雪も解け登山の季節がやってきました。
中にはこれから登山を始める方、道外から北海道へ登山にやってくる方もいらっしゃるでしょう。
北海道の登山で心配なのかヒグマです。ヒグマは本当に恐怖・・・。
そこで熊よけスプレーの購入を検討されている方も多いかと思います。ということで、北海道の登山で熊よけスプレーは必要か否か、個人的な意見を書きたいと思います。
目次
北海道の登山で熊よけスプレーは必要なのか!?
いきなり結論から書きますが、普通の登山をする分にはクマスプレーは必要ないと考えています。
理由としては以下の通りです。
- 使用する機会が非常に低い
- 持ち運びのコストが高い
- 高価で使用期限もある
使用する機会が非常に低い
私は北海道で登山を初めて9年目で、クマと鉢合わせしたのは3回ほど、足跡や糞などのクマの痕跡は高頻度で見かけます。
それでもクマスプレーを使う機会は1度もありませんでした。なので、私は一応クマスプレーを購入してありますが、登山に持っていかないことが多いです。
「使用する機会が非常に低くても、万が一の為に携帯するものだろ」と言われればその通りですが、クマスプレーに頼るよりはクマ鈴などの他のクマよけグッズを使用したり、クマに対する正しい対処方法を身に付ける方が、よっぽど効果的だと思います。
持ち運びのコストやリスクが高い
クマスプレーは、けっこう重いし大きいです。収納場所もすぐに使えるようにザックのショルダー部分や腰部分に限られるので、登山の際に思ったよりも負担になります。
また誤射の危険性が常に付きまといます。調べてみると誤射事件も割と頻繁に起きているようです。ロープウェイ内でぶつかった際に誤射したとか、缶が破裂したとか・・・。
クマスプレーは人にかかると、目は激痛、喉も激痛、皮膚も焼けるように痛むそうです。しかも、油性なので簡単には洗い流せません。着ていたウェアもダメになるでしょう。私も持ち運ぶ際はかなり気を使っています。
このように、クマスプレーは持ち運びのコストやリスクが非常に高いです。ちなみに、飛行機では預け荷物、手荷物ともに不可です。この点も不便ですね。
高価で使用期限もある
クマスプレーは1万円くらいで使用期限は3-5年くらいです。ずっと使えるわけではありません。
しかも、破棄する際は中身を空にしなければならないので手間です。
周囲に人のいない場所で、風向きを気にして噴射します。万が一、自分にかかると最悪ですね。
以上のことを踏まえると、普通の登山をする分にはクマスプレーは必要ないと思います。それでもクマスプレーがあった方がいいかなという場合もあります。
熊よけスプレーが必要な場合
クマの密集エリアに頻繁に行く
北海道の山にはどこにでもヒグマはいますが、それでも密集度は違います。特に、奥大雪、日高山脈、知床連峰などはヒグマ密集エリアです。
こうした山域に頻繁に行くのならクマスプレーはあった方が良いかもしれません。
ちなみに、知床や大雪ではクマスプレーをレンタルしています。特に道外から来る方にはレンタルは良いでしょうね。
参考:知床財団:クマ撃退スプレーのレンタル
参考:アサヒカワライド:クマスプレーレンタル
とにかく安心したい
クマスプレーがあると非常に安心感があります。ヒグマを見かけた時は、すがるようにクマスプレーを握りしめてしまいます。
ということで、とにかく安心感が欲しいという方は、余計なことは考えず購入すれば良いのではないでしょうか。
クマスプレーを持つと万能感のようなものが湧きますが、クマスプレーを持つことよりも大切なことがあります。それは以下のことです。
熊よけスプレーを持つより大切なこと
クマスプレーはヒグマが3〜4mまで近づいてきた時に使用する最終手段です。本当に生きるか死ぬかの瀬戸際。
ヒグマが3〜4m以内にいたら、私なら冷静にクマスプレーを使えないと思います。10mとかでも頭が真っ白になります・・・。
そうならないように以下の点を確認しましょう。
正しい対処方法を身につける
まずはヒグマに出会わないことが最善の対処法です。これに関しては知床財団が詳しく解説してくれているので、以下のリンクを参考にしていただければと思います。
参考:知床財団:出会わないために
次に、ヒグマに出会ってしまった時の対処方法です。これに関しても知床財団が詳しく解説してくれているので、以下のリンクを参考にしていただければと思います。かなり参考になります。
