今やカメラ界は群雄割拠の時代。衰退するカメラ業界において、各メーカーは活路を見出そうと鎬を削っています。
それで、カメラ界にはどんなメーカーがあって、それぞれどんな特徴があるのか分かりにくい状況です。
ということで、各カメラメーカーの特徴について、ざっくりとまとめてみたいと思います。
目次
予備知識:マウントとセンサーサイズについて
予備知識として簡単に「マウント」と「センサーサイズ」についてご説明したいと思います。
まず、「マウント」とはカメラのこの部分を言います。
金属の輪っかの部分。レンズを取り付ける部分になります。これが「マウント」。
「マウント」はカメラメーカーによって、大きさや形状が異なります。よって、取り付けるレンズも「マウント」の種類によって異なってくるわけです。
例えば、「Fマウント」というマウントには、「Fマウント用レンズ」を取り付ける必要があり、他の「Eマウン用レンズ」などは取り付け不可になります。
なので、「マウント」選びは非常に大切で、言わば「どのレンズ群を使うか」ということに繋がります。マウントによって使えるレンズの種類が全然異なりますからね。もちろん、使えるレンズは種類が多い方が良いです。
次に、センサーサイズです。「センサー」というのはこの部分です。
昔のカメラでいうフィルム、人の目でいう網膜みたいなもので、ここで光を受けて画像データを生成します。
そして、カメラによってセンサーの大きさが異なります。
上の図はセンサーサイズの規格を色別に比較したものです。この図の中では「フルサイズ」という規格が最も大きく、「1/3型」という規格が最も小さいです。基本的には一眼カメラであれば、「フルサイズ」、「APS-C」、「フォーサーズ」というセンサー規格が多いです。
ちなみに、ここでは詳しく書きませんが、センサーサイズが大きい方が、写真の画質的には綺麗です。ただし、これも微妙な話で、センサーの小さな「フォーサーズ」でも十分過ぎるくらい綺麗な画質で写真は取れます。スマホだって綺麗な写真を撮れますが、センサーは「1/3型」などかなり小さなセンサーですからね。
あとは、センサーが大きい方がカメラとレンズは大きく重く、そして高価になる傾向にあります。センサーの小さなカメラは、軽量小型で価格も抑えられているものも多いです。
では、前置きが長くなりましたが、各カメラメーカーの特徴について見てみましょう。
キヤノンの特徴
キヤノンは一眼レフカメラでトップシェアを誇るカメラ界の巨人です。定番の王道。ユーザーが多いので、知りたい情報にもアクセスしやすい。
またカメラのランナップが非常に多いです。プロが使うカメラはもちろんのこと、初心者向けのカメラも充実しています。入門機では「EOS Kiss」というシリーズが有名ですね。キヤノンはニーズを捉えて、それにあったカメラを作っているようです。なので、自分の要望にあったカメラが見つかりやすい。
ただし、価格によりスペックが細かく差別化されており、「あと1万円出せば、あの機能が・・・」みたいなことに陥りやすいかもしれません。
そして、よく言われるように、キヤノンが描き出す写真の色は鮮やかで、いわゆる一般ウケが良いと言われています。確かに私もそう思います。風景であれば、空は青々とし、緑も濃いです。もちろん、これは編集や加工でどうにでもなることですが、やはり結構大事なことです。
ちなみに、「EFマウント」というマウントを採用していますが、レンズの種類も非常に豊富です。写りも非常に良いです。ただし、高価な印象ですね。
しかし、時代は一眼レフカメラからミラーレスカメラへ急速に流れを変えています。キヤノンはこの流れにやや乗り遅れている印象です。
2018年に発売されたAPS-Cのミラーレスである、「EOS Kiss M」はよく売れたようですね。
キヤノン EOS Kiss M 【EF-M15-45 IS STM レンズキット】 (ホワイト/ミラーレス一眼カメラ) EOSKISSMWH1545ISLK
一方で、フルサイズミラーレスである「EOS R」シリーズは、今の所あまり好調ではないようです。
Canon ミラーレス一眼 EOS R BODY 約135.8 x 98.3 x 84.4mm ブラック
この先どうなるのか。いかに一眼レフカメラの巨人と言えども、ミラーレスカメラの分野でもトップシェアに立てるのかは、全く定かでありません。
ニコンの特徴
ニコンは長い伝統を持つ一眼レフカメラの老舗です。一眼レフカメラではキヤノン継ぐシェアを占めています。キヤノンとニコンで2大メーカーですね。
