皆様、広角レンズの使い方はお分かりでしょうか!?
もちろん、構えてシャッターを切れば撮影はできますが、それだけでなく広角レンズの特徴を上手く活かして撮影すればインパクトのある素晴らしい写真を撮影することができます。
私は無類の超広角レンズ好きです。
思い返せばシグマ8-16㎜、ニコン16-35㎜F4、ニコン14-24㎜F2.8と3本も広角ズームレンズを購入していました(今は2本手元にあります)。
やはり風景には広角レンズが適しています。もちろん、それぞれのレンズの良さがあるのですけどね:)
今回は広角レンズの特徴を活かした使い方へのヒントについて自分なりに書いてみたいと思います。
ちなみに、フルサイズ機で焦点距離35㎜以下が広角、さらに24㎜以下が超広角と言われていますね(APS-C機なら約24mm以下が広角、16mm以下が超広角となります)。
広角レンズの特徴を活かした使い方へのヒント
まずは広角レンズの特徴につてい簡単に触れてみたいと思います。
それを箇所書きすると、
- 画角が広い
- パースペクティブ
- 被写界深度が深い
この3つが広角レンズの特徴です。
わざわざ広角レンズを使うのだからこの武器を最大限活かしたいですね:)
では、そのためには広角レンズをどう使えば良いのでしょうか!?
思い切りよく大胆に切り取る
当然ですが、広角レンズは画角が広いです。広さを表現することができます。これを上手く写真に活かさない手はありません。
そのためには思い切りよく大胆に切り取ることが有効だったりします。
例えば。
空が綺麗だと思ったのであれば、思い切りよく大胆に空の部分をガバと広く写します(16㎜で撮影)。
空が広々気持ち良いですね。
これも。
池の青さが綺麗だと思ったのであれば、池の部分を出来るだけガバと広く写します(24㎜で撮影)。
画角の広さを十分に活かした撮影です。
風景の撮影だと三分割構図などがよく頭をよぎりますが、広角での撮影では単純な発想で写したいものを大胆に広く撮影した方が、小手先の構図よりも印象深い写真になると思います。
空や地面を大胆に切り取る。広角レンズならこれだけのことで面白い写真が撮れてしまいますね:)
そして、余談ですがもう1つ。
最近、私はアスペクト比(縦横比)を変えてしまうのもアリだと思っています。
一眼レフカメラの場合は4:3が基本ですが、これを16:9のワイドにすると写真が見違えます。
もともと広角で広く撮影したものをさらに横長にするのでより広さが強調されます。
写真の中に入っていけそうな感じですよね。
もちろん、16:9ではなくもっと自由に変えるのもありです。
これは24㎜で撮影したのもを3:1くらいにしています。
広角だとその画角の広さ故、意図しないスペースができてしまうこともありますが、これで上手く解決できることも多々有ります。
画角の広さを上手く活かせますね:)
寄って撮る
広角レンズは標準や望遠と比べて被写体にぐっと接近して撮影できます。
被写体に近づけばそれだけパースペクティブを強調させることができます。
つまり、近くのものがより大きく見え、遠くのものがより小さく見えるようになります。
例えば、この場所。
ただ単に広角で撮影した写真(16㎜で撮影)。
なにか閑散として特に印象にも残らないです。ただ広いだけで広角レンズを上手く使えているとは言い難いです。
今度は被写体に近づきパースペクティブを十分活かして撮影してみます。
小さな新芽ですが手前側にドンと大きく写り生命力に満ち満ちた力強さを感じられます(16㎜で撮影)。そして、奥のものはより小さく写り空間の広がりも強く感じられます。
広角でグッと近づいたからそこの表現です。
これも同様です。数十年前に切り倒されても未だに衰えない力強さと根の躍動。広角にしかできない表現です(APS-Cで8㎜)。
また、広角で被写体に近づくと自然とカメラを低い位置に持ってくることが多くなるので、その点でも空間の広がりが生まれますし、普段は見ない視点なのでそれだけで印象的になります。
ということで、画面全体のバランスもありますが良さそうな被写体があれば広角で可能な限りグッと近づきパースペクティブを強調して撮影してみると良いかもしれません:)
「歪み」や「すぼまる」のを使う
広角レンズではその強烈なパースペクティブによって写真に独特の歪みが生まれます。それは画面の内側に向けて傾くような歪みです。
パースペクティブ=歪み、と捉えられることもあるようですね。
これを上手く活かしても印象的な写真が撮れます。
この場合だと木々が中央に向けて傾くように歪んでいます。肉眼では見られない不思議な感じ。広角レンズにだけできる独特な表現です(16㎜で撮影)。
この歪みを大きく出すには低い位置から上向きにあおって撮影するとより効果的です。上の写真の時も道路すれすれにカメラを低くし上に向けて撮影しました。
ビル群や人なども低い位置から上向きへあおって撮影して歪ませると面白いかもしれませんね:)