参考:知床財団:出会った時は
以上の2つのリンクを確認すれば、万が一の時に必ず役に立つでしょう。
クマ鈴を携帯する、できれば1人で行動しない
基本的にヒグマは人を避けます。人がヒグマに気付く前に、ヒグマが人を避けていることも多いそうです。
なので、人の存在を知らせることが非常に大切。その為にクマ鈴は有効です。
このクマ鈴は私も使用していますが、本当にうるさいです。「まぁー、大きい音のする鈴ねぇー(意訳:うるさい)」と周囲の登山者に言われることがありますが、クマ鈴はうるさくてなんぼだと思います。安心感があるのでおすすめです。
たまに「クマ鈴は逆にクマを寄せる」みたいなことを言う人がいますが、そんなことないと思います。
本当に寄ってくるヒグマがいたとしても、クマ鈴の音を聞いて逃げるクマの方が遥かに多いと思うので、やはりつけた方が良いです。高原沼のヒグマ情報センターでもクマ鈴を推奨しています。
あとは、複数人での行動も良いです。人の気配が増しますし、人(敵)が多いというのはヒグマにとってプレッシャーとなるので襲われにくくなります。
最後にクマスプレーを購入したい方のために、クマスプレーを3本ご紹介したいと思います。
クマスプレーを3本ご紹介
まず、簡単にSHU(Scoville Heat Unit)という用語の説明をします。SHUは唐辛子の辛さを示す値です。ヒグマにはSHU値20万以上が必要とされています。SHU値20万以下は小・中型動物用です。ちなみに、タバスコが1600-5000、チリパウダーが30000-50000となっています。
あとは予備知識ですが、クマスプレーには油性と水性があります。ヒグマには即効性があり、効果の持続しやすい油性が有効です。水性は本州のツキノワグマや小中動物用となります。
では、クマスプレーを3本ご紹介します。
カウンターアソールト(COUNTER ASSAULT) アウトドア キャンプ 熊よけスプレー CA230 カウンターアソールト 320g 【日本正規品】 02194
カウンターアソールトは定番のクマスプレーです。上の商品はホルダー別売り。
サイズは215×直径50mm、重量320g、最小噴射距離9m 、噴射持続時間7.2秒、SHU32万、油性となります。
OUTBACK 熊撃退スプレー カウンターアソールト・ストロンガー アルデ携帯ホルスターセット 熊よけ CA290&H
カウンターアソールト・ストロンガーは先ほどの通常版より、噴射距離と容量がアップしたものです。効果(SHU)は同じです。
サイズは213×直径59mm、重量380g、最小噴射距離10.5m 、噴射持続時間9.2秒、SHU32万、油性となります。
世界50カ国以上の軍や警察が使用しているSABRE(セイバー)が販売しているクマスプレー。
サイズは約215mm×直径50mm、重量300g、最小噴射距離10.5m 、噴射持続時間5.9秒、油性となります。
スペックまとめ。
カウンターアソールト | カウンターアソールト ストロンガー |
SABRE ベアスプレー | |
成分 | 唐辛子エキス | 唐辛子エキス | 唐辛子エキス |
SHU | 322000 | 322000 | |
性質 | 油性 | 油性 | 油性 |
重さ | 約320g | 約380g | 約300g |
サイズ | 215×直径50mm | 213×直径59mm | 約215mm×直径50mm |
最小噴射距離 | 9m | 10.5m | 10.5m |
噴射持続時間 | 7.2秒 | 9.2秒 | 5.9秒 |
野生動物の力を知らないとダメですね。
私達の力ではキタキツネ一匹押さえつけるのも
ムリでしょうね。
私の腰くらいの体高の母ポニーの手綱を持っていましたが
子ポニーが走り出したら母ポニーも後を追って走り出し
私は手綱を持ったまま牧場の中を引きずられました。
さすが1馬力と感心しました。
鹿の角を掴んで押さえつけようとしましたが
一人の力ではムリでした。これらは飼い慣らされてますが
野生の動物ならこの何倍も凄いのでしょうね。
mickeyさん
リアル1馬力を体感されたのですね笑
本気を出したクマの力なんて想像を絶するでしょうね。近所でクマのビンタがかすって、鼻が無くった方がいました・・・。