最近、寒過ぎですよね。
本州でもかなり冷えているとか。
北海道も今朝(1月24日)は占冠という場所で氷点下32.8度でした。幌加内町にある北大研究林では氷点下34.7度だったようです(これは北大観測で気象庁観測ではないので公式記録にはならないようです)。
私の町は最高気温でも氷点下12度くらいでした・・・。
寒過ぎ。
そんな中、撮影での防寒対策に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか!?
ということで、先日マイナス26度近い凍てつく大津海岸で撮影してきた時の防寒装備をご紹介したいと思います。
防寒対策の方法というのはある程度ルールみたいなものがあるので、私の防寒着を見て頂いてアレンジすれば自分にあった防寒着を見つけられるかもしれません。
以前、「北海道厳冬期での写真撮影の服装!ー20度以下での撮影を耐えたレイヤリング!」というのを書いたのですが、これの今年バージョンです。
マイナス26度の海で使った防寒着
極寒の海で使用した防寒着はこれです。
この7着。あとは靴やグローブです。
極寒の中で2、3時間撮影していましたが身体はそこまで冷えませんでした!
では、防寒着はベースレイヤー(肌着)、ミドルレイヤー(中間着)、アウターレイヤー(一番外側)という基本構造があるので、それらに分けて細かく見てみたいと思います。
ベースレイヤー
ベースレイヤー(肌着)は肌に直接密着するもの。
そんなベースレイヤーに最も求められる役割は汗や湿気を吸い外に逃がすことです。そうすることで身体が冷えるのを防いでくれます。
よって、吸湿性や速乾性が必要。その点でコットン(綿)は不適切です。コットンは一旦濡れてしまうとなかなか乾かないので身体が冷えてしまうからです。
ベースレイヤーにはポリエステルなどの化学繊維やウール素材が適しています。私はモンベルのメリノウールEXP(厚手)を使用しています。上下とも。
(モンベル)mont-bell スーパーメリノウール EXP.ラウンドネックシャツ Men’s 1107581 BK ブラック M
(モンベル)mont-bell スーパーメリノウール EXP.タイツ Men’s 1107585 BK ブラック M
吸湿性・速乾性・保温性、どれも申し分ありません。汗臭くなりにくいですし。
参考:写真撮影の防寒対策。肌着にモンベルメリノウールを使っているけど良い。
ただ、モンベルのメリノウールは良いのですが値段が高くて大変。写真撮影は登山ほどシビアではないのでユニクロのヒートテックとかでも全然良いと思います。
まずは身体に密着し汗や湿気を吸って逃がしてくれるベースレイヤーを手に入れましょう。
ミドルレイヤー
ミドルレイヤー(中間着)はベースレイヤーとアウターレイヤーの間で空気を溜め込むものです。
空気は断熱効果が高いです。なので、ミドルレイヤーによって空気の層を作ることで外気の寒さが身体に伝わるのを防ぎ、また温かい空気を溜め込んでくれます。
魔法瓶でいう外側と内側の間の空洞の部分にあたりますね。魔法瓶ではこの部分は真空になっていますが、防寒着では空気の層になります。
そして、ミドルレイヤーには主にフリースとダウンがよく使われます。
私はよくマムートの厚手フリースを使用します。
(マムート)MAMMUT メンズ ジャケット GOBLIN Advanced Jacket Men 1010-22990 5118 marine S
フリースはガサばって持ち運びには不利ですが、汗や湿気には比較的強いです。湿ってもある程度保温できますし、割と速く乾くので大変便利です。
ちなみに、私は極寒の環境下で使うことが多いので厚手フリースを愛用していますが、フリースは薄手や中厚くらいの風通しの良いものの方が幅広く使い勝手が良いです。
それからダウン。寒い大津海岸で使用したのはモンベルのダウンです。比較的安いのに性能すごく良い。
(モンベル)mont-bell ライトアルパインダウン ジャケット Men’s 1101534 インディゴ(IND) M