ニコンで思い浮かぶ言葉としては、「堅実」、「保守的」という言葉でしょうか。
ニコンは堅実なモノづくりをしており、カメラやレンズは非常に堅牢です。ちょっとやそっとじゃ壊れない。NASAが宇宙にニコンのカメラを持って行っているという話もあります。
そして、ニコンが描き出す写真は、見た目に忠実な色と言われることが多いです。キャノンの鮮やかな発色とは違う方向性です。ただし、これも編集や加工でどうにでもなりますし、最近のニコンのカメラは割と派手目な色を出すものも増えているように思います。
あと、「保守的」というのは、なかなか新しいのもを取り入れない傾向にあるからです。例えば、ミラーレスカメラのことを、最近まで頑なに「レンズ交換式アドバンストカメラ」を呼んでいました。なので、流行には鈍感で、実直な製品ラインナップになっています。尖ったものがないです。
フルサイズ機であればオールランダーな「D750」が定番、それから「D850」は非常に性能が良くハイアマ・プロから多くの信頼を寄せられています。
APS-C機の入門モデルだとD5600がよく売れています。
Nikon デジタル一眼レフカメラ D5300 AF-P ダブルズームキット ブラック D5300WZ3
ちなみに、ニコンの一眼レフカメラは「Fマウント」を採用していますが、Fマウントレンズも種類がとても多いです。そして、ニコンは100年以上前に設立された「日本光学」にルーツを持っており、レンズのクオリティにも定評があります。
ただし、時代はミラーレスカメラです。ニコンもやっと2018年にミラーレスカメラである、「Zシリーズ」を展開させました。
Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6 24-70+FTZマウントアダプターキット Z6LK24-70FTZKIT
フルサイズミラーレスカメラであるZ6・Z7は、そこそこは売れているようです。
まだまだミラーレスの分野では劣勢ですが、保守的なニコンも新しい時代に舵を切っています。
ソニーの特徴
最初にフルサイズミラーレスを出したのがソニーです。これが2013年のことでした。
当初、ミラーレスカメラは一眼レフカメラに劣るものでした。ですが、今やミラーレスカメラは一眼レフカメラに取って代わろうとしています。この流れに大きな役割を果たしたのがソニーです。革新のメーカー。
フルサイズミラーレスではトップシェア。今のカメラ界では最も勢いのあるメーカーです。カメラメーカーはカメラが売れず不調ですが、ソニーはそもそもセンサーを作っています。センサーはカメラのみならず、スマホなどにも搭載されていますね。ソニーはこのセンサー需要が好調で活気があります。
そして、ミラーレスカメラは電子機器の集まり。電子機器メーカのソニーの得意分野です。カメラは非常に高性能で、AFは速く食いつきも良い、連写も高速、センサーの性能も良く画質的にも申し分ありません。
なので、とりあえずカメラを欲しければソニーのミラーレスを買っておけば失敗はないでしょう。絵図作りはやや派手目で好き嫌いあるよですが。
ソニー SONY ミラーレス一眼 α7 III ボディ ILCE-7M3
フルサイズミラーレスでは「ソニーα7Ⅲ」は定番です。コスパも良好。ちなみに、ソニーのミラーレスカメラは「Eマウント」を採用しています。
また、初めの頃はレンズが少ないことを指摘されていました。ですが、最近ではレンズもかなり充実してきています。シグマやタムロンなどのレンズメーカーも、Eマウント用の素晴らしいレンズを発売しています。ミラーレス用レンズで言えば、キヤノンやニコンよりも種類は多いです。
ソニー SONY ズームレンズ FE 24-105mm F4 G OSS Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL24105G
ソニー24-105mmF4はオールラウンダーな人気定番レンズです。
ただし、カメラもレンズも全体的に価格はやや高めです。それから、ソニーの弱点としては、カメラの操作性にあると言われています。ボタンの配置などが使いにくいと言われていますね。
ちなみに、ソニーも一眼レフカメラを販売しています。それが「Aマウント」ですが、ソニーはあまり力を入れていないようです。はっきり言って、生きているのか、死んでいるのか、分からないマウントになっています。
フジフィルムの特徴