また、広角レンズは歪みだけでなく奥に向けてギュッとすぼまるような写りをします。これも近くのものは大きく、遠くのものは小さく見えるというパースペクティブによる見え方です。
これで道や川などの線的なものを写しても良い感じになります。
遠くに向けてぎゅっと収束していくので写真に奥行きを感じられますね(1枚目24㎜、2,3枚目16㎜で撮影)。
私は時々、このような撮影シーンで望遠を使って圧縮効果を狙うか、広角でパースペクティブを使うか迷う時があります。
参考:望遠レンズの使い方のコツ。望遠レンズの4つの特性を知って良い写真を撮ろう。
また、こういった道や川などをリードライン(目線を前後に導く線)というようですが、この事を意識するとより効果的だと思います:)
絞って手前1/3にピント
画面全体にかっちりピントがあった写真。
つまりパンフォーカスを得やすいのも広角レンズの特徴です。
そのためには過焦点距離にピントを合わせるのが効率的です。
過焦点距離とは「焦点距離◯◯㎜、F◯の時に手前◯mの位置にピントを合わせると手前から無限遠までピントが合う」というやつです。
それで過焦点距離には計算式があります。
過焦点距離(㎜)=焦点距離(㎜)×焦点距離(㎜)÷F値÷許容錯乱円(㎜)
・・・でも、こんな式は全然分からんです。
なので、私は広角での撮影ではF11〜16に絞り撮影範囲の手前1/3の位置にピントを合わせて撮影しています。
なぜ、撮影範囲の手前1/3の位置にピントかというと、被写界深度(ピントの合う範囲)は手前1/3、奥2/3の比率で広がるからです。
一応これは理にかなっている訳です。
ただ、手前1/3の位置をどう測るかという問題もありますね。
私は感覚的に「この辺だろうな・・・」と大雑把でやってしまいますが、それで実際に満足いくパンフォーカスが得られています:)
もちろん、明確な被写体や目立つものがあるのなら、そこにピントを合わせるのが1番ですけどね!
以上が広角レンズの特徴を活かした使い方へのヒントでした:)
参考:おすすめ超広角ズームレンズ。Nikon(ニコン)、SIGMA(シグマ)、TAMRON(タムロン)の広角ズームレンズ。
まとめ
これらを手掛かりにしていけば広角レンズでインパクトのある写真を撮影できるのではないでしょうか!?
そして、まだ広角レンズの購入を検討されている方がいらっしゃるのなら手を出してみてはどうでしょうか??
SIGMA 超広角ズームレンズ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM ニコン用 APS-C専用 203559
Nikon 超広角ズームレンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED フルサイズ対応
こんばんは。広角の撮り方ですがアスペクト比を変えるのは良いですね。今までそういう発想はなかったです。奥行きを出すのにはマイナスなのでしょうが広さを表現するにはいいですね。今度からやってみようと思います。
そういや先日ご紹介のコシナの58mmF1.4は生産終了になったんですね。ますます入手困難になりました。
Labattさん
コメントありがとうございます!
アスペクト比を変えると新鮮味も増してより良いです:)
ぜひ試してみてください!
いきなり生産終了になって驚きです・・・。
もう新品は手にないらない!?ですね涙
中古もすでに価格が上がってきそうな雰囲気なので入手するのは今のうちかもしれませんね。
はじめまして!
いつも楽しい記事、心躍る写真、楽しく拝見しております。
自分もそろそろ広角レンズを購入したいと考えておりますが、案の定購入するレンズを悩んでおります(;´Д`)
助言頂けると幸いです。
所有機材はNikonD750、D5500なのですが、諸事情によりD5500をメインで使わざるを得ない状態ですので、今回はDX機でのレンズを考えております。
候補としては、
①トキナー11-20 F2.8
②トキナー14-20 F2.0
この2つでかなり悩んでおります。
星景も撮りたいと思っておりますので、この明るい2つのレンズが非常に気になります。
①はオートフォーカスに難ありらしいのですが、景色を撮るのならそこまでオートフォーカスに頼らなくてもいけるかなぁと思っており、現在第一希望です。
ですが②の変態レンズは14スタートですが全域F2.0で描写は単焦点のそれと変わらないという噂。星景を撮るのにも1段明るいのはアドバンテージかなぁと思っています。またオートフォーカスも快調。
14スタートで無ければ迷いなくこっちを買ったんですが…
正直F2.8でも十分明るいですし、お値段も①の方が安い…
将来はフルサイズ様にタムロン15-30やNIKKOR20m F1.8なども購入しようと思ってるので、まずは超広角の世界を楽しむために①か描写に妥協のない②にするか寝る間も惜しんで悩んでおります(;´Д`)
ワイズさんならどちらを選びますか?または第3の選択肢があれば御教授下さい!
