Nikon(ニコン)からD7200が発売されました。すでにD5500も販売されており、Nikon(ニコン)APS-C機の顔ぶれも変わってきました。
気になってしまったので、早速D7200,D5500,D3300の比較検証をしてみました!D5500、D3300はエントリー機、D7200はミドルクラス機という位置づけなので、単純には比べられませんが・・・。
公開されているそれぞれの仕様を比較しましいた。
ボディ
- D7200・・・約135.5×106.5×76mm 約765g
- D5500・・・約124×97×70㎜ 約470g
- D3300・・・約124×98×75.5mm 約460g
大きさ
D5500の方が他2つよりも大幅に薄くなっています。グリップがD750っぽい形となっていますね。見た目良いし、持ちやすそうです。
D7200は他2つよりも結構大きいです。実際に見てみると、数字以上に大きさの差を感じると思います。
重さ
重さに関しては、D3300とD5500は約10gの差でほぼ変わらないです。カーボンファイバーモノコック構造のおかげで軽いです。D5500はバリアングルモニタ搭載一眼レフカメラとして最小最軽量です。
やはりD7200になると、ぐっと重くなります。D7200に大き目のレンズをつけて持ち歩くと男性でも腕に疲れがたまりそうです。カーボンファイバーモノコック構造になって軽量化はされなかったんですね。
素材・ボディ性能
- D7200・・・マグネシウム合金。防塵・防滴対応ボディー
- D5500・・カーボンファイバーモノコック構造
- D3300・・・・カーボンファイバーモノコック構造
D7200はマグネシウム合金採用で重いですが堅牢です。私は結構、山でぶつけたりするので、マグネシウム合金の恩恵はうけています。あとD7200のみ防塵・防滴対応ボディーです。接合部にシーリングが施されています。外でハードに使う時に、これはありがたいです。
また、D7200では、「AFカプラー」が搭載されており、カメラ本体側でフォーカスをあわせる古いタイプのレンズでAFを使うことができます。他の2機種ではそういったレンズはマニュアルフォーカスしか使えません。
重いのが難点ですが、D7200の防塵防滴性能は大きな利点です。
画素数
- D7200・・・2416万画素
- D5500・・・2416万画素
- D3300・・・2416万画素
同じですね。ここまで画素数が必要なのか疑問ですが・・・。
画像処理エンジン
- D7200・・・EXPEED 4
- D5500・・・EXPEED 4
- D3300・・・EXPEED 4
同じです。D7100(EXPEED 3)まで下位2機種と下克上状態だったんですが、並びました。
EXPEED 4は、レンズからCMOSセンサーに取り込まれた光の情報を高速かつ最適に処理します。そのため、写真・動画の両方において優れた色再現性を発揮します。
また、強力なノイズ低減性能を発揮します。光の少ない場所や、薄暗い室内でもノイズを抑えた美しい写真の撮影が可能です。D5500では、結構な高感度で撮影してもノイズが抑えられていました。D7200も期待できますね。
3機種とも画像処理エンジンは「EXPEED 4」です。
AF
AF性能
- D7200・・・アドバンストマルチCAM3500II
- D5500・・・マルチCAM4800DX
- D3300・・・マルチCAM1000
D7200は、D750で好評のアドバンストマルチCAM3500IIオートフォーカスセンサーモジュールを採用しています。その優れた高感度性能により、中央1点では-3EVという暗い環境下でもAFが可能となっています。さらに、残りのAFポイント50点も-2EV~-3EVの暗い環境でAFが可能となっています。屋内の暗いシーンやコントラストの低い被写体でも卓越したAF性能を発揮します。この点で、エントリー機のD5500(マルチCAM4800DX搭載)と,D3300(マルチCAM1000搭載)はミドル機D7200に勝てそうにありません。
AFのいわゆる食いつきの良さはD7200が一番です。
AF測距点(フォーカスポイント)
- D7200・・・51点
- D5500・・・39点
- D3300・・・11点
以前のモデルと変化ないです。D7200のほうがよりAFスポットが多いです。これは動く被写体にピントをより合わせやすいことを意味します。被写体が動いても、AF測距点が次々に被写体を追従しピントを合わせてくれるんですね。
あと、AF測距点の数でD5500とD3300のAF性能の差別化がされています。AFの追従性が違います。
シャッター
シャッタースピード
- D7200・・・1/8000
- D5500・・・1/4000
- D3300・・・1/4000
これも以前のモデルと変化は無いです。D7200の方が倍早くシャッタースピードを出せます。明るい炎天下でF値を小さくして撮影しようとすると、1/4000では露出オーバーで撮影できない場合があります。1/8000でシャッターを切れるというのはその点優位です。
連続撮影
- D7200・・・最高約6コマ秒
- D5500、D3300・・・最高約約5コマ秒
D7200の方が多く連写可能です。
また、D7200では前モデルよりも内蔵バッファーメモリーが容量拡大しています。このために、途中でバッファが一杯になって連写が止まるということが起こり難くなっている模様です。
