Nikon Z7は高画素機ゆえにシャッターショックによるブレが目立つらしいですね。
特に、SS1/80やSS1/60秒前後で顕著に現れるので、その辺のシャッター速度で撮影する場合は、電子先幕シャッターや電子シャッター使うと良いとのこと。
とは言うものの、私はずっとD750を使って来たので電子先幕シャッターや電子シャッターと言われてもあまりピンときません。D750は普通のシャッター(フォーカルプレーンシャッター)しかなかったので。
なので、シャターの種類とそのメリット・デメリットについてまとめてみたいと思います。私が手にするZ6は高画素機ではないのでそこまでブレにシビアではないと思いますが。
目次
フォーカルプレーンシャッター
フォーカルプレーンシャッターとは
フォーカルプレーンシャッターとはセンサー前面を物理的な先幕と後幕を動かすことによって露光を行うシャッター機構のことです。
いわゆる普通のシャッターというやつ。一眼レフカメラにはもちろんのこと、ミラーレスカメラにも通常搭載されています。
仕組みはこんな感じ。
まず、先幕が開き露光が始まり、次に後幕が閉じることによって露光が終わります。
なぜ、2枚のシャッター幕を動かすのかと言うと、もしシャッター幕が1枚だとセンサーの上と下で露光時間が変わってしまうから。
単純にシャッター幕1枚を上下させるだけだと、センサーの上と下で2倍近く露光時間が変わってしまいますね。なので、先幕と後幕の2枚のシャッター幕を動かすことでこの問題を解消しています。
あとは、シャッター幕を2枚にすることで高速シャッターを実現させています。
フォーカルプレーンシャッターでは幕速(シャッター幕が上下に動く速度)が1/200〜1/250秒くらいと言われています(カメラによって違い上位機ほど速い傾向にあるらしい)。このままでは1/250秒以上の高速シャッターは不可能です。
しかし、先幕が閉じる前に後幕を動かし2枚の幕の間にスリットを形成することで、1/4000秒や1/8000秒などの高速シャッターをも可能にしています。
こんな感じです。
もし、幕速が1/250秒だとしたらスリットを全開の半分にすれば1/500秒、全開の1/4にすれば1/1000秒となります。これ考えた人すごい。高速シャッターでは単純にシャッター幕が高速で動いているだけだと思っていましたが、こんな工夫になっていたのですね。
ここで大切なポイントが「シャッター速度=幕速」ではないと言う点です。シャッター速度は「センサーに光が当たる時間」、もっと厳密に言えば「センサー面上の各画素に光が当たる時間」と考えても良いかもしれません。
なので、例えばシャッター速度1/8000秒は一瞬ではありますが、撮影には全体で1/250秒(幕速の時間)かかります。シャッター幕がセンサーの上から下まで動く1/250秒の中で、センサー各画素に1/8000秒づつ光を当てていることになるからです(違っていたらすいません)。シャッター速度1/8000秒なのに1/250秒の時間がかかる・・・、ややこしい話ですが。
フォーカルプレーンシャッターのメリット・デメリット
まず、フォーカルプレーンシャッターのデメリットですが
- シャッターブレ
- ミラーレスだとレリーズラグの発生
などが挙げられます。
フォーカルプレーンシャッターは物理的な幕が動くので、そのショックが写真のブレになることがあります(特に先幕のショックが影響する)。冒頭にも書きましたが高画素機ほどシャッターショックの微ブレが目立つ。私はD750でミラーショックには気を付けていましたが、シャッターショックまでは気になっていませんでした。2400万画素なので目立たないだけか、単純に私が気づいていないだけか。ただし、高速シャッターならショックの影響も少なくなるらしい。ブレる前に撮影が終わるのでしょうね。
また、ミラーレスカメラではシャッターを切った際にレリーズムラグが生じることがあります。ミラーレスカメラでは常時シャッター幕が開きセンサーが剥き出しの状態になります(でないとEVFやライブビューが見れません)。なので、撮影時には先幕を一度閉じて、それからシャッター動作をする必要がある。レフ機と比べて1回動作が増える訳です。カシャ、カシャと2回シャッター音が聞こえる感じになります。これがレリーズラグに繋がります。ただし、実際にどれ程のラグが生じるのかは、機種によって様々なので何とも言えません。
あと電子シャッターや電子先幕シャッターよりも音が大きいと言うのもデメリットでしょうか。
次に、フォーカルプレーンシャッターのメリットについて、後述しますが電子先幕シャッターや電子シャッターで生じる問題(ボケ欠けや露出ムラ、ローリング歪み等)が起こらない点です。
では、次に電子先幕シャッターについて見てみましょう。
電子先幕シャッター
電子先幕シャッターとは
電子先幕シャッターとは、フォーカルプレンシャッターの先幕の動作をセンサーの電子制御に持たせることで 、物理的な先幕シャッターを動作させずに露光を行うシャッター方式です。
参考:Canon HP
こんなイメージ。先幕は電子制御ですが後幕は物理的なシャッター幕になります。
電子先幕シャッターは一眼レフカメラだとD850などの一部の高画素機に搭載されています。D750は非搭載。ミラーレスカメラだと最近の機種なら殆ど搭載されているのではないでしょうか?
