「APS-C」、「35㎜版フルサイズ」とは。
カメラやレンズを購入するとよく出てくる言葉ですね。
デジタルカメラができる前は、カメラと言えばご存じの通りフィルムカメラでした。フィルムカメラの場合、フィルムに光を当てて感光させることで写真を撮影してました。フィルムを巻くのに失敗して写真をダメにしたこともあるかと思います。
一方で、デジタル一眼レフの場合、フィルムは使いません。その代りに、「撮像素子(センサー)」という部分がフィルムの役割を果たしています。
これが「撮像素子(センサー)」です。
そして撮像素子には大きさのサイズが様々あります。「35㎜版フルサイズ」と「APS-C」とは、その撮像素子の大きさを表した言葉です。
撮像素子は「35㎜版フルサイズ」の方が「APS-C」よりもおおよそ2.23倍大きいです。このサイズの違いで何が変わるのか。ノイズに強いとか描写力とかいろいろありますが、まず目に見えて一番大きな違いは画角です。
35㎜換算とは。
撮像素子の大きさで、画角が変わります。画角とは「撮影できる範囲」のことです。
同じ焦点距離で撮影しても、「35㎜版フルサイズ」よりも「APS-C」の方が、実は画角が拡大されて写ります。どれくらい拡大されるか。ざっくり言うと、約1.5倍です。
例えば、焦点距離35㎜の広角で撮影したとして、「35㎜版フルサイズ」の一眼レフカメラならそのまま35㎜の広角で撮影できます。
しかし、「APS-C」の一眼レフカメラだと1.5倍拡大されるので、約52㎜(35㎜×1.5)で撮影したことになるのです。
上写真が、「35㎜版フルサイズ」での「焦点距離35mm」。下写真が「APS-C」での「焦点距離35mm」です。
見え方が結構違います。
同じ焦点距離35㎜で撮影しても、「35㎜版フルサイズ」なら、そのまま「焦点距離35mm」。「APS-C」では1.5倍拡大で「焦点距離52mm」に見えるのです。
こんなに画角の違いがあります。下の写真は結構狭いですね。もう広角ではなく標準の域に入ります。
「APS-C」では、焦点距離35㎜で撮影しても、実は焦点距離35㎜の画角では撮影できてないのです。
しかも、レンズに表記されている焦点距離はすべて「35㎜版フルサイズ」を基準として記載されています。
なので、「APS-C」の一眼レフカメラを使っている人の場合、実際の画角を確認するために、表記されている焦点距離を1.5倍にして考える必要があります。これを「35㎜換算」といいます。
一眼レフカメラエントリー機は「APS-C」が多い
「APS-C」の一眼レフカメラを使っている人は、これを忘れてしまうと、例えば「35㎜単焦点レンズ」で広角レンズと思いきや約52㎜の標準で写ってしまったり、「50㎜単焦点レンズ」で標準レンズと思いきや約75㎜の中望遠で写ってしまったり、レンズ購入の時に失敗のもとになるので注意が必要です。
Nikonだと
- D500
- D7200
- D5500
- D3300
などが「APS-C」です。Canonなら、
- EOS 7D Mark Ⅱ
- EOS 80D
- EOS 8000D
- EOS Kiss X80
- EOS Kiss X7
- EOS Kiss X8i
などが「APS-C」です。参考までに!