ソニーからα7RIVが発表になりました。それがなんと6100万画素。この画素数にカメラ界がざわつきました。賛否両論・十人十色な意見が飛び交ったわけです。
私自身は高画素機を使ったことはないです。ですが、高画素機への憧れはあり、いつかは高画素機と思っています。
そこで、高画素機のデメリットとメリットについて、世によく言われていることをまとめてみたいと思います。
高画素機とは
そもそも高画素とは何だ!?
デジタル写真は点の集まりで出来ています。いわば点の集合体。
デジタル写真を拡大すると、このような感じで点々が見えてきます。この点一つが1画素です。
そして、この点の数が「画素数」と呼ばれるものです。画素数が多いと、点が数多く詰まっていることになります。
それで、一般的にフルサイズ機では1000万画素代が低画素機、2000万画素代が普通、それ以上だと高画素機と言われているようですね(明確な定義はありません)。
ちなみに、画素数はセンサーサイズによって、扱いがちょっと変わってきます。
フルサイズ、APS-C、フォーサーズだと、フルサイズの方がセンサーが大きいです。面積比でフルサイズはフォーサーズの4倍もあります。
そうすると、フルサイズ機で2400万画素と、フォーサーズ機で2400万画素では意味合いが違ってきます。
広い面積に2400万個の点を詰め込むのと、狭い面積に2400万個の点を詰め込むのとでは、ぎっちり感が全然違いますね。
フォーサーズでは2000万画素代のカメラでも、画素数がかなり多いカメラとなります。ただ、高画素とはあまり呼ばないようですが・・・。
ちなみに、フルサイズよりもさらに大きな中判(フルサイズの1.7倍)では、1億画素というカメラもあります。
では、高画素機と呼ばれるカメラはどれなのか!?
高画素機と呼ばれるカメラ
ざっと主なものを見てみるとこうなります。
- Nikon D850・・・4575万画素
- Nikon Z7・・・4575万画素
- Canon EOS 5Ds・・・5060万画素
- Canon EOS 5Ds R・・・5060万画素
- Sony α7RIV・・・6100万画素
- Sony α7RⅢ・・・4240万画素
- Sony α99Ⅱ・・・4240万画素
- Panasonic DC-S1R・・・4730万画素
3000万画素代を高画素機にするか微妙なところですが、今回は省きました。
こうしてみるとSony α7RIVの6100万画素は圧倒的ですね・・・。
では、高画素機のメリット・デメリットとは!?
高画素機のメリットは何か!?
高画素機のメリット:圧倒的解像力
画総数が多いと細かなものまで繊細に写すことができます。写真を構成する点々が多いので、細かな部分まではっきり描写できるようになるわけです。
さらに、高画素機はローパスフィルターレス仕様なことが多いです。
ローパスフィルターとは偽色やモアレを解消する機能があります。
モアレとは上の画像です。規則正しい細かな模様などを撮影した場合に発生する、地図の等高線のようなまだら模様をモアレといいます。網戸を重ねたときに波のようなうねった模様が見えることがありますが、これもモアレです。
ローパスフィルターはこれを防止する役割があります(水晶による結晶板で作られるようですね)。その一方で、ローパスフィルターは画像がわずかにボヤけるというデメリットがあります。そのため解像力が若干失われます。
しかし、高画素機はローパスフィルターを無くしてもモアレや偽色を抑えられます(仕組みまでは分かりません)。なので、より解像力があるわけです。
よく解像している写真をパソコンでみると、楽しくてニヤニヤしてしまいますね・・・。
高画素機のメリット:強力なトリミング耐性
画素数が多いとトリミング耐性も高く、非常に便利です。
例えば、フルサイズ機にはクロップ撮影機能があります。これはAPS-Cでの撮影範囲などにトリミングして撮影する機能。例えば、200mmのレンズを使っている時に、APS-C撮影範囲にクロップ撮影をすれば、約300mm相当の超望遠レンズとして使うことができるようになるわけです。
ただし、クロップ撮影はトリミングなので画素数が落ちます。2400万画素のカメラならAPS-Cクロップで1000万画素程度になってしまいます。スマホのカメラ以下です。
一方で、6100万画素のSony α7RIVならクロップ撮影しても2620万画素を確保できます。非常に強力なトリミング耐性です。
クロップ撮影のみならず、レタッチの際にもトリミングは非常に役に立ちます。とっさに撮った写真、その構図がイマイチでもトリミングでどうにかなるかも知れません。そして、その写真が世界を変える可能性だってあるのです。
トリミング耐性が高いのは、かなりメリットがありますね。
高画素機のメリット:将来性がある
近年、だんだんとモニターの解像度が上がっています。すでに、4Kもかなり浸透しつつあります。
4K程度なら800万画素あれば十分なので、底画素機でも問題ありません。
しかし、8K時代も遠くはないでしょう。8Kなら約3200万画素必要になります。これだと高画素機が必要になってきますね。
そんな先まで考えるかと思うかも知れませんが、時代はあっと言う間に進みます。
高画素機メリット:プリントにも優位
大きくプリントする際にも高画素機は優位です。
ただし、A3の大きさなら1700万画像、A4なら870万画素もあれば十分です(300dpi)。なので、特に高画素機でなくても問題ありません。
一方で、A2の大きさなら3480万画素、A1なら6969万画素が必要になります(300dpi)。これくらいの大きなプリントにしたいのなら高画素機が優位になってきます。
A2以上のプリントはなかなか機会がないかも知れませんが、これくらいの大きさでプリントして部屋に飾っても迫力があって良いでしょうし、写真展に展示する機会もあるかも知れませんね。
では、次に高画素機のデメリットについてです。
高画素機のデメリットは何か!?
