カメラとレンズがセットで販売されているレンズキット。
「レンズキットは買うな」、「レンズキットは必要ない」、「レンズキットは写りが悪い」などと耳にすることも少なくありません。
私はZ6で初めてレンズキットを購入しました(Z24-70mmF4)。本当にお買い得で良かったなと思っています。むしろ何でレンズキットで買わないのか疑問にさえ思います。レンズキットはおすすめです。
ということで、今回はレンズキットはおすすめだという理由を書いてみたいと思います。
目次
レンズキットとは
カメラはボディ単体で販売されていますが、レンズとセットで販売されていることもあります。
そして、カメラボディとレンズがセットになって販売されているのが「レンズキット」と呼ばれるものです。
一口にレンズキットと言っても様々なバリエーションがあります。ただ、基本的には以下の3パターンであることが多いです。ちなみに、全てのカメラがレンズキットになっているわけではありません。
標準ズームレンズキット
まずは標準ズームレンズ1本とセットになった標準ズームレンズキットです。だいたい焦点距離18-55mmみたいなレンズが多い感じですね。
望遠は使えないのでちょっと不便ですが、この手のレンズは非常に軽量コンパクトなので携帯性が高いです。荷物を増やしたくない人などにおすすめです。
広角から中望遠という幅で写せるので、風景写真、日常の一コマを切り取るスナップ写真、人物を撮るポートレートなどに向いています。
ダブルズームレンズキット
ダブルズームレンズキットは標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本がセットになっています。望遠レンズは焦点距離200mmや300mmまで使えるレンズが付いてきます。
レンズ交換が必要ですし、レンズ2本は笠貼りますが、広角から望遠まで一通り揃ってしまうというメリットがあります。
これで風景、スナップ、ポートレート、スポーツ、動物など、ほとんど何でも撮れます。
高倍率ズームレンズキット
最後に、高倍率ズームレンズキットです。これは焦点距離18-140mmなど1本で広角から望遠まで撮れるレンズがセットになります。
レンズ交換をしなくても、1本で色々撮れてしまうので非常に楽です。なので、レンズ交換が面倒な人におすすめです。また、レンズを複数本持つよりは荷物が少なくて済むというメリットもあります。
ただし、高倍率ズームレンズは比較的大きく重めです。ダブルレンズキットなら、「今日は望遠レンズは使わない」と分かっていれば、軽い標準ズームレンズだけ持ち出せます。一方で、高倍率ズームレンズだと常に重めのレンズを持ち歩かなければならないというデメリットもあります。
あとは焦点距離18-140mmなどと望遠側が中途半端なことが多く、結局200mmや300mmまで使える望遠レンズを1本購入するというパターンになることも少なくありません。
とはいうものの、やっぱりすごく便利です。
では、次にレンズキットがおすすめである理由についてです。
レンズキットがおすすめだと思った理由
安い
レンズキットなら非常にレンズが安く手に入ります。
レンズキットの価格とカメラボディ単体の差額を考えると、レンズ単体で買う場合の半額以下でレンズが手に入ることも珍しくありません。コスパ抜群です。
なので、もしレンズが不要になってしまっても、売ってしまえばそんなにマイナスにはならないです。ものによってはプラスになることもあるようですね。
最近だとヤフオクとかメルカリとかラクマのような個人売買できるサイトも多いのでそこまで手間ではありません。
とりあえず考えずに買える
初心者の頃だと、どんなレンズを買えば良いのか分からないことも多いです。そのような状態で高価なレンズを買うのはリスクが高い。
一方で、レンズキットなら初めからセットになっているので、あれこれ悩むことも少ないです。とても簡単。
しかも、上記したように非常にコスパが良いので、もし失敗したとしてもダメージは小さいです。これで本当に欲しいレンズが見つかれば、それだけでも価値があります。
万が一、高価なレンズを買った後で、「やっぱりこれじゃなかった」などとなってしまうと、本当にダメージが大きいですからね。
ハイエンドなレンズとのセットもある
それからレンズキットとなると安価な粗悪なレンズというイメージがありますが、決してそんなこともありません。
確かに、尖った性能のレンズではないかもしれませんが、クセが少なく使いやすいレンズが多いです。しかも、最近ではキットレンズもリニューアルされたりと性能が上がってきています。
また、ものによってはハイエンドな高級レンズがレンズキットになっていることもあります。普通に買うよりも安くなるので狙い目です。
では、私の勝手な目線でおすすめレンズキットをご紹介したいと思います。コスパの良さ、レンズの性能で選びました。
※価格は価格コムの最安値を参考にしています。ただ、価格は常に変動するので記事執筆中の価格となります。
おすすめレンズキット
おすすめレンズキット:ニコン
まず、D5600ダブルズームレンズキット。
Nikon デジタル一眼レフカメラ D5600 ダブルズームキット ブラック D5600WZBK
D5600と標準レンズであるAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR 、望遠レンズのAF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VRという2本のレンズがセットになります。
D5600ダブルズーレンズキットで65000円、D5600単体だと59000円なので、差額は6000円になります。標準レンズは単体26000円、望遠レンズは単体38000円なので、実質90.6%OFFでレンズが手に入ります。
特に、この2本のレンズは「AF-P」という新しいレンズです。これはAF駆動にSTM(ステッピングモーター)を搭載しており、AF(オートフォーカス)が静音で高速。まだニコンのレンズでもAF-Pレンズは少ないです。
また、特に望遠レンズの方はこの手のレンズにしては415gで軽量、しかも写りもなかなかのものです。それがなんと差額6000円で2本。価格破壊。おすすめです。
