最近、登山に関する2冊の本を読みました。登山好きなら読んで損はないと思います。
特に、「トムラウシ山遭難事故はなぜ起きたのか」は読んでいて楽しい内容ではありませんが、今後の登山のために大いに糧になりました!
久しぶりに登山に関する事で書きたいと思います:)
最近読んだ登山好きなら読んでも良いと思う本
まずはこれです。
空へー「悪夢のエヴェレスト」
これは1996年5月にエヴェレストで起きた公募登山(商業登山)での大規模遭難事故について書かれた本です。
「エヴェレスト3D」として映画化されていますね。というか、映画がきっかけで読みました。
日本人女性もこの遭難事故で亡くなったそうで、日本でも大きなニュースとなったようです。当時、私は小学生だったので全く覚えていません。
「空へー悪夢のエヴェレスト」は実際にこの公募登山し参加したジョン・クラカワー氏によって書かれました。彼の職業はアウトドア雑誌のライターです。
本書は淡々と起こった出来事を書くドキュメンタリーですが、本業のライターが書いただけあった文章にはかなり迫力があります。文を読むだけで行ったこともないエヴェレストの情景がありありと目に浮かんでくるし切迫した雰囲気も伝わってきます。
エヴェレストの公募登山というと、まず私が思い浮かぶのが「世界の果てまで行ってQ」のイモトアヤコさんです(これは公募登山とは違うかもしれませんが、同じようなものだと思います)。実際にはまだ登れていませんが、エヴェレスト登頂のためにかなりトレーニングをされていました。
このことに関し、すごいなと思いながらも何となく「お金や人を大量に投下してルート工作すれば誰でも登れるのではないか」とも考えていました。
しかしながら、必ずしもそうではないようです。
たとえ登りやすいように環境をベストに整えたとしても、エヴェレスト山頂に到達するにはなかりの体力や忍耐力を必要とするようです(事故から20年近く経っているので今は業況が変わっているかもしれませんが)。
「52時間眠れていない」、「この三日の間でなんとか飲み下すことができたのはラーメンのつゆとピーナッツ一握りだけ」、「何週間も激しい咳が止まらないせいで肋骨にヒビが入り呼吸するだけで苦痛」、本書では公募登山隊員のリアルな有様が書かれてます。
イモトさんはすごいなと改めて思いました。ちなみに、「天国じじい」と言われている貫田宗男氏が本書で少し出てきます。この方もすごい人なんだな・・・。
私はせいぜい標高2200mくらいまでしか登ったことはありません。8848mの高峰に立つ気分はどのようなものなんだろう・・・。本書によると脳に酸素が回らないせいで感動は薄いらしいですね!
空へ―「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日 (ヤマケイ文庫)
「トムラウシ山遭難事故はなぜ起きたのか」
これは2009年に北海道トムラウシ山(2141m)で起きた「トムラウシ山遭難事故」を元に書かれたドキュメンタリーです。
トムラウシ山遭難事故は登山ツアー客18人中8人が低体温症により凍死するという夏山史上最悪の事故で、当時は登山には全く興味はなかった私もこのことはよく覚えています。
この事故は「年配の方が軽装備で雨に濡れた上に強風に見舞われてしまったこと」が原因なんだろうと勝手に思っていまいした。だから、私はまだ若いしゴアテックス製のしっかりとしたレインウエアを上下持っているし大丈夫だと思っていました。
そんな私に本書の内容は思いがけずにショックなものでした。
というのも、凍死した方々はしっかりした装備を持っていたし、中には殆ど濡れずに凍死してしまった人もいたと書かれていたからです。
低体温症は食事や登山行程など複合的な要因で引き起こされ、思うよりも簡単に陥ってしまうものであるようです。山なら誰にでも、どこでも起こり得ることなんだとよく分かりました。
確かに、私も登山中に多少寒さを感じてもザックから服を出して着るのが面倒くさくて我慢してしまう時が結構あります。これって怖いことなんですね・・・。
北海道では7月の2000m級の山と言えども、最低気温は3、4℃に下がることも珍しくありません。十分注意する必要があります。
本書は登山を趣味とする者には大いに糧になるものだと思います!また、読み物としても臨場感があり面白いです(不謹慎かもしれませんが)。
来年はトムラウシに挑戦したいです!
まとめ
登山できないシーズンは登山本を読んだり装備を再検討したりと、来シーズに向けて準備を整えるもの良いかもしれませんね:)