カメラボディ 機材

Z6の長期使用レビュー。Z6を1年使ったからレビューしてみる。

投稿日:2019年11月2日 更新日:

2018年11月にやってきたニコンZ6。これを使い始めて今月でほぼ1年が経ちました。

すでに多くの方がZ6をレビューしていますし、私も以前レビューしているので、それと被る部分もありますが、1年使用してみてのレビューを再度書いてみたいと思います。

それから、Z6以外のミラーレスを使ったことがないので、以前使っていたD750と比べることが多いですが悪しからず。

Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6 24-70+FTZマウントアダプターキット Z6LK24-70FTZKIT

Z6のボディーについて

見た目

最初はZ6の見た目については、特に好きでもありませんでしたが、最近はいわゆる「カメラっぽさ」が感じられて良いなと思っています。

個人的には、ソニーのフルサイズミラーレスはスタイリッシュ、パナソニックはメカっぽくてかっこいい、という印象です。キヤノンのフルサイズミラーレスは良くわかりません・・・。

Z6(Zシリーズ)はスタイリッシュでもかっこよくもありませんが、一眼レフカメラのデザインを良い意味で継承しており気に入っています。

操作性

多くの方が言っていますが、やはりZ6のグリップは深くて持ちやすいです。FTZを使って大きな望遠レンズなどを付けた場合でも、小さなボディーの割にホールド感は良好。

そして、当初は小さなボディーにボタンが密集していることを窮屈に感じていましたが、使い慣れれば何も問題なくなりました。

やはり、ボンタの配置はよく考えられていて操作しやすいと思います。シャッターボタンの近くに「露出」と「ISO」のボタンがあり、EVFを覗きながらでも設定の変更が可能です。

私は絞り優先モードを使って、手ブレしそうならISO感度をあげたり、白とびしそうなら露出を下げたり、という使い方をするので、このボタン配置は都合が良いです。

以前使っていたD750は「ISO」ボタンが背面左側にあり、両手での操作が必要でした。Z6は多くのボタンが右に配置されているので、右手だけで操作が楽々です。

また、カスタマイズ性も高いので、自分の好みに設定することもできます。「iボタン」も必要な設定項目に簡単にアクセスできるので便利。

それから設定すれば撮影した写真のAFポイントを表示させることができます(他のカメラもできると思いますが)。

あとで写真を見返した時に、どこにピントを合わせたのか分かるので助かります。

もちろん、拡大ボタンを1度押すことで、そこを拡大させることもできます(モニター、EVFの両方で可能)。ピントチェックがサクサクです。

EVF

Z6の電子ビューファインダー(EVF)はQuad VGA(約369万ドット)有機ELパネルを搭載しています。光学式ファインダーから移行した直後は、さすがに違和感がありましたがすぐに慣れました。滑らかで違和感が少なくすごく綺麗だと思います。

光学ファインダーを使っていた時は、ファインダーで見ていた景色と、撮影してモニターに表示される画像にギャップがあり、戸惑うことが多々ありましたが、EVFはそれがありません。

なので、写真をイメージ通りに追い込みやすのがかなり良いです。また、色々と設定を表示させたり、AFポイントの部分を拡大させることも可能なので、利便性も高いですね。これはZ6に限ったことではなくミラーレス全般で言えることでしょうが。

それから、Z6のEVFはファインダー倍率約0.8倍でかなり広く見えます。D850でさえ0.75倍、α7Rⅳでも約0.78倍なので、それらと比べてもZ6のEVFは本当に広くて見やすいです。

モニター

Z6のモニターは3.2型TFT液晶モニター(約210万)を搭載しています。これもすごく高繊細で綺麗に表示されます。撮影後の写真を見るモニターは非常に大切。やはり高繊細で綺麗なモニターだと印象が全然違います。

ちなみに、D750は3.2型(122.9万ドット)だったので、これよりも断然綺麗だと思います。また、α7Rⅳは3.0型(144万ドット)なので、これらと比較しても良いのではないでしょうか(単純に比べられるのかは不明ですが)。

