2016年1月6日にNikon(ニコン)から、DXフラグシップ機にあたるD500がついに発表されました!
発売は3月を予定で、店頭予想価格はボディ単体が25万9千円前後、D500 16-80 VRレンズキットが34万円前後の見込みのようです(1月6日時点)。(追記:発売が4月下旬に延期されました)
製品キャッチフレーズは、「すべてを凝縮した、渾身のDX機」。
本当にあらゆる技術が詰め込まれています。
同日、FXフラグシップ機にあたるD5も発表されましたが、両機とも圧倒的スペック。最近パッとしなかったニコン一眼レフに強烈な一手を叩きつけた印象です。
新しい一眼レフカメラ時代が始まったように思います。
D500のスペックがどれほどのものなのか、今まで仮にもDXフラグシップ機だったD7200と違いを比較してみたいと思います。
D7200と比べても次元が違うのであまり参考にならないかもしれませんが・・・。とりあえず、D500の凄さが際立ちます。
*ただし、まだ情報が限られているので不明な部分もあります。それは随時分かり次第追記したいと思います。
ボディ
大きさ・重さ
- D500・・・約145×115×81mm 約860g
- D7200・・・約135.5×106.5×76mm 約765g
D500の大きさはD7200よりも一回り大きくなり、重さ約860gで約100gほど重くなっています。
フルサイズ機のD610(850g)やD750(840g)よりもわずかですが大きく重いです。
見た感じグリップはD5500やD750のように深く握りやすそうです。
素材・構造
D500は高剛性炭素繊維複合素材とマグネシウム合金を採用した、モノコック構造ボディーとなっています。薄型化軽量化に成功したD750やD5500のボディを踏襲する型になったようですね。
ちなみに、D7200はマグネシウム合金でカーボン繊維やモノコック構造は採用されていません。
そして、もちろん防塵防滴構造です。
画像処理エンジン
- D500・・・EXPEED 5
- D7200・・・EXPEED 4
D500は最新の画像処理エンジンである「EXPEED 5」が搭載されています(2016年1月時点)。
D7200は当時最新であった「EXPEED 4」が搭載されていますが、これで一世代古くなってしましました。
最新画像処理エンジンは人間で言う「脳みそ」みたいなもの。高感度によるノイズや、オートホワイトバランスの精度、連写性能など写真撮影する上で重要な多くの要素に関わります。
「EXPEED 4」でも優秀と言われていましたが、次世代の「EXPEED 5」はどれ程のものなのか楽しみです。
センサー
画素数
- D500・・・2088万画素
- D7200・・・2416万画素
画素数は少し抑えられたようです。
画素数が抑えられたことと、最新のセンサーが使われていることから高感度耐性が大きく向上しているかもしれませんね。
D7200のセンサーも優秀でノイズ耐性やダイナミックレンジが向上し、他の一眼レフから頭一つ抜け出たと言われていましたが、D500もさらに優れた描写に期待できます。
ちなみに、D7200ではソニー製のセンサーが使われていたと言われていますが、今回のD500はニコン自社製のセンサーが使われているかもしれません。
というのも、同日発表されたFXフラグシップ機であるD5の2082万画素のセンサーが自社開発だとニコンイメージングHPに書かれているからです。D500の2088万画素のセンサーもその可能性は十分あります(D500に関しては明記されていないので、定かではありません。あくまでも推測です・・・)。
後述しますが、ISO感度が飛躍的に伸びたのは、このためではないかと推測できます。センサーと画像処理エンジンを一緒に自社開発することで大きなメリットがあるのでしょうね。
これはかなり楽しみです。
ローパスフィルター
- D500・・・光学ローパスフィルターレス仕様
- D7200・・・光学ローパスフィルターレス仕様
嬉しいことにD500も光学ローパスフィルターレス仕様です。光学ローパスフィルターレス仕様にすることで、高解像で立体感豊かな、鮮鋭感の高い画像を撮影できます。
ニコンのAPS-C機はどれも光学ローパスフィルターレス仕様となりました。
ISO感度
- D500・・・100~51200
- D7200・・・100~25600
常用感度はD7200の倍になっています。それだけノイズにも強いのでしょうね。
最新の画像処理エンジン「EXPEED 5」とセンサーのお陰だと思われます。
そして、拡張感度はISO1640000相当まで可能となっています。16万4千じゃないですよ、164万です・・・。ちなみに、D750がISO51200相当、D7200がISO102400相当です。D500はすごいですね。
これでどれほどノイズに耐えられるのか見ものです。常用感度は数値ではフルサイズ機の上を行っていますが、もし高感度ノイズ耐性でフルサイズ機に迫れればすごいことです。