では、この電子先幕シャッターにどんなメリットがあるのか。
電子先幕シャッターのメリット・デメリット
まず、電子先幕シャッターのメリットですが、
- シャッターブレがない
- レリーズラグの短縮
が挙げられます。
電子先幕シャッターは先幕に物理的な動きがないのでショックブレが起きません。後幕の動きでショックは生じますが撮影後なので画像には影響しないです。なので、画像がブレない。ただし、連写だと後幕のショック等が影響し、画像がブレる場合があるみたいですね。
そして、シャッターを切った際のレリーズラグが短縮されます。先幕を電子制御するので、フォーカルプレーンシャッターのように先幕を物理的に閉める必要がなく、その分レリーズラグが短縮されます。
フォーカルプレーンシャッターのデメリットが克服されていますね。
ただし、電子先幕シャッターにもデメリットがあります。
- ボケが欠ける
- 露出ムラが起きる場合がある
これらがデメリットして考えられます。
明るいレンズを使い開放近くで高速シャッターを切ると玉ボケなどが欠けるようです。一時期ちょっと話題になっていた気がします。
玉ボケ欠けはこんなイメージ。開放での撮影が多い人には大きな問題かもしれませんね。
また、高速シャッターを切ると露出ムラが起きる場合があるようです。
イメージはこんな感じ(Psで加工)。ケラれっぽい感じですかね。
ただし、電子先幕シャッターで高速シャッターを切るといつで露出ムラが起こる訳ではなく、使用するレンズによっても事情が変わるようです。なかなかイレギュラーな現象みたい。Nikonのカメラとレンズで起こるかは不明です。そう言った話を聞かないので、多分起こらない!?
ちなみに、これら2つの原因は先幕の役割を果たすセンサーと後幕が同一面に存在してないことにあるらしい。
電子先幕シャッターだとセンサー(先幕)と後幕に距離がありますね。これによりボケが欠けたり、露出ムラが起こるらしい。
とは言うものの、ボケ欠けも、露出ムラも割と特殊な条件で起こることなので、全く関係ない人もいるかもしれませんね。デフォルトで電子先幕シャッターを使っても良い気がします。
電子シャッター
電子シャッターとは
電子シャッターとはフォーカルプレーンシャッターの先幕も後幕もセンサーの電子制御で行うシャッター方式です。
つまり、物理的にシャッター幕は全く動きません。
一眼レフで電子シャッターが使えるカメラは多分ない。多くのミラーレスカメラでは搭載されているようです。ちなみに、スマホも電子シャッターを使っています。
電子シャッターのメリット・デメリット
電子シャッターのメリットとしては
- シャッターブレがない
- 無音撮影
- 超高速シャッター、超高速連写が可能
などが挙げられます。
まず、物理的にシャッター幕が動かないのでブレが起きません。電子先幕シャッターでは後幕が物理的に動くので、その影響で連写時にブレが生じることがあるようですが、電子シャッターでは連写時でもブレません。ピクセルシフトマルチ撮影のようなブレが許されない撮影にも役立ちます。
次に、無音撮影が可能です。シャッター幕が動かないので音もしない訳です。静かな場所や動物の撮影で役に立ちそうですね。
そして、超高速シャッター、超高速連写が可能となります。シャッター速度1/32000秒や連写約20コマ/秒(ソニーα9)がすでに実現していますね。フォーカルプレーンシャッターだと物理的な動きに縛られ実現が難しいのだと思います。これだけの超高速シャッターなら明るい屋外などでもNDフィルターを使わずにF値開放で撮影できそうです。電子シャッターすごい。
ただし、電子シャッターは完璧のように思えますが、大きなデメリットもあります。
- ローリングシャッター現象
- フリッカー
などです。
電子シャッターで起こるローリングシャッター現象と呼ばれる画像の歪み(ローリング歪み)は大きな問題です。
イメージはこんな感じに歪みます。これは動きの速い被写体を撮影した時やカメラを素早く動かした時に発生します。
電子シャッターは1ラインから複数ラインを順次露光して信号をスキャンする「ローリングシャッター」と呼ばれる方式で動作します。複数ラインを順次露光するというのが、フォーカルプレーンシャッターでいうスリット(先幕と後幕の隙間)のような役割を果たしている訳です。ただし、このスキャンする速度が遅く1/20~1/60秒程度の時間を要するようです。フォーカルプレーンシャッターの幕速は1/250秒程度なので、それに比べてかなり遅い。
これは、センサーの上と下で1/20~1/60秒もの時差が生じるという事なので、動きの速い被写体だとその間に移動してしまい画像に歪みが現れるという訳です。なので、いくらシャッター速度を速めても歪みます。ちなみに、フォーカルプレーンシャッターでも厳密にはローリング歪みは出ますが、幕速が1/250秒程度と速いので殆ど目立たないということになります。あと、α9はスキャン速度を速めているので電子シャッターでもローリング歪みが出にくいです。
また、電子シャッターはスキャン速度が遅いことから蛍光灯などのフリッカーの影響を受けやすいようですね。あと電子シャッターではストロボも使えなかったりします。
というように、電子シャッターは便利ですが用途を選びます。ちなみに、これらを克服するグローバルシャッターなるものがあります。グローバルシャッターは全画素同時に受光素子データを読み出すのでローリング歪みが起こりません。ただし、まだ一般的なミラーレスカメラに搭載するには課題があるようですね。
ということで、3種類のシャターについて見てみましたが、それぞれ一長一短なので適宜使い分けていきたいです。
まとめ
シャッター1つとっても奥が深いですね!
実は、グローバルシャッターを搭載したミラーレス機もソニーが開発完了し発表待ちという噂もあるようなので楽しみです!
以前は、構図を決めてピントを合わせて、呼吸を止めて
シャッターボタンを押していましたが、最近は風景でも
無音で、連写で2,3枚撮るようになりました。
(後で、写真整理が大変ですが)
23日が、楽しみですね。
mickeyさん
コメントありがとうございます!
以前は、今よりも1枚1枚を丁寧に撮っていたのでしょうね。
データ容量もやばいですね笑
楽しみすぎます!!