あと、チルト式モニターを閉じた時の「カッチ」というクリック感も心地よいです。

手ぶれ補正

Z6のボディ内手ぶれ補正は5段分の効果があるとのことです。手ぶれ補正を搭載していないレンズでも、強力にブレを低減してくれるので心強いです。

また、レンズ内手ぶれ補正のように動きにクセがありません。

そして、カメラに手ぶれ補正があることで、レンズに手ぶれ補正が不要になります。これによりレンズの小型化、高画質化が見込めるメリットも多いだろうなと思います

堅牢性

雨の中、雪の中、水しぶきの中、砂埃が舞う中、あるいは登山などでハードに使用しましたが、全く大丈夫ですね。防塵防滴も堅牢性もしっかりしています

あるいは、厳寒期の北海道で氷点下25度という低温化でも、不具合はありません。結露して凍結しても問題なしでした。

さすがニコンという感じで、気兼ねなくガシガシ使えます。

Z6の画質について

高感度耐性

Z6は2450万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載しています。標準的な画素数で、裏面照射型なので、高感度に強いというのが一番の持ち味になっています。

Z6の高感度耐性は、以前使っていたD750と比べて劇的に良くなたとは思いませんが、それでも相当良いのは間違いないです。

ここでDxOMarkのセンサースコアを参考してみましょう。

Z 6 D750 D610 D850
Overall Score
(センサーの総合点)
95 93 94 100
Color Depth
(色の再現域と分離)
25.3 24.8 25.1 26.4
Dynamic Range
(ダイナミックレンジ)
14.3 14.5 14.4 14.8
Low-Light ISO
(DxOの基準で許容
できる最高のISO感度)
3299 2956 2925 2660

「Low-Light ISO(DxOの基準で許容できる最高のISO感度)」を見ると、一つ頭の抜けたスコアになっていると思います。

高感度ノイズはレタッチで割と除去しやすいものですが、それでも最初からないに越したことはありません。私は星景を撮るので、この恩恵を大いに受けています。

ちなみに、皆無ではありませんが、長秒ノイズは極端に少ないと思います。D750も少ない方ですが、これよりもずっと少ないです。なので、Z6に変えてから長秒ノイズを除去することが殆どなくなりました。Lrで目立つ物をポチポチ消すくらい。

それからZ6は高感度でも色に深みがあると思います。D750の場合は高感度を使うと、色がスカスカというか、色褪せた感じになることがあります。Z6はそれが少ないです。

このために星景で好みの色味にレタッチしやすくなったと思っています。

色味やホワイトバランスなど

ピクチャーコントロールや諸々の設定によりますが、Z6の描き出す色味は派手だなと思います。コントラストも高めです。

なので、レタッチでは派手になり過ぎないように気を付けています。正直なところ個人的にはZ6の色味はあまり好きではありません。

しかしながら、オートホワイトバランス(AWB)は優秀だと思います。AWBには「白を優先する」、「雰囲気を残す」、「電球色を残す」という3つのモードがあります。私は風景の撮影で「雰囲気を残す」を使うことが多いです。あるいは、「自然光オート」もよく使います。

「雰囲気を残す」も「自然光オート」も、かなり良い感じで、クリアで濁りの少ない画を描いてくれます。ただ、上記したように彩度やコントラストは高めです。

Z6のシャッター・連写性能について

シャッター

私はシャッター音などに特にこだわりはありませんが、それでもメカニック的な音と程よく手に伝わる振動は心地よいです。

それから、一眼レフカメラの時はミラーショックが気になってしました。特に D750はシャッターがガサツだったので、ミラーショックが大きく、写真にも影響が出ることがあります。

しかし、Z6ではミラーがないので、ミラーショックもありません。また、電子先幕シャッターや電子シャッターを使えば、シャッターブレも排除することができます(これはミラーレスカメラ全般に言えます)。

なので、ショックブレを心配する必要がなくなりました。ただし、電子先幕シャッターだとSS1/2000秒までなので、明るい屋外で困ることが時々あります(メカシャッターや電子シャッターならSS1/8000秒可能)。

連写性能

発売当初はAF・AE追従だと連写は6コマ/秒まででした。その後、ファームアップされAF・AE追従でも12コマ/秒の高速連写が可能に。

12コマ/秒は面白いくらい速いですね。ただし、拡張機能で12bitになるようですが、個人的には問題を感じていません(14ビットRAW設定時は約9コマ/秒)。

そして、連続撮影枚数はRAWで43コマです。数字を見るとそこまで多く感じませんが、実際に使うとバッファーは十分持つと思います。連写が途中で息切れするということは少ないです。

