登山で保険は必要なのでしょうか?
登山をしていると一番心配になるのがやはり遭難や事故です。「私は激しい登山はしないし、簡単な山歩きだから大丈夫」というのは通用しないです。
先日、札幌近郊の1000m級の山で滑落し救助された人がいました。私も過去に1000m級の山で骨折し救助されている人を生で見たことがあります。
ちなみに、山の事故で1番多い原因は道迷いです。
これらの事故はいつ自分に起こっても全くおかしくありません。
万が一の時に備えて山岳保険に入れば良いのですが、なんとなく山岳保険って高かったり手続きが面倒そうなイメージです。
救助費はいくら掛かるのか?
もし登山で事故にあったり遭難してしまった場合、救助に掛かる費用はいくらになるのでしょうか?
一番気になることでもあります。
公共機関(警察、消防、自衛隊など)なら無料で民間なら費用が発生すると聞いたことはありますが、実際はどうなのでしょうか?
救助費が発生しない場合
公共機関(警察、消防、自衛隊など)が動いた場合は、救助隊が何人動いても、またヘリが出たとしても、費用は税金でカバーされるため救助費は無料になるようです。
皆の税金なので複雑ではありますが、遭難した本人にってはありがたいことかもしれません。関係ない人にとっては「ふざけるな」という気持ちですね。
ただ、これは全て公共機関で救助を終えた場合です。別の場合もあります。
救助費が発生する場合
救助に民間人が関わると救助費が発生します。
では、一体これはどのような場合なのでしょうか。
例えば、公的機関(警察、消防、自衛隊など)で人員が確保できないケースです。そのような時は、地元山岳会や山小屋の人など山の知識・経験が豊富な民間の人に依頼し、合同で救助に当たることがあります。
この場合、1日あたり1人数万円を日当として支払う必要が出てきます(これに加え食費や交通費も掛かります)。おおよそ1人あたり1日2万~3万円と言われているようですが、危険度や地域によっても上下します。
さらに、公共のヘリコプターが点検や別件での出動によって使えない場合は、民間のヘリコプターをチャーターする必要が出てきます。そんな時は1分1万円などと言われています。恐ろしい金額になりますね。
ちなみに、民間に救助を依頼する時は、家族などに了解を取るようですが、緊急を要する場合などは例外もあるようです。しかも、人の命が関わる状況で「お金がかかるからそれはちょっと」なんて言えるはずがありません。
ということで、救助費は規模や期間によって異なりますが、数十万円から数千万円発生すると言われます。
さらに、直接的に救助活動とは関係ありませんが、家族などが現地に駆けつけるための交通費や宿泊費も掛かります。また、もし遭難者が亡くなっていたとしても遺体捜索で費用が掛かります。
助かっても死亡しても多額の費用が発生することになります。
山岳保険に入る?
