いきなりですが星の動きって面白いですよね。
春先は深夜になってようやく立ち上がる天の川も、夏には日が沈んだ直後でもすでに垂直に近いです。
そして、これからの季節では天の川の濃い部分は持ち上がらず地平に隠れたまま。
巨大な時の流れを感じます。
全然関係ない話で始まりましたが、今回はご質問をして頂いたのでできる限りお役に立てるようにお答えしたいと思います:)
風景や星景の撮影で使える広角域のDXレンズに悩む
はじめまして!
いつも楽しい記事、心躍る写真、楽しく拝見しております。
自分もそろそろ広角レンズを購入したいと考えておりますが、案の定購入するレンズを悩んでおります(;´Д`)
助言頂けると幸いです。
所有機材はNikonD750、D5500なのですが、諸事情によりD5500をメインで使わざるを得ない状態ですので、今回はDX機でのレンズを考えております(使用期間ですが恐らくあと一年半くらいはD5500をメインにする気です)。
候補としては、
①トキナー11-20 F2.8
②トキナー14-20 F2.0
この2つでかなり悩んでおります。
星景も撮りたいと思っておりますので、この明るい2つのレンズが非常に気になります。
①はオートフォーカスに難ありらしいのですが、景色を撮るのならそこまでオートフォーカスに頼らなくてもいけるかなぁと思っており、現在第一希望です。
ですが②の変態レンズは14スタートですが全域F2.0で描写は単焦点のそれと変わらないという噂。星景を撮るのにも1段明るいのはアドバンテージかなぁと思っています。またオートフォーカスも快調。
14スタートで無ければ迷いなくこっちを買ったんですが…
正直F2.8でも十分明るいですし、お値段も①の方が安い…
将来はフルサイズ様にタムロン15-30やNIKKOR20m F1.8なども購入しようと思ってるので、まずは超広角の世界を楽しむために①か描写に妥協のない②にするか寝る間も惜しんで悩んでおります(;´Д`)
ワイズさんならどちらを選びますか?または第3の選択肢があれば御教授下さい!
Haletaさん
初めまして、いつもWise cameraを見ていただいてありがとうございます!
広角レンズ選びは難しいですよね:)
現在、NikonD750、D5500を所有しているもののD5500をメインで使用されているのですね。あと、一年半くらいはD5500ですか。
そして、風景や星景写真を撮影するとのこと。
また、将来的にはタムロン15-30㎜やNIKKOR20m F1.8も視野に入れていらっしゃるようですね:)
以上を踏まえて、私なりに考えてみたいと思います。
DXレンズかFXレンズか
将来のことを考えてフルサイズ対応レンズという選択肢もあるかもしれませんが、広角域に関してはフルサイズ用レンズをAPS-C機に使うのは難しいですよね。
せっかく広角レンズを使っているのにAPS-C機だと焦点距離が約1.5倍されて広角感が薄れてしまいます。
しばらくの間(1年半くらい)D5500をメインとされるのなら、はやりHaletaさんの選択通りDXレンズを選択するのが良いだろうと思います。
しかし、DXレンズで星景写真も撮れる明るい広角レンズは数が少ないですね・・・。
私も色々探してみたのですが、やはりトキナーの「11-20㎜F2.8」、「14-20㎜F2.0」が良いとかと(サムヤンもちょっとありかもしれませんが)。
それでどちらにするか!?
トキナー11-20㎜F2.8かトキナー14-20㎜F2.0
Tokina 超広角ズームレンズ AT-X 11-20 F2.8 PRO DX 11-20mm F2.8 Nikon用 フード付属 APS-C対応 634387
焦点距離11㎜〜20㎜(35㎜換算で約17㎜〜30㎜)の超広角レンズ。しかも、F2.8通しで明るいです。DXレンズでこの画角と明るさはすごい。
Tokina 超広角ズームレンズ AT-X 14-20 F2 PRO DX ニコンF用 APS-C対応
焦点距離14㎜〜20㎜(35㎜換算で約21㎜〜30㎜)の超広角レンズ。しかも、なんと通しでF2という明るさ。上のレンズよりも1段明るいです。
画角はどうか!?
それぞれのレンズの広角端は約11㎜(換算約17㎜)と約14㎜(換算約21㎜)です。この焦点域での3㎜の差は結構大きいですね。ちなみに、望遠端は20㎜(換算約30㎜)で同じです。
何でもかんでも広く撮れば良いという訳ではありませんが、より広角に写せるというのは大きな強みです。
例えば、焦点距離11㎜(換算約17㎜)なら天の川の根元から先の方まで撮影できると思います。
それから、星景写真は星のみならず地上の風景も大切です。ある程度地上部分を画面に入れつつ天の川も写そうと思うと画角は広いに越したことはありません。
これは14㎜で撮影ですが、もしこの時に20㎜位で撮影していたら少し窮屈だった思います。
また、画角が広い方がパースペクティブが強くなるので風景写真においても表現は豊かになります。
もちろん、広角端14㎜(換算約21㎜)でも広いですが、11㎜(換算約17㎜)の方が当然撮れる写真の幅は広がります。
明るさは!?
トキナー11-20㎜はF2.8でトキナー14-20㎜はF2.0なので、14-20㎜の方が1段明るいです。
風景写真だと明るさはそれ程メリットになりませんが星景写真では重要です。
例えば、ISO3200、F2.8で撮影している時に、F2なら同じ露出でISO1600まで低くできますね。
ただ、11-20㎜のF2.8でも十分明るいのは確かです。
では、この明るさの差による星景写真の違いについて考えてみたいと思います。
まずは焦点距離に着目してみたいと思います。
11㎜(換算約17㎜)もの広さががあれば、ある程度シャッター速度を長くしても星はほぼ点像に見えますね。14㎜(換算約21㎜)よりもシャッター速度は長くできるはずです。
11㎜(換算約17㎜)だと写真の大きさにも寄りますが25〜30秒でもほぼ点に見えると思います。その広角のメリットを活かせばF2.8とF2との差をある程度埋めることも可能かと思います(星景全てで広角端を使う訳ではありませんけど)。
また、星景写真では機材のみならず現像も大切です。
レンズやカメラの性能でノイズを減らすのも重要ですが、その後の現像作業でノイズを除去することも同じくらい重要です。
今や現像ソフトも性能がどんどん進んでいるのでスライダー1本で簡単にノイズを除去できますし、ノイズを除去するための様々な合成手法もあります。
そういった現像技術でレンズの明るさの差を埋めていくことも十分可能ですね。
参考:天の川の現像方法①!色を補正して天の川を強調する!光害の色被り除去!
その他の点
トキナー14-20㎜F2.0はまだ新しいレンズでそれほど作例やレビューが上がっていないのですが、それでもかなり評価は高いようですね。
デジカメinfo:トキナー14-20mm F2はズーム全域で高解像力だが逆光に弱い
逆光には弱いようですが(トキナー全般でそうですね)、解像力は目を見張るようです。
一方で、トキナー11-20㎜F2.8に関しても評価は高いですね。
デジカメinfo:トキナーAT-X 11-20 PRO DX は光学性能は旧型から改善しているがAF精度が問題
これも広角レンズとしては優秀な解像力との評価です。ただ、AFが不安材料。
ただし、このあたりの差は判断するための決定打にはならないと思います。
作例を漁って見ましたが、11-20㎜F2.8も14-20㎜F2.0も両方とも良い描写をしていると思います。確かに14-20㎜F2.0の方が若干良いようですが、個人的にはそんなに大きな差は感じられません。
そして、11-20㎜F2.8はAFについて色々言われていますが、このレンズのみならず広角レンズ全般的にAFが苦手と言われていますね。
さらに、サードパーティです。AFを気にするのであれば今回は選択肢にありませんが純正レンズが一番です。サードパーティである以上、どのレンズを使ってもAFに不安は出ます。
なので、AFはある程度目を瞑る必要があるのだろうと思います。三脚使ってライブビューで合わせれば問題ありませんし。
総合的に見て
私が選ぶとしたらトキナー11-20㎜F2.8になると思います。
Tokina 超広角ズームレンズ AT-X 11-20 F2.8 PRO DX 11-20mm F2.8 Nikon用 フード付属 APS-C対応 634387
やはり焦点距離11㎜〜20㎜(換算約17㎜〜30㎜)の超広角で明るいのは唯一無二です。14-20㎜F2.0(換算約21㎜〜30㎜)にはできない表現が可能です。
その強烈なパースペクティブを活かして迫力や躍動感のある写真を撮ることもできますし、星景写真でも前景を入れつつダイナミックに天の川も写せます。
特に、星景写真にはありがたいですね。
また、明るさの差は風景なら関係ありませんし、星景に関しても現像方法などで差を詰めることは十分できると思います。F2.8でも十分明るいですし。
いかがでしょうか!?
まとめ
トキナーのレンズは使ったことがありませんが面白いレンズがありますね:)
調べてみるととても良いレンズのようでとても興味があります!
ありがとうございます。
こんなに早く返答を貰えるとは思っていませんでしたので大変嬉しいです!
やはり超広角ならではの表現は魅力的ですよね!
現像に関しては素人同然なのですが、この機会に勉強し表現の幅を広げるいいきっかけだと思い11-20mの方を購入しようと思います!
お忙しい中ご相談に乗っていただきありがとうございました!
Haletaさん
コメントありがとうございます!
どうぞ超広角の世界を堪能してください:)
こちらこそありがとうございました!
これからも宜しくお願いします:)