高画素機のデメリット:ブレや撮影にシビア
解像力のある高画素機ですが、その分ブレを拾いやすいデメリットがあります。手ブレ、ミラーショック、シャッターショックなどの影響を受けやすい。
なので、撮影は割とシビアで、手持ちでサクサク撮るというよりは、三脚にしっかり固定して1枚1枚丁寧に撮影していくイメージです。また、三脚も良いものでないと。
また、絞り過ぎによる回折現象などの影響も目立ちやすいです。その点で、しっかり解像力を活かした撮影をするには、それなりの知識と技術が必要になってきます。
高画素機のデメリット:高感度に弱い
高画素機は高感度に弱いデメリットがあります。ノイズが出やすいです。
フルサイズで2400万画素程度なら、結構高感度でもノイズが少ないです。私の使うZ6(2450万画素)もかなり高感度に強い。
一方で、高画素機は1画素あたりの面積が小さく、それだけ1画素あたりで光を受ける量が少なくなるので、高感度に弱くなります。Z7(4575万画素)も高感度はノイズが多いようです。
そうするとISO感度をそれほど上げられないので、暗所や動きの速いものに対し弱くなります。これは大きなデメリットです。
高画素機のデメリット:高性能なレンズが必要
高画素機は細かな部分まで写せますが、それに釣り合うだけの高性能なレンズが必要になります。一昔前の安価なレンズなどでは、高画素機の解像力を活かせないどころか、逆に粗が目立ってしまうと思います。これはデメリット。
最近のサードパーティ製レンズなどでは、「5,000万画素以上の超高画素に対応」みたいなことを謳っているレンズも少なくありません。
そうすると、それだけレンズも高価になるし、大きく重たくなる傾向になります。
高画素機のデメリット:パソコンのスペックを要求する
高画素だと画像ファイルも大きくなるので、それを処理するとパソコンにもスペックを求めます。
5000万画素や6000万画素の画像を、レイヤーで何枚も重ねたり、複雑な処理をすると、ちょっとしたパソコンなら、かなりもっさりすると思います。
私のちょぼいパソコンは2400万画素でも、時々ファンが唸って苦しそうになります。
高画素機ならパソコンのスペックは、Core i7とかメモリ32GB以上など必要になってくるのではないでしょうか。これもデメリットです。
高画素機のデメリット:データが大きい
上記したように高画素の画像はデータが大きいので、ハードディスクなどの容量がすぐに一杯になりやすいです。
最近はハードディスクの価格が下がっているとは言え、お金がかかるでしょうし、管理も大変になってきます。
写真を長くやっているとデータの保存やバックアップが課題になってきます。そうすると高画素機の大きなデータはデメリットになります。
以上が、高画素機のデメリットです。
必要か不必要かではなく、使って楽しいものを使えば良い
高画素機の話になると、そこまでの性能は不必要だから要らないという意見が多く出てきます。
それも一つの考えかと思いますが、必要・不必要ではなく、使って楽しいかどうかで決めれば良いのではないかなと思います。もちろん、デメリットを理解している前提で。
誰にも見せなくても、ものすごく解像しているのを、PCで見て嬉しくなるのも良いでしょう。趣味は自己満足的な部分大いにあります。楽しいことが最優先です。
ただ、最初の1台目に高画素機を選ぶとかは、「もうちょっと考えたら!?」とは思いますが。
まとめ
個人的には3000万画素くらいのローパスレス仕様のカメラを出してくれれば飛びつきます!
でも、高画素機は魅力的ですよね!
風景写真家のプロの人はどこのメーカーにしろ高画素機を使ってますね。高画素を求めてるのかローパスレスを求めてるのかは知りませんが、ああいうのでパンフォーカス撮ると細部までくっきり写るんだろうかとはよく思います。ただまあ私の場合は手持ちで撮る事もしばしば要求されますし、それゆえにISO上げも必要だったりするのでオールマイティータイプのカメラをもう1つ持ってないと・・という気はしますね。それと星撮りですね。ペンタックスとかオリンパスにはハイレゾシステムを駆使した高画素の画像を生成するシステムがあるみたいですが。
あ、遅ればせながら私もZ6ユーザーになりました。まあまだ保護フィルム張っただけで使ってないのでユーザーではないのですが。これでZ会の仲間入りです、大学受験もバッチリです。
Labattさん
確かにみなさん高画素機ですね。プロはプリントすることを前提にしている気がします。
アマチュアや趣味ならオールマイティ型のカメラが間違いないですね。星撮りにも良いです。
ハイレゾは試してみたい気はします。ニコンでも導入して欲しい。
Z会の入会おめでとうございます!!
Z6はこれぞオールマイティーと言うカメラですよ:)
CANONの5Dsが出た当時は、三脚で撮ることが
必須でしたが、今回のα7RⅣは、手持ちで気軽に
連写で10枚撮れて、高感度もRⅢと同じというので
使い勝手は、今までのカメラと一緒というのが
凄いと思います。
APS-Cとして使うと、200-600mmのレンズが
300-900mmのレンズとして使えるメリットは
大きいですね。F値はかわりませんが、ボケ量は
かわります。(f5.6はフルサイズのf8相当)
mickeyさん
α7RⅣってそんなに高感度強いのですか!?バケモノカメラですね・・・。
ほんとトリミング耐性は羨ましいです。
確かにボケ量は変わるかもしれませんが。撮れないものが撮れるようになるメリットは計り知れません。
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山下 定利 様
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