最近、星空の撮影でソフトフィルターが気になっています。
夏の間は南天のこってりとした天の川が撮影できたのですが、これから冬になれば天の川の星雲は地平線から上がってこなくなります。
そうすると、夏とは違ったさっぱりとした天の川やオリオン座などを撮影することになります。これはこれで冬の夜空の良さがありますね。
ただ、ちょっと前に撮影したオリオン座の写真を見て思ったことがあります。
星が目立たな過ぎる。
月明かりがあったり超広角で撮影したからというのもあるかもしれませんが、よく目を凝らさないと星が分からない。
これはちょっといただけないですね・・・。
そこで星空撮影に必須アイテムと言われているソフトフィルターです。今季の冬はこれ欲しい。
私はまだソフトフィルターは使ったことはありませんが、予備知識としてソフトフィルターについてまとめてみたいと思います。
ソフトフィルターとは?
ソフトフィルターの役割は光をにじませることで星を大きく目立たせることにあります(その他にもポートレートや花の撮影などで使われるようです)。
特徴として強い光ほど大きくにじむので、より明るい星ほど大きく写り星空にメリハリが生まれます。星座が分かりやすくなりますね。
その他のソフトフィルターの特徴について箇所書きします。
- ソフト効果や形状(丸枠や角型)に違いがある
- デメリットもある
- 焦点距離が長くなるほどソフト効果が強くなる
です。
ソフト効果や形状(丸枠や角型)に違いがある
NDフィルターに濃度の違いがあるようにソフトフィルターにも効果の違いがあります。
例えばですが、Kenko製ソフトフィルターだと「ソフトンスペック(A)」、「プロソフトン(A)」、「ソフトンスペック(B)」、「プロソフトン(B)」、「フォギー(B)」だとか色々な商品があります。
これらはそれぞれ固有の特性もあるようですが、ソフト効果度の順に並べるとこのようになります。
上表の右に行くにつれてソフト効果が強くなり星がより大きく見えるようになります。でも、たくさんあってよく分からないですね(Aが効果弱でBが効果強となっているようです)。
色々と好みもありますが、星空撮影ではKenko製ソフトフィルターだと「ソフトンススペック(A)」や「プロソフトン(A)」を使う方が多いようですね。
Kenko レンズフィルター PRO1D プロソフトン [A] (W) 77mm ソフト描写用 277881
ソフト効果が比較的弱く自然なにじみ具合で使いやすいだとか。最初の1枚には無難なものがいいですよね。
ちなにみ、Amazonを見てみると「PRO1D プロソフトン [A] (W)」と「MC PROソフトン(A)」という似た名前の製品(両方Kenko製)があって何が違うのか分かりにくいですが、調べてみるとコーティングに違いがあるようです。PRO1Dプロソフトン[A]では、デジタルマルチコートを施すことで逆光時でもフレアやゴーストの発生を抑えています。
参考:Kenko FAQ
そして、上の製品はすべて丸枠のフィルターですが角型のソフトフィルターもあります。
角型だとレンズ径を気にせずに使用できるので良いですね。ホルダーがなくても手持ちでなんとか。
それで、これの代表的なものにLEE製のポリエステル ソフトフィルターがあります。
LEE 角型ポリエステルレンズフィルター SP-32 ソフト No.3 100mm×100mm ソフト描写用 209559
LEEのポリエステル ソフトフィルターはNo.1から徐々に効果が強くなりNo.5がもっともソフト効果が高くなっています。
ポリエステルフィルターだと自由にカットできるので、小さく丸くカットして後玉に装着することも可能です。
こうすることで出玉レンズにも使用出来るようになりますし、また前玉にソフトフィルターをつけると周辺部の星がラグビーボール状に歪むことがあるようですがそれも防げます。
私は14-24㎜F2.8で出玉レンズ使用なのでこれが良さそうですね。
デメリットもある
星の撮影に便利なソフトフィルターですがデメリットもあります。
それは星のみならず地上景もにじんでぼやけてしまうことです。星景写真だと木や山を地上景に入れることも多いですよね。それも一緒にモヤっとして解像感がなくなってしまいます。
これは考えものですね。
ソフト効果の比較的弱いソフトンスペック(A)、プロソフトン(A)やLEEポリエステルフィルターNo.2、3くらいだと影響は少ないらしいですが、ソフトンスペック(B)、プロソフトン(B)やLEEポリエステルフィルターNo.4、5などのソフト効果の強いものだと地上景のディテールが損なわれてしまうとのこと。
どこかで妥協点を見つける必要がありそうです。
焦点距離が長くなるほどソフト効果が強くなる
同じソフトフィルターでもレンズの焦点距離によってソフト効果に違いが出ます。焦点距離が長いほどソフト効果が強くなります。
ということは、星景写真だと超広角〜広角を多用するのでソフト効果が弱くなりやすいですね。星が思ったように大きくならない。
だからと言って、ソフト効果の強いフィルターを使うと地上景の解像感な失われるというジレンマ。
これも悩ましいですね。
これを踏まえて自分にあったソフトフィルターを探してみたいと思います。
私にとってのおすすめソフトフィルターはどれだ??
