Nikon Z6を実際に撮影でそこそこ使ったのでレビューしてみたいと思います。
まだ、Z6の購入に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は以前の愛機だったD750とも比較して行きたいと思います。
ちなみに、北海道で風景をメインに撮影しているカメラ歴5年目のアマチュアという立場で書いています。
目次
Z6をレビュー:ホールド感や操作性
ホールド感は良好です。小指から中指までが深めのグリップにしっかり収まります(私の手の大きさは成人男性では一般的な大きさです)。
ヒューマンエルゴノミクスデザインに考慮されているらしいですが、良くできているなと思います。なので、ホールド感に関しては良好。
ただし、ボディが小型化した故にボタンがやや窮屈に感じます。
AFボタンやフォーカスレバーを操作しようとすると親指がやや窮屈です。また各ボタンの間隔も狭い。なので、EVFを覗きながら撮影しているとボタンを誤操作することが多々あります。
これも慣れなんですかね。
Z6の多くボタンは右側に集約されてるので、右手だけで殆ど操作できるようになっています。
D750は左右にボタンがあるので片手だけでの操作に不向きです。この点はZ6は便利だなと思います。
あと、端子の蓋はちょっと不便。
実際に縦位置のプレートを使う際に邪魔になることが多いです。これはどうにかして欲しい。
Z6をレビュー:堅牢性
堅牢性についてはさすがNikonです。波を被ったり雪などでベシャベシャに濡れても問題ありませんでした。
参考:デジカメindo:ニコンZ7の防塵防滴のシーリングにはとても感心した(Z7の記事ですがZ6でも同じかと)
一番気にしていたのは寒さへの耐性でしたがこれも問題なし。氷点下20度以下という環境で数時間撮影してもエラーは出ません。
また、寒い所から暖かい所へカメラを移動させると、上写真のように結露がそのまま凍結し霜になります。これを溶かして再び撮影で凍結ということを数回繰り返しましたが、これも問題は起きませんでした。
Z6の堅牢性は信頼できます。
Z6をレビュー:バッテリー
個人的には想像以上にバッテリーは持つなと思いました。ただし、これは何と比較するか、あるいはどうZ6を使うかによって大きく変わってくると思います。
私の立場としてはD750との比較になります。それも撮影の9割ほどをライブビューで撮影している状態です。なので、もともとバッテリーは早く消費する撮影スタイルでした。
これを前提としていくと、Z6のバッテリーの寿命はD750と比較して特に短いとは感じません。朝活(3時間前後の撮影)でも1つのバッテリーで余裕で持ちます(私の場合、半分弱残りました)。また低温下でもバッテリー寿命が短くなることもありませんでした。ただし、星景の撮影時などで長秒撮影が多くなるとバッテリーはやや早く消耗するようです。
と言うことで、私はZ6の購入の際にバッテリー寿命がネックだと思っていましたが、実際に使うと何も問題はありませんでした。
もちろん、レフ機で光学ファインダーを主に使い撮影している人にとっては、バッテリーはずっと早く消費すると感じると思います。
Z6をレビュー:AF性能
通常撮影時のAF
明るい時間帯に風景を撮ったりスナップを撮ったりする場合、Z6のAFはレフ機と比較しても違和感はありません。
普通に速いしサクサク動きます。また精度はD750より高いと思います。
暗所でのAF
Z6のAF検出範囲は-2~19EVなので、低照度や低コントラストの状況下ではピントが合いにくいです。その場合、自動で拡張機能であるローライトAF(AF検出範囲-4~19EV)が起動します(設定でオンにしていれば)。ローライトAFは画像が前後に動く感じでピントが照合していきます。
そして、ローライトAFの速度についてはその場の明るさに依存します。そこまで暗くなければローライトAFでも遅いとは感じません。そこそこの速さでしっかりピントが合います。ただ薄暗くなると(明るさを言葉で表現するのは難しいですがF2.8、ISO100、SS15〜30秒で適正露出になるくらい環境では)ピントが合うまで数秒の時間を要します。
ちなみに、D750はAF検出範囲が-3~19EVなので数字上ではローライトAF時のZ6の方が暗い場所でもピントが合いやすいはずですが、使い比べてみると同レベルかややD750の方がピントが合いやすいかなと感じています。
Z6のAFは風景を撮る分にはさほど困りませんが、もう少し暗所に強ければ良いのになと思います。
動体でのAF
私は殆ど動きものを撮らないので何とも言えませんが、Z6のAFで動きの速いものは厳しいかなと思います。これはα9以外のミラーレスに共通して言えることかもしれませんが。
