近頃は数年前と比べると角型フィルターを使う人が、かなり多くなってきたように思います。それに伴いハーフNDフィルターの使用も多くなっているようです。
私も3年ほど前からハーフNDフィルターを使い風景写真を撮っています。
ただ、ハーフNDフィルターはなかなか難しいアイテムです。正直、HDRとか露出ブレンドでも良いのではないかと思うこともしばしばあります。
今回はそのことについて書いてみたいと思います。
目次
ハーフNDフィルターのメリット・デメリット
ハーフNDフィルターのメリット
すでに皆さんご存知かと思うので、いちいち書く必要もないかと思いますが、ハーフNDフィルターには明暗差を軽減するメリットがあります。
ハーフNDフィルターは半分にだけ減光効果のある加工がされているので、この部分だけ光の量を減らしてくれます。
これにより明暗差が軽減されるわけです。
ハーフNDフィルターの使いどころとしては朝夕の逆光での撮影です。この場合は明暗差が激しいので、そのまま撮影すると地面が真っ黒になってしましますが、ハーフNDフィルターがあれば地面も比較的明るく写せます。あとは人によっては花火の撮影などで使う方もいるようですね。
参考:ハーフNDフィルターの必要性・種類・選び方!どれが1枚目におすすめか!?
そんな便利なハーフNDですが、以下のようなデメリットもあります。
ハーフNDフィルターのデメリット
まず、使うのが手間になります。
通常の使用にはまずカメラにホルダーを装着し、そこにハーフNDを付ける必要があります。ちょっと面倒です。また、とっさな状況に対応できません。
ちなみに、たまにハーフNDを手持ちで使う方もいるようですが、不用意な反射が写り込むことがあるので、個人的には止めた方が良いと思います。
次に、不必要な部分も減光され暗くなってしまう点があります。個人的にはこれが最も嫌だなと思います。
風景では空と地面が綺麗に分離していることは稀です。山があったり木があるのが普通。この場合はグラデーションが緩やかなソフトタイプを使うと良いとされて言いますが、それでも余計な部分が減光されてしまい気になります。
例えばこれです(左画像はフィルターなし。右画像にハーフND8ソフト使用)。
確かに空は減光され階調が豊かですが、雪の斜面も暗くなってしまっています。空が飛ぶよりはマシですし、LrやPsで補正しようと思えばできますが、それも手間。
その手間をかけるくらいなら、HDRや露出ブレンドで良くないかと思うわけです。
次に、当然ですがハーフNDの減光効果にも限度があります。なので、ハーフNDを使っても明るい部分が飛ぶ時は飛びます。
その場合は濃いハーフNDを使用すれば良いだけですが、上記したように不必要な部分も濃く減光されてしまいますし、フィルターを揃えるのもお金がかかります。
以上の点で、ハーフNDは便利なものですが、デメリットもあるので、結果的にPsで露出ブレンドしても良いのではないかと思うことがしばしばあります。
もちろん、合成は使わないという方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、個人的には露出ブレンドは全然ありです。
露出ブレンドかハーフNDフィルターか、自己流のハーフNDフィルターの運用方法
3年弱、ハーフNDを使ってみての個人的な経験ですが、今の所では明暗差の激しいシーンでは8、9割くらいは露出ブレンドか、LrやPsでの部分補正をしています。そっちの方が効率的だという結果になりました。
では、残りのハーフNDを使う1、2割くらいはどんなシーンかというと、一番多いのが分単位の長めの長秒撮影の時です(下画像はSS120秒)。
この場合で露出ブレンドしようと思うと、明るい空用の素材、暗い地面用の素材で最低2枚以上の画像が必要になります。しかし、長めの長秒撮影だとその素材撮りでだけかなり時間を消費してしまう。
マジックアワーと呼ばれる光の美しい時間帯はわずかですし、数十秒単位で明るさも色も大きく変化します。そのことを考えれば、露出ブレンドなどで時間がかかってしまうよりは、ハーフNDを使った方が効率的です。
また、マジックアワーは露出がコロコロ変わるので、シャッター速度を決めるのに勘に頼るみたいな部分があります。当然、勘が外れて失敗することもあるので、時間は節約した方が良いに越したことはありません。
これが個人的に一番ハーフNDが活躍するシーンかなと思っています。あとは、被写界深度合成やパノラマ合成などで、素材が多くなるときですね。ただでさえ素材が多いので、露出を変えて撮影とかさらに大変になります。
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こう考えるとハーフNDの活躍の場面は限定的ですが、長秒好きとしてはここぞという時に重宝するので無くてなならないアイテムになっています。
もちろん、人によって様々な使い方はあるでしょうね。
まとめ
どんなシーンでも使える万能な機材はありません!
あらゆるシーンに対応するには、それだけ多くの機材が必要になります。お金がかかりますね:)