次はD500。
Nikon デジタル一眼レフカメラ D500 レンズキット AF-S DX NIKKOR 16-80/2.8-4E ED VR D500LK16-80
ニコンのAPS-C機でフラグシップモデルであるD500。D500はAF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRという標準レンズとセットになっています。
D500レンズキットで203000円、D500単体では147000円なので、差額は56000円となります。AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRは単体だと94000円なので、実質40.4%OFFということになります。
D5600ダブルレンズキットほどではありませんが、AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRはAPS-C専用標準レンズの中では最上位モデルです。広角から中望遠まで幅広く使え、ナノクリスタルコートも採用されています。黄金のNマークです。フッ素コートも採用で、手ぶれ補正もよく効きます。
これが40%OFFで変えてしまうのは、やはり凄いことです。
そして、Z6。
Nikon ミラーレスカメラ 一眼 Z6 24-70 レンズキット NIKKOR Z 24-70mm f/4S付属 Z6LK24-70
Z6はフルサイズミラーレス機。キットレンズには NIKKOR Z 24-70mm f/4Sです。
Z6レンズキットで254000円、Z6単体だと215000円なので、差額は39000円です。 NIKKOR Z 24-70mm f/4Sは単体だと105000円もするので、実質62.8%OFFになります。
NIKKOR Z 24-70mm f/4Sは所謂小三元レンズです。F4で決して明るくはありませんが、軽く携帯性が高いです。私はこれを使っていますが、描写も本当に綺麗なのでかなり満足しています。それが60%OFFはおすすめです。
おすすめレンズキット:キヤノン
まずはキヤノン EOS X9iです。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X9i ダブルズームキット EF-S18-55mm/EF-S55-250mm 付属 EOSKISSX9I-WKIT
キヤノン EOS X9iはAPS-C機のエントリークラスに当たります。とは言っても、連写6コマ/秒、測距点45点で性能はしっかりしています。そして、ダブルズームレンズキットだとEF-S18-55mm F4.0-5.6IS STM と EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM がセットになります。
EOS X9iダブルズームレンズキットは78000円、EOS X9iは単体だと83000円です。これはレンズキットを買わないと損するパターンです。
ちなみに、レンズはそれぞれ単体だと23000円、21000円という価格。標準レンズの方は割と評判が良いです。
次にEOS Kiss M 。
キヤノン EOS Kiss M(ホワイト)・ダブルズームキット EOSKISSMWH-WZK
EOS Kiss MはAPS-C機のミラーレスカメラになります。2018年に発売されヒットしました。ダブルズームレンズキットでは130gで軽量な標準レンズであるEF-M15-45mm F3.5-6.3IS STM、こちらも260gと望遠レンズにしては非常に軽い EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM がセットになります。
そして、EOS Kiss Mダブルズームレンズキットは77000円、カメラ単体だと66000円なので、差額は11000円になります。レンズ単体ではそれぞれ22000円、35000円なので、レンズキットだと80.7%OFFでレンズが手に入ってしまいます。
むしろ、ボディのみで買う人はかなり少ないのではないでしょうか。
最後はフルサイズ機のEOS 6D。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 6D レンズキット EF24-105mm F4L IS USM付属 EOS6D24105ISLK
EOS 6Dはキヤノンフルサイズ一眼レフのエントリークラスに当たります。レンズキットだと EF24-105mm F4L IS USMが付属します。
EOS 6Dレンズキットは180000円、6D単体だと136000円、差額は44000円です。 EF24-105mm F4L IS USMは112000円なので、実質60.7%OFFということになりますね。
EF24-105mm F4L IS USMはLレンズという高級ラインのレンズです。広角から中望遠までカバーし開放F4通しで使い勝手が良い。しかも、防塵防滴です。
描写に関しては賛否両論あるようですが、それでもLレンズがキットレンズなのは凄い。私がキヤノンユーザーなら買っていると思います。
おすすめレンズキット:ソニー
ソニーはα6400 。
ソニー SONY ミラーレス一眼 α6400 ダブルズームレンズキット SELP1650 F3.5-5.6+SEL55210 F4.5-6.3 SEL55210 ブラック ILCE-6400Y B
α6400は2019年に発売されたAPS-C機のミラーレスカメラです。特にリアルタイムトラッキングというAIを駆使したAFの追従性能が素晴らしいらしい。
α6400はダブルズームレンズキットで、わずか116gの E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSと、E 55-210mm F4.5-6.3 OSS が付属します。
そして、α6400はダブルズームレンズキットは109000円、α6400単体だと99000円なので、差額は10000円です。レンズは単体だとそれぞれ27000円と28000円なので、実に81.8%OFF。