バッファとは撮った写真を一時的に保存する場所です。これの容量が多いとカシャカシャずっと連写できます。しかし、少ないとすぐにバッファが容量オーバーになり、画像データをSDカードに記録するまでリロード状態で連写が止まってしまいます。
D7200では約6コマ/秒のスピードを維持したまま、JPEGで100コマまでの高速連続撮影が可能です。RAW(14ビット)撮影時の連続撮影可能コマ数も18コマとなりかなり向上しています。他2機種よりも連写で断然優位となっています。AFの性能アップと合間ってより動体に強いカメラになります。
連写を使っていると、バッファが一杯で撮影が止まってしまうことが結構あったので、これは助かります。
光学ローパスフィルターレス仕様
これは3機種とも光学ローパスフィルターレス仕様となっています。ローパスフィルターが何かというと、例えば細かな模様を撮影した場合、その画像で模様(モアレ)や色(偽色)が現れることがあります。
模様(モアレ)や色(偽色)とは、伝えにくいんですが、沢山の細かーーい線を撮影したら、もやっと変な模様が出てくることないですか!?あれです。あれを防止するのがローパスフィルターです。
ローパスフィルターの欠点として、解像度が落ちてしまうことがあります。Nikonの3機種では光学ローパスフィルターレス仕様にすることで、高解像で立体感豊かな、鮮鋭感の高い画像を撮影できます。
これは3機種とも同じです。
モニター
- D7200・・・3.2型液晶、約122.9万ドット
- D5500・・・3.2型液晶、約104万ドット
- D3300・・・3型液晶、約92万ドット
大きさ・綺麗さ
写真の出来を確認したり、モニターって大切ですよね。D7200が大きくて一番高画質です。
ただ、旧モデルD7100は液晶モニター表面に、傷つきにくく衝撃にも強い強化ガラスを採用していました。しかし、D7200はNikonの製品情報HPをみても強化ガラス採用の文字がなかったので、D7200に強化ガラスが採用されているか否かは、分かりません(私の見落としかも・・・)。
ただ、ガラスとパネルの一体型構造は変わりません。明るい日中の屋外などでもクリアーな視認性を実現しています。
ファインダー
- D7200・・・上下左右とも視野率約100%。ファインダー倍率0.94倍。アイレベル式ペンタプリズム使用。
- D5500・・・上下左右とも視野率約95%。ファインダー倍率0.82倍。アイレベル式ペンタミラー使用。
- D3300・・・上下左右とも視野率約95%。ファインダー倍率0.85倍。アイレベル式ペンタミラー使用。
視野率
D7200は視野率100%なのでファインダーで見たものがそのまま写真になります。他の2機種では視野率95%で、5%分の見えない部分も写真になります。なので、ファインダーで見えなかった余計なものが写真に写ってしまうことがあります。視野率が約100%は、構図を決める上でも大事な要素ですね。
ファインダー倍率
ファインダー倍率とは、ファインダー内がどれほど広いかの目安になります。もちろん、倍率が高い方が広くて、ピント合わせなどが楽です。これはD7200が一番広く、D5500が一番狭い結果となっています。
ペンタプリズム、ペンタミラー
ファインダーの素材にも色々と違いがあります。「ガラスペンタプリズム」と「ペンタミラー」です。両方とも、レンズから入った光をファインダーへ反射させるという同じ役割を果たすんですけどね・・・。
ガラスペンタプリズムは大きな五角形のガラスの塊です。重く高価でありますが、明るく像がはっきりするので見やすいです。一方で、ペンタミラーは鏡を組み合わせただけです。軽く安価ですが、暗く像が小さくなったりします。
D7200は、ファインダーにペンタプリズムが使われているため、D5500やD3300に比べて明るく見えます。D5500、D3300はペンタミラー使用でD7200に比べて見え方が暗く小さく見えます。この違いにより、視認性・MF時のピントの掴みやすさに違いが出ます。
ファインダーはやっぱりミドル機のD7200が優秀です。
ISO感度
- D7200・・・100~25600
- D5500・・・100~25600
- D3300・・・100~12800
D7200、D5500が高く上げられます。それだけノイズ耐性があるということですね。ノイズに強いのはうれしいです。
暗いところで、動く被写体なんかを撮影するときにとっても有利になります。また、望遠を使っていてシャッター速度を稼ぎたい時などに、ほんと助かります。ノイズを抑えて、手ブレしにくくなります。これはうれしいです。
私の使っているD7000なんてISO400とか800でざらつきます。使っててきついです。
Wi-Fi
D5500とD7200で内蔵されています。ルーターなど特別な機械がなくても、カメラだけでスマホやタブレットに写真を転送できます。
撮影後、家のパソコンで写真を確認すると、ピントが甘くてショックを受けることも結構あります。この機能があれば、その場でスマホやタブレットなどの大きく綺麗な画面で写真をチェックできるので便利です。旅行なんかでも役に立ちそうです。
D5500のみ
ヴィネットコントロール
D5500のみヴィネットコントロール内蔵です。ヴィネットコントロール内蔵とは、装着レンズに合わせて周辺減光を低減できる機能です。便利ですね!