また、書込み速度400MB/SのXQDカードの恩恵なのか、バッファーの回復も速いのです。バッファーが満タンでも2,3秒で空になります。

Z6のAF性能について

Z6は273点のAFポイントがあり、撮像範囲の縦横約90%をカバーします。これに関しては、画面のほぼどこでもピントを合わせられるので、非常に満足しています。

ただし、AF速度や追従性能はもう少しかなと思います(使うレンズに依存するかもしれません)。動きものをメインに撮りたい方には適していないかもしれませんね。風景などでは全くストレスにならないくらいには速いです。

ちなみに、静物でのAF精度は高いです。ビシッとガチピンに決まります。あと、一眼レフではレンズによって前ピン後ピンなどの問題がありましたが、ミラーレスでは基本的にこれがないようですね。

 

暗所でのAFは、ファームアップによりAF検出範囲が-3.5~ 19EV、ローライトAFでは-6~19EVに強化されました(以前は-2~19EV、ローライトAFで-4~19EV)。

ファームアップ前は薄暗いシーンなどでのAFに不満を感じることがありましたが、ファームアップ後では不満はなくなりました。特に、ローライトAFの-6EV対応はすごいです。速度は速くありませんが、かなり暗いシーンでもAFが照合します。

風景を撮る人にはメリットが大きいですね。

 

あとは、これもファームアップ後に追加された「瞳AF」ですが、使ってないです。全然人を撮ってない。鏡に映った自分で試したくらい・・・。

フォーカスシフト撮影は風景で非常に便利なのでよく使います。

Z6のバッテリーライフ

Z6のバッテリーライフが少ないと言われていましたが、個人的にはこれに不満を持ったことは一度もないです。テント泊登山に行ってもバッテリー切れを心配したことはない(スリープ機能を使い、予備バッテリーは携帯しますが)。

ただ、これも使い方次第だと思います。ずっと電源ONにしてスナップ写真などをサクサク撮るスタイルだと、バッテリーはすぐに無くなでしょうは、私のように要所々で風景を撮るくらいならバッテリーは十分持ちます。

ただ、長秒撮影をするとバッテリーの消費は一気に増えますね。

Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6 24-70+FTZマウントアダプターキット Z6LK24-70FTZKIT

Z6の気になる点

スリープからの立ち上がり

Z6ではバッテリーの消費を抑えるためにスリープ機能があります。私もこれを使うのですが、スリープからの立ち上がりがワンテンポ遅い気がします。

なので、今だという瞬間に遅れる可能性がありますし、サクサク撮影できないのは心地よくはありません。

もう少し、速く滑らかにスリープから立ち上がれれば良いなと思います。

ブライトモニタリング、ハイレゾ欲しい

暗い場所でも明るく見えるブライトモニタリング機能みたいなものが欲しいです。星景には必要です。ローライトAFの時に明るくなるので、出来ないことはないと思うのですが・・・。

それからハイレゾモードも欲しい。2400万画素でも十分繊細感はありましたが、ハイレゾで8000万画素とか出来れば嬉しいですね。これがあれば高画素機が欲しくならないかも。

レンズについて

最後にZ6というかZレンズについて。

Zレンズの描写は非常に良いです。また、ラインアップも増えてきているの今後に期待できます。

しかし、24-70mmF4にしろ14-30mmF4にしろ、胴沈型なのでこれになかなか慣れないです。

撮影時にズームリングをちょっと回さないといけないので、それで撮影がワンテンポ遅れます。撮影の時にレンズを伸ばして忘れてたというのもしばしば。もう1年経つのですが今だに胴沈型に慣れない。

もちろん、胴沈型にすることで収納性が高まるメリットもあるのでしょうが、やはり使い勝手はあまり良くないです。

Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6 24-70+FTZマウントアダプターキット Z6LK24-70FTZKIT

 

スポンサーリンク

まとめ

ということで、Z6を使い始めてほぼ1年経ちました!

色々書きましたが、総じてとても良いカメラです!Zレンズも良い!