そして、これで一体何が撮影できるようになるのだろう。違った世界が広がりそうです。この先、もっと進化すれば飛ぶ鳥と天の川を撮影なんてことも可能になるかもしれませんね。
AF
AF測距点(フォーカスポイント)
- D500・・・新世代153点AF
- D7200・・・51点AF
ほぼファインダー全体フォーカスポイントです。どこでも精度よくAFが可能となりました。小さい被写体などでも楽にピントを合わせられそうです。
しかも、中央部と周辺部99点はクロスセンサーと言うより捕捉性の高いフォーカスポイントが採用されています。キャノンのライバル機にあたるEOS 7D Mark II(65点)を圧倒しています。
このおかげで、激しく動く被写体でもがっちり追従してくれそうで頼もしいです。
ちなみに、D810やD750などのフルサイズ機やD7200は51点で、その中で15点のみクロスセンサーです。何か色あせて見えます・・・。
全然違いますね。ちなみに、これはFXフラグシップ機であるD5と同程度の性能です。
追記:D5と同様に、AF専用エンジンというものが搭載されています。これにより高速で動く被写体にも精確で安定したAF追従を実現させているようです。
暗所でのAF性能
- D500・・・中央1点、-4EV。残りのAFポイントすべて、-3EV。
- D7200・・・中央1点、-3EV。残りのAFポイント、-2EV~-3EV。
D500は中央1点では-4EVでもAF可能となっています。しかも、残りのAFポイント(152点)すべてで、-3EVでAF可能です。暗いところでのAFにより強くなっています。
私はD7200を使用していますが、十分暗所に強いと思っていました。例えば、濃い減光フィルターであるND400を装着してもAFが効き驚いたことがあります。
しかし、D500はそれをも上回っています。
D500のAFは室内の暗いシーン、日が出ていない時間帯、コントラストの低い被写体で大きな効果を発揮してくれるでしょう。使ってみたいです。
ちなみに、これもFXフラグシップ機であるD5と同程度の性能です。
シャッター
連写性能
- D500・・・高速連続撮影約10コマ/秒
- D7200・・・高速連続撮影約6コマ/秒
D500の方が相当早くなっています。これでEOS 7D Mark IIと対抗できます。
しかも、大容量の内蔵バッファーメモリーと「EXPEED 5」により画像処理能力が向上しているので、途中でバッファが一杯になって連写が止まるということが起こり難くなっているようです。
ちなみに、バッファとは撮った写真を一時的に保存する場所。これの容量が多いとカシャカシャずっと連写できます。もし、容量が不十分だとすぐにバッファが容量オーバーになり、画像データをSDカードに記録するまでリロード状態で連写が止まってしまいます。
D7200では約6コマ/秒のスピードでRAW(14ビット)撮影時の連続撮影可能枚数が18枚まででした。
一方で、D500は約10コマ/秒のスピードでRAW(14ビット)撮影時の連続撮影可能枚数が最大200枚まで可能となっています。
最大200枚連続撮影可能って・・・20秒間も高速連写可能って事ですかね!?圧倒的です。容量の少ないSDカードならあっという間に一杯ですね。
D7200で連写するとリロード状態でシャッターが切れなくなり困ったことが度々ありましたが、D500なら心配なさそうです。
ミラーバランサー
D500にはミラーバランサーが搭載されています。
これはD7200やD810には搭載されていますが、D750などには搭載されていません。
ミラーバランサーは、シャッターを切った際のミラー駆動の衝撃を抑制し、ファインダー像のブレを軽減させる機能です。
なので、連写撮影時でもファインダー像が安定し、被写体を安定して捉えることができます。動く被写体を追い続けやすくなります。シャッターの衝撃も少ないです。
電子先幕シャッター
D500には電子先幕シャッターが搭載されています(ミラーアップ撮影時に使用可能)。
これはD810などには搭載されていますが、D7200やD750には搭載されていません。
さて、電子先幕シャッターとは何か。
通常のシャッターは先幕と後幕というメカニカル(機械式)なシャッター幕で行われています。一方で、電子先幕シャッターはイメージセンサーの電子制御によりメカニカルな先幕シャッターを動作させずにシャッター機能を行います。
かなりざっくりとご説明しましたが、これにより通常のシャッターで起こってしまう先幕の走行による機構ブレが発生しません。なので、極力ブレを抑えることができます。望遠での撮影や天体の撮影などに有効です。
D500にはこんな機能も搭載されているのですね。
モニター
チルト式・タッチパネル採用
まず、D500のモニターで特徴的なのがチルト式・タッチパネル採用であることです。
D5500のようにバリアングルではありませんが、見る角度を変えられるので使い勝手が向上します。D750と同じ仕様ですね。
それとタッチ操作が可能です。