モニターバリアングル
D5500だけモニターがバリアングル。ローアングルで低い位置の撮影や腕を伸ばしたハイアングルでの撮影で便利だと思います。三脚を使った撮影でもカメラが操作しやすくなりそうです。
タッチパネル
スマホみたいにタッチした点でピントを合わせたり、タッチでシャッターを切ることも可能です。どれほど使うか分かりませんが、より感覚的な操作が出来るようです。
D7200のみ
ピクチャーコントロール
D7200では、[コントラスト]、[色の濃さ(彩度)]などを0.25ステップ刻みで細かく調整することで、よりイメージに近い画づくりで撮影できます。また、新たに加わった[明瞭度]を使えば、シャドー側とハイライト側の階調や明るさを出来るだけ保持したまま、画像のソフト感やクリアー感を調整可能となっています。なんか良さそうです。
また、D810で好評のピクチャーコントロール「フラット」を搭載されています。[フラット]は[ニュートラル]よりもトーンカーブが直線に近く、被写体の色や輝度、テクスチャーの情報を最大限に取得可能となります。好みの画づくりをするために調整・加工を行っても白とび、黒つぶれ、色飽和が起きにくく、明暗、色ともに、階調豊かに仕上げることができます。人物の頬の赤味を強調したいときや、白い花びらなどのハイライト部のディテールを表現したいときなどに効果的です。
DXモデル初搭載の微速度撮影機能
ニコンDXフォーマットモデルでは初の微速度撮影機能が搭載されたようです。ゆっくりと変化する雲の流れや星の動きなどを、時間を凝縮してドラマチックに再現する「微速度動画」がカメラ内で簡単に生成できます。楽しそうな機能ですね!
つなぎ目の目立たない光跡写真の素材が撮れるコマ数無制限の連続撮影
レリーズモードがCH、CLのとき、シャッタースピードを4秒以上の長秒時に設定すると、メモリーカードの容量やバッテリー残量の許す限り長時間にわたって、どの画質モードでも連続撮影を継続できます。インターバルタイマー撮影と異なり、次のコマの撮影がすぐ行われるため、比較明合成を行った際、つなぎ目が目立たない滑らかな光跡を表現できます。
比較明合成でのつなぎ目が気になっていたので、これはうれしいです。
まとめ
D7200はミドルクラス機だけあって、基本性能で他に勝ります。ファインダーの見やすさ、モニターの使い心地、シャッター、防塵防滴、AFの食いつき、ボディの堅牢さなどは、他2機種よりもD7200が上回るのは間違いないです。
D7100で劣っていた、画像処理エンジンも改善され、バッファも増大しています。かなり良い感じかと思います。
D5500とD3300に関しては、AFの追従性能やISO感度などD5500が勝ります。あとWi-Fi、バリアングルやタッチパネルなど操作性の面でもD5500が上です。画質に関しては、2機種は殆ど違いはないと思われます。大きさや重さも差は僅かです。なので、D3300のメリットは少ないように思います。
今回はD7200を購入しても後悔はなさそうです。
D7200
Nikon デジタル一眼レフカメラ D7200
D5500
Nikon デジタル一眼レフカメラ D5500 ボディー ブラック 2416万画素 3.2型液晶 タッチパネル D5500BK
D3300
Nikon デジタル一眼レフカメラ D3300 ボディ ブラック D3300BK