以前に「樽前ガロー」という場所に撮影に行ったことがあります。
参考:樽前ガローでスローシャッター。苔生す崖に流れる川。
ここは北海道で人気の撮影スポットになりつつあるようで、「Photography」と呼ばれる方々が撮影に訪れ、Facebookや写真投稿サイトなどにその写真を投稿しているのをよく見かけます。
その写真と自分の写真を見比べるとあまりの違いに驚きます。
そりゃ、機材も違いますし、もちろん撮影技術も圧倒的に違うので、同じような写真が撮れるなどとは思っていません。しかし、それでも一体何が違うのだろうと考えてしまいます。
ということで「現像」を一度見直してみました。
Lightroom6で以前の現像を見直す
今回、見よう見真似でこのように現像してみました。
何もいじっていない元の写真はこれです。
かなり暗い写真ですね。
これに対し以前に自分が現像したのがこれです。
普通ですね。
3枚並べてみます。
かなりいじった感じになりましたが、これはこれで印象的で面白いと思います。もちろん、人それぞれ好き嫌いがありますけど。
ちなみに、私は現像について誰からも教わったことがないので、突っ込みどころが沢山あるかと思います。言うまでもありませんが、完璧な現像でもなくただの自己流現像です。
参考:「Lightroom 5・6」の使い方がわからない。そんな時「Lightroom 5 プロフェッショナルの教科書」がとても良い。
しかしながら、現像上達へのステップアップのために、一通り今回の現像の手順をまとめておきたいと思います。
渓谷の写真をより幻想的にレタッチしてみる
以前に現像したところからレタッチしていきたいと思います。最初に、どのような写真に仕上げたいのかよく考える必要があります。
まず、上の写真には苔生したウェットさが感じられません。あと、薄暗いだけでメリハリが感じられない事も課題です。このことを念頭に現像していきたいと思います。
最初に明るさを調節します。
黒つぶれしてるところがあるので「黒レベル」を上げます。次に、「白レベル」を上げてヒストグラムの山を右へ伸ばしておきます。
また、「ハイライト」を下げることで上側の木々の部分や水面が明るくなりすぎないようにします。そして、「シャドウ」を上げることで影の部分を持ち上げます。
上ヒストグラムから下ヒストグラムへ変化しました。この辺は何が正解かよくわからないので、写真とヒストグラムを見ながら調整していきます。
次に、「明瞭度」を下げ、「自然な彩度」を上げます。
「明瞭度」を下げることでエッジを残しつつぼやけた印象にすることが出来るので、優しいしっとりとした感じを引き出してくれます(上写真がレタッチ前、下写真がレタッチ後)。
こんな感じに変化します。このブログ上ではわかり難いかもしれません・・・。私のパソコン上では葉っぱや水面のザラつきがかなりしっとりとしました。解像感や質感は少し落ちますが、これで少し苔生したウェット感がでると思います。
次に緑を変えていきます。
「HSL/カラー/B&W」と書かれたパネルから「カラー」を選びます。このパネルは特定の色だけ、彩度や色相などを変えることができるので便利です。ここでは「グリーン」を選択し「色相」、「彩度」、「輝度」を以下のように変えます。
これで緑に深みが出ます(上写真がレタッチ前、下写真がレタッチ後)。
不自然にならない程度に緑がより深くなりました。
次に、「明暗別色補正」で下のようにハイライト側に黄色っぽさを足しました。
冷たい印象から温かい印象に変えたかったからです。
若干ですが水面の青っぽさが消えて、柔らかい光を浴びたかのような温かい感じになりました。「明暗別色補正」は使うのがなかなか難しいです。
次に、手前の水面の反射が目立ち、無駄に目を引くのでここだけ少し暗くしたいと思います。
手前の水面に「ブラシツール」でマスクを施します。
下のように、「露出量」、「ハイライト」、「シャドウ」、「白レベル」、「黒レベル」などを適宜下げていきます。
「明瞭度」も下げました。その結果です。
手前側がおとなしい感じになりました。
次に、WBの「色かぶり補正」でホワイトバランスを変えます。
「色かぶり補正」のスライダーを右に動かし、あえて「マゼンダ」を加えてみました。
なんとなくこちらの方が印象的な気がします。これはそれぞれの好みですね。
さらに、「ブラシツール」を使って細かな補正をしていきます。
この写真を見ると両側の崖が変化に乏しいように思います。
なので、左手前の崖を少し暗くし、奥の崖を明るくすることで奥行きが出るようにしたいと思います。
まず、このようにマスクを施して、
下のように調整します。
主に、「色温度」を高くしアンバー気味に、そして「露出量」を上げて明るくし、次に「明瞭度」を上げて岩肌を強調させます(「明瞭度」を上げるとエッジが際立ちます)。
次に、左手前の岩にもマスクを施します。
これは下のように調整します。
主に、「露出量」、「黒レベル」、「シャドウ」を下げて暗めにし、「明瞭度」を上げて岩肌を強調します。
そうするとこのようになります。
こんな感じで崖に変化が現れて写真に奥行きが出たと思います。
あとは、「かすみの除去」を少し下げてやや霞んだ感じにします。白っぽくなりすぎないように注意です。今回は「−18」にしました。
最後に全体の明るさなどを微調整して完成です。
最初の写真よりは良くなったと思います。
これ一枚を現像するのにかなり時間が掛かりました。ブログ全体の写真をこのように現像しようとすると大変なことになります・・・。
まとめ
現像し出すとキリがないです。青味を付けるのが良く思えたり、黄色味を付けるのが良く思えたり迷います。
写真をどのような印象にしたいのか初めに明確に決めておけば迷い難いですね。
今度は平取町のカンカンガローもどうですか?
長靴を持って行って、川の中を歩くみたいです。
(毎年スズランを見に行って、二風谷ダムには
何度も行ってるのに、そんな場所があるのを知りませんでした。)
mickeyさん
コメントありがとうございます。
カンカンガロー・・・初めて聞きました。
ググってみたら良さそうな場所ですね!スズランも有名なのですね:)
ぜひ行ってみたいと思います!