もしも、丸枠フィルターが使えたらプロソフトン(A)を買っていると思います。
Kenko レンズフィルター PRO1D プロソフトン [A] (W) 77mm ソフト描写用 277881
無難そうなやつです。
ただ、私の使用レンズは出玉なので残念ながら丸枠フィルターは使えません。
ということで、LEEのポリエステル ソフトフィルターから選びますが、ちょっと使いか方について少し考えてみたいと思います。
寒い中、眠い目をこすって撮影するのだから可能な限り完成度の高い写真を撮りたいです。そのために、私は合成という方法を取りたいと思います。
星空はソフトフィルターを使用し、地上景はソフトフィルターなしで撮影。それをPsで合成です。これなら地上景の解像感は失われません。
そうなれば、レンズの後玉にフィルターを付ける方法はなしです。簡単に取り外しできないですからね。
ということで、角型フィルターをレンズ手前に手かざしで使用することになります(ハーフNDを使う時みたいに)。
LEEのポリエステルフィルターは大きさが100mm×100mmなので14-24㎜F2.8でもぎりぎり使えるはずです(これは実際に試してみてまたレポートしたいと思います)。
追記※実際に試した結果、超広角域では100mm×100mmは小さいです。焦点距離14㎜だとCokin製の170X130mmの大きさでぎりぎりな感じでした。
また、レンズ手前に手かざしすればSS20秒のうち10秒だけフィルターを使うみたいなこともできるのでソフト効果の調整が出来ますね。ラグビーボール状の星の歪みもソフト効果を調整してやれば目立たなく出来ると思います。
ということで、これにしようかな。
LEE 角型ポリエステルレンズフィルター SP-32 ソフト No.3 100mm×100mm ソフト描写用 209559
そこまで高くない。
それか、大きさに余裕を持ちたいならこれでも良いかな・・・。
Cokin 角型レンズフィルター X840 ディフューザー 2 170X130mm ソフト描写用 500363
Cokin製のフィルターで効果は中程度です(効果の弱いものから820、830、840、850と種類があります)。大きさはXLで170X130mmなのでLEEのフィルターよりも余裕がありますね(大きさもSサイズやXLサイズなどあります)。これのX830でも良さそう。あと、ガラス製かな!?(※プラスチック製でした)
価格は少し高めです。
どちらにしよう・・・。
まとめ
ネットで見かける綺麗な星の写真。多分、多くはソフトフィルターを使われているのでしょうね!
私も今季はソフトフィルターでステップアップしたいです:)
私はソフトンAを持ってます。他は持ってないので比較はできませんがこれだと星座はよく分かるんじゃないでしょうか。春先に使ったときはオリオンの右にアルデバランもスバルもはっきり確認できました。(後の2つは無知なもので何の星団か確認したのは内緒です)地上物が引きの構図だとそっちはあまり影響を感じませんでした。
単純に日中使うこともあります。太陽が高く上がったり曇りの日はコントラストがつかないですから、逆にこれ使って全体的にぼかしてカメラ女子ぽい?写真にして・・所詮真似事なのでカメラ女子というかカメラおかま?写真の出来上がりです。
Labattさん
コメントありがとうございます:)
ソフトンAを使われているのですね!これは評判よいみたいですね:)
はやりソフトフィルターがあれば星もより見栄えしますよね!
星の勉強もしたくなってきました!
