私はフルサイズユーザーなのですが、マイクロフォーサーズも良いなと思いことがあります。
フルサイズにはない魅力があります(フルサイズとマイクロフォーサーズを比べるのはナンセンスかもしれませんが)。
では、フルサイズとマイクロフォーサーズの良い点・悪い点とは?また、どちらが良いのでしょうか?
目次
フルサイズとマイクロフォーサーズの違い
ご存知の方も多いでしょうが、フルサイズとマイクロフォーサーズの違いはセンサーの大きさにあります。
マイクロフォーサーズの方が半分の大きさで小型です。面積でいうとマイクロフォーサーズはフルサイズの1/4です。逆に考えると、フルサイズの方が4倍の面積で、それだけ多くの光を集められると言えます。
これによりカメラやレンズの性能、あるいは描かれる画に違いが出てくる。
ちなみに、マイクロフォーサーズの場合、35mm換算するには焦点距離を2倍して考える必要があります。例えば、マイクロフォーサーズで7-14mmのレンズは、フルサイズなら14-28mmと同じ見え方になる。
マイクロフォーサーズの良い点
普段、フルサイズのカメラを使っている私の主観で、マイクロフォーサーズが良いなと思う点について書いてみたいと思います。
システムが軽量コンパクト
まず、マイクロフォーサーズはセンサーが小さいことから、カメラやレンズを軽量コンパクトにすることができます。
フルサイズ機だと軽いカメラでも500g前後。一方で、マイクロフォーサーズのカメラなら2,300g台のカメラもあります。もちろん、カメラ機種によっては重いものもありますが。
そして、特にレンズに違いが出てくるようです。
例えば、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」というレンズ。
OLYMPUS 標準ズームレンズ ED 12-40mm F2.8 防塵 防滴 マイクロフォーサーズ用 M.ZUIKO ED 12-40mmF2.8PRO/>
35mm換算で焦点距離24-80mm相当の画角になり、重さが382gとなっています。
これに相応するフルサイズ用レンズが、ニコンなら「24-70mmF2.8E」で重さは約1070gになります。3倍近い重さです。大きさも全然違ってきます。
フルサイズのズームレンズなら、500-700gでも普通、1000g超えもザラです。一方で、マイクロフォーサーズのズームレンズなら、500-700gで重量級という感覚です。
マイクロフォーサーズでシステムを組めば、フルサイズよりも相当に軽量化することが可能となっています。これは本当にマイクロフォーサーズの良い点です。
比較的安価に機材が揃う
センサーが小さい分、コストを抑えられるため、マイクロフォーサーズの機材は比較的安価です。
カメラボディは機種にもよりますが、フルサイズだと20万円前後というのが多いです。マイクロフォーサーズなら20万円前後ならフラグシップ機レベル、スタンダードモデルなら10万円前後が多いのではないでしょうか。
レンズにしても大三元レンズという開放F2.8通しの高級レンズ3本の合計だと、ニコンのフルサイズ用レンズでは「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G」、「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E」、「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E」で合計約65万円。
一方で、マイクロフォーサーズのオリンパスなら「 M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」、「M.ZUIKO ED 12-40mmF2.8PRO」、「M.ZUIKO ED 40-150mm F2.8 PRO」で合計約33万円ほどです。
マイクロフォーサーズはフルサイズの半額程度となっています。もちろん、性能的に劣るというわけではありません。
このように安価に機材が揃うのがマイクロフォーサーズの良い点です。
望遠やマクロに強い
上記しましたが、マイクロフォーサーズは焦点距離を2倍にすると、フルサイズと同じ見え方になります。
なので、非常に望遠に強くなっています。例えばパナソニックのこのレンズ。
パナソニック 超望遠ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S H-RS100400
焦点距離100-400mmなので、35mm換算すると約200-800mm相当になります。それでいて重さは1kg以下です。フルサイズならあり得ないレンズとなっています。
