ついにニコンから待望のフルサイズミラーレスカメラ「Nikon Z6」と「Nikon Z7」が発表されました。
前々から情報がリークされていましたが、ようやく全貌が見えました。
新マウントはZマウントです。究極・最高という意味でアルファベットの最後の文字「Z」を使ったのだとか(ならもし中判があるならZマウントで行くのだろうか!?)。
画像:nikon-image
では、早速ですがニコン新型ミラーレスカメラ Nikon Z6とZ7のスペックを比較検証してみたいと思います。
※発売時期はZ6が2018年11月下旬(27万円前後)、Z7が2018年9月下旬(44万円前後)とのこと。
目次
ミラーレスカメラ Nikon Z6とZ7のスペックを比較検証
ちなみに、Zマウントは内径55㎜、フランジバック16㎜です。
マウント内径が大きいことにより、より高性能なレンズが作れるようですね。高解像とかF0.95で明るいとか。
ボディ
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
レンズマウント | ニコンZマウント | ニコンZマウント |
寸法(幅×高さ×奥行き) | 約134×100.5×67.5mm | 約134×100.5×67.5mm |
質量 | 約585g(バッテリー等込み約675g) | 約585g(バッテリー等込み約675g) |
防塵防滴 | ○ | ○ |
記録メディア | シングルスロット・XQDカード | シングルスロット・XQDカード |
Nikon Z6、Z7ともに同じ大きさ重さとなっています。
ソニーα7Ⅲやα7RⅢが大きさ約126.9x95.6x73.7mm、重さ約650g(バッテリー等込み)なので、少し大きい、重さはほとんど変わらない感じです。ちなみに、D750は約840g(バッテリー等込み)なのでレフ機と比べると断然軽いです。
Z7とD850を比較してみるとこんな感じ。流石にD850となら全然大きさが違いますね。
グリップ感についてはNikonはかなり拘ったようです。
画像:nikon-image
気持ちよく手に収まるだとか。
そして、Nikon Z6、Z7ともに防塵防滴です。さらに、ボディーには軽量で堅牢なマグネシウム合金を使用し、高い剛性と耐久性を実現しています。ソニーα7Ⅲはマグネシウム合金は使われているもののボディの一部のみで、持った感じに不満が出ると聞いたことがあります。この点、ニコンはがっつりマグネシウム合金を使っておりニコンらしさを維持したようです。
画像:nikon-image
記録メディアについてはXQDカードでシングルスロットとなっています。これはちょっと不満かも。ダブルスロットだとバックアップを取れるので安心なんですよね。今までに数回、バックアップで救われたことがあります。シングルスロットだとこれが出来ないので心配。ちなみに、ソニーα7Ⅲやα7RⅢはSDカードでダブルスロットです。
※追記:動画で見てた方が大きさが分かりやすい。
写り
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
センサー | 裏面照射型フルサイズ ローパスフィルター有!? |
裏面照射型フルサイズ ローパスレス |
有効画素数 | 2450万画素 | 4570万画素 |
常用感度 | ISO 100-51200 | ISO 64-25600 |
画像処理エンジン | EXPEED 6 | EXPEED 6 |
Nikon Z6、Z7ともに裏面照射型CMOSセンサーを採用しています。裏面照射型CMOSセンサーは通常のセンサーよりも光が届きやすい構造になっているので高感度に強くなります。ニコンレフ機だとD850に始めて採用されています。
画像:nikon-image
そして、Z6は低画素(2450万画素)なのに対しZ7は高画素(4570万画素)という仕様ですね。故に、Z6の方が高感度には強い感じになっているのだと思います。一方で、Z7はISO64からとなっていますが、こちらはより広いダイナミックレンジが得られるのではないかと思います。ちなみに、α7RⅢは約4240万画素、α7Ⅲは約2420万画素です。
また、Z7はローパスレスですが、Z6はローパスフィルターはあるようです。Z7の繊細感は凄そうですね。
画像処理エンジンはどちらとも最新のEXPEED 6。色々と処理速度は早そうです。
あとAE(オートホワイトバランス)ですがD850はAEが優れていると聞いたことがあるのでZ6、Z7にも期待したいです。あと、ピクチャーコントロールのバリエーションも増えているようですね。
連写・AF関連
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
AFポイント | 273点 | 493点 |
検出輝度範囲 | -2~19 EV ローライトAF時:-4~19EV |
-1~19 EV ローライトAF時:-4~19EV |
連写速度 | 約5.5コマ/秒 拡張使用:約12コマ/秒(14ビットRAW設定時約9コマ/秒) |
約5.5コマ/秒(14ビットRAW設定時:約5コマ/秒) 拡張使用:約9コマ/秒(14ビットRAW設定時約8コマ/秒) |
連続撮影枚数 | 14bitロスレス圧縮RAW43コマ 14bit非圧縮RAW34コマ |
14bitロスレス圧縮RAW19コマ 14bit非圧縮RAW18コマ |
サイレント撮影 | ○ | ○ |