そこで最低でも救助費用をまかうことができるような保険の必要性が出てきます。
山岳保険は様々種類があります。例えば、二泊三日の登山で1000円というように掛け捨ての保険もあります。
ただ、これだと月に数回登山に行くような人だと手続きが面倒ですし、結局割高になります。たまたま保険に入っていなかった時に事故に遭うということも考えられます。
なので、登山好きであれば1年間を通して保険が適用されるものが良いと思います。
ということで、探してみると割安のものがいくつかありました。
レスキュー費用保険(捜索・救助費用保険)
年間保険料5000円のみで、1年間365日、季節・場所・活動形態(沢登り・冬山・クライミング・山菜採り等々)を問わず、あらゆる山岳活動、アウトドア活動の捜索・救助費用を補償します(上限300万円)。保険料を1ヶ月に換算するとわすか約417円ですね。
しかも、一般的な山岳保険だと道迷いや病気、疲労が原因による遭難の場合などは、保険対象外になることもありますが、「レスキュー費用保険」は遭難の原因を問いません。
デメリットとしては、遭難・捜索・救助費用に特化されているので、入院費用や後遺障害、死亡保険金などの支払がないことです。それと、賠償補償がないので落石などで他人に怪我させた時は使えません。
救助に特化しているから安いということですね。
詳しくは:レスキュー費用保険(捜索・救助費用保険)
日本山岳救助機構(JRO)
これは保険や共済ではなく、山岳遭難対策制度です。
どういうことかというと、これは遭難捜索、救助費の補償(上限330万円)に特化した会員制の費用分担制度になります。その年度に現実に発生した捜索救助費用を全会員で公平に分担するという「事後分担金方式」を取っています。
必要な費用としては、年会費(2160円)と事後分担金(750円~1,500円の間)のみで割安です(最初の年のみ入会金2160円が必要)。
これも季節・活動形態(沢登り・冬山・クライミング・山菜採り等々)を問わず、あらゆる山岳活動、アウトドア活動が対象になります。そして、事故・遭難の原因も問いません(既往症、持病は削減可能性あり)。
デメリットとしては、これも入院費用や後遺障害、死亡保険金などの支払がないことです。それと、賠償補償がないので落石などで他人に怪我させた時は使えません。
詳しくは:日本山岳救助機構(JRO)
やまきふ共済会
これは年会費4000円だけで、救助費を上限500万円まで補償してくれます。費用は4000円だけなのでわかりやすいです。
また、これも季節・活動形態(沢登り・冬山・クライミング・山菜採り等々)を問いません。また、事故・遭難の原因も問いません(ただ、これは登山計画書提出の有無で変わります)。
デメリットとしては、これも入院費用や後遺障害などの支払がないです。また、賠償補償もありません。
それと登山計画書を提出していないと道迷い・病気・疲労が原因の遭難が適用外となったり、冬山・クライイング・スキーなどの活動が適用外となります(登山計画書の提出といっても、作成した登山計画書を家族や友人に渡し、やまふき共済会HPやメールでそれを誰に渡したのか「やまふき共済会」に報告するだけで簡単です)。
ちなみに、プラス会員(年会費7500円)になると、入院費用や後遺障害、死亡保険金などが支払されたり、賠償補償(1億円)が補償されます。
詳しくは:やまきふ共済会
モンベル野外活動保険(傷害総合保険)
モンベルには短期保険や長期で手厚い補償のものまで様々あります。
ここでは、「モンベル野外活動保険」の「シングルプランC033」についてご説明したいと思います。
これには保険期間が1年、3年、5年の3パターンあり、1年契約ならわずか3110円です。
救助費用には上限500万円まで補償があり、賠償責任保険も1億円あります。さらに、死亡・後遺障害の保険金(200万円)も受けられます。
デメリットとしては、入院・通院日の補償はありません(シングルプランC033ではなく上位のプランならあります)。また、シングルプランC033ではピッケルやアイゼンを使う本格登攀は対象外のようです。
他にも色々プランがあるようなので、詳しくはモンベル山岳保険HPをご確認ください。
詳しくは:モンベル山岳保険
まとめ
山岳保険は救助費に特化した保険であれば、年間の費用も安く抑えられるようです。
これで万が一の時に最低限必要な費用を得ることができます。私もどれかに入ろうかと思います。
こんにちは(^^)いつも楽しく拝見させていただいております。もともとヤマが好きで、そろそろ写真も・・とこの春にD5500でカメラデビューした初心者です。山に持っていける三脚を探していて、やはりSLIKのスプリントミニに行き着きました。今日届いたのですが、一言、最高ですね!ヤマに持っていく日が楽しみです!
ヤマサンダルさん
初めまして。コメントありがとうございます:)
私と同じパターンですね。D5500を持ってヤマいいですね。
そして、この三脚、最高ですよね!コンパクトな三脚があれば、なおさら登山が楽しくなりますよ!
いい景色に出会えれば良いですね:)登山楽しんでください!これからもよろしくお願いします:)