レンズの評価はそこまで高いわけではなさそうですが、手持ちにレンズがない状態ならダブルズームレンズキットを買っても損はないです。10000円で2本のレンズですからね。おすすめ。
おすすめレンズキット:オリンパス・パナソニック
オリンパスのOM-D E-M1 Mark II 。
OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII 12-40mm F2.8 プロレンズキット
OM-D E-M1 Mark II はオリンパスのミラーレスカメラです。フォーサーズというちょっと小さめのセンサーを搭載しているので、比較的軽く、価格も安価なのが特徴です(上位機は例外ですが)。
ちなみに、OM-D E-M1 Mark IIは上位機に位置し、AF追従18コマ/秒の連写速度。そして、シャッターを押し切る最大35コマ前から撮影できるプロキャプチャーモードという強力なサポート機能が搭載されています。
そして、OM-D E-M1 Mark IIのレンズキットにはM.ZUIKO ED 12-40mmF2.8PROが付属します。このレンズは開放F2.8通しのハイエンドレンズです。いわゆる最高級大三元レンズ。
OM-D E-M1 Mark IIレンズキットは193000円、カメラ単体だと154000円なので、差額は39000円です。レンズは単体で73000円なので、実質46.5%OFFです。防塵防滴で描写も良いPROレンズが半額程度になるのはお買い得感が半端ない。
その分、キットレンズをばらして中古販売されているものも多いですが。
次に、パナソニックのLUMIX DMC-G8。
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス G8 ボディ 1600万画素 ブラック DMC-G8-K
LUMIX DMC-G8もパナソニックのフォーサーズ 規格のカメラです。ミドルクラスに位置するカメラ。レンズキットにはDG VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.Sが付属します。
LUMIX DMC-G8レンズキットは80000円、カメラ単体は78000円なので、差額は2000円です。レンズは単体で42000円するので、実質95.2%OFFということになります。たった2000円でレンズが付くので、こちらを選ばない理由がありません。おすすめです。
G VARIO 12-60mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.Sは上位ラインのレンズではないようですが、広角から中望遠まで使え便利ですし、防塵防滴で手ぶれ補正も搭載しています。重さも210gです。これが2000円。
最後はパナソニックのLUMIX DC-G9。
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス G9 レンズキット 標準ズームライカDGレンズキット ブラック DC-G9L-K
LUMIX DC-G9もフォーサーズ規格のカメラです。ハイエンドモデルで操作性も良く、高精細に描くハイレゾショットも魅力的です。
そして、LUMIX DC-G9レンズキットはDG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. というライカレンズが付属します。世界のライカ。
LUMIX DC-G9レンズキットは180000円、カメラ単体で122000円なので、差額が58000円です。レンズ単体では78000円なので、25.6%OFFです。
これまでのような大きな割引ではありませんが、DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. はパナソニックの最高級ズームレンズです。
ライカの厳しい光学基準をクリアした高性能・高品質レンズ。それが割安で変えてしまうのはメリットが大きいです。
注意も必要
以上のように、レンズキットでは非常に割安でレンズが手に入ったり、高級レンズが割引で買えたりします。
ただし、全てのカメラでレンズキットがあるわけではないです、限定的な条件でしか使えない特権と言えます。この特権が使える時は使った方が良いでしょう。
ただし、中には「このレンズちょっとな・・・」と言うレンズキットもあるので、チェックは必要でしょう。また、もし手放す時のために中古価格を確認してみるのも良いと思います。
まとめ
キットレンズを眺めていると思わぬ金脈が見つかるかもしれませんね。
私はあまり好きではありませんが、実際にネットオークションなどで稼いでいる人もいると聞きます。
あと実質という言葉は怖いですね。
「一眼レフカメラなら今よりもっと良い写真が
撮れるのではないかな」
良い写真が、どの様な写真を指すのか分かりませんが
漠然とそういう発想から一眼レフカメラを購入する。
一眼レフカメラ→販売店でレンズキットのセットを
勧められる。「数千円の足し増しで、数万円のレンズが
買えるので、お得です。」(お得に弱い)
(大概は、APS-C機)
このセット販売には、メーカーからの販売奨励金が
付いていると想像できます。
そんな、レンズキットで写真を撮ってガッカリする人が
大半で、こんな筈じゃ無かった感が・・・・・。
レンズキットを購入後、写真を続けてる人が20~30%という
数字が高いのか、低いのか?
(写真投稿サイトでレンズキットで写した写真を見ることが
ほぼありません。本体はそのままで、レンズだけ他のものを
使った写真は時々見かけます。)
どんな写真が撮りたいのか、ニーズを聞いて、それに合った
カメラとレンズを勧める販売をしてくれれば、写真を趣味として
継続する方や、写真人口の底辺も増えると思いますが、メーカーが
利益優先に舵を切って、自分の首を絞めている現状に思えます。
mickeyさん
レンズはどんな写真が撮りたいかで選ぶべきですが、それが最初の頃には難しいですよね。
長く写真をやっている人ですらレンズ購入で失敗することもあります。
レンズキットでも使い方次第ということを広めるのも手かなと思います:)