AFポイントはZ6が273点、Z7が493点となっていますが、ともに撮像範囲の約90%という広い範囲をカバーしています。あと、ソニーはもっと多い気がしますが一概には比べられません。
それぞれこんな感じ。
画像:nikon-image
画像:nikon-image
ミラーレスらしいですね。
これらには新開発のハイブリットAFが採用されているようです。撮像素子の撮像面全体に像面位相差AF画素を配置、動きのある被写体にも瞬時にピントを合わせる像面位相差AFと、より高精度なピント合わせが可能なコントラストAFを状況に応じて自動的に切り換えることで素早く高精度にピント合わせを行います。
これがキヤノンのデュアルピクセルAFシステムに似ているのか、それとも別物なのかは分かりません。
検出輝度範囲は-2~19 EV、ローライトAF時が-4~19EVとなっています。暗所に強いのか、弱いのか!?ソニーやニコンレフ機は検出輝度範囲が-3EVからですね。
※追記:ファームアップにより検出輝度範囲はZ6が-3.5EV、Z7が-2EV(さらにZ6のローライトAFが-6EV)に強化されました。
また、ピーキング表示も可能です。フォーカスシフト撮影も可能。
画像:nikon-image
カメラ内で合成しフォーカスシフト撮影後すぐに画像(ピーキングスタック画像)の確認もできるとのこと。あと、ソニーの瞳AF的なものは無いっぽいです。
※追記:ファームアップによりZ6、Z7で瞳AFが可能となりました。
連写速度についてはZ6が最高約12コマ秒と早いです。ただし、この場合は拡張機能となりAFは追従、AEは1コマ目の制御に固定になる制限!?があるようです(しかも12bit)。14bitでAF/AE追従の場合は約5.5コマ/秒。Z7はAF追従、AEは1コマ目の制御に固定で最高約9コマ秒(こちらも12bit)、AF/AE追従の場合は約5.5コマ/秒です(さらに14bitにすると5コマ/秒になる)。
※追記:ファームアップによりZ6が最高約12コマ秒、Z7が最高約9コマ秒でもAE追従になりました。
ちょっとこれはどうなのだろう。使ってみないと分からないです。約5.5コマ/秒ならD750(6.5コマ秒)よりも遅いですからね。
バッファーに関してはZ6はまずまず、Z7は高画素機故にあまり無いようです。
サイレント撮影については、先幕、後幕ともに電子シャッターの使用可能です。美術館、結婚式など静粛な場所に使えます。また、シャッター動作による機構ブレがないので、風景、天体の撮影などに有効。あとはローリングシャッターの歪みがどの程度か・・・。
ファインダー
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
形式 | 0.5型 EVF Quad-VGA | 0.5型 EVF Quad-VGA |
ドット数 | 369万ドット | 369万ドット |
視野率 | 約100% | 約100% |
倍率 | 約0.8倍 | 約0.8倍 |
EVFはZ6、Z7ともに0.5型でソニーα7Ⅲやα7RⅢと同じです。ドット数もともに369万ドット。これもソニーと同じ。
倍率に関しては約0.8倍で広いです。αR7Ⅲやα7Ⅲが約0.78倍なのでそれよりも広い。
また、ニコン独自の光学技術を活かしたファインダー光学系などにより、歪み収差が少なくクリアーな、光学ビューファインダーに迫る自然な見えを実現しているとのこと。
画像:nikon-image
接眼保護窓にはフッ素コートを施しておりフレアや汚れの付着を防ぎます。
モニター
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
形式 | 3.2型 | 3.2型 |
ドット数 | 約210万ドット | 約210万ドット |
タッチパネル | ○ | ○ |
チルト式 | ○ | ○ |
モニターに関してもZ6、Z7は同じ仕様です。αR7Ⅲやα7Ⅲは3.0型なので少し大きい。
また、タッチパネル、チルト式も便利ですね。
ちなみに、ブライトモニタリング機能みたいなものはないようですね。星撮りにとってこれ本当に残念です。
手ぶれ補正
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
ボディ内手ぶれ補正 | 5.0段(5軸補正) | 5.0段(5軸補正) |
待望のボディ内手ぶれ補正も搭載です。5.0段(5軸補正)。性能もソニー勢と変わりません。
画像:nikon-image
マウントアダプター(FTZ)によりFマウントレンズでも使用可能です(VR非搭載のレンズでも可、効果は弱くなるようですが)。
レンズの手ぶれ補正とボディ内手ぶれ補正の連動性はどうなのでしょうかね!?レンズがVR非搭載だと効果が弱くなるということなら多少連動しているのかもしれません。
ちなみに、ボディ内手ぶれ補正を使ってピクセルシフトマルチ撮影みたいなことはできないようです。残念。
バッテリー
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
静止画撮影可能 枚数 |
ファインダーのみ使用時:約310コマ 画像モニターのみ使用時:約380コマ |
ファインダーのみ使用時:約330コマ 画像モニターのみ使用時:約400コマ |
バッテリーはEN-EL15bを使用します。D750などのバッテリーとの互換性はあるようです。
ただ、撮影可能枚数が少ないですね。310枚と330枚ですか。αR7Ⅲ(約650枚)やα7Ⅲ(約710枚)には劣ります。αRⅡくらいの性能しかないのでは!?
