最近、SNSで見かけることの増えた「H&Y フィルター」というメーカー。
ありがたいことにH&Yさんより商品をご提供して頂いたので、その使用しての感想を書きたいと思います。
参考:H&Y フィルター公式
まず、今回は主にホルダーシステムの特徴や使い勝手についてです。CPL、GNDのレビューや作例などは別に記事にしたいと思います。
目次
H&Yフィルターとは
H&Yフィルターは2006年に香港で設立されたメーカー。
もともとはOEMで世界中のメーカーのフィルターを製造していたようですね。自社ブランドとして立ち上げたのがH&Yフィルターになります。
なので、高い技術力を活かした高品質な商品を製造しているとのこと。研磨、コーティング、張り合わせ、組み立てまでの全ての工程を社内で行っています。
下記しますが、磁気を用いたホルダーシステム、ドロップインCPLフィルター システム、それから1つのフィルターで複数のレンズへの対応可能にするREVORINGなど、革新的な商品を生み出しているのも特徴的です。これらはH&Yフィルターが特許を持っています。
H&Y 100mm 磁気フィルターホルダーの特徴や使い勝手
今回、ご提供いただいたのはH&Y 100mm 磁気フィルターホルダーキットで、これは100mmホルダー、アダプター、CPL、ケースがセットになっています。
H&Y 100mm 磁気フィルターホルダーキット 67mm 72mm 77mm 82mm アダプター H&Y 100インチ ホットスワップ
早速、ホルダーシステムの使い方を確認しながら、その特徴や使い勝手について書いていきましょう。
ホルダーの装着について
ホルダーには67mm /72mm /77mm /82mmのアダプターリングが付属し、それらのレンズに使用可能です。
Z 14-30mmF4につけてみましょう。まず、82mmのアダプターリングを装着します。そこにホルダーの枠を嵌め込む。
非常に簡単に装着できました。この点については他メーカーもほぼ同じですね。
次です。
ドロップインCPLフィルター システム
ドロップインCPLフィルター システムはH&Yが特許を持っています。
これまでの多くのホルダーはCPLがネジ式で、くるくる回して脱着する必要がありました。
このようなパターンですね。
この場合、ねじ込むので脱着に少々手間がかかりますし、外れなくなってしまうことも少なくありません。また、手袋などをしていると脱着が困難です。
H&Yのドロップイン システムの場合、CPLを使いたい際は、まずホルダーのパーツを外します。
上のようにパカッと外れます。これもノブを持って持ち上げるだけなので簡単に操作できる。
あとは、ここに専用のCPLをドロップインします。
これだけでCPLを脱着できるので、簡単で素早い操作が可能です。手袋を履いていても問題ありません。
そして、もちろんCPLなので回転させて効果を調整できます。
これは画期的なシステムだと思いました。
使いやすいです。
マグネットを用いたホルダー
H&Yのホルダーはフィルターの固定に磁気を使うという大きな特徴があります。これも特許らしい。
従来のホルダーは上から下へフィルターを溝にはめ込むようにして使いますが、H&Yはホルダーとフィルターに磁石が付いていて、それをペタッとくっ付けるだけです。
磁石は結構強力なので落ちることはまず無いと思います。それでいて上下にスライド可能なので、GNDなどは効果の調整も簡単です。
重ね付けに関しては3枚くらいまでは問題ないとのことですね。
ちなみに、落下が心配な時や、フィルターがズレないようにするための固定用のノブもあります。
固定用のノブはフィルター1枚までしか対応できませんが、重ね付けする際に役立つだろうと思います。
そして、マグネットフレームだけ別売りもしているので、Lee、Nisi、Formatt Hitech, Kaniなどの他社フィルターでも、幅が100mm、厚さが2mmのものであれば使用可能になります。
100x150mm クイックリリース・マグネティックフィルターフレーム(100x150mm Quick Release Magnetic Filter Frame)
これは汎用性が高く画期的です。
ちなみに、H&Yのフィルターにはゴリラガラスが採用され、非常にタフになっています。アスファルトに落としても、あるいは踏んでも割れない強度がある(これはフィルターのレビューの際に詳しく書きます)。その点でH&Yのフィルターには大きな利点があります。
