最近ではカメラのモニターは可動式のモノが増えてきましたね。一眼レフカメラでも半分以上、ミラーレスカメラに至っては9割以上は可動式モニターを採用しているようです。
それで動き方には大きくチルト式とバリアングル式があります。また、中には3軸チルト式など分かりにくいものもある。
ということで、チルト式モニターとバリアングル式モニターのメリット・デメリットについてまとめつつ、色々なモニターを見てみたいと思います。
目次
普通(可動しない)のモニターについて
今や少数派となってしまった可動しない普通のモニターですが、一部のフラグシップモデルや廉価なモデルではこのタイプになっています。
おそらくですが、フラグシップ機の用途ではモニターを使って撮影することが殆どないからだと思います(主に動きものの撮影)。それから堅牢性という観点でも、モニターが動かない方が優位となるでしょう。例えば、Nikon D5とか。
それから、廉価なモデルではコストを下げる、上位機と差別化するために、あるいは軽量化のためなどで、稼働しない普通のモニターを採用していると考えられます。例えば、Nikon D3500とか。
ただし、やっぱりモニターが動かないのは不便です。ローポジション・ハイポジションでの撮影、あるいは三脚を使う際など、モニターが固定されていると構図の確認などがしにくいですね。
チルト式モニターについて
チルト式モニターとは
チルト式モニターは上下に角度を変えられるモニターのことです。
このような感じで上下にパカパカ動かせるのがチルト式です。
ミラーレスカメラでは最も多いタイプになります(チルト式でも色々バリエーションがありますが)。
チルト式モニターのメリット
まず、ローポジション・ハイポジションの撮影でも、モニターを上下に動かせば、無理な体勢をせずにモニターを確認できます。
このようにカメラを地面に置いたようなローポジションでもモニターを確認できます。いちいち屈んで覗く必要はありません。非常に便利です。
それから、チルト式モニターはバリアングル式モニターよりも、簡単で素早い操作ができると言われています。モニターの角度を上下に動かすだけなのでササっと操作可能。
チルト式モニターのデメリット
チルト式モニターのデメリットは左右に動かないことです。なので、縦構図では役に立ちません。
このような感じでカメラを縦にすると、チルト式の上下の動きでは対応できないです。
あとは基本的にモニターをレンズ側に向けての自撮りも出来ません。
しかし、これを克服しているチルト式モニターもあります。これについては下記します。
バリアングル式モニターについて
バリアングル式モニターとは
バリアングル式モニターとは上下左右に動かすことのできるモニターです。
このような感じで、パカっと開き、クルッと回転させることができます。
キヤノンは一眼レフやミラーレスでバリアングル式モニターが多く採用されているようです。最新機種のEOS 90DやEOS-Rもバリアングル式モニターですね。パナソニックもフリーアングルという名称ですが、バリアングル式を多く採用しています。
他のメーカーでは、どちらかというとチルト式の方が多くなっているようです。
バリアングル式モニターのメリット
バリアングル式モニターのメリットは、可動の自由度が非常に高いことです。ローポジション・ハイポジションはもちろんのこと、縦構図でも対応できます。
左右に開いて、上下に回転させることができるので、モニターを好きな位置に調整可能。
チルト式では不可だった、縦構図への対応は大きなメリットかと思います。あと、自撮りにも対応できる。
バリアングル式モニターのデメリット
バリアングル式モニターのデメリットとしては、モニターを可動させるには、一度左右に動かさなければならないという点です。
なので、上下の角度調整だけしたい場合でも、モニターをパカっと開く必要があります。2スッテプの操作が必要です。
これだと操作がやや手間ですし、左右に開くとモニターが邪魔になることも考えられます。
また、モニターが光軸上にこないので、レンズの向きとモニター位置のズレがあり感覚的に操作しにくいと言われることもあります。
チルト式なら基本的に光軸上にモニターがあるので、このようなことにはなりにくいです。
あとは、バキッと壊れやすそうではあります。実際にバリアングルモニターの故障の話はよく聞く。
以上がバリアングル式モニターのデメリットですが、進化系の可動式モニターがあり、これらのデメリットを改善しているものがあります。ちょっとそれらを見てみましょう。
ちょっと進化した可動式モニター
180度チルト式モニター
通常ではチルト式モニターでは、モニターをレンズ側に向けての自撮りはできません。
しかし、中には180度モニターを動かすことで、これを可能にするものもあります。それが180度チルト式モニターです。
このような感じです。
パナソニックのDC-GF10、ソニー α6400などがこれですね。しっかり自撮りに対応します。
人によっては欲しい機能かと思います。
3軸(3方向)チルト式モニター
3軸(3方向)チルト式モニターは、パナソニックのSシリーズや、フジフィルムのカメラで採用されていたりします。
これは上下、左右で角度の調整ができるようになっているチルト式モニターです。
このような感じですね。
これにより、縦構図にも対応、バリアングル式で不可だった上下だけの動きも可能、また光軸上からモニターもズレません。チルト式とバリアングル式のデメリットを克服しています。すごく便利そう。
しかし、バリアングル式モニターほど自由度が高くありません。なので、レンズ側にモニターを向けての自撮りみたいなことは出来ないものも多いです。
例えば、パナソニックのSシリーズの3軸チルト式モニターは、レンズ側にモニターを向けられないようですね。フジフィルムの3方向チルト式モニターも自撮りできないものが多いです。
フレキシブルチルト式液晶モニター
ペンタックスではフレキシブルチルト式液晶モニターというものが採用されています。
液晶モニターを4本のステーで保持することで、「光軸から離れない」かつ「上下左右、どの方向にも向けられる」液晶モニターを実現しているとのことです。
動き方は3軸(3方向)チルト式モニターと似ていますが、仕組みが違うのでしょうね。
公式の動画を貼っておきます。
ペンタックスは流石ですね・・・。
まとめ
モニターの可動式によってカメラの使い心地も大きく変わります。
特に自撮りをしたい人は必ずチェックした方が良いでしょう。