動きのあまり速くないキツネやシカくらいなら撮影はできると思いますが、決して動きものに適したカメラではないですね。動きの速いものに対しては、AFは一応追従していくようですが、ピントが甘いことが殆どです。
そのうちZ9とか出てくるのでしょうか。
その他AFについて
AFエリアが画面全体にあるのはすごく良いですね。これはレフ機にはない魅力です。
また、モニターでもEVFでもAFポイントを拡大して見れるもの良いです。ピントを追い込むのに便利。
ミラーレス機ならではの使い勝手だと思います。
Z6をレビュー:連写性能
連写はAF・AE追従だと6コマ/秒なので速くはないです(D750と同レベル)。ただ、この連写速度ならメモリーが一杯になるか、バッテリーが尽きるまでずっと連写できます(D750はすぐにバッファが一杯になる)。
参考:一眼レフカメラで連写止まりませんか!?連写、SDカード、連続撮影可能枚数について。
また、Z6はAF追従でAEを固定とすれば最高12コマ/秒の高速連写が可能となります(RAW14bitなら9コマ/秒)。12コマ/秒はかなり速いです。連写が楽しくなるくらい速い。ちなみに、連続撮影枚数はRAWで43コマなので約3.5秒連写できます。体感的には長く感じますね。
そして、バッファの回復が速いです。ちょっと連写を止めればすぐにバッファが空になります。もしバッファを一杯にしたとしても2,3秒でバッファが空になる。これは書込み速度400MB/SのXQDカードの恩恵かもしれませんが。
と言うことで、Z6の連写は思ったより良いという感想です。Z6のAFが動体に強ければこの力を最大限に活かせるのに。
Z6をレビュー:高感度耐性
高感度耐性については強いことは強いですが、最近の2400万画素のフルサイズ機としては並なのかなと思います。
ちなみに、高感度でのノイズ量についてはD750と同レベルだと考えています。これについは別記事にまとめてあるのでご参考ください。
参考:Z6とD750で高感度ノイズと長秒ノイズを比較してみた!Z6の高感度耐性はいかに。
ただし、Z6は高感度での色乗りが良いと思います。通常、高感度にすると色が浅くなるというか、抜けたようになりますが、Z6は高感度でもこれが起きにくく深い色合いが残るように感じられます。
星景などでもレタッチしやすいデータだなと思いました。やはりセンサーは進化しているのですね。
また、長秒ノイズについてはZ6は発生しにくいので星景好きとしは非常に嬉しいです。
Z6をレビュー:EVF
Z6のEVFは皆さん言うようにとても綺麗に自然に見えます。かなり光学ファインダーに近いです。
また、ファインダー倍率が約0.8倍あるのでかなり広くスッキリ見えます。ファインダー倍率はD750が約0.7倍、D850でも約0.75倍なので、いかに広いかが分かります。Z6とD750のファインダーを覗き比べると広さが全然違う。ファインダーは広い方が撮影に集中できるし疲れにくいです。
そして、EVFは太陽を見ても眩しくないし、露出やホワイトバランスも撮影前から確認できるので非常に便利。撮影後の画像確認もモニターだと周囲の光に影響されて見にくいことが多いですが、EVFなら周囲の光の影響されずに正確に画像確認できます。
すっかりZ6のEVFを気に入りました。
Z6をレビュー:その他良い点
ホワイトバランス
私はオートホワイトバランス(AW)をよく使いますが結構自然な色を出すと思います。
AWも「白を優先する」、「雰囲気を残す」、「電球色を残す」というモードがあり、各シーンに合わせて使うことができます。
星景を撮っていてもD750のAWは黄色にひどく被りましたが、Z6は割とニュートラルな色を出してくれると思います。
ボディ内手ぶれ補正
ボディ内手ぶれ補正も便利です。
FマウントレンズのVR(レンズ内手ぶれ補正)と比較してどちらが効きが良いかはわかりませんが(体感では同レベル)、ボディ内手ぶれ補正はNikon14-24㎜f2.8のようなVR非搭載のレンズでも手ぶれ補正を効かせることができます。これがすごく良い。
フォーカスシフト撮影
D750にはなかったフォーカスシフト撮影がZ6には搭載されています。
風景写真で被写界深度合成する際に非常に便利ですね。
撮影が捗ります。
ただし、合成処理にはPsなどのソフトが必要になります(もしボディ内で合成できたとしても風景だと破綻することが多いので、結局Psで修正が必要になるかと)。
電子先幕・無音シャッター
ミラーショックによる微ブレは想像以上で、D750で撮影の際には可能な限りミラーアップ撮影をしていましたが、ミラーアップ撮影って意外にストレスです。設定するのを忘れていたり、シャッターを2回押す必要があったり。
参考:写真がぶれる!?レリーズとミラーアップ撮影の必要性とは!丁寧に撮影するならミラーアップ撮影!