ダウンは軽くてすごく暖か。ぎゅっとすればコンパクトになりますし。
こんな感じに。
フリースにはない軽さとコンパクトさです。
ただ、ダウンは保温性が高い故に、これを着て動くとすぐに熱くなります。そうすると汗などの湿気で簡単にシナっとなってしまいます。こうなればダウンの保温性は落ちますし汗で冷えてしまいますね。もちろん、雨や雪が降る状況でも濡れてしまうのでダメです。乾き難いし。フリースよりも濡れに弱いです。
特に、撮影で長い距離を歩く時なんかは気を付けた方が良いです。私は一度冬の撮影時に汗で湿気ってしまいダウンが凍ったことがあります。特にそんなに汗をかくことがないのならダウンは最高の防寒着です。
また、ミドルレイヤーにおいてはインナーダウンと呼ばれる薄手ダウンがよく好まれたりします。
patagonia(パタゴニア) M’s Down Sweater 84674 (US S-(日本サイズM相当), UWFR Underwater Blue w/French Red//Blue)
状況に応じてモコモコのダウンを着るか、薄手のダウンを着るか使い分けですね。
ちなみに、極寒の大津海岸では厚手フリースに厚手ダウンを使いましたが、これは状況(寒さや運動量)に合わせてフリースだけにしたり、薄手のダウンにしたりと色々と調整するとよいです。基本的にベースレイヤーとアウターレイヤーは変えずに、ミドルレイヤーの厚さを変えることで防寒着全体の暖かを調整していきます。これなら簡単ですね。
ただ、モコモコ過ぎて空気の層が潰れてしまっては意味がないので注意です。
ちなみに、下はトレッキングパンツを使用していますがデニムとかでも全然いいです。
アウターレイヤー
アウターレイヤーは雪雨風から身体を守るものです。
ミドルレイヤーのフリースやダウンは基本的に風をすーすー通します。そうすると、断熱するための空気を保持できなく冷えます。また、雨や雪でも濡れてしまいますね(最近はダウンでも防風防水性のものがあるようです。便利ではありますが上記したように空気層の厚みを変えて暖かさの調整をする際には使い難いことがあります)。
なので、外の風雨雪から内を守るシェル(殻)として役割を果たすアウターレイヤーが必要です。
これにはゴアテックスという素材が横綱的な立ち位置で信頼を得ています。
上写真のものもゴアテックスが使われています。モンベルのストームクルーザーです。
(モンベル)mont-bell ストームクルーザージャケット Men’s 1128531 PRBL プライマリーブルー M
ゴアテックスにも性能や耐久性に違いがありますが、写真撮影は登山のような過酷な使用ではないのでそこまでがっつりしたものでなくて良いと思います。
モンベルのストームクルーザーはペラペラで薄いですが撮影で使うのには十分な防風防水性です。風びゅんびゅん、雨ざーざー、波ばさーでも大丈夫です。
また、ゴアテックスでもなくても防風防水素材のものであればなんでも構いません。ゴアテックスは高い。
以上、この7着の装備で氷点下26度近い大津海岸の寒さでも耐えられました。防寒着はベースレイヤー(肌着)、ミドルレイヤー(中間着)、アウターレイヤー(一番外側)という基本構造を意識すれば効率良く装備を揃えていけますね:)
それから手足
手足の防寒
まずは、手です。
私は最初はモンベルの防風性グローブだけを使ってみましたが、30分も持たずに冷えて耐えられなくなりました。
なので、中に薄手の手袋を履きました。これだけで何とか2,3時間は耐えられるようになりました。グローブもアウトレイヤーにミドルレイヤーで重ね着ですね。
ちなみに、薄手の手袋はコンビニで売っていたドライビンググローブを使っています。
また、私は指の出ないタイプを選びましたが、モンベルには指の出るのグローブもあります。
モンベル(montbell) クリマバリア フィッシンググローブ BK 1126169 M
これの中に薄い手袋を着れば尚良いですね。
次に足元です。
