撮影テクニック 星空撮影

【2019年】星景写真を撮るための設定や方法についての個人的まとめ!

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今年もようやく天の川が上がって来るようになり星景シーズンが始まりました。

星景は通常の風景とは違い撮影が難しいです。しかし、その分あれこれ工夫をすれば目に見えて良くなってきます。それが楽しい部分でもある。

それで今年はどんな風に星景写真を撮るのか、あるいは今後改善して行きたい課題は何か。個人的なメモ書きとしてまとめて置きたいと思います。

機材について

機材はZ6シグマ14㎜f1.8を使用します。Z6は高感度に強く、また色乗りも良い。これを期待してZ6にしたので思ったような画で満足しています。

Nikon ミラーレス一眼 ニコン Z6 24-70+FTZマウントアダプターキット Z6LK24-70FTZKIT

またシグマ14㎜f1.8は開放でも良いですが、一段絞ると周辺減光や収差もグッと良くなり、ニコン大三元を越えていると個人的には思っています。歪みも少ないです。

SIGMA 単焦点超広角レンズ Art 14mm F1.8 DG HSM ニコン用 フルサイズ対応

一方で、サムヤンのXP14㎜f2.4も気になっています。

同じF値での比較ならXP14㎜f2.4の方が収差は少ないようですが、周辺減光や歪みについては、どうなんだろうかと疑問です。

SAMYANG 単焦点広角レンズ XP 14mm F2.4 マニュアルフォーカス ニコンF AE用 電磁絞り対応 フルサイズ対応

そのうちXP14㎜f2.4を購入して比較してみたいと思います。

また、今年はZ24㎜f1.8Sが発売されます(当初ロードマップでは20㎜の予定でしたが変更されました)。これも収差が少なく星の撮影に適しているのなら購入しても良いなと思ったり。14㎜ばかりだと飽きますからね。

地上景の撮影について

星景写真は地上景と星空は別撮りして合成します。

では、まず地上景の撮影について。

加算平均合成でノイズ除去

高感度ノイズの除去に劇的な効果を発揮する加算平均合成

高感度ノイズは別名ランダムノイズとも言われ、画像一枚一枚で発生する場所が異なります。この特性を逆手にノイズを低減するのが加算平均合成という手法です。
参考:加算平均でノイズを除去して綺麗な星景写真!加算平均の方法と有効な使い方とは!?

多少手間はかかりますがその分ザラザラが消えて非常に滑らかになります。これを使わない手はありません。ちなみに、処理にはPsなどのソフトが必要です。Psは取っ付きにくいですが使ってみると便利な機能ばかりですね。

そして、どんな設定で撮影して何枚を加算平均合成するのかという点が問題です。

低感度長秒を基本とする

例えば8分の露光時間でも、ISO6400・SS20秒の画像を24枚加算平均するのか、ISO800・SS160秒の画像を3枚加算平均するのかという様々なバリエーションがあります。

これは実際にD750で試したことがあるのですが、どっちのパターンもノイズの除去具合は同じ感じでした。どういう理論かはわかりませんが。

ただし、コントラストや色味は低感度で枚数が少ない方が断然良かったです。その画像がこれ。

感度を高くするとノイズ以外にも劣化が起こり、それは加算平均合成ではどうにもならないようです。

なので低感度長秒を基本とします。具体的にはF2.8、ISO800~1000、SS180秒です(長秒過ぎは逆に劣化します)。

また、加算平均合成は枚数が増えれば増えるほど対費用効果が落ちます。つまり、例えば2枚と3枚の合成ではノイズ量が大きく違いますが、20枚と21枚の合成では殆ど変化がわかりません。

これを考慮した場合、3枚くらいがコスパが良いかと。枚数を多くすると撮影時間が長大化するので。

ということで、地上景はF2.8、ISO800〜1000、SS180秒で撮影したものを3枚加算平均合成します。

深度合成する

星にピントを合わせるとどうしても近景が緩くなってしまいます。これもどうにかしたいのでピント位置を変えて撮影し深度合成です。

ただし、これも細かくやればやるほど撮影枚数が多くなり時間がかかります。待つのもしんどい。

なので、多くても遠景(星にピント)、中景、近景の3段階か、遠景と近景の2段階にしたいと思います。できれば2段階で済むように構図を選びたいです。

課題

課題は長秒ノイズ。シャッター速度を長くした時に現れるカラフルな点々です。これはカメラ側で低減処理するば良いのですが時間がかかります。
参考:高感度ノイズ、長時間ノイズの原因と対策!ザラザラやカラフルな点々はノイズ!

ありがたいことにZ6はD750と比べても非常に長秒ノイズが少ないです。ただ、真夏の暑い時にどんな感じになるかはまだ未知数。

なので、様子を見て処理して行きたいと思います。
参考:Photoshopでダーク減算(ダークノイズ減算処理)っぽい処理をする!長時間ノイズ(長秒・輝度ノイズ)を消して綺麗な星景!