Z6はミラーレスカメラなので、普通に撮影していてもミラーアップ撮影状態。これだけで大きいメリットです。
あとは電子先幕でシャッターブレも排除できたり、電子シャッターで音すらなくすことも可能です。すごく便利。
参考:電子シャッター、電子先幕シャッター、フォーカルプレーンシャッター、それぞれのメリット・デメリットを知っておこう!
以上、Z6のレビューでした。最後にZ6に欲しい機能について書きたいと思います。
Z6に欲しい機能
ブライトモニタリング機能
ブライトモニタリング機能は欲しい。これがあるかないかで星景の完成度が全然違うと思います。
Z6はローライトAFの時に一瞬ブライトモニタリングっぽくなるので、今後ファームアップで何とかならないだろうか。
充電しながら撮影
Z6はモバイルバッテリーをカメラに繋ぐことで充電可能です。ただ、その間は撮影不可です。
もし、モバイルバッテリーで充電しながら撮影もできたら星景などの撮影で便利でしょうね。どうにかして欲しいです。
動物瞳AF
瞳AFはファームアップで対応されるらしいですが動物瞳AFも欲しい。もしあれば便利すぎる。ソニーが羨ましいです。
レンズ
FTZ+Fマウントレンズとのバランスが悪いので、はやくZレンズを充実させて欲しいですね・・・。
まとめ
私はZ6を買って良かったと思っています!
すでにメイン機はD750からZ6に変わりました!
EVFに違和感が無くて良かったですね。
DSLRからミラーレスへの乗り換えで一番苦情の多い点ですので。
自分が使っている機種にブライトモニタリング機能が
あることを初めて知りました。
今までSSを変えて確認してたのは、30秒以内だったから
問題なかったのですね。
モバイルバッテリーを使えるようにするのは、ミラーレスには
必須だと思います。
(きっとチャイナ製のバッテリーからUSBケーブルが出たものが
発売されるような気がします。)
ソニーの場合、動画撮影の方達が大型のモバイルバッテリーを
マウントリグに付けて撮影していました。
mickeyさん
EVFは本当に優秀で良かったです:)
え!?今知ったんですか!
あれ、本当に羨ましいです笑
やはりモバイルバッテリ使いながら撮影できたら便利ですよね。
なぜ、それをしなかったのか疑問です。何か技術的に!?できないことがあったのでしょうかね・・・。
私は最近は車関係だったり登山関係で投資したのでミラーレスとはまだ縁がないのですが、70-200F2.8をかなり小さく作れるみたいなんで行かないわけにはいかないですね。昨日もあれ持って雪山登ってきまして、途中で槍投げみたいに投げたくなりました。広角レンズもキヤノンの15-35F2.8ってのは出玉じゃないそうなのでニコンの14-24も小さく作れるのでしょうか。
元より今でもライブビューで構図作りが多いし近眼だからファインダー使うときもEVFで拡大できるととても良いでしょうね。どう考えてもミラーレス向きの人間なんですよね。
Labattさん
機材はミラーレスにしたら全体でかなり軽量化されるでしょうね。
よく雪山に持って行きますね笑
EVFは広くてはっきり見えるし、仰るように拡大機能が便利です!
ミラーレス良いですよ笑
ちょっと調べてみました。
ソニーがフルサイズミラーレスを発売したときのバッテリーは
以前から使われていたNP-FW50(7.2V)で、当初はUSB給電出来ませんでした。
第二世代(α7Ⅱを除く)でUSB給電が出来るようになり
第三世代では、全ての機種でUSB給電が、出来るようになりました。
バッテリーもこの時からNP-FZ100(7.2V)と大型化になってます。
Nikonもバッテリーは以前のままの型EN-EL15b(7.0V)で
ミラーレスに使用していますね。
USBの電圧が5Vなので、カメラ内部の電圧の7Vにするために
回路が必要なのかもしれませんね。
ソニーもカメラにバッテリーが入っていなかったり、バッテリー残量が
0%だとUSB給電で撮影出来ないので、一旦バッテリーに充電しながらの
給電撮影だと思われます。USB給電での撮影中は、バッテリーの残量に
変化はありません。
mickeyさん
ご返信ありがとうございます!
なるほど、回路が必要となるとファームアップじゃなんともならないですよね笑
カメラ自体も少し大きくする必要があるのかな・・・。
ニコンやキャノンがミラーレスに参入して、改めてソニーのすごさが分かりました。