写真とは「◯◯を切り取るもの」という言葉をよく耳にしますが、皆さんは◯◯の部分にどのような言葉を入れますか!?
もちろん、どれが正解だという訳ではなく、様々な言葉が当てはまるのだと思います。その中の1つに「時間」という言葉が考えられます。
一眼レフカメラはシャッター速度を自在に変えることができ、これにより目には見えない時間を表現することが可能となっています。
時間の表現と言っても、それが短い一瞬であったり一定の期間であったりもしますね。
特に風景写真では撮影方法にスローシャッターを取り入れると表現の幅がぐっと広がるかと思います:)
ただ、スローシャッターは普通の撮影よりも手間が掛かります。面倒くさいというのが正直なところです。
それでも、私はスローシャッターが好きです。
今回は、スローシャッター(長時間露光)の魅力と、何に手間がかかり面倒くさいのかついても少し書いてみたいと思います。
ちなみに、スローシャッターでの撮影に必要になってくるのがNDフィルター(減光フィルター)です。
NDフィルターとはサングラスのようなものでカメラに入る光を少なくしてくれるものです。私はND16とND400を主に使用しています:)
詳しくはこちらをどうぞ:NDフィルターが欲しい。NDフィルターの選び方とおすすめNDフィルター。
スローシャッター(長時間露光)の魅力と面倒くささ
スローシャッター(長時間露光)の魅力
私が風景写真でスローシャッターの魅力だと思うことをざっくりと書いてみるとこのような感じですね。
- 動きを捉えて躍動的にできる
- 動きを消して幻想的にできる
- 動かしてダイナミックにできる
まず、動きを捉えて躍動的に撮影できるというのが大きな魅力です。
これはND16を使用してSS1/5秒で撮影しました。
手前の牧草をわざとぶらすことで、爽やかな風が吹く様子や長く伸びた柔らかな牧草の感触が伝わりやすいかと思います。
初夏の香りが漂ってくるようです。
これもND16を使用してSS1/2秒で撮影しています。
遅すぎず速すぎもしないシャッター速度で撮影すれば波の動きをうまく表現できます。
海に吸い込まれそうな躍動感です。
というように、ND16くらいの減光効果が薄めのNDフィルターを使用し、SS1秒以内くらいのやや遅いシャッター速度で撮影をすれば(被写体の動きにもよりますが)、動きを上手く捉えて撮影できるかと思います。
これはスローシャッターの大きな魅力ですね:)
さらに、濃いめのNDフィルターを使用し風景の動きを打ち消すことで幻想的な写真を撮影することも可能です。
例えばこれです。
これはND400を使用しSS90秒という時間をかけて撮影しています。
水面が磨りガラスのようで現実離れした写真ですね。
時間帯が少し違いますが、上の写真を普通に撮影するとこのような感じです。
これはいたって普通です。NDフィルターを使い一手間かけるだけで全然違う写真になりますね。
長い時間をかけて撮影することで波の動きが消えて普段とは違った風景を撮影することができます。
これはND400を使用しSS13秒です。
だいたいSS10〜30秒くらいのシャッター速度もあれば水面は十分スムーズになります。滝や渓流などはSS1、2秒でも良いのですが、SS10〜20秒くらいにまで長くするとさらに滑らかに美しくなると思います:)
最後に、スローシャッターでは普段動きを意識しないものを大きく動かして撮影することができます。
具体的には、例えば雲です。
これはND1000という濃いNDフィルターを使用しSS80秒で撮影しています。
もちろん雲は動いているのですが、普段あまり動きを感じることは少ないのではと思います。
改めて写真でその動きを見てみると、こんな風に動いているのだと感動することすらあります。
これはND16とND400の重ね付けで撮影しています。SS80秒です。
雲はこんなにもダイナミックな動きをしているのですね。
雲以外にも同じようなものですが霧などもスローシャッターで撮影してみると思わぬ動きを撮影できるかもしれませんね:)
他にもNDフィルターは流し撮りで使用したり、動く人を消したり、車のヘッドライトなどの光を長く撮影したりと使用方法は様々ありあます!
というように魅力たっぷりのスローシャッターですが、面倒くさいことも多いです・・・。
スローシャッター(長時間露光)の面倒くささ
まずは、撮影のセッテイングに手間が掛かります。
三脚を立てて、フィルターを付けて、どうのこうのという一連のセッティングが面倒です。
特に、ND400などの濃いめのフィルターを付けている際は、AFが効くこともありますが精度が悪いですし、ライブビューでのMFもモニターが見難く上手く使えないことが多いです。
なので、フィルターを外さないと上手くピントを合わせることができず、構図を変える度にフィルターを外してピントを合わせて再度フィルターを付けるという作業が面倒ですね。
また、絞り優先モードなどのオート機能も測光精度が落ちるので、基本的にマニュアルでの撮影となり露出調整が難しいです。暗くなってしまったり、空や雲が白飛びすることも多々有ります。
というように、スローシャッターでの撮影では通常よりも時間と手間が掛かります・・・。
撮影方法についてはこちらを:NDフィルターの使い方と効果!NDフィルターを4枚購入し、じっくり使っての感想と作例!
そして、撮影後のレタッチも気を使う点が多いです。
特に、ホワイトバランスの調整は難しいです。
NDフィルターは色に影響を与えずに減光するということになっていますが、撮影した写真が黄色っぽくなったり青っぽくなったりすることがあります(WBオートで撮影)。毎回必ずではないのですけどね。
NDフィルターが経年劣化すると色に影響が出ると言われていますが、私のフィルターはどれも国内メーカーのものを新品購入し時間もそれ程経っていないので、大体こんなものなのだと思います。
これは最初に掲載した写真のホワイトバランス調整前のものですが黄色く濁った感じですね。思いっきり黄色被りしています。
この写真だけを見て元の色に戻すというのは中々難しいので、同じ構図でフィルターを付けずに撮影した写真を用意しておくと、それを目安に出来るので良いと思います。
黄色い写真に目が慣れてしまうと何が正解なのか分からなくなってしまいますからね:)
以上、このようなことがスローシャッター(長時間露光)の手間のかかる面倒な点です。
嫌な部分をつらつらと書いてしまいましたが、それでもスローシャッターで上手く撮影出来た時は嬉しいですし、印象的な1枚に仕上がることが多いです!
なので、個人的には好きな撮影方法の1つです:)
Kenko カメラ用フィルター PRO1D プロND16 (W) 77mm 光量調節用 277447
Kenko カメラ用フィルター ND400 プロフェッショナル 77mm 光量調節用 177235
まとめ
NDフィルターを使用したスローシャッターは色々と手間は掛かりますが、撮影してモニターを見た瞬間に「おー!すごい!」と思うことも多いです!
もし撮影したことがないのなら、一度試してみてはいかがでしょうか!?
確かに少しだけ面倒ですよね(^^;
でもそれと引き換えに異次元の世界が撮れるので、楽しいものがあります。
最近は長時間露光に合うシチュエーションに出会わないのと
撮影中に周囲の目が気になるのが欠点です(笑)
被写体として北にある某鳥居なんて行ってみたいですね^^
morinokoeさん
コメントありがとうございます!
撮れる写真が良いので面倒でも三脚を立てる気になります:)
確かに、なんとなく気になりますね笑
人のいないタイミングで撮影しています!
あの鳥居ですね、あれはスローシャッターに最適ですね:)
私も少し遠いですが行ってみたいです!