Haletaさん
コメントありがとうございます!
広角レンズのご検討ですね:)
トキナーのどれも個性的なレンズですね!
これも悩ましいですね・・・。
今はD5500がメインということですがこれが、どれくらいの期間D5500を使うかにもよりますよね・・・。
ちょっと考えさせて頂いてからお答えしたいと思います:)
すいませんが少々お待ちくださいませ!
ワイズさん
返信ありがとうございます。
使用期間ですが恐らくあと一年半くらいはD5500をメインにする気です。
ご多忙かと思いますので、気の向いた時でいいので頭の片隅に置いといて頂ければ幸いです!
Haletaさん
ご返信ありがとうございます!
一年半くらいですか:)
なるべくお力になれればと思います!
こちらこそ宜しくお願いします:)
毎度のことながら、どれも素晴らしい作品で見入ってしまいます…(゚A゚;)ゴクリ
広角レンズが欲しくなってしまいます笑
また、僕の場合ポートレートが多いですが、アスペクト比を変更することはとても使えそうで勉強になります!!
今度試してみます!!(*^^*)
ちかPhotoさん
コメントありがとうございます:)
ありがとうございます!広角レンズいいですよ笑
ポートレートでもアスペクト比変更はいいかもしれませんね!
ぜひお試しくさい:)
数々の貴重な情報をありがとうございます
星の撮影にチャレンジしてみようと考えています。
14mm-24mm f2.8 と16mmの魚眼レンズにソフトフィルターを着けたいのですが、その装着方法を教えていただきたいと思います。
リヤレンズ側に着けるとは聞いたことがありますが
その着け方が分かりません。
素人質問で申し訳ありません。
宜しくお願いします。
genさん
コメントありがとうございます:)
ソフトフィルターのつけ方ですね!
私もやったことはありませんが、フィルターを円形にカットしてテープでくっつけるみたいですね!
私の記事ではありませんがこちらが参考になります。参考:ニコン 14-24mm f/2.8G EDにソフトフィルターをつける
これからもどうぞ宜しくお願いします:)
ワイズさん ご返信をありがとうございます
”後ろに着ける”までは教えてくれますが
具体的な方法が分からないままでした。
分かり易く書かれた情報を手にすることができましたこと
本当にありがとうございました。
カメラを手にして・・・約50数年
撮影テクニックはもとより
最近では「現像」テクニックのスキルまで求められる状況に
なかなか追いついていけない66歳のオヤジです。
幸か不幸か、未だ社会からは自分の拙いものを求められる身分でもあり
撮影機会は年に数度しか確保できません。
それでも、仕事から離れた時に
自分の好きな写真撮影と山歩きができるように
何らかの訓練を心がけている日々。
そんな時に巡り合えたのが貴殿のブログでした。
貴方様のとても謙虚な記事に惹き付けられます。
これからもよろしくお願い申し上げます。
genさん
ご返信ありがとうございます:)
ソフトフィルター、私も冬の星空でやってみたいと思っています!
確かに最近は現像テクニックの方が大事くらいになってきていますね。
どんどん機材もソフトも進歩して嬉しい一方で大変な面もあります:)
仕事がお忙しいようですが、これから素晴らしい光景が見られと良いですね!そう祈っております!
