今回は美瑛で霧氷を撮影した時に考えた構図の話です。
この日は氷点下23度。サンピラーが本命でしたが見られず、ハズレ日の撮影になります。本命を逃しても素晴らしい風景で、美瑛のポテンシャルに改めて驚かされました。
美瑛で霧氷を撮影したときに考えたこと
今回の写真はこれです。
丘の上から撮影した霧氷の写真です。霧が這うように蠢き、あらゆる物を白く染め上げ、本当に綺麗な朝でした。
機材はZ6にNikon70-200mmF4使用、設定は焦点距離95mm、F8、ISO100、1/1250秒です。
では、撮影時に構図を組み立てた過程を解説していきたいと思います。
16:9にして余計なものをトリミング
この写真は16:9にトリミングしています。16:9ってだけで大体なんとなく雰囲気が良くなりますよね。
トリミングする前はこのような感じでした。
悪くないですが、1番下の雪原がなんだか邪魔です。夏であれば畝のラインが綺麗だったりしますが、ただの雪。キツネの足跡も中途半端。何も特徴がないのに、変に目を引いてしまいます・・・。
なので、現場では16:9にトリミングする前提で撮影しました。
トリミングでは手前の林が前景となるようにしています。
下辺を暗い林にすることで、光の当たる霧氷・雪面との対比となり、光がより強調されるように思います。
また、視線は暗い部分から明るい部分に流れる傾向にあるので、視線が下方から中央に集まりやすいですね。四辺を囲っているわけではありませんが、ある種の額縁構図的な効果があります。
山並みを入れるかどうか
この撮影で悩んだのが、遠景の山並みを入れるかどうかです。山並みまで入れると欲張り過ぎと言うか、情報過多なのではないかと思ったわけです。
しかし考えた結果、山並みを入れました(山並みを入れないパターンも撮りましたが、山並みがあった方がより好みになりました)。
と言うのも、色が少なかったからです。
夏であれば植物の緑、朝日の黄色、畑の茶色と色が多いです。一方で、今回は朝日に照らされた霧氷と雪ということで、色に統一感があります。色の情報が少ないです。なので、要素を多く写してもゴチャつかないと思いました。
さらに、霧で遠くのものが隠れているのも都合が良かったです。遠くに霞んだ山並みがあるとスケール感があって良いなと思います。
ちなみに、ここでも前景、中景、遠景の3層になっている。
安定の三分割構図
最後にどれくらいの割合で平地と山並みを写すかです。
ここでも安定の三分割構図の出番。
大体ですが手前の林、遠景の山並みが三分割ラインに当たるようにします。
三分割構図を使っておけば間違いはないです。
あとは、レタッチで明瞭度などを上げ過ぎないように注意して完成です。
まとめ
以上、美瑛で霧氷を撮影したときに考えたことでした。
初心者の頃は無我夢中で撮影していましたが、最近は現場で構図を練る余裕が少しできてきました。
今は私も16:9に比率変更することが多くなりましたね。もちろん構図次第ではありますけど、構図の中で縦の動きが弱く横の広がりの方が強いときは16:9でワイド感を出す方がいいと思います。トリミングに抵抗ある人は多いのでしょうがそもそもrawだと4:3でしか撮れないわけだし、今のモニターは普通に16:9なわけですからトリミングするのはむしろ普通じゃないでしょうか。
今回のお写真だと中景の2本の木の存在が強いですから奥行きの山波を入れて左右のバランスをとる方が私も良いと思います。
LaBattさん
おっしゃる通りで16:9はワイド感があって良いですよね。
構図が奥が深いですね。現場ではできるだけ色々と撮りまくって、後で選別するようにしています。