冬に瞬殺されそうです。iphone的な感じで一気に死なないだろうか・・・。
一応、バッテリーパックMB-N10を開発はしているそうです。EN-EL15bが2個入って、バッテリー寿命が約1.8倍らしい。これでも苦しいですね。やはりソニーってすごい。
動画
Nikon Z6 | Nikon Z7 | |
動画 | 4K/30p、HD120p | 4K/30p、HD120p |
動画はこんな感じ。これもソニー勢と似てます。
私は動画は全然分かりませんがタイムラプスとか色々便利な機能があるようですね。
Z6とZ7の大きな違い
Z6とZ7は多くの部分を共有しているようですね。
大きなちがはやはり画素数。Z6は低画素で高感度に強い、Z7は高画像でダイナミックレンジが広いという感じでしょうか。D750とD850っぽいですね。
あとはAFポイントの違いで追従性能などにどれ程の違いがあるのか。
連写はZ6の方が速いですが、AF/AE追従の場合なら殆ど違いはありません(ソニーはAF/AE追従で約10コマ/秒)。ただ、バッファは結構違いが有りZ6の方が断然優位です。
いずれにせよ、最大のネックは両機ともシングルスロットである事とバッテリー寿命か!?真冬で使えるか否か、確認しないと手を出せません。
まとめ
待望のニコンフルサイズミラーレスカメラが出て嬉しいです!発表動画見ましたが喋っている人、緊張していましたね!
購入するかどうかはよく検討したいと思います!即購入と思っていましたが気になる点がちらほら・・・。
色々、ポイントはあると思いますが正直、お値段が高いですね・・・。D750を使ってるユーザーってかなりいると思うのですが、次は何を買うべきなのでしょうか。D760はたぶん出ないんでしょう。Z7はちょっと高すぎる(そう思わない人はこれですかね)。Z6は値段だけならまだ届くとしても、これ買うなら少々プラスしてD850が良いんじゃないかという気もしないでもないです。レンズも現行のFマウントの同クラスと比較すると高い。ノクトはどれだけ値段がするのやら。
スペックは魅力を感じる部分もありますが、シングルスロットとバッテリー寿命はかなり使い勝手が悪いですね。最終的には写真はボディとレンズで撮るものですから、スペックではソニーにはたぶん遅れを取るとは思っていましたが、レンズ込みでどこまで描写するかがニコンの見せどころですかね。
Labattさん
コメントありがとうございます:)
本当に価格は攻めすぎです笑
改めてD750の万能さを思い知りました!いっそのことソニーで良い気がしてきました笑
ノクトは高いでしょうね・・・望遠単焦点並みかもしれませんよ。
特にバッテリーは私には致命的です。
レンズで巻き返して欲しいところですが、どのレンズも高い・・・。餌まきレンズ的なものはないようですね!
今回のNikonのボディのスペックをどうのこうの比較するのはナンセンスです。
「Zマウント」こそが全てだと思います。ソニーがこの光学性能に追いつくのは大変で、マウント変更がいるかもしれないですね。実機が楽しみです。
WATARUさん
コメントありがとうございます!
その通りでしたね!
これからのS-Lineレンズの展開が楽しみですね!いずれNikonがミラーレス分野でぶっちぎるかもしれません:)