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よく見るけどわからない。
写真をネット印刷とかに出そうとすると推奨画素数200万画素とか表示がありますが、イマイチ何のことかわからなくないですか?カメラを購入する時に画素数を気にしますが、結局何にいいのかわかりますか?私はわからなかったです。なので、私なりに研究してみました。
用語の説明。
- 画素・ピクセル(pixel)・ドット(dots)
- 解像度(dpi)
まず、この2つの用語を説明したいと思います。
画素・ピクセル(pixel)・ドット(dots)
これは簡単です。画像は滑らかに見えますが、拡大すると点で構成されています。点がたくさん集まることで一つの画像になっています。皆さんもすでにご存じかと思います。この画像を構成する一つ一つの点が「画素」と言われます。そして、「画素」を英語にすると「ピクセル(pixel)」といわれます。だから「画素=ピクセル」です。
あと「ドット(dots)」は、厳密の言うと違うんですが多くの場合「ピクセル」と同じ意味で使われます。この2つの違いを厳密の言うと「ピクセルは色情報(RGBなど)持っており、ディスプレイや写真などに対して使われる」、一方で「ドット(dots)は、色情報を持っていなく単なる白黒の点です。なので、印刷物は白黒となる」という風に違いはあります。しかし、ほとんどの場面で違いは無視され同じ意味で使われるので、
「画素=ピクセル=ドット」と考えて差し支えないです。
例えば、NikonD7000で画像サイズはL(4928×3264)、M(3696×2448)、S(2464×1632)の3つの設定ができるようになっています。単位は「画素」です。つまり、サイズLの画像は、横4928画素・縦3264画素で全部で約1600万画素(4928×3264=16084992)の点々でできていることになります。Mは約900万画素、Sは約400万画素となります。
なんとなく数字が大きい方が画像がきれいなように思いますが、そうではありません。画像の綺麗さには「解像度」が大きく関わっています。
解像度(dpi)
次に「解像度」です。これは、ざっくり言うと「画素(=ドット・ピクセル)の密度」を表す尺度ことです。
「解像度」の単位は「dpi」です。これは、「dots・per・inch(ドット・パー・インチ)」の頭文字を取っています。つまり、1インチ(2.54cm)の長さの中にどれだけのドット(=画素・ピクセル)が入っているかということを表しています。似たような表現に「ppi(ピクセル・パー・インチ)」というものがありますが、同じ意味と考えてもらって差し支えないです。
「解像度(dpi)」の数値が大きくなるほど、画素(=ドット・ピクセル)の密度が増し、より滑らかで綺麗な画像となります。
お店で写真を印刷するとだいたい300dpi~350dpiで印刷されます。密度がある方が綺麗になるのなら、もっと解像度を上げた方がいいように思いますが、これ以上解像度を上げても人間の眼には違いがわからないので意味がないです。よって、解像度300dpi~350dpiくらいが適切な数字となります。
解像度が理解できれば、印刷に用紙に必要な画像サイズを簡単に求めることができます。
印刷用紙の大きさに必要な画像サイズとは。
例えば、L判の用紙に画像を印刷したいとき、画像サイズはどのくらい必要なのでしょうか?あるいは画像を拡大してA4に印刷する時、必要な画像サイズはいくらなのでしょうか?計算は簡単です。
お店で印刷する場合の解像度300dpiで計算してみます。
L判サイズ(127×89㎜)の場合
- 1.用紙のサイズをインチに変換します。・・・「1インチ=2.54cm=25.4㎜」なので、127㎜は「127÷25.4」で5インチとなります。同様に、89㎜は「89÷25.4」で3.5インチとなります。L判サイズは5インチ×3.5インチに変換できます。
- 2.後は必要なピクセルを計算するだけ。・・・ここでは解像度は300dpiの設定なので、1インチの長さの中に300ピクセル(画素)入っていることになりますね。よって、1で求めたL判サイズ(5インチ×3.5インチ)を用いて、5インチ×300で1500ピクセル、3.5インチ×300で1050ピクセルと計算できます。
A4サイズ(297×210㎜)の場合
これも上と全く同じ方法です。
- 1.用紙のサイズをインチに変換します。・・・「1インチ=2.54cm=25.4㎜」なので、297㎜は「297÷25.4」で11.69インチとなります。同様に、210㎜は「210÷25.4」で8.75インチとなります。A4判サイズは11.69インチ×8.75インチに変換できます。
- 2.後は必要なピクセルを計算するだけ。・・・ここでは解像度は300dpiの設定なので、1インチの長さの中に300ピクセル(画素)入っていることになりますね。よって、1で求めたA4判サイズ(11.69インチ×8.75インチ)を用いて、11.69インチ×300で3507ピクセル、8.75インチ×300で2625ピクセルと計算できます。
綺麗な画像で印刷するには、横3507ピクセル×縦2625ピクセルで約920万画素(3507×2625=9205875)必要なことになります。
意外に簡単だと思います。ネット印刷とかに表示されている推奨画素数○○万画素というのは、きれいに印刷できる解像度300dpiをキープできる画像サイズの目安となります。
以下は余談ですが、私はさらに疑問に思ったことがありました。例えば、キャノンのプリンターのスペックを見ると、「最高9600dpi」などと表記されています。350dpi以上は人間には違いを判別できなのに、なぜこんなの解像度があるのだろうと。
画像データと印刷の解像度は違う。
実は、画像データの解像度と印刷の解像度は違います。まだ、よく意味が分からないかと思います。
画像データでは1ピクセルでどんな色でも表現できます。なぜなら単なるデータだから、この1ピクセルはこの色にしよう!、と好きな色をデータで表現すればいいだけだからです。でも、印刷画像は違います。印刷画像は1ピクセルをデータではなく「一つのインク粒」で表現しています。そして、印刷に必要なプリンターでは1ピクセルに通常4色(C/M/Y/BK)しか表現できません。だから、画像データの1ピクセルの色を表そうとした場合、4色のインク粒を複数組み合わせてその色を表現する必要があります。
例えば、300dpiの画像データの1ピクセルの色を表現するため、20個のインク粒(=20ピクセル)が必要だとしたら、その場合は画像データ300dpi×20で印刷解像度6000dpiが必要となります。そういう訳で、300dpi以下の画像データを印刷しようとした時でも何千dpiの印刷解像度が必要になったりするのです
これはプリンターの話なので、画像データとは切り離して考えてください。写真を印刷する時は解像度300dpiの画像データで綺麗に印刷可能です。
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