これがマイクロフォーサーズの強みでもあります。望遠を使う人には大きな魅力です。
また、最大撮影倍率も2倍されるので、マクロ撮影にもマイクロフォーサーズは優位。
例えば、最大撮影倍率が0.3倍なら、35mm換算で0.6倍相当になります。フルサイズのズームレンズだと最大撮影倍率0.2-0.3倍くらいが多いですが、マイクロフォーサーズなら換算で0.5倍前後というのが多い。
ちょっと分かりにくいですが、本格的なマクロレンズが1倍なので、0.5倍でもかなり被写体を拡大して写せることになります。
ちなみに、マイクロフォーサーズのマクロレンズだと最大撮影倍率2.5倍というものもあります。
このようにマイクロフォーサーズの望遠やマクロ撮影への強さは、フルサイズ機からみると圧倒的に感じます。
カメラ機能性が豊富だと感じる
マイクロフォーサーズはオリンパスとパナソニックが製造していますが、個人的にはカメラの機能性が豊富に感じます。フルサイズも色々と機種はありますが、そこまで尖ってはいない気がする。
世界最高7.5段分の手振れ補正効果のある「E-M1X」。
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D OM-D E-M1Xボディ
マイクロフォーサーズらしからぬ大きさですが、手振れ補正効果はボディー単体で最高約7.0段。「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」と組み合わせれば、レンズ内手ぶれ補正とのシンクロで世界最高7.5段分の手振れ補正を実現します。シャッター速度が数秒でも手持ちでいけるらしいですね。
一つ下位機の「OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII 」もシンクロで6.5段分の手振れ補正。また、強力な防塵防滴も備えています。フルサイズ機の手ぶれ補正では、ここまでの性能はありません。
あるいはパナソニックのGH5やGH5Sのように動画に特化したようなカメラもあります。
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス GH5 ボディ ブラック DC-GH5-K
私は動画は撮らないので詳しくありませんが、プロフェッショナルな動画性能を備えているようです。
このような本格的なものでなくてもPENシリーズのように、おしゃれでお手軽なカメラも揃っています。
OLYMPUS ミラーレス一眼 PEN E-PL9 レンズキット ホワイト
おしゃれだし、小さく軽いです。サクッと自撮りして簡単に加工してスマホに転送みたいなこともできます。
というように、マイクロフォーサーズ機はフルサイズ機よりもカメラの機能性が豊富で、幅広いニーズに応えられるようになっているなと思います。マイクロフォーサーズの良い点です。
ゴミが付きにくいらしい
レンズ交換をしているとセンサーに埃がつき、写真に黒い点々として写り込むことが多々あります。
何故だかは分かりませんが、マイクロフォーサーズはセンサーにゴミが付きにくいらしいですね。フルサイズは直ぐに付きます。
ゴミはなかなか自分で取るのも難しいですし、本当に煩わしいので、マイクロフォーサーズのゴミの付きにくさは羨ましいです。
というのが、マイクロフォーサーズの良い点です。次に、フルサイズの良い点について書きます。
フルサイズの良い点
高感度に強く、レタッチに強い
フルサイズはマイクロフォーサーズよりもセンサー面積が4倍です。4倍受光できます。
なので、フルサイズは高感度に強いです。RAWで撮影した場合だと、おそらく同じ画素数なら2,3段はゆうに違うのではないかと思います。薄暗い場所でシャッター速度を速める際などに優位です。
マイクロフォーサーズは手ぶれ補正が強力だったり、明るい望遠レンズが多かったりしますが、高感度耐性の弱さを補うためなのではないかと思います。
あとは、レタッチ耐性です。フルサイズのRAWデータは情報の塊で、真っ黒な写真でもLrなどで明るく持ち上げることができます。フルサイズは強力なレタッチ耐性がある。一方で、マイクロフォーサーズはそこまでは行かないようです。
高感度とレタッチ耐性はフルサイズの最大の利点です。
レンズの種類が多い
これはマウントにもよりますが、基本的にフルサイズ用レンズは豊富です。ニコンFマウントやキヤノンEFマウントのレンズは潤沢ですし、ソニーEマウントのレンズも相当数を増やして来ています。ZマウントやRFマウントのレンズも純正アダプターがある。
それに比べるとマイクロフォーサーズのレンズは、まだ種類が少なく感じます。オリンパスとパナソニックを共通して使えるメリットはありますが、サードパーティ製レンズは多くはありません。