あとは、マグネットフレームがあることで、フィルターの扱いが楽になったと感じました。今までは指紋が付かないように気を使いましたが、マグネットフレームを持てば問題なしです。
手袋をしていても持つのが楽。
なぜ、今までマグネットシステムが無かったのだろうと不思議に思うくらい使い勝手が良いです。
ケラレについて
個人的にフィルターはZ 14-30mmF4で使用する機会が多いと思っています。
この場合、Z 14-30mmF4での使用では「ケラレが発生する可能性があるため、別売りで専用のアダプターリングを用意しております」と公式で記載しています。
確かに、広角14mmでは四隅でややケラレがあります。
これはピント位置を一番手前にしたときの画像です(つまり一番ケラレが大きい時)。
これくらいなら個人的にはLightroomやPhotoshopで修正してしまいますが・・・。
また、「広角16mmのレンズでもケラレなく使用可能」と公式で書かれていますが、私が試した範囲では広角15mmでもほぼケラレはないと思います(光の向きでもケラレ具合は多少変化します)。
上は広角15mmで撮影しています。私にはケラレは見受けられません(フィルター水平時)。
最後に、製品選びについてややこしいなと思った点を書きたいと思います。
製品選びの注意点について
実は、MARUMIにもマグネット式のホルダーとフィルターが発売されています。しかも、よく見るとMARUMIとH&Yのダブルネームとなっています。
調べてみると、どうやらH&YがOEMでMARUMIの製品を作っているようですね。おそらく間違って買われている方もいるかと・・・。
違いとしてはMARUMIのマグネット式フィルターはゴリラガラスではありません。一方で、H&Yのフィルターはゴリラガラス採用です。なので、強度が全く違ってくると思います。
次に、マグネットホルダーも使い勝手が違います。
MARUMI マグネットホルダーはCPLをネジ込む必要があります。従来のホルダーと同じということですね。一方で、H&YのCPLは上記した通りドロップイン システムを採用しています。
この点で両者は似ていますが、使い勝手が全く異なるので注意が必要だと思いました。
H&Y 100mm 磁気フィルターホルダーキット 67mm 72mm 77mm 82mm アダプター H&Y 100インチ ホットスワップ
まとめ
H&Y フィルターは角形フィルターの発売では後発なのかなと思います。NISIやKANIが先行していましたね。ですが、そのぶん製品やラインナップが洗練されているなと思いました。
マグネット式、ドロップイン システム、ゴリラガラスの採用など、非常に完成されているなと思います。REVORINGも楽しみですね。
ミラーレスになりカメラセンサーにホコリが付きやすく
なったのは、センサーがむき出しになり電源が入って
センサーに電気が流れて、静電気を纏ったホコリが
付着しやすくなったのではと疑っています。
このフィルターのマグネットでのホコリの付着度合いは
いかがなものでしょうか?
mickeyさん
今のところ、マグネットでの埃の付着は気になりませんね。
ただ、フィルターの周囲にマグネットがあるので、クロスで拭きにくいのは確かです。ガラスとマグネットの段差があるので、そこに埃がたまりやすいです。
Marumiがマグネット式のフィルターシステムを販売しているのは知っていましたがH&Yはその改良型なんですね。安全性という点で注目はしていたのですが他社のフィルターも枠だけ付ければ使えるのなら移行という選択肢も容易ですね。逆にH&Yが枠付きでは販売しているフィルターの枠を外して他社のホルダーに付けることも可能なのでしょうか。
Labattさん
Marumiは廉価版ということになります。
H&Yのマグネットも外せば使えるでしょうね。
ただ、試してないので、H&Yフィルターの場合はもしかしたら接着剤的なモノがついているかもしれません・・・。
初めまして。いつも拝見させていただいてます。
角型フィルターの購入でメーカーが色々あり悩んでました。
用途によると思いますが、日の出日の入りの時間帯だとどれぐらいの濃さのフィルターを選択してますでしょうか?
hidettiさん
初めまして!
どのくらいの減光効果が必要かによりますが、基本的にND8が汎用性が高いですよ!