  1. はる より:

    こんにちは
    AFポイント表示機能を取り上げられていますが、これって以前からある機能ですよね?
    カメラ側で表示できるようになったのはZからかもしれませんがパソコンではD800のピント確認をViewNXでしていました。
    私の場合、データがカメラ内にある時にピント位置確認することが無いのでパソコンで見られれば十分でした。
    最近はフジのカメラをメインで使ってますがフジではAFポイント表示の機能は無くピーキング表示だけみたいなんです。

    • ワイズカメラ より:

      はるさん

      こんにちは

      AFポイント表示機能は以前からあるのですね!知りませんでした。
      フジはピーキング表示だけですか・・・。やはりAFポイント表示されると便利ですよね:)

  2. ゼッド より:

    うわー。。使い倒してますね!
    私もZ7 を使い始めて1年以上経過しましたが、Z6を買い足したくなるぐらい、とても満足しています。
    望遠の大三元が控えているので、なかなか踏み切れないのですが。

    • ワイズカメラ より:

      ゼッドさん

      私はZ7を買い足したいです笑
      望遠の大三元、楽しみですね。30万円くらいですかね・・・。

  3. Labatt より:

    個人的な感想としては私もほぼ同じですね。期待はずれな部分としては今のとこあまり軽量にはなっていない事でしょうか。この原因としてFTZがあるのでレンズを完全にZマウントに移行すればまた感想が変わると思います。まあ私の性格で言うと、ボディが軽くなったからもう1つレンズを余計に持っていこうかとなって、トータルでは荷物が重くなるのが目に見えていますが(笑)

    動画機能に関しては随分良くなったなと思います。D750でもたまに撮ってたんですが、まあこんなものかという感じで気まぐれでしたが、Z6ならちょっと真面目に使おうかなという気になっています。ただ動画は動画ならではの撮影スキルもありますし、動画を撮るなら他のGoProなんかも組み合わせて編集したいのであまりハマるとますます荷物が(笑)

    具体的なレビューは価格コムにも本日付で載せました。画像も少々。

    • ワイズカメラ より:

      Labattさん

      レンズが揃えばシステム全体でかなり軽量化されますね。
      「トータルでは荷物が重くなる」は私もなりそうです笑

      Z6は動画も良いのですね。まだ一度も使っていませんでした。動画も沼が深そうで怖いです笑

      価格コムのレビュー拝見させて頂きます:)

  4. まるくん@ より:

    こんにちは、Z-6Ⅱ 発売日に合わせて予約しました。 ペンタとフジからの乗り換えなので、ピクチャーコントロールの設定がいまいち解らないなぁ。ペンタの銀残し、フジのフィルムシミュレーションはフィルム時代が長かった自分には飲み込み早かったけど、ニコンはちょっと解りにくいかな。
    まぁ仕方ない覚えるか!(笑)頑張ろう。

    • ワイズカメラ より:

      まるくん@さん

      Z-6Ⅱ !!
      おめでとうございます!色については慣れない部分があるかもしれませんが、レンズを含めペンタやフジにはない描写を楽しめるかと思いますよ!

ワイズカメラ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

関連記事

修理に出したレンズか返ってきた!

読了時間1分 以前、シグマレンズのOS機構の不調(スイッチが動かない)により、シグマカスタマーセンターに修理に出していたレンズが返ってきました。もう大分以前に、直って手元に届いていたんですが・・・。 …

Nikon Z fcの詳細情報。おしゃれなZマウントのAPS-C機。

Nikon Z fcが登場しました。 「f」は精密機器の感触と高画質の「融合」を示す「fusion」の「f」、「c」は全ての人に「casual」に使ってほしいというニコンの願いを表しているそうです。 …

10万円超の三脚とコスパの良い三脚を比較しての感想など。何が違うの!?

つい最近、Leofoto LS323Cという三脚を手にしました。 参考:Leofoto LS323Cをレビューする。コスパの良い大型三脚。 それで以前より、GITZO システマティック3型3段ロングと …

Leofotoの大型三脚LS-323Cが安くてスッペクも凄い!レベリングベースを採用したモデルも登場。

ここ最近、目にすることが多くなった三脚メーカーLeofoto。そのコスパの良さから度々話題になっていますね。 参考:Leofotoの選び方!三脚と雲台をまとめて比較してみる! そのLeofotoがいつ …

Nikon Z14-30mmf/4Sを購入しました。これから詳しくレビューしていきます。

Nikon Zマウント初の超広角レンズであるNikon Z14-30mmf/4Sを購入しました。 Nikon 超広角ズームレンズ NIKKOR Z 14-30mm f/4S Zマウント フルサイズ対応 …

About_me_web_site_name

このブログを運用しているWiseCameraです。北海道の田舎在住、写真と山が好き。まだまだ経験や知識を浅いですがコツコツをカメラ勉強中ですので、よろしくお願いします:)
サブブログ(カメラク)も運営しております。

このサイトについて

一眼レフカメラ・写真初心者のカメラブログ[ワイズカメラ]はamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。