構図は写真撮影で最も大切なものの一つです。
どんなにロケーションが良くても、構図で失敗しているとパッとした写真にはなりませんね。
そんな大切な構図ですが、構図作りについての考え方はたくさんあります。
その中の一つで見る人の視線を意識して要素を配置するという考え方があるようです。
結構興味深い内容だったので記事にまとめてみたいと思います。
視線の動きには傾向がある
人の視線の動き方には特定の傾向があると言われています。
例えば、コンビニなどの商品陳列棚について「Zの法則」って聞いたことがありませんか!?
商品陳列棚を見る時に、人はまず左上を見てから右上を見る、そして左下を見て右下に落ち着くという流れがあると言われています。
視線の動きを図にするとこんなイメージ。これが「Zの法則」です。
なので、最初に視線が集中する左上に目玉商品などを配置するとよく売れるなんて言われています。
さらに、この「Zの法則」は商品陳列棚だけでなく広告やwebページのデザインにも広く利用されています。人の視線の動きを無視して好きなようにデザインするよりも、視線の動きに合わせてデザインする方が成果が上がるということですね。
それで写真についても視線の動き方に特定の傾向があると言われています。
写真を見る視線の動き
写真を見る視線の動きは主に2つの流れがあります。
まずは、下から上への流れです。
写真を見る視線は下側から上側へと移動する傾向があります。
というのも、人は近くのものを先に見てから、次に遠くのものを見ようとすることが多いからです。したがって、写真の下側は近景に当たるので、ここから視線は上側(遠景)へ移動する訳です。
次に、左から右への流れです。
写真を見る視線は左側から右側へと移動し、そして右側をより長い時間見る傾向があります。
これは文章に由来すると言われています。例えば、英語は常に左から右ですし、日本語でも日常的に目にする文章は横書きが多いですよね。スマホもwebも左から右に文字を読みます。
というように、写真を見る視線の動きは「下→上」と「左→右」の2つあり、これを合わせると大雑把に視線は下から始まって右上で収束することになります。
では、これを写真に利用するにはどのようにしたら良いのでしょうか!?
視線の動きを写真に利用するには
まずは、視線のスタートポイントである写真下側に目に止まるものを配置します。
そうすればそれが取っ掛かりとなるので、さらっと視線を流されることなく、逆に見る人を写真の中へ引き込むことができます。
写真下側というのは、つまり前景になります。よく前景は大切と言われますよね。
次に、視線が最後に収束する右上にワンポイントです。例えば、何か見てもらいたいもの、あるいは何か特徴のあるものなどを配置します。山とか朝焼けとか。
写真右上は最後に視線が行き着く場所なので、何も配置しないのはもったいないです。ここに見せたいもの、あるいは何か特徴のあるものを配置することで、見る人の関心をより長く留めておくことができます。
こうすれば関心の持続が最大化する訳です。
なるほどなという感じ。確かにネットで見かけた良い写真を見るとこのパターンだったりします。
しかしながら、実際に風景を撮っていると中々都合良く行くことも少ないです。また、これに縛られ過ぎると上手く撮れないし楽しくもありませんね。なので、あまり縛られ過ぎずに構図は好きに決めれば良いと思います。あくまでも数ある考え方の中の1つです。
ただ、頭のどこかに視線の流れについての知識が入っていれば役に立つはずです。構図を決める際は見る人の視線の動きを一度意識すると良い変化がありそうですね:)
まとめ
うまい人の写真って「こんなことを意識しているのか・・・」という事がありますね。
じっくり構図を練れる時は、見る人の視線の動きを意識して、要素を配置するようにしていきたいと思います!