基礎知識 撮影テクニック

圧縮効果とは。望遠レンズで圧縮効果を使いこなすコツ。

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望遠レンズで圧縮効果をうまく使えるようになると、ぐっと写真が上達します。

今回は圧縮効果とは何かについて、それから圧縮効果をうまく使うコツについて書きたいと思います。

圧縮効果とは!?

まずは圧縮効果を使った作例を見てみましょう。

手前の山のすぐ後ろに雪山がそそり立ているように見えるかと思います。

ですが、実際は何十キロと離れており、肉眼ではもっと小さく見えます。ですが、写真だと大きく雪山が迫って見える。

このように、本来は離れて小さく見えるものが、大きく近づいているように写ることを圧縮効果と呼びます。距離感が弱くなっている状態です。

基本的には望遠レンズで撮影すると圧縮効果が生まれ、肉眼で見るのとは一味違った写真を撮ることができます。

 

では、なぜこのようになるのか、圧縮効果の仕組みを考えてみましょう。

圧縮効果の仕組みについて知る

予備知識として、広角レンズは広い範囲が写ります。これを画角が広いなどと言う。一方で、望遠レンズは狭い範囲が写ります。これを画角が狭いなど言う。

図にするとこのような感じですね。

被写体を同じ距離で広角と望遠で撮影した場合、広角では画角が広いので4人全員全身が写ります。一方で、望遠レンズは画角が狭いので、2人だけが大きく写ります。

 

 

では、広角と望遠で被写体が同じ大きさに写るようにするとどうでしょうか!?つまり、広角では被写体に近づいて、望遠では離れて撮影します。

この状況をイラストで図示してみましょう。

広角で中央の大人2人を写そうと思うと、近づいて撮影することになります。背景は広い範囲がギュッっと凝縮される感じで写ることになりますね。

次に、望遠です。

望遠では広角よりも被写体から離れる必要がある。この時に背景は狭い範囲が拡大される感じで写ることになります。

広角と望遠を比べてみましょう。

面白いことに、被写体の大きさは同じなのに、背景の写り方が全然違います。

望遠は画角が狭いことにより、背景が拡大されるので、手前の被写体に近づいて見えるようになるわけです。これが圧縮効果の正体です。

ちなみに、広角は背景がギュッと小さく写り、遠くに見えるようになります。これがパースペクティブ(遠近感)と呼ばれる作用です。圧縮効果とは真逆な感じ。

 

次に、圧縮効果をうまく使うコツについて考えてみましょう。

圧縮効果をうまく使うコツ

被写体から十分に離れる

圧縮効果をより強く効かせるには、できるだけ焦点距離の長いレンズを使います。なので、できるだけ被写体から離れて、できるだけ望遠を使うと良いです。

離れたところから超望遠レンズを使うと、がっつり圧縮効果が働き、不思議な写真が撮れます。

手前の街に比べ、月がかなり大きいです。これも圧縮効果のなせる技です。

ただし、望遠であるほど背景がボケやすくなるので、背景に何が写っているのか分からなくなることもあります。その場合は、しっかり絞る必要があるでしょう。

大小関係を意識する

画面に写る要素の大小関係を意識すると、より効果的に圧縮効果を使えるかと思います。

例えばこれ。

圧縮効果を使うことで、雪山を肉眼で見るよりも大きく写しています。

そうすると小さなもの(人)がより小さく、大きなもの(山)がより大きく見え、大小関係が誇張されます。これにより人の矮小さや、自然の雄大さみたいなものが表現されるわけです。

このように圧縮効果は大小関係を意識して使うと(大小関係を誇張したり、大小関係を崩したり)、面白い写真が撮れるのではないかと思います。

 

ということですが、圧縮効果は月や山だけでなく、他にも様々な場面で使えます。

圧縮効果を使える様々な場面

圧縮効果の代表的な使い方として、密度を高めることが挙げられます。

これをよく使う場面が、花畑などでの撮影です。

圧縮効果を使うと画面いっぱいを花で埋めることができます。これも圧縮効果により背景が大きく写るから。

それからトンネルや渓谷みたいな場所でも圧縮効果はよく使われます。

圧縮効果を使うことで手前と後ろの距離感がぐっと凝縮され幻想的な雰囲気になります。

あとは、坂道なども定番。

坂の起伏が誇張されます。駆け出したくなる夏って感じですね(語彙力)。

圧縮効果は望遠レンズ特有ではない

ここまで書きましたが、実は圧縮効果は広角でも表現できます

どう言うことか見てみましょう。

まずは、広角で撮影した画像(パノラマ)。

圧縮効果は何も感じられませんが、中央部をトリミングしてみます。

そうすると、望遠で撮影したかのような、圧縮効果が生まれました。

つまり、圧縮効果は望遠レンズ特有の作用ではありません。なので、広角で撮影した画像でも、トリミングすれば圧縮効果が働きます

ですが、広角で撮影した画像を、圧縮効果が効くほどにトリミングすると、画素数がかなり落ちますし、画質的にも問題が出てきます。

なので、圧縮効果をしっかり使いたいなら望遠レンズを使うのが理にかなっているわけですね。

 

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まとめ

以上、圧縮効果とは何かについてと、望遠レンズで圧縮効果を使いこなすコツでした!

圧縮効果をうまく使うと、グッっと写真が上達します:)


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