冬の撮影にはソレルカリブーとハンターの長靴を使います。
カリブーは暖かいですが海ではダメです。波ですぐに浸水します。雪だけとかなら問題ありませんが。ただ、暖かいと言ってもずっと外にいれば冷えてきます。
一方で、ハンターは防水性は完璧ですが冷えます。すぐに冷えて足が痛くなりました。
ただ、最近ホッカイロを使ってみて結構よかったです。
足に貼るタイプのホッカイロ。
こんなの効かないじゃんと思っていたのですが、初めて使ってみて思ったよりも良くて驚き。
足の冷えない不思議な足もとカイロ はるつま先(黒) 15足入函
ポカポカはしませんが、これを使うと冷えて痛くなることはなくなりました。すごい。
あと、私は使ったことはありませんが中敷きタイプもあるみたいですね。
マイコール 靴用 中敷カイロ 抗菌 防臭 滑り止め付き 足ぽかシート 【3足組】 25cm
今度はこれを使ってみたいと思います。
こちらのブログで詳しく書かれていました。参考:やぁやぁ。:中敷きカイロ(足ぽかシート)を使ってみた
まとめ
写真撮影は機材も必要ですが防寒着も必要です。色々と物が増えていきますね。
防寒着の組み合わせで色々な状況に対応できるようにすれば、少ない防寒着で幅広く効率よく使えるかもしれません:)
本日も興味深く記事拝見いたしました。WISEさんのおすすめにより、マムートゴブリンフリースを昨年購入して、先日秩父の氷柱撮影(-5℃くらい?)にも来て行きましたが、まったく寒くありませんでした!質問なのですが、手袋したままカメラの操作やレンズの交換ってされるんですか?私はレンズ交換はもちろん、ピント合わせや、露出変えたり、フィル―つけたり・・・一回ずつ手袋はずして作業するのですが、とても億劫です^^;なれればできるようになるんですかね??極寒地では一瞬で冷えてしまいますよね?
Springさん
コメントありがとうございます!
マムートゴブリンフリースはやみつきになる暖かさですよね笑
私は手袋をしたままレンズ・フィルター交換やカメラ設定の操作もします。仰る通りで一瞬で手が冷えるので。かなり手が使いづらいですが・・・。
ただ、これは使っている手袋にもよると思います。私の手袋は割りと伸縮性があり手にぴったりフィットします。滑り止めもしっかりしています。なので、なんとかカメラ操作やレンズ・フィルター交換できますよ:)
指の出るタイプも使い勝手良いのかなと思っています!
わかります。ハンターは足が冷える!笑 ソレルは雪はOKでも、お水入ったらアウトですよね~。
むむたんちゃんさん
コメントありがとうございます!
ハンターはおしゃれですけどなぜか冷えますよね:)
ソレルは革でなくてナイロン!?の防水性の高いやつも欲しいです!
ワイズカメラさんおしゃれですよね♩
おしゃれも含めてアウトドア楽しんでる感じがします!!!!
靴下ようのホッカイロは、すごくいいですよね!!ボードに行くときは必ず使ってました。仕事柄足も冷えるので、中敷とかもいいかもしれないですね!!
さとさん
コメントありがとうございます:)
ありがとうございます:)
まずは見た目からです!笑
今までホッカイロを使ってこなかったことに後悔です!!
中敷きは少し高いですが更に良さそうですよ:)
今頃のコメントで恐縮です。
防寒対策はレイヤードシステムなのですね。
今まで、分厚いジャケットなら大丈夫だろうと、
いろいろ試しましたがだめでした。
ところで、非降雪地、3℃程度の屋外で、
数時間、被写体待ちをするときに
お勧めの防寒対策を教えて頂けませんか?
ブーツはスノトレを考えています。
茶くれ爺さん
コメントありがとうございます。
モンベルのメリノウールなどの厚手のアンダーウェア上下(ユニクロやワークワンなどの肌着でも構いません。ウールの肌触りが気になるなら、ドライウェアなどを下に着ると良いかもしれません)
中間着にフリースやセーター。
アウターにダウンジャケット。風が強いならゴアテックスなどの風の通さないウェアを羽織ると良いです。
あとは手袋に登山用の厚手のソックスなどで良いと思います。