星空の撮影について

次は星空の撮影について。

加算平均合成でノイズ除去

星空はF2.8、ISO6400、SS15秒で撮影し、15枚くらいを加算平均合成します。

ただし、星は日周運動しているのでそのまま加算平均合成すると星が軌跡になってしまいます。なので、星の位置合わせが必要です。ただ手動では難しいので、「starry landscape stacker」と言うソフトを使います。有料ソフトですが自動で星の位置合わせをしてくれる便利なソフトです。

これを行えばノイズレスで非常に綺麗な星空を撮影できます。かなりおすすめ。他にも似たようなソフトがあるので色々試してみたいですね。

画面四隅でピントを合わせる

広角レンズでF値開放付近を使うと像面湾曲が目立つ傾向があります。

像面湾曲とはピント面が湾曲してしまう収差です。

本来ならばセンサー面に対して平面にピント面がくるのが理想ですが、多くの場合は湾曲しています。なので、画面の中央部でピントを合わせると周辺部のピントが外れ、周辺部でピントを合わせると中央部のピントが外れたりします。

シグマ14㎜f1.8は像面湾曲が大きい気がするのですが、この場合は画面四隅付近の星でピントを合わせると全体的に星像が良くなることを発見しました(他のレンズは知りませんが)。

なので、ピントは画面四隅で合わせるのを心掛けたいと思います。

課題

課題は現像ですね。

私は星景の現像が上手くないのでもっと上達させなければ。ただ、星景は一枚一枚データが異なるので、これという方法がなかなか確立できないです。

とりあえずはあまりガビガビにならないように気をつけたいと思います。

 

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まとめ

以上、今年の星景写真を撮る設定や方法についてでした!

今シーズンはどんな星空に出会えるのか楽しみです!


  1. Labatt より:

    星景を始めた当初は天の川が撮りたくて現象でゴリゴリコントラストを上げてましたが・・・ある程度撮りなれてくると天の川そのものにはさして価値は見いだせなくなり、結局は自然な夜空の暗さ・ホワイトバランスにこだわりを見出しています。

    ただいくら自然と言っても真っ暗の星空では写真にならないし、シャドウを際立たせようとすればその分、どこか不自然になるしなかなか難しいですね。

    • ワイズカメラ より:

      Labattさん

      本当に最終的に落ち着く先はそこです。

      シャドーの明るさもどこで折り合いを見つけてバランスを取るかは本当に難しいです!
      その点、冬は雪が明るいから撮りやすいんですよね:)

      現像はいつも迷ってばかりです・・・

  2. 導き より:

    すみません!
    リクエストです。天の川レタッチ2019版お願いします!

    • ワイズカメラ より:

      導きさん

      リクエストありがとうございます!

      天の川のレタッチは1枚1枚やることが全然違うので、記事にしにくい部分がありますが、可能な限りやってみたいと思います!

  3. ドラえもん より:

    いつも貴重な内容で勉強させてもらってます〜

    だいぶ前にもコメントさせてもらった物のですが、自分は富良野在住です。ワイズカメラさんもたまに撮りに行く、木が一本立ってるポイントでたまーに星景をとりにいくのですが、どうも地上景がパキッと来ません…。ノイズも多々あるのですが、ピント自体合ってないような気がします。ですが、あまりにも周りが真っ暗すぎて木にピントを合わせようにも全くわからず…ライトで光を当てようにも木が遠くて自分のライトでは届かず…。そのようなときはどう対応したら良いでしょうか?なにか良い手法や方法があれな教えていただきたいです!

    • ワイズカメラ より:

      ドラえもん

      お久しぶりです!コメントありがとうございます!

      あの木の距離感が一番難しいですよね・・・。
      一番確実なのは明るい時にピントを合わせて置くとかですが、手間がかかります・・・。

      周りに迷惑にならなければ車のライトで木を照らすか、
      それが無理なら木と同じような距離(例えば100m)なら、100m離れた場所の街灯か、それか車から100m離れ車のライトにピントを合わせて、それから撮影するなどですかね・・・。

      • ドラえもん より:

        お返事ありがとうございます!

        やはり難しいのか〜ちなみに、車のライトで照らしてみるは試しました(笑)ですが道路の傾斜などでうまくライトが当たらないというのが現実でした…

        車を離してそこにピントを合わすというのは良さそうですね!またこんどやってみます^_^

        ちなみに、以前にタウシュベツ橋梁を入れた星景を撮られてましたが、あの距離感でもなかなかタウシュベツ橋梁にピントを合わすのは難しいのでは!?とおもったのですが、ハンドライト等でカバーできる距離だったのでしょうか?

        • ワイズカメラ より:

          ドラえもんさん

          やはり車のライトはダメでしたか・・・。

          タウシュベツ橋梁は橋の近くにライトを置き、それにピントを合わす。後はライトを回収して撮影ということをしています。
          近づけるものには有効なのでオススメですよ:)

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