こちらこそどうぞよろしくお願い致します:)
はじめまして。
先日、広角レンズについて調べていたら「ワイズさん」のブログに出逢いました。
とても参考になる内容と共感できる部分もあり、時間を忘れて読み入ってました。
私は、D7000を手に週末には息子のサッカー観戦に出掛けることが大半で、時どき阿蘇山や天草で風景を撮ることもあります。
使用レンズは、カメラ購入時に付いていた「タムロン 18-270mm F/3.5-6.3」と2年前に購入した「タムロン SP150-600mm F-5-6.3」の2本です。
サッカーの試合時には「600mm」という焦点距離は驚異的な威力を発揮してくれます。しかし、広角域での写真になると何とも平凡すぎて物足りなさを感じるようになり始めました。
まさしくワイズさんの言われている「圧縮効果」と「パースペクティブ効果」とのギャップの面白さかと思います。
時にはグランドに寝そべり(笑)出来るだけ臨場感を出そうと努力してみますが・・・「やっぱり広角レンズが欲しい!」と思いは積もるばかりでした。
が先日、遂に決心して「シグマ超広角 10-20mm F3.5」を購入いたしました。
おそらく今日にでも自宅に届くはずです。 「とても楽しみです。」
ずっとずっと悩んでいた「広角レンズ購入」にワイズさんが背中を押してくれました。 「ありがとうございます。」
できれば、2台目として「D500、D7200」も欲しいところなんですが、またお小遣いを貯めて来年にでも購入できるように頑張ります。
長々と大変申し訳ありませんでした。
「ワイズさん」の記事があまりにも楽しかったので・・・お許し下さい。
また機会があればコメントさせて下さい。
たくロッチさん
コメントありがとうございます!
そう言っていただけて嬉しい限りです!記事を書いた甲斐がありました:)
「タムロン SP150-600mm F-5-6.3」での圧縮効果も良いですが、広角の迫力もまた良いですよ!
そして、「シグマ超広角 10-20mm F3.5」を購入されたのですね!おめでとうございます!
お子さんにぐっと近づいても良い独特の写真が撮れますし、阿蘇山の雄大な風景にも力を発揮してくれるはずだと思います!
阿蘇の風景が羨ましいです笑
特にサッカー観戦にはD500は絶大な力を出すでしょうね。それか、フルサイズ機もありますよ・・・:)
こちらこそどうぞよろしくお願い致します!
ワイズカメラ様
初めまして。
ニコンD5300を使用しており、このサイトを拝見して超広角レンズの購入を検討している初心者です。
※今朝のコメントは無視してください笑
僕も「SIGMA 超広角ズームレンズ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM ニコン用 APS-C専用 203559」を購入したいと考えているのですが、C-PLフィルターがつけられないのですね。
そもそもC-PLフィルターの良さもこのブログで知ったのですが、このSIGMAの超広角レンズはフィルターを着けなくてもキリッとした写真は撮れますでしょうか。
また、f4.5ですが、星空も撮影出来るでしょうか。
その2点で購入を踏みとどまっております。
教えていただければ幸いです。
何卒よろしくお願いします。
かまやまさま
ご丁寧にありがとうございます!
「SIGMA 超広角ズームレンズ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM ニコン用 APS-C専用 203559」をご検討されているのですね。
このレンズはフィルターなしでもいい写りですよ:)
ただし、「キリッと」というのがどのような画を示しているのかは分かりませんが、それなりに解像感は出ます:)
また、超広角でC-PLフィルターを使用すると確かに風景の色は濃くなりますが、色ムラができてしまいます(例えば、空の部分によって青の濃さが違ったり)。
これが気にならないのなら良いですが、私は気になってしまうので超広角ではC-PLフィルターはあまり使いませんよ。水面の反射を抑えるとかなら使いますが。
あとは、NDフィルターはよく使います。
おっしゃる通りで「SIGMA 超広角ズームレンズ 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM ニコン用 APS-C専用 203559」はフィルター不可です。そして、F4.5は星空は厳しいかもしれませんね。ちょっと暗いです。
なので、このレンズは、フィルターは使わない、星も撮らないという限定なら最高のレンズです。
一方で、星も撮れる超広角レンズならトキナーが良いかなと思います。ただし、使ったことがないので何とも言えない部分もあります。スペック的には良さそうです。サードパーティ故の問題もありますが。
よろしければこちらをご参考ください:風景や星景の撮影で使える広角域のDXレンズに悩む《レンズ購入参考》。Haletaさんへ。
いかがでしょうか!?
ワイズカメラさま
とても丁寧かつ分かりやすい返信ありがとうございます!
いただいた情報を基に、先ほどSIGMAの超広角レンズ買っちゃいましたー!!
楽しみです!
星空は現在のキットレンズf3.5で撮りつつ、欲しくなったら買おうと思います!
今後とも、参考にさせていただきます!
よろしくお願いいたします!
かまやま様
ご返信ありがとうございます:)
購入したのですね!おめでとうございます:)
超広角はハマりますよ!
星空は特殊ですからね、星空用に単焦点を1本買うくらいでもいいかもしれません。
こちらそこ、どうぞよろしくお願い致します!