直感的な操作が可能となり、各設定でボタンをいちいち押さなくても良くなりそうです。
また、スマホみたいにタッチした場所でのピントを合わせやタッチシャッターも可能です。
大きさ・綺麗さ
- D500・・・3.2型液晶、約236万ドット。強化ガラス有無は不明。
- D7200・・・3.2型液晶、約122.9万ドット。強化ガラス採用。
D500のモニターは236万ドットでD7200よりも高精細で綺麗です。ちなみに、D810なども122.9万ドットです。D500は頭一つ出ていますね。
一眼レフカメラの高画素化でピントやブレにシビアな現代。モニターの高精細化は必要です。これまでのモニターでは細かなピントチェックは難しかったですが、D500なら良さそうです。
あと、D7200は液晶モニター表面には、傷つきにくく衝撃にも強い強化ガラスが採用されています。同様にD500にも採用されているかは今は不明ですが、おそらく採用されているのではと思います。
ファインダー
見た目
D500はなんと丸型ファインダーです。
これまでは上位フルサイズ機のD800系などに採用されていましたが、D500でもこれが採用されています。かっこいです。
そして、アイピースシャッターが付いています。
上写真はD810の画像ですが、D500も同様の仕様となります。
長時間露光には必須です。
丸型ファインダーにアイピースシャッターは憧れがあります。
視野率
- D500・・・上下左右とも視野率約100%。ファインダー倍率1倍。
- D7200・・・上下左右とも視野率約100%。ファインダー倍率0.94倍。
もちろん、視野率100%なのでファインダーで見たものがそのまま写真になります。
あと、D500はファインダー倍率1倍となっています。このために、ファインダーで見えるものがこれまでのDX機よりも大きく見えます。ファインダー倍率1倍なのでセンサーと同じサイズに表示されることになります。
ニコンDX機の中ではファインダーが一番広く見やすそうです。さすがに、フルサイズ機には劣るでしょうが、それでもフルサイズ機に近ずいているのではないでしょうか!?
そして、もちろんガラスペンタプリズムを採用です。
その他D500で可能なこと
鮮鋭感の高い4K UHD(30p)動画
D500は4K UHD(3,840×2,160ピクセル)/30pでの動画記録にも対応しています。最大29分59秒記録可能です。
そして、フルHD記録時には、上下、左右、撮影レンズを中心とする回転の3方向の手ブレの影響を軽減する、「電子手ブレ補正」機能が搭載されています。すごいですね。
「SnapBridge」に対応
D500はWi-Fi、Bluetooth内蔵です。
そして、「SnapBridge」と言うアプリをインストールしたスマホなどに常時接続し、画像の自動転送、自動保存や位置情報付加などが可能となっています。
うまく使えば面白そうです。
XQDカードとSDカードのダブルスロット採用
D500はXQDカードとSDカードのダブルスロット採用です(SDHC・SDXCはUHS-II規格対応)。
XQDカードはより高速・大容量なメモリカードの規格の一つ。使ったことがないので分かりませんが、SDカードにはないような書き込み速度でD500の連写性能を十分に引き出してくれそうです。
というように、D500はすべてが凝縮されています。渾身のDX機と言えますね。
言うまでもありませんが、動く被写体の撮影にかなり強くなっています。風景などの動かないものの撮影でも高感度ノイズ耐性やダイナミックレンジなどによってはかなり興味が出てきます。ボディは少し大きいですが、モニターやファインダーなどの機能性も良さそうですし!
まとめ
ついに登場した真のDXフラグシップ機D500。ニコンに惚れ直しました!
これでもかと言うほど動体に強くなっています。他の機能もかなり充実しています。
D5もD500もスペックが急上昇してとても魅力的ですね。
個人的には夜景・星景を含む景色中心なのでカメラ本体はD750で十分、必要なレンズさえあればいいかなと思っています。
でも、フォーカスポイントは特に縦構図にしたときに便利だろうな〜と気になっています。
一眼レフに移行してまだ一年も経っていませんし、新しいカメラが出るたびに買い替え、買い増ししていても技術や感性が良くなるわけではなので、今回は買いません。
でも、来年フルサイズの初中級クラスのものがでたら買ってしまいそうです。。。
ぷりぷりまっくさん
コメントありがとうございます:)
いきなり2.3段階レベルアップしたかのようですよね!
でも、私もぷりぷりまっくさんと同感です。そんなに連写もしないですし。そんなに連写したら写真の整理が大変そうです:)
D750で必要な機能は揃っっています!レンズは欲しいです笑
確かにフォーカスポイントは便利そうです。
本当に切りがないですよね、多分もう少し時間が経てば初中級クラスのカメラでもスペックの底上げがされていきそうですね。レンズもどんどん変わっていきそうです。
D810の後継機とかも楽しみですね!