なるほど、そのような使いかたもできるのですね。
カメラおかま!?笑 新しいジャンルが開拓できますね笑
はじめまして
昔ソフトンA、星像が延びるのが嫌で今LEE1&3を後玉装着で使ってます(笑。
フィルター有り無しを合成する手法は、星景では以前にマニアの中で研究されてましたが、”アマチュア界”では現場でそれは面倒ということであまり普及していないように思います。
今度研究されるとのことで、成果を期待しています。
良かったらマネしようかな。
ふみふみさん
はじめまして!コメントありがとうございます:)
やはりソフトフィルターを前玉に装着すると星像が伸びてしまうのですね・・・。私も作例を漁って見てそれが気になっています。
別撮りは確かに撮影も現像も面倒ですね。時間も労力もかかります。
でも、うまく合成できるか定かではありませんが色々とチャレンジしてみたいと思います!
良い感触を掴めたらブログで記事にさせて頂きたいと思います:)
私もソフトンAは以前から気になってはいますが、出目金レンズの宿命で使用出来ずに悩んでおります。
調べていくうちに同じようにLEEのソフトフィルターにたどり着きましたが、後玉に装着も実際に使用の際に不便だな~と感じておりました。
やはり星空と地上計は別撮りにしたかったので、付けたり外したりは、暗闇の中では厳しく中々買えずにおります(汗)
そこで2つ質問があります。
記事の中でSS20秒のうち10秒だけフィルターを使うとは長時間露光中にフィルターをフレームインさせるという事でしょうか?
それはブレてしまうので不可能なのはわかっておりますが、私も購入を検討しているので、教えてもらえると助かります。
そしてもう一つは過去記事で紹介していた、ハーフNDフィルターホルダーでLEEソフトフィルターを使用出来ないものなのでしょうか?
Wiseさんも購入前で不透明な部分も多いとは思いますが、調べても不明な為、何か知っていたら教えてもらいたいです。
宜しくお願いします。
morinokoeさん
コメントありがとうございます!
出玉は本当にフィルターに苦労しますね・・・。手の焼けるやつです。
おっしゃる通りで後玉に装着は面倒です・・・。
例えば、ハーフNDを固定せずにレンズの手前にかざして使う事があるかと思います。
そのような感じで、ある程度の大きさのあるソフトフィルターをホルダーに固定せずに手でかざして使用します。
なので、露光中でもフィルターを下げればソフト効果を自由に調整できるはずです。
これを参考にしました:価格コム:ソフトフィルター使用でぐっと良くなりました。
Leeのフィルターは100×100㎜なので大きさ的にぎりぎりかと思いますが、Cokinのフィルターは大きいので手かざしでも使用しやすいと思います。
ちなみに、早速CokinX830をポチりましたので、撮影後レビューさせて頂きたいと思います笑
NiSiホルダーのことですね:)
これはフィルター幅が150㎜あればいけるかもしれませんが、LEEのソフトフィルターは100㎜なので厳しいかもしれません。
使えたら良いのですが・・・。
なので手かざしが良いのかなと考えています。
丁寧に教えて頂きありがとうございます。
ホルダーもサイズが合わないとなると、やはり手かざしなのですね。
しかももうポチっとするとは早いですね!
撮影後のレビュー記事とても楽しみにしていますね(^-^)
あとはずっと天候が悪いですが、そこのみですね。
morinokoeさん
ご返信ありがとうございます!
うまく使えるとよいです:)
本当にどうにか天気好転してほしいですね・・・!ちょっとでも晴れてくれれば良いのですが:)
貴方のホームページは、大変参考になります。私も星空大好き人間で、近郊にて撮っています。cokinフィルターx840を使っていますが、nikkor14-24レンズに自作のフィルターホルダーを使っています。どうせ上を向けて撮影するので自作ホルダーに乗せただけですが、カメラを微動もしないでフィルターを外せます。手持ちでフィルターを持って撮影は、短時間でも大変ですし、フィルターに傷がつく恐れがあると思います。
空知のとーさんさん
コメントありがとうございます!
参考にしていただけで嬉しい限りです:)
自作ホルダーですか!確かに手持ちは大変で、レンズフードにぶつかるのが気になります・・・。
私も自作でやってみようと思います。NISIのnikkor14-24用ホルダーがあるので、それにソフトフィルターが付くように工夫してみたいと思います:)