現像・レタッチ

トーンジャンプと色の飽和。RAW現像の際、レタッチで陥りがちな2つの失敗。

投稿日:2015年5月15日 更新日:

RAW現像で写真を修正(レタッチ)しだすと、写真が見違えるように綺麗になったりします。

また、レタッチそのものが楽しくなってきたりもします。

しかし、私もそうですが、レタッチ初心者が陥りがちな2つの失敗があります。

それが「トーンジャンプ」と「色の飽和」です。

最近、レタッチネタが多い気がしますが、書きたいので書きます。

トーンジャンプ

トーンジャンプは気づかない内によく起こる厄介なやつです。

まず用語の説明ですが、写真の色や明暗差の移り変わりを「階調」と呼びます。簡単に言うと、グラデーションのことです。

通常、写真は色や明暗差が滑らかに移り変わります。言い換えると、階調に乱れがないということです。

しかし、レタッチで無理に明るくしたりコントラストを付けたりすると、階調が乱れます。

階調が乱れると起こるのが「トーンジャンプ」です。

例えば、これです。
トーンジャンプ
空をよく見ると、青空に縞模様ができてるのがわかるでしょうか??

わかりやすいように拡大してみます。
トーンジャンプ
画面が小さいと分かりにくいかもしれません。

色が滑らかに階調しないで飛んでいます。これがトーンジャンプです。細かいことかもしれませんが、レタッチによる画質劣化ということになります。

確かに不自然で見た感じもあまり良くありません。しかも、これで印刷したりすると縞模様が強調されて変な写真になることもあります。

私はよく空にトーンジャンプが起こります。意外になかなか気付きにくく、ネットにアップした画像を後で見て気付いたりします。
湧別町チューリップ公園
この写真もよく見ると円形にトーンジャンプが起きています。

防ぐ方法としては、無理に補正をかけないということです。あとは、補正をかけたら毎回拡大してチェックする必要もあります。

色の飽和

色の飽和もレタッチし始めの頃によく陥りがちです。

写真って鮮やかな方が綺麗に見えたりするので、彩度を上げて色をはっきりさせたくなります。

しかし、彩度を上げ過ぎると「色の飽和」というものを起こし写真がめちゃめちゃになります。

例えば、まずこの写真です。これは少し明るくしただけで他は何もいじっていません。

色の飽和
わかりやすいように大胆に彩度を上げてみます。

それが下写真です。

色の飽和
鮮やかになって良いように見えますが、これの何が問題なのか・・・。

中央部を拡大して比べてみます。

修正前。
色の飽和
修正後(彩度上げ)。
色の飽和
比較。
色の飽和

比較してみると、花びらの細部(細かな模様など)が潰れてのっぺりとしています。CGとか筆で塗ったようになっています。

せっかく良いレンズを使って細かく描写してもこれでは台無しです。これは明らかな画質劣化です。

色の飽和は赤色や黄色などの暖色系で起こりやすいです。なので、暖色系の彩度をいじる時は特に注意が必要です。

 

他は知りませんが、Lightroomでは「彩度」と「自然な彩度」があります。
スクリーンショット 2015-05-13 15.21.05
両方とも彩度を調整するパラメーターですが、「彩度」は画像全体の彩度を一律に調整するのに対して、「自然な彩度」は赤色や黄色などの暖色系に弱く緑色や青色などの寒色系に強く掛かる傾向にあるパラメーターです。

つまり、「自然な彩度」を調節したほうが色の飽和を起こし難いということになります。

なので、通常は「自然な彩度」をメインに彩度の調整をし、暖色系を特に鮮やかにしたい時だけ「彩度」で少し調整するという方法が無難だと思います。

彩度の調整ってどんどんエスカレートして気付けばすごい上げているって場合も多いです。

まとめ

スポンサーリンク


知らないと知らないうちに失敗していることがあります。せっかく良い写真を撮影して、より良くしようとレタッチしているのに、もったいないです。

少し注意すれば防げることなので、気にした方が良いと思います。


  1. 通りすがり より:

    ぶっちゃけ素人目からしたらどうでもいい。
    裸眼視力2.0だけど、何をそんなに気にするの?ってレベル。

  2. 通り より:

    印刷会社にもよるところかとも思いますので
    悩まされますね

  3. とったんさん より:

    色飽和で検索して、このHPにたどり着きました。
    原色でべったりになり、グラデーションが損なわれる現象ですが、レタッチしなくてもバラなどの赤が発生しやすいように思います。わかりやすいご説明感謝しています。

    • ワイズカメラ より:

      とったんさん

      お役て立てて良かったです!
      これからもよろしくお願いします。

とったんさん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

関連記事

【2019年】天の川のレタッチ方法!Nikcollectionで簡単にレタッチ。

天の川のレタッチ方法について書いてみたいと思います。 とは言っても、天の川のレタッチ方法はころころ変わるので、今の所はこんな感じでやっていると言う話です。 去年くらいからこの方法でレタッチしています。 …

天の川の現像方法①!色を補正して天の川を強調する!光害の色被り除去!

今年から始めた星景写真。 約4か月前から新月期に天の川をしばしば撮り歩き、すっかり北海道の星空に魅了されてしまいました。 生々しい夜空。 「思わず声が出る」ってよく言いますけど本当に声が出ました。 お …

加算平均合成で綺麗に仕上げるには!?ISO感度の高さと合成枚数についての話。

星景写真を撮影する際に、加算平均合成を使ってノイズを除去する手法を用いる方も多いかと思います。 そこで度々議論になるのが、高感度で合成枚数を多くする方が良いのか、合成枚数が少なくても低感度で撮影した方 …

無料ソフト、PicasaとGimpで簡単ゴミ取り。どちらがいいか比べてみました。

読了時間5分 センサーのゴミ 一眼レフカメラで避けられのが、センサーのゴミ。気付けば写真に黒い点が付いていたなんてことは多々あります。 Loghtroomを使えば、画像処理でゴミの黒い点を簡単綺麗に取 …

Photoshopでダーク減算(ダークノイズ減算処理)っぽい処理をする!長時間ノイズ(長秒・輝度ノイズ)を消して綺麗な星景!

皆さん、星景などで長秒撮影をしていると赤とか緑とかのカラフルな点々が出てこないですか!? これは長秒(長時間)ノイズとか輝点ノイズと言われるものです。 夏の天の川が立ちのぼってくるこれからの季節、苦労 …

About_me_web_site_name

このブログを運用しているWiseCameraです。北海道の田舎在住、写真と山が好き。まだまだ経験や知識を浅いですがコツコツをカメラ勉強中ですので、よろしくお願いします:)
サブブログ(カメラク)も運営しております。

このサイトについて

一眼レフカメラ・写真初心者のカメラブログ[ワイズカメラ]はamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。