D500は動体向け・・・・APS-C機は方向的にはそうならざるを得ないかなと
思われますね。高倍率、連写機能を生かすAFで、高解像度と高感度はそこそこに
すべきだと思いますが・・・・・・。
ここまでしたなら、ローパスフィルターのON・OFFと無音シャッター機能を
付けて欲しいかなと。
mickeyさん
コメントありがとうございます!
フルサイズ機はより高画素化の方向へ、APS-C機はより動体や機動性の方向へという具合ですかね。
でも、高感度のインフレ具合はすごいですね、センサースコアとかが楽しみです!
どこまで進んでいくのやら・・・
そうですね、無音シャッター機能とかいいですね。
既存の機能の強化ではなく、心躍るような新機能を開発して欲しいです!
D7200を買おうか、D750にしようか、噂されていたD300s後継機にしようか迷っていましたが、吹っ切れました。わたしにD500は必要ないかな。。。
よってD7200、4月ごろのD500ショックで値下がりするころに買いますww
あるたんさん
初めまして、コメントありがとうございます!
D500は便利そうな機能てんこ盛りですが、人によっては不要な機能がてんこ盛りになるかもしれませんね:)
自分に合ったものが一番です!
これからD7200は結構値下がりするでしょうね:)
d200ユーザーです。
d810を買おうとおもつていましたが、
念願のカメラでました。
レンズキットで予約しようと思います。
いさおさん
コメントありがとうございます!
d200を使われているのですね。待った甲斐がありましたね!
レンズキットもナノクリスタルコートだったりと豪華だと思います。
実機をはやく触ってみたいです!
D750使用者ですが、AFポイント範囲と電子先幕シャッターは羨ましいですね。
intさん
コメントありがとうございます。
AFポイントは圧倒的ですね。シャッター関係も強化されていてほんとに羨ましいです。
初めまして、宜しくお願い申し上げます。
D500に惑わされている超初心者です。
現状
昨年10月 カメラ:D3300ダブルズームレンズキットで初めて一眼購入
11月 レンズ:DX35㎜ F1.8購入
12月 レンズ:MICRO60mm 2.8購入
今年の目論み
レンズ:20mm F1.8 購入予定
カメラ:D750 24-120mmレンズキット購入予定
NDフィルター、フルサイズ用三脚、除湿器etc.
D500が発表されなければ目論みどおり何の問題もありませんでした。
D500を購入するとなると、広角レンズがDX使用に変わってきますし、
D500自体も本体のみ or レンズキットの迷いが発生しております。
今日現在は、フルサイズを経験しない後悔は計り知れないですし、
「25万円ほどで小三元標準域セットのD750が手に入るの素晴らしく魅力的」
という結論になっていますが、昨日は
「D500はスペックはもとより、単純にカッコよい(アイピースやダイヤル
など)、レンズ含めコンパクト(軽い)のは正義!」と思ったりしました。
勿論両方購入出来る財力があれば良いのですが、残念ながら二者択一の
経済状況なので・・・。
とりあえずは、D500の実写コメントが出そろう5月・6月
くらいまでは保留と、自分には言い聞かせているのですが、
今現在、寄れる広角レンズがものすごく欲しています。
長くなり申し訳ございませんが、
AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
このレンズ、D750用にと考えていましたが、D500(DX機)でも
いけるのか、それともDX機なら素直に
AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G ED
このレンズを購入した方が良いのか、
D500レンズキットを購入して
AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G EDの後継レンズを待った方が
良いのか非常に悩んでおります(VRは広角に必要なし、明るさもどうせ絞る
からF3.5~で充分?)
取り留めのない質問で申し訳ございませんが、背中を押して頂ければ
幸甚です。
atomさん
初めまして、コメントありがとうございます!
んー、非常に悩ましい問題ですね。
このご相談へのお答えは、このコメント欄では長くなり過ぎてしまうので、個別記事を書かせていただこうと思います。
なので、すいませんが記事公開まで少々お待ちくださいませ。
よろしくお願いします:)
ご面倒をおかけしまして申し訳ございません。
今日も昼食時に銀塩からのcanonユーザーの大先輩に相談しました。
師曰く、「一回フルサイズに来てみなさい、後悔させないから」
と言いながら、これまでの三脚その他周辺機器など経験(失敗)を色々
ご教授頂きました。
それでも、「D500のスペックはすごいね、買ったら触らせてよ」と
冗談ともとれない意見まで出てきてしまい、今日も結局惑わされました。
今日明日の急かした話ではありませんのでいろいろ経験された方の
ご意見を賜りたく、お願い申し上げます。
atomさん
お返事ありがとうございます!
まったく面倒ではありません:)お気になさらないでください!
フルサイズ機ユーザーでもD500は魅力的なのは間違いないです:)
こちらこそよろしくお願いします!