遠レンズの購入を考えてググっていたところこちらに辿り着きました。解説本など買ったりカメラ教室など通ってもいまいち理解できなかったんですが、とても分かりやすい文章と画像で感動しました。今後も読まさせて頂くつもりです。これからもわかりやすいBlog、よろしくお願いします。ちなみにインスタグラムはやっていますか?もっと写された画像を見たいです。
太田さん
初めまして!コメントありがとうございます。
このblogをお役に立てて頂けたようでよかったです:)
実は私、写真ブログをやっていながらインスタグラムはやっていないのです・・・。でも、これから始めようと思っているので、何らかの形でお知らせできればと思います!
私の住む北海道はまだ雪が溶けずなかなか撮影に行けてませんが、もう少ししたら本格的に撮影を始めて写真をアップしていきたいと思います。
blogの更新も進めていきますので、今後ともよろしくお願いします:)
私は電車を撮る高3の男です通過列車に限りピンアマになったりしますどうしたら良いでしょうか
井上さん
コメントありがとうございます:)
ピンアマということですが、まずシャッター速度は問題ないでしょうか??
通過列車に限りということなので、微妙な被写体ブレの可能性もあります。
それがなければ、AFが追いついていないことになります。
これはカメラやレンズの性能でどうしようもない場合もありますが、ある程度被写界深度を深くして「置きピン」してみては如何でしょうか??
これならジャスピンで撮影できる可能性も高まると思います。
あるいは、列車は動きが単純なので、ダイナミックAFのシングルポイントで撮影です。
NikonD80を使ってるのですが、スポーツモードに設定した後は自由にシャッタースピード変えられるのでしょうか、、、?変えられるのであれば変え方を教えてほしいです💦変えられなくて困ってます💦
はるなさん
ご質問ありがとうございます!
NikonD80は触ったことな無いので分かりません!すいません!
ちょっと前の世代のデジイチのD800を使ってます。
はるか昔はカメラ小僧を自称してましたが電子部品で構成されるようになった現在のデジカメには操作ヵ所が多くて難儀してます。
時たま犬連れでペンションに泊まりドッグランで犬を走らせて思い出写真を撮っておりますが、どうも動く被写体にピントが合いづらくてAFってやつはこんなものかと思っておりましたが、この記事を拝見して、ははあ、こんな設定があったのかと大変参考になりました。
取説には書いてあるのでしょうが、あの分厚いのを読む気にはなれなくて…(^^ゞ
今度機会があったら試してみたいと思います。
ありがとうございました。
mokkosuさん
コメントありがとうございます!
D800は名機ですね:)
犬の撮影は難しいそうですね、少しでもお役に立てたようで何よりです!
こちこそ嬉しいコメントありがとうございます!