フルサイズなら純正の高価なレンズから、サードパーティ製の安価なレンズ、あるいは中華新興メーカーのレンズなど、色々と試せます。
自分が使いたいレンズがあれば、ラインナップの数は関係ないかもしれませんが、それでも選択肢が豊富なのはメリットがあります。
広角に強い
マイクロフォーサーズは望遠に強かったですが、逆にフルサイズは広角に強いです。
マイクロフォーサーズでも広角レンズはありますが、フルサイズの方がずっと種類が豊富です。中には10mmや11mmのレンズもあります。
【国内正規品】 LAOWA ズームレンズ 広角 10-18mm F4.5-5.6 Sony Eマウント用 LAO0040
フルサイズで10-18mmなので、マイクロフォーサーズなら5-9mm相当になります。
他にもシグマ14mmf1.8など広角で明るいレンズもフルサイズにはありますが、マイクロフォーサーズでは難しいようです。
広角が好きならフルサイズの方が魅力なレンズが多いかと思います。
ボケ具合が違う
それからセンサーが大きい分、フルサイズの方がボケが大きいです。マイクロフォーサーズはボケが苦手。
もちろん、マイクロフォーサーズでも明るいレンズを使えばボケますが、フルサイズほどボカしやすくはありません。
ボケ量はフルサイズの方が2段分ほど優位のようですね。マイクロフォーサーズでF2.8のボケ量は、フルサイズのF5.6で実現できてしまうことになります。
ふわっと柔らかくボカせるのは、フルサイズの良い点です。
気分が違う
これは気分的なものですが、フルサイズの方がうまく撮れるような気がします。気がするだけですが、気分は大切です。
カメラを趣味にしていると、「フルサイズならもっと綺麗に撮れるのではないだろうか・・・」と思うことも少なくないはずです。
フルサイズを使っていれば、そうはなりませんし、言い訳もできません(その上の中判カメラというのもあるのですが・・・)。
フルサイズとマイクロフォーサーズのどちらが良いのかは、どのようなスタイルで写真を撮るかによる
フルサイズとマイクロフォーサーズでは、それぞれで良い点・悪い点があります。なので、どっちが良いかは一概に決められません。自分がどのような撮影スタイルなのかに寄ります。
じっくり三脚を立てて撮影し、レタッチもしっかりして、最高の1枚にしたいのか。それならレタッチ耐性のあるフルサイズです。
旅行やアウトドアで記録を残したいのか、あるいは日常的にカメラを持ち歩きたいのか。それなら機動力のあるマイクロフォーサーズでしょう。
予算的を少なくしたいのか。それなら比較的安価なマイクロフォーサーズが良いかもしれません。オールドレンズや様々レンズを楽しんでみたいのか。それならフルサイズでしょうね。
フルサイズとマイクロフォーサーズ の間にはAPS-Cもありますし、良い点・悪い点を踏まえて自分にあった方を選べば良いです。
まとめ
それにしても、最近のマイクロフォーサーズの勢いはすごいなと思います。
でも、私は中判も、フルサイズも、APS-Cも、マイクロフォーサーズも、1インチも欲しいです。
フォーサーズセンサーよりフルサイズやAPS-Cのほうが高感度耐性が高いというメリットがよく挙げられます。
それ自体は間違いではないのですが、高感度だけではなく基準感度でさえも暗部がノイジーです。
RAW撮影が主ですので、ノイズ処理にとても困らされました。
フルサイズを使っているうえでやはりコンパクトさは魅力的でオリンパスやパナソニックのミラーレスを使っては見たものの、その魅力を得るために切り捨てなければいけないものがわたしには大きく感じました。
m.y.さん
フォーサーズ は基準感度でさえ暗部にノイズが乗るのですね・・・。
初めて耳にしましたが、それはちょっと使いにくいです。
どんな性能を優先させるのか、で使った印象も大きく変わるかと思います。
適材適所で機材を変えられるのが一番なのですが。
足るを知る。マイクロフォーサーズのユーザーはこの言葉の意味をよくわかっていると感じます。私の場合1型センサーで十分に足りますので、ニコン1
復活しないかなぁ。絶対無理だろうなぁ。
因みに広角好きにはAPS-Cを勧めます。軽くて安くて高画質なレンズが豊富ですから。
すぱぱぱぱさん
マイクロフォーサーズのユーザーはバランスが良いですよね。
APS-Cも良いレンズ多いですね:)
ノイズの話は、初期のデジカメやシグマのフォビオンを使った人間から見れば、ましです。私はソニーのaマウントと、マイクロフォーサイズやAPS-Cを使っていますが、
APS-Cを手放しました(フジのX-100は動くものはダメ、キャノンの7D2は
メイン機のα99Ⅱと大して変わらない)。夜景やこれというときはフルサイズがいいですが、普段はミラーレスでいいと思っています。