フジフイルムはもともとフィルムメーカでした。なので、フジのカメラは色彩表現に強いと言われています。血色の良い肌色や、鮮やかな青や緑は富士フィルムにしか出せないと言われ評価が高いです。
特に、「フィルムシミュレーション」は好評です。これは「フィルムを選んで撮る」感覚で、色調(色彩の濃淡・強弱)や階調(柔らかさ・硬さ)をコントロールする機能。まさにフィルムメーカだったフジフィルムならではですね。デジタルでフィルムのエモい写真を撮れてしまうわけです。
それからカメラのデザインも、往年のカメラを思わせる感じで、非常におしゃれです。
こうしたことから、フジフィルムのカメラは趣味性が高い、あるいは芸術肌と言われることがあります。とは言っても、高速連写ができたり、4K動画が撮れたりなど、カメラの性能も上々です。
次の一台を買うとしたら、個人的には「X-Pro3」が欲しい。
FUJIFILM ミラーレス一眼カメラ X-Pro3 DRシルバー FX-X-PRO3ーDS
クラシカルなデザインやファインダーが良いですね。それで、このカメラのモニターが変わっていて、下方にぱかっと開く感じになっています。
普通に撮影する分には不便かと思いますが、モニターではなくファインダーを覗いて撮影する体験を楽しんで欲しいというフジの粋なはからいです。
また、モニターを閉じた時にも背面に小さな液晶があります。ここではカメラの設定を確認したり、フィルムシミュレーションに応じた設定を表示してくれます。
かつてカメラには入れたフィルムが何だったか忘れないようにフィルムの箱をカットして入れておくスペースがあったようですが、そのような見せ方になっています。往年のカメラ好きがニヤリとするような作り。
最新技術で時代に逆行するカメラ。
レンズについては、タムロンやシグマなどのサードパーティ製は少ないです。また、純正レンズも多くはないですが、写りは良いと言われています。
パナソニックの特徴
パナソニックといえば家電というイメージですが、「LUMIX」というブランド名でカメラを展開しています。
パナソニックは、オリンパスと共に「フォーサーズ」というAPS-Cよりも一回り小さなセンサーの規格を立ち上げました。現在、このフォーサーズのカメラがパナソニックの主力です。
これらのカメラは「マイクロフォーサーズマウント」というマウントを採用しており、これもオリンパスと共有しています。なので、パナソニックとオリンパスのカメラは、メーカが違うのにレンズを共有できるという変わった状況になっています。
そして、パナソニックのカメラの特徴としては、「フォーサーズ」というセンサーの小ささに起因するカメラの軽量コンパクトさです。それから動画に強く、Youtuber、SNSユーザー、ファミリー層に受けが良い。また、家電メーカーだけあってカメラの操作性も抜群と言われています。
もちろん、動画だけでなく、スチル撮影も良いです。特に、「LUMIX G9 PRO」は素晴らしいカメラ。
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス G9 ボディ ブラック DC-G9-K
強力な手振れ補正に、高解像を得られるハイレゾ、高速連写、6Kフォト、瞳や動物認識AF、最近ファームアップされ動画記録機能も大幅な向上しています。
レンズはも世界的なメーカーであるライカを使えます。
パナソニック 大口径標準ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ルミックス LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH. ブラック H-X1025
このレンズは使ってみたいなと思います。レンズの本数はオリンパスも含めれば、そこそこ多いです。
ちなみに、2019年にフルサイズミラーレスカメラも展開し始めました。パナソニック 、ライカ、そしてレンズメーカーであるシグマの3社協働です。これが「Lマウント」を採用しています。
パナソニック フルサイズ ミラーレス一眼カメラ ルミックス S1 ボディ 2420万画素 ブラック DC-S1-K
重いですが、非常に高性能で完成度の高いカメラです。
シグマはレンズメーカーですが、変態(褒め言葉)なカメラも発売しています。
これも「Lマウント」です。
なので、「Lマウント」を使っていれば、パナソニックの高性能なカメラを使え、またシグマの変態(褒め言葉)なカメラも使える(レンズを共有できる)という、非常に楽しいマウントになっているなと思います。もちろん、ライカの超高級なカメラも使えます。
オリンパスの特徴
上記したようにオリンパスもフォーサーズ 規格のセンサーを搭載したカメラを販売しています。マウントはパナソニックと同じ「マイクロフォーサーズマウント」を採用しています。
まず、オリンパスといえば、いわゆる女子カメラを流行らせたPENシリーズです。非常におしゃれでファッションの一部として、取り入れられるようなカメラです。
OLYMPUS ミラーレス一眼カメラ PEN E-PL9 レンズキット ブラウン
このようにオリンパスといえば女子カメラを思い浮かべる人も多いかと思いますが、PENシリーズの他にもOM-Dシリーズという骨太なカメラを展開しています。
OM-Dシリーズでは特に超強力な手振れ補正が特徴です。ブレが気持ち悪いくらい(褒め言葉)止まります。あとは、悪状況でも耐えるタフネスです。ちょっとくらい水に浸かっても大丈夫らしいですね。ちなみに、オリンパスが描き出す写真は青が綺麗だと聞きます。
それでいて比較的軽量コンパクトなので、登山などのアウトドアシーンに好まれる。
OLYMPUS ミラーレス一眼カメラ OM-D E-M1 MarkII ボディー
「E-M1 MarkII」は人気ですね。
レンズは個人的にはこれが良さげだと思います。
OLYMPUS マイクロフォーサーズレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 高倍率ズームレンズ 防塵防滴
これ一本でかなりのシーンに対応できそうです。
ペンタックスの特徴
ペンタックスは我が道を行くメーカー。星を追尾するアストロレーサー、フレキシブルチルト式液晶モニターなど思いも寄らない機能を搭載してきます。あとはメカメカしいデザイン、強力な防塵防滴も魅力ですね。
そして、ペンタックスが描き出す写真は緑が非常に綺麗と言われています。風景を撮るなら良いでしょうね。
ただし、レンズのラインナップはあまり多くはないです。シグマがペンタックス用のレンズを生産終了にしたという話も聞きます。また、カメラも含め、新製品の登場サイクルが遅いですね。フルサイズミラーレスカメラもいつか出るのでしょうか!?
ただし、カメラ界でペンタックスユーザーは一目置かれる存在です。
まとめ
こうして考えてみると、カメラメーカーにはそれぞれ特色があって面白いですね!
私はニコンユーザーですが、ソニーやフジを使ってみたい。
私は基本的にメーカーには拘らない主義ですので、今使ってるNikonに固執するつもりはないのですが、逆にいうとメーカーを替える必要もないかなという所です。ただ、Fujiとオリンパスの描写に関しては今の自分のNikonの使い方では出せないような色・描写があったりするので新しい写真が撮れるような気もしますね。
まあでも優先度としてはやはりNikonのレンズを増やすことが先決ですし、はっきり言って欲しいレンズを揃えるより欲しいレンズが増えるペースの方が速いわけでして(笑)
Labattさん
私も正直メーカーにはこだわりはないです。たまたま最初に手にしたカメラがニコンだっただけです:)
フジはいいですよね。風景写真やめたらフジでスナップとかポトレ撮ろうかと思っています笑
いつまでたっても欲しいレンズがなくならないです笑
2010年にデジタルカメラの出荷台数は121,463,000台を記録してから
2018年には19,423,000台と1/10近くに激減しています。
ただ、レンズ交換式カメラは2010年の12,887,000台から
2018年に10,760,000台と大きな変化は起きていません。
一眼レフ 2012年16,200,000台から2018年6,621,000台と1/3近くに減少し
ミラーレスは2012年3,957,000台から2018年4,139,000台と微増です。
しかし、2019年は更に一眼レフが減って、ミラーレスが台数を伸ばすことは
当然のように予想されます。
韓国のサムソンがカメラから撤退してからは、日本企業の独壇場で
各メーカーのシェア争いにも一段と変化が起こりそうですね。
mickeyさん
レンズ交換式カメラの出荷台数に大きな変化がないのは意外です!
いよいよミラーレスの時代ですね:)
5年後、どのような勢力図になっているのか楽しみです!
PENTAXはコスパが良いと付け加えましょう(*・∀・*)ノ
PENTAXは永遠に不滅です爆(^_^ゞ
はすかっぷさん
楽しかにペンタックスはコスパが良いですね!
ペンタックスは伝説になりつつあります笑