撮影テクニック 星空撮影 現像・レタッチ

加算平均合成で綺麗に仕上げるには!?ISO感度の高さと合成枚数についての話。

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星景写真を撮影する際に、加算平均合成を使ってノイズを除去する手法を用いる方も多いかと思います。

そこで度々議論になるのが、高感度で合成枚数を多くする方が良いのか合成枚数が少なくても低感度で撮影した方が良いのか、ということです。

今回は自分で撮影した画像を比較して、この答えを出してみたいと思います。

高感度で合成枚数を多くする方が良いのか、合成枚数が少なくても低感度で撮影した方が良いのか

実は、これは過去に自分で試したことがあり、その時は「合成枚数が少なくても低感度で撮影した方が良い」と答えが出ました(理由は後ほど)。

ただし、当時のD750からZ6にカメラが変わったので改めて実験してみようというのと、果たして当時の実験が正しかったのか再確認のために、もう一度してみたいと思います。

高感度で枚数多めと、低感度で枚数少なめ

まず、ISO6400、SS30秒、F4で24枚撮影し、それをPsにて加算平均合成します。次に、ISO800、SS240秒、F4で3枚撮影し、それをPsにて加算平均合成します。

共に、同じ露出になり、また露光時間は720秒で同じです(30秒×24枚、240秒×3枚)。

これがそれぞれの画像です。

これでは違いが分からないので、拡大して比較してみたいと思います。

比較してみる

画面中央付近を大きく拡大して比較します(左がISO6400、SS30秒を24枚、右がISO800、SS240秒を3枚)。

いかがでしょうか!?

ノイズの程度は大差ないように感じられますが、明らかに葉っぱの緑色に違いがあります。

高感度で枚数多めの方は、特に葉先が脱色したかのように変色しています。また、全体的に鮮やかさが落ちていますね。一方で、低感度で枚数少なめの方は緑の鮮やかさが保たれている。

高感度ではノイズが発生するだけでなく、色味などの点でも画質が悪化するようですね。そして、加算平均合成で除去できるのは高感度ノイズのみ。他の点で画質が劣化したものは残ってしまうわけです。

結論

以上の実験により、枚数少なめでも出来るだけ低感度で撮影した方が、画質面で優位になることが分かりました。

この実験結果は、今後の星景撮影で活かせそうです。

 

しかしながら、星景を撮影する場所は非常に暗いことが多いです。その場合は高感度にしないと、非常に長いシャッター速度が必要になることがあります。あまりにシャッター速度が長いと、それはそれで画質が劣化しそうですし(熱などで)、また撮影が終わるまで待ち時間がシンドイです。

なので、撮影地に合わせて臨機応変に対応する必要がありますね。ただし、今回の実験結果によると、できるなら高感度よりも低感度でじっくり撮影した方が良いです。

ちなみに、低感度で枚数が少ない方が、レタッチの際にPCへの負担が少ないというメリットもあります。

 

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まとめ

このように疑問に思ったことは自分で試してみると色々と収穫があります!

やはりD750もZ6も同じような傾向でした。恐らく他のカメラでも同様な傾向かと思います!


  1. HINO より:

    はじめまして。加算平均のお話、とても役に立ちました。ありがとうございます。早速試してみたいと思います。

    そして、数年前に書かれてらっしゃるスカイメモSの記事を拝見し、、、欲しくなりました^^。

    • ワイズカメラ より:

      HINOさん

      初めまして、コメントありがとうございます!
      お役に立てて良かったです:)

      私は手間がネックで手放しましたが、赤道儀の威力はすごいですよ笑

      • HINO より:

        ありがとうございます。
        自分は冬になると、雪山での撮影が多いので、その手間を山で出来るかがポイントになるんでしょうね